タマムシ大附属学校
ポケモンのオリトレ小説、学園パラレル企画掲示板。
要するに、オリトレ達のドタバタ学園コメディ(待て)。
物語がどう突き進むかは全く不明ですが、何はともあれ楽しみましょう。
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[687] シリーズ第1弾「本日の売上」(FR版) |
- HIRO´´ - 2009年02月27日 (金) 00時00分
※このお話は、以前書いた作品のリメイク版です。 だから、内容はあまり変わってないと思われます。
ネス「じゃあ、書く必要ないじゃないか」
ノリだよ(オイ)
0
「え!?今日休むの!?ちょっと待ってよ!私一人になっちゃうじゃない!」
ここは、タマムシ学園。 初等部の6年生の教室の近くにある購買部。 店の名を『FRIENDLY SHOP』という。 そこから一人の女性の声がする。慌ててしゃべっているあたり何かあったらしい。
「私一人じゃさすがに無理よ!今日はいつもの売上げの10倍にするって言ったじゃない!……って、切られちゃったわね……」
彼女は25歳にしてやり手のショップの店長だ。 だが、今日は皆、用事やら病気やらで、出てこられないらしい。
「仕方がないわね……こうなったら、あの作戦で行くしかないわね!」
彼女の名は所 流香(トコロ ルカ)。通称ルーカス。何やら朝からトンデモナイ事を考えている様だ。 FRIENDLY SHOPの大セールスが、今始まる……。
本日の売上
1
“まちなさ〜い!!”
朝、廊下を駆け抜けるものたちがいる。 追いかけているのは、女子数名。彼女たちが追いかけているのは、高等部の男子2人だ。 その男子2人とは、不良ぽい風格をしている男と、学ランにサングラスをかけている怪しい男だ。
「って、なんで俺まで逃げてんだ?!俺はやってないぞ!!」
「その場にいたんだからてめぇも同罪だ!」
「ふざけるな!俺は止まるぞ!」
と、グラサンの男は立ち止まろうとした。だが、一人の女子が投げるテニスラケットが男にかすめる。
「……やっぱ無理!」
「だろ?だからお前も逃げるしかないんだよ!」
そして、2人は偶然購買部の前を通りかかった。今は準備中だが、そこに最初に出てきた女店長のルーカスがいた。
「あら、トキオじゃない!?何してんの?」
「いや、見てのとおりだろうがッ!!」
もう一方の男、ラグナが怒鳴り散らして、FRIENDLY SHOPを素通りしていく。
「……追われているわね」
「ルーカス姉さん!実はですね……」
トキオが慌てて事情を説明する
「なるほど。つまり、ラグナくんがテニス部の更衣室を覗き見しているところをトキオが注意しようと思ったら、その前に彼女たちに気づかれてトキオもやったと思われているわけね」
「そうなんです!」
てか、よく説明する時間があるなぁ(ぁ)
「だから、ルーカスさんから事情を説明し……」
「それじゃ♪これを使って逃げなさい!『まきびし地獄セット』〜♪」
「へ?」
ルーカスはどこぞの機械ネコ風に商品を取り出した。
「これを地面に投げつけるだけで、相手を追尾不能にするのよ♪お値段は〜」
と言って、ルーカスは計算機をトキオに見せつける。
「剥b「よ!!」
「捕まるのとどちらがいいかしら?」
「買うぜ!」
そう言って購入したのは、Uターンして戻ってきたラグナだった。
「逃げるぞ!トキオ!」
「元はと言えば、お前のせいだろ!!」
「まいどうありぃ!」
すると、二人は去って行った。 そして、購買部の前をすぐに女子たちが駈けぬける。 そこへラグナはまきびしをばらまいた。
だが、それは無意味だった様だ。
彼女たちはそのまきびしの区間を一気に飛び越して、ラグナたちを抑えつけた。 そこから彼女たちは2人をタコ殴りにしていった。
“これで懲りたかしら!?”
“今度したら許さないわよ!!”
“トキオ先輩も覗きの趣味があったとはね!信じられないわ!!”
「キュゥ……誤解だ……」
朝からの追走劇はこうして幕を閉じた。 ペラッペラの紙のようになったトキオとラグナは、保健室にそのまま搬送されたと言う。
「何かありました?」
顔をのぞかせたのは3人の少女たちだ。 3人ともそれぞれ誰もが振り向きそうな美女たちばかりだ。 つまり、ルーカスの作戦は美女をアルバイトにたてることで客足を伸ばそうと言う作戦だ。
上手く行くがどうかは微妙だけど。
「何もないわよ。それよりも早速売上が出たのよ♪」
そういって、ルーカスは喜ぶ。
「あの……ルーカスさん。そろそろわたしたち授業があるので……」
「だめよ!今日は1日付き合ってもらうわよ!そうしないとバイト代は払わないわ!」
3人は困った。
「困りましたわね……。このままじゃ、授業に出られませんよう」
一人のおっとりした少女が真剣な顔で言う。
「寝られません……」
「私は新型惚れ薬の実験の続きが出来ない!」
「ブログの更新ができないわね」
そんなことで困ってたんかいッ!!授業中にそんなことすなッ!!
「いいじゃない!今日1日だけなんだし。寝るのだって、実験だって、ホームページの更新だっていつでも出来るんだし」
3人ともそう考えて、そうね。と頷いた。 単純な奴らだった(ぁ)
2
授業と授業の合間の短い休み時間。
「迂闊だったな……」
「あれはムキルくんのせいじゃないよ!シャーウくんが悪いのよ!だから、弁償しなさいよね!」
「あれは俺のせいじゃないし!!あのときあそこにいたシクーが悪いんだ!!」
「どっちにしても面白かったアルよ!」
「いや、どこがだよ!」と3人の少年が中華風味口調の女の子に突っ込む。
とある4人組が購買部の前に来た。
一人はムキル。サッカー部に所属しているごく普通の男の子だ。 もう一人の男はシャーウ。WW学園からアイスを追いかけてやってきた、ちょっと憐れな少年である。
そのシャーウを責めているのは、恵八姉弟の末娘、カエデだ。 彼女はムキルとシャーウの二人の問題のはずなのになぜかついてきていた。 恵八姉弟と言えば、主に長男モトキがバンド『月の恵』のギターをしたり、端末のホタネが新聞部にいるが役に立たず、周りに悪戯したりでタマムシ学園でも有名な姉弟である。 いや、ヒスイ女子学園にもハナやイチゴがいる為に知られているが。(イチゴは今タマ大にいるけど)
そして、楽しそうに話に加わっている中華系もどきの女の子はエアーと言う。 2人の騒動が面白くてついてきたんだとか。
……とりあえず、話を元に戻そうか。 ムキルがバイトの一人に話しかける。
「すみません〜サッカーボールください!」
「あと、インラインスケートあるか!?」
「その前に、インラインスケートなんて売っているアルか?」
「ちょっと待ってくださいね……」
そういって、おっとりしたバイトの女の子は店長を呼びに行った。
「なあ、ムキル!」
「ん?」
「オトハ先輩……いつ見ても美人だよな!」
「うん……そうだな」
ムキルは曖昧に相槌を打つ。 しかし、その瞬間ムキルは殺気がした。 辺りを見まわしたが、周りは客ばかりで誰が殺気を出していいるかはわからなかった。
「あれ?奥に居るのって、ユウナ先輩とアクア先輩?何で今日はバイトをしているんだ……?」
「ハイ!お待ち!」
出ていたのは、店長ことルーカスだ。
「それにしても、サッカーボールとインラインスケートなんて妙な組み合わせね。何かあったの?」
「実は……」
カエデが簡単に説明した。
「なるほど。ムキルくんのボールを勝手に使って、シャーウくんはボールをシクーくんにぶつけて、インラインスケートとボールを壊しちゃったってわけか」
「それにしても、インラインスケートを壊すほどのボールってどんな威力のボールアルか?」
ボールを蹴ったシャーウは何者ですか?(ェ)
「ちなみに、このサッカーボールは中に鉛が入っているから気をつけてね!」
「!!」
ルーカスはしゃべりながらムキルにボールを渡したせいで、ボールを地面に落とした。 落とした先に自分の足があったが瞬発的にかわしたので怪我はなかった。 ボールはコンクリートの地面にめり込んだ。
「普通のボールにして下さい(汗)」
「そう……それじゃ、鉛入りボールとあわせて……」
「いや、普通のボールだけにして下さい(汗)」
「じゃあ、この鉛入りボールはシャーウくんのという事で」
「俺はいらないし!」
「じゃあ、サッカーボールのかわりにこのコロンを買うってことで」
「舶ハの商品になってるぞ!?」
慌てて、シャーウが突っ込む。
「あ!そのコロン、最近発売された物でしょ!?ムキルくん買ってくれない!?」
カエデが目をキラキラさせてムキルを見る。
「なんで俺が?」
「次のバレンタインデーにチョコあげる予定なんだから、買ってくれたっていいじゃない!」
「(それとこれでは話が違うだろ……)」
ムキルは心の中で突っ込んだ。
「そのチョコを上げた後に、ムキルくんは私と一緒にデートしてあ〜んなことやこ〜んなことを……ふふふ……」
「お〜い、カエデ?駄目アルね」
カエデは完全に自分の世界に陶酔していた。
「はぁ……あれ?あの子は……」
シャーウがこちらに向かってくる少女に目を向ける。 誰だかは一目でわかった。
「ちょっと!さっきから私のムキルと仲良くしちゃって!あんた一体なんなの?」
「!!」
他の3人も声の方向を向く。 そこにいたのは、初等部5年ラン。 周知のとおり、ムキルの恋人である。
「あなたがランちゃんね。ムキルくんから話は聞いているわ。私はムキル君のマネージャーのカエデよ!」
「(いや、サッカー部のマネージャーだろ)」
「(めんどくさいことになってきたな……)」
「(面白くなってきたアルネ!禁断の三択関係アルネ!)」
なんだか、変な方向に話しが向かってきました(ェ) 今回のこの話は購買部の店長ルーカスが主人公の話なので話を戻しましょう。(オイ) その購買部の方では一人の教師がルーカスに近づいていた。 その女性教師はいろんな意味で恐れられている先生だ。
「あら、カナ先生」
「ルカちゃん〜ほしい物があるんだけどいい?」
「何ですか?」
「このワンピースとこのスカートと……」
と、服売り場にある女物の服をカウンターへ置いた。って、服も売ってたのね。
「……?」
そして、ルーカスはある事に気づいた。
「全部子供用?何するの?しかも、ヒカリちゃんのサイズには合ってないんじゃない?」
「実はね〜今度『女装コンテスト』と言うのをやるんだけど、そのノミネートをする為の物なのよ☆」
「また、突拍子でもない事をするのね」
さすがのルーカスも苦笑した。
「今、いい候補探しているんだけどね……。例えば中2のコトキくんでしょ、中3のエレキくんでしょ、それから小6のアキラくん、それから……」
近くにいる少年に目をつけた。
「シャーウ君もいい素材しているわね〜♪」
その瞬間、シャーウは悪寒がしてブルッと震えたと言う(ぁ)
「わかったわ……。それよりも、値段はこうなるんだけどいいかしら?」
電卓をカナに突きつける。
「ルカちゃん〜あなたと私の仲じゃない〜♪」
「(カナ先生とルーカスさんってそんな関係なんだ)」
奥の方で情報をパソコンに打ち込む者が一人。ユウナである。
「もうちょっと安くしなさい!そうしないと、店が潰れるわよw」
「……。潰すの間違いじゃなくて?」
どうやら、カナは強引に値引きをしているらしい。
「(う〜ん……参ったわね。ここで値引きをしたら、今日のノルマを達成できなくなる……)」
ルーカスが悩んだ。 しかし、カナは別な物に興味を持ったようで、人ごみの方を見た。
「ところで、あっちの方、面白い事になっているわね」
カナは人ごみが出来ているところに首を突っ込んだ。
“わっ!カナ先生!”
「何をしているのかな〜?」
“実は〜かくかくしかじか……”
一人の生徒が、正確にカナに事情を伝える。
「なるほどね」
人ごみの中心では、ランとカエデが睨み合っている。 その揉め事の発端となっているムキルはランをなだめようとしているが、カエデが煽っていて聞く耳を持たなかった。 シャーウは呆れてすでに巻き込まれないように輪の外へ出て、エアーは楽しそうにずっと事の成り行きを見ていた。
「何をしているのかな?」
カナが5人に話しかける。もちろん全員がカナを見る。
「!! (わっ、カナ先生がこっちきた!?)」
「(タマムシのドンが出てきたアルネ!)」
シャーウはすっかり腰を引かせていて、エアーは楽しそうだ。
「(ややこしい事になりそうだ……)」
ムキルがそう思うのも無理はない。 最近ではアイドル部とダンス部を強制合併。 さらに最近話題になっているバンド『月の恵』も掌握したと言う噂だ。 この展開でカナが何もしないと言う事は、ジェードが野球をサボるくらい、またはナギサが誰の手も借りずに購買部に来るくらい、さらにはシブキが妹のシオリを口で言い包めるくらいありえないことだ。
「それなら……」
「これを使ってみてはどう!?」
「!!」
一同騒然。 ルーカスが後ろからカナを押しきって話に入ってきた。 「凄い事するな〜」と思いながらも、ムキルは一応聞いてみる。
「それはなんですか?」
「『嘘発見機』〜♪」
と、また機械ネコ風に商品を取り出す。
「へェ〜面白そうだな」
「私がやるアル!」
ルーカスからひったくってエアーは胸につける。
「って、つけ方が違うぞ!腕につければいいんだぞ!」
「そうアルか? ……じゃあ、シャーウたん! 何か質問してみるアルネ!」
「え?じゃあ、今日穿いているパンツの色は白!」
「はいアル!」
し〜ん。
てか、何質問してるのさ。シャーウ。
「狽サう簡単に質問なんて思いつくかよ!」
「ところで、これ、壊れてるのか?」
「壊れてるはずないわよ!それは新品なのよ!」
ルーカスが怒って言う。
「どれどれ……」
シャーウがエアーから機械を受け取っていじくってみた。
「どこも壊れてはないみたいだけど?」
「じゃあ、本当ってことか?」
「本当アル!ほら!」
エアーはなんの躊躇もなくスカートをめくった。
パシャッ!!
「!?」
そのとき、シャッター音が鳴り響いた。
「よっしゃ、パンチラ写真ゲット!!」
とか何とか、こんなところに、機密部のユウトが(汗)
「あ!ユウトたん!モデル料いただくアルよ!」
「やだね!」
と、エアーはユウトを追いかけていってしまった。
「とりあえず、この嘘発見機の代金を頂戴♪封を開けちゃったんだから、返品不能よ♪」
「(いや、開けたのはルーカスさんだろ)」
と心の中でムキルはつっこむ。 でも、ユウトを追いかけながらエアーが面白いから誰か買っといてというので結局ムキルが代金を立て替えた。
「ムキルくん。とりあえず、これをつけてみて!そして、カナ先生の質問に全て『いいえ』と答えるのよ!」
「勝手に入りこんできて何をやると思えばそう言う事ね……。まぁいいわw それじゃ、ムキルくん行くわよ♪」
「いいですよ……」
もう、どうにでもなれと、ムキルはあきれている。ランとカエデはムキルを見る。
「シクーくんとナツキちゃんは上手いくと思う」
「いいえ……って、関係ないじゃないですか!」
(ブビィー)
「うん、しっかりと音が鳴ったわね。最初は確認よ!じゃあ、本題行くわよ!ムキルくんはランちゃんよりカエデちゃんの方が好き」
「いいえ」
(ブーバー)
音がなった。
「って、音が違うし!」←シャーウ
「え?どういうこと!?」
「つまりムキルくんはランちゃんよりもカエデちゃんのほうが好きって事なのね」
「ム〜キ〜ル〜!そうなのね!?」
「ムキルく〜ん♪やっぱりそうなのね!?」
ランは怒り、カエデは喜んでいる。一方、ムキルは焦っていた。
「こ、これ……壊れてんじゃないのか?」
「そんな事ないわよ!さっきエアーちゃんの時は作動していたじゃない!」
ルーカスは怒って言う。
「それじゃ、もう一回。ムキルくんはカエデちゃんよりランちゃんのほうが好き」
「いいえ」
し〜ん……
今度は鳴らなかった。
「結論が出たわね。ムキルくんはランちゃんよりもカエデちゃんのほうが好きなのね」
「(中1のムキルは恵8姉弟の末娘、カエデが好きと……)」
と、奥でまたユウナがパソコンに情報を打ち込んでいた……。
「終わったなら、私は昼休みの準備を始めるから戻るわよ」
「……ムキル……」
「ムキルくん〜♪」
「だぁー!俺はランの方が大事なんだよ!」
(ブーバーンー)
「決定的ね」
「ムキル……」
そう言って、ランは飛び出した。彼女の目には涙が……。
「ランっ!」
ムキルは嘘発見機を放り投げてランを追いかけた。 カエデはすかさずキャッチした。
「う〜ん……カナ先生、私に質問してくれませんか?」
「……? いいわよ。じゃあ、カエデちゃんはムキルくんのことが好き」
「いいえ」
し〜ん。
ならないらしい。
「そういうことか」
「カエデちゃん……どうしたの?」
「なんでもないわ」
そう言ってのんきに去って行った。
「(都合いい展開になったわね♪)」
「どういう事?」
「こういうことですね」
ずっと事の成り行きを見ていたのは、今の今まで他の客を相手にしていた一人のバイトの女の子……アクアだ。
「この嘘発見機は壊れているわ」
「どう言う事!?」
ルーカスはアクアに聞く。
「新品同然の商品なのよ!そんなことあるはずないわよ!」
「確かにあれは新品だったわ。でも、途中で壊れたのよ。正確には壊したね」
彼女の話によると、機械はシャーウが弄って壊したのだと言う。
「この嘘発見器は、ムキル君じゃなくてシャーウ君が払うべきね」
「狽ィれかよ」
「あ、忘れる所だったわ!先ほど私が買うといった服!アイドル部の費用で落とす事にしたから!」
経費乱用(汗)
「それなら問題ないわね!よーし!昼の準備を始めるわよ!」
いや、ムキルとランのことはどうなったんだよ! そんなことも気にせず、ルーカスは準備を始める。 だが……
「zzz」
「カタカタカタ……」
「ここでカリウムを加えて……」
バイトの3人は各々のことに夢中だった。
「しっかり働きなさい!!」
3
「ああ!やられた!」
昼休みの中庭に3人の少年が仲良く集まっていた。 三人ともニンテンドーDSを持っていて、ゲームをしているようである。
「やっぱりポケモンダイヤモンドパールは面白いね」
「ああ。面白いけどさ……カイト、野球の特訓手伝ってくれよ!俺一人じゃ、守備練習ができないじゃないか!」
「でも……この中庭ではできないよね?」
初等部4年生のカイトのツッコミは的確だ。 中庭の様子は人口芝生が生えているし、オーキド校長の銅像も建っている。 さらには池も在り、野球をするのは不可能だ。キャッチボールぐらいならできそうだが。
以前、キャッチボールをして、ガラスの窓を破ったという生徒がいる。 その生徒の名は伊虫 弧中他 狐栗鼠町(イムシ=コチュータ=イーブイタウン)という生徒だった。 めんどくさいので以降、彼のことは“イムっち”と呼ぶことにする(ェ)
その話はこうだ。イムっちがさむーいギャグをかまして、ずっこけた相手が、投げる方向をそらしたという。 しかし、その真実は恵八姉弟のホタネがタイミングを合わせて割ったらしい。
「ルク先輩!バトルしようよ!」
さっきまで無線通信で学園の誰かとバトルしていたのはカイトとルクの2つ下のレンだ。
「俺は野球の練習がしたいんだって!」
「相手してあげようよ。たまには無線じゃなくて面と向かって対戦することも大事だよ!」
……大事かどうかはわからないけど、とにかくルクはしぶしぶDSを開いたのだった。
ポケットモンスターダイヤモンドパール。それにポケとモンスタープラチナ。 それはここ、タマムシ学園やヒスイ女子学園でも旋風を巻き起こしていた。 そして、DSは全校生徒の一部を除いて全員が持っていた。 もちろん、このDSを売りさばいたのは『FRIENDRY SHOP』の店長の所 流香(トコロ ルカ)ことルーカスである。
「(それにしても、相手のピカチュウ……強かったな……。いったいどこの誰なんだろう?)」
レンはそんなことを思いながらもルクと対戦を始めた。結果は僅差でレンが勝ったという。
4
タマムシ高等部の1年B組の教室。 ここはおもにヒヨコの少年やら凄腕の剣術を持つ少年やら何かと話題を振りまく教室だ。 と言うわけでのぞいてみよう。
「……イクム……」
「うぉ!びっくりした!……いきなりどうしたんだ、シグレ!?」
弁当をむしゃむしゃと食べている途中で後ろから突然話しかけられたのはキングオブバカ……いや、キングオブシンプルのイクム。 そして彼に話しかけるのは、彼のお目付け役になっている気がするクラスの中でもトップクラスに入る美少女のシグレ。 ちなみにシンプルというのは“簡単”と訳さずに“単純”と訳して欲しい。
つまり、King of Sempleと書いて、“単純王”と読む。 すなわち、“単純バカ”。……って、同じか。
「誰が単純バカだ!コラ!誰が、King of sempleだ!」
「イクム……誰に言っているんですか?それに“シンプル”のスペルは“Simple”ですよ?」
あきれたように言うシグレ。 こんなことだから、みんなからバカという称号を付けられるのだ。
「人のこといえないだろ!お前も間違えてるだろ!」
私はただ引っ掛けただけだよ(蹴)
「そんなことより、今日もやりますよ」
「え!?今日もやるのかよ!?」
「当たり前です!さぁ!立ちなさい!」
そう言って、教室の外へと促す。 シグレとイクムは廊下へ出て行った。
「ん?あれ何やるんだろう?」
「なんだろうね……?」
窓際の席でシグレとイクムの様子を見ていたものがいた。 黄色いマフラーでガムをくちゃくちゃと噛みながら、隣で弁当を食べている少年に尋ねているのは俊足で陸上部のライジ。 一方、そのライジの言葉に肩をすぼめながら受け流すのは最近、控え投手に選ばれて浮かれているネフライトという少年だ。 しかも、ブラック団から手招きを受けていることで有名である。
「Σ浮かれてなんていないし、しかも、ブラック団なんて聞いてないよっ!!」
「どうしたの?ネフライト?」
「なんでもないよ……ライジ君(汗) それと、シグレさんとイクム君の事はあまり知らないからね……。エイくんやニイナちゃんに聞けばいいと思うよ?」
「……ニイナちゃんは今いないみたい。エイくんは……あれ?どこいったんだろう?さっきまでいたのに……?」
「エイ君なら秘密の特訓をするって言って、どこかに行っちゃったよ」
「あ、ミミちゃん」
ふと、2人が後ろを見ると、豊満な胸をしたおっとりとした少女がいた。 彼女の名前はミミ。エイと付き合っているとか付き合っていないとか……多分付き合っていると思われる人物だ。 そして、野球部のマネージャーの一人でもある。
もちろんその点において、ネフライトは彼女と面識があった。 それよりも、ネフライトと書くと、同学年にいる正義感の強い、ライトと間違えそうになるので、ネフくんと書いていいですか?
「分かればどっちでもいいよ……」
それじゃ、ネッフー……いや、ネッシーと書こう♪
「Σ僕は珍しい恐竜じゃないって!」
「それじゃ、あの二人は何しに行ったの?」
「たぶん修行しに行ったんじゃないかな?」
「まさか、剣術の?」
「きっとポケモンバトルよ!」
もちろんここでいうポケモンバトルとはDSの対戦のことを示しています。
「ということは……あの二人、いつか開かれるという、伝説のマルチトーナメントに出場するというの!?」
「それはわからないけど……」
「そんな大会、いつ開かれるの!?」
伝説のマルチトーナメントは所詮伝承での出来事にすぎないのである。
「買^マムシの7不思議のひとつなの!?」
ちょうどそのとき、シグレの大きな声が響いた。
「『サンダースコール』!!」
「何、今の?」
「きっと、シグレさんの『サンダースコール』が発動したんだね。あの技は強いわ。私のナエトルが一撃で負けちゃったんだもの。それにさっきね、無線で対戦していて、ピカチュウで相手を全滅させちゃったんだよ!」
「……さすがピカチュウマスター……。 Σって、そんな技無いでしょ!」
いや、カードならあります(ぁ)
「でも、ピカチュウなら僕も負けないよ!」
ライジがDSをかざして言う。ライジもピカチュウを使うことにかけては右に出るものはいないといわれている。 なぜなら彼も元はピカチュウだし(ぁ)
「『ソルド・ザケルガ』!!」
と、またシグレの声が廊下から響く。
「これは?」
「たぶん……シグレさんが剣を抜いたんだと……」
「剣って……結局剣術の修行なの?」
そして、最後にはシグレの大きな声が響いた。
「『ジガディラス・ウル・ザケルガ』!!!!」
「これは?」
それと同時にイクムの断末魔が響き渡った。 教室からかろうじて見えるのは、凄まじい電撃の影だけだった。
「……なんだろう?」
ミミも首をかしげるのだった。
5
時は昼休み。 いよいよ、運命のときはやってきた。
チャイムが鳴り、一斉に『伝説の焼き蕎麦パン』を狙いに大勢の生徒が購買部へとやってくる。
『伝説の焼き蕎麦パン』とは、FRIENDLY SHOPのなかで最高に美味いと言われているパンで、食べた物はその日トランス状態を保つことができると言われている。(謎) よーするに、レア度Sクラスのアイテムなのである。
そんな中、購買部に最も近い6年生の教室からやってくるものが一名。 いや、二名。 その名はツッコミにいつも“Σ”をつけるシグマ君と天然ちぢれ髪のラーメン君だ。
「Σ何だよその説明!」
「誰だかわかんないって!!」
いや、わかるでしょう。
「「わからないって!!」」
さすがツッコミ職人の2人だけあってツッコミの息もぴったりだ。 そんなこんなで彼ら二人はやはり陸上部だけあって足が速く、あっという間に購買部についた。
「よし!今日も一番!」
「一番ではないみたいだよ」
まぁ、わからない人のために、一応2人のことを紹介することにしてやろう。
「何でそんなに偉そうに話すの?」
彼らは陸上部、初等部の長距離のエースのネスカ、短距離のエースのコウだ。
「最初から言えばいいのに……」
「そういえば、ネス。何で今日は焼きそばパンを買う気になったの?」
「う〜ん、気分の問題かな?たまには走って手にいるれるのもいいかと思って」
要するにネスの気まぐれだった。
「ほっといてよ!」
そんな二人は購買部の前に来たのだが、どうやら先客が二名ほどいた。 その二人はカウンターにいるバイトの女の子と喋っているようだ。
「う〜ん、喋っているというよりも……」
「あの二人の先輩がケンカして、店員さんが困っている感じだね」
とりあえず、二人は様子を見ることにした。
「あなたは美しい……僕はただ漆黒にこげた体をその流れに横たえる流木……雷という名のあなたの美貌に撃たれ激流へと崩れ落ちる流木……あなたという美貌に僕はただ雷に打たれた流木……。あなたの前で立つにはその雷に耐えないといけないのだ……」
「あれ?確かあの人って……」
「うん。思い出した。この前、ナツキ先輩に告白した、ナルシスト先輩だ!」
ナルシスト先輩は<http://bbs4.sekkaku.net/bbs/?id=Tamamushi&mode=res&log=56>を参照! そして、シクー君に奪われてしまったショックで今度はバイトの子に告白しているという。
なんて軽い奴(汗)
その一方で長身で金髪の男がバイトの子に話しかけている。
「♪ちょっと邪魔しないでくれぃ〜〜とっころで〜今日の『月の恵』の件なんだけど〜」
「あの『話をどうでもいい歌に変えてしまう話し方』と『月の恵』……といったら」
「モトキ先輩だね」
「じゃあ、やっぱりあのバイトの先輩は……」
「『月の恵』とアイドル部を兼任しているオトハ先輩だね!あれ?何でヒスイ女子学園の生徒が何でここにいるの?」
ネスの言い分はもっともだ。 彼女はどうやら、授業をサボってバイトをしているらしい。 その前に、ナルシスト男もモトキもサボっているようで。
「違うよ〜?単なるこ〜ぎやじゅぎょ〜がなかったからここにいるんだよ〜?」
あ、そうだったの(汗)
「そういえば、モトキ先輩とオトハ先輩って付き合っているって噂があるけど、ほんとかな?」
「それは知らない……」
二人がのんびりとナルシスト男とオトハとモトキのやり取りを見ていると、二人の間をとおり、さらにカウンターにいたモトキとナルシスト男を吹っ飛ばした。 その速さ神速のごとく。
「Σはやっ!」
その速さはコウの走る速度を遥かにうわまっていた。
「焼き蕎麦パンちょうだいッ!!」
「あの人は!テニス部のユウ先輩!」
「たしか、女で唯一神速の称号を持つ者……」
そんな称号があるかは定かではない(ぁ) ともかくユウはオトハに焼き蕎麦パンを注文してた。
「Σって!早くしないと後続が来るよ、ネス!」
「そうだね!!すみません!焼き蕎麦パンを下さい!」
「はい、どうぞ!」
オトハはスマイルでユウ、ネス、コウに焼き蕎麦パンを渡していった。 そして、3人は去っていった。
「いたた〜……なんだったんだ?」
「野蛮な……」
2人とも頭を抱えながら立ち上がった。 しかし……コウたちが言っていた後続がやってきた。
「どけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけどけ!!!!!!!」
「「ん?なんだ?」」
そう思った瞬間に2人の女子生徒に踏み潰された。 その二人は手を伸ばして、焼き蕎麦パンが入っているビニールを掴む。 だが、手をつけたパンは同じ。 二人ともビニールを引っ張ろうとする。
「先輩!放しなさい!」
「やだね!」
「このパンは私が先に手をつけたのよ!!」
「いいや!オレだ!」
「ここは若い私に譲りなさい!!」
「あん?若さとか関係ねー!このパンはオレの物だ!!」
いつもの二強、『自分の物は自分の物、他人の物も自分の物の思考主義の高等部1年ニイナ』と『目の前の障壁はすべてすりつぶし、捻り曲げ、押しのける体力バカ、3年のメグミ姉弟の次女クルミ』が焼き蕎麦パンを取り合ってケンカを始めた。 こうなったら誰も入りこめない。
「だれがバカだって!?」
「それは先輩のことよ!」
「何だと?」
2人の体からは赤いオーラがチリチリと湧き出してまわりの人間を吹き飛ばす。 まるで天界力を解放した天界人のような……もしくは、卍解を繰出した死神のようだ。
さらにこの戦いを分かりやすく説明すると、サイヤ人が全力でお菓子のグミを争奪する某CMのような戦いだった。 まったく、焼き蕎麦パンの争奪でなんて事をするんだこの二人は。(ぁ)
みんなこの成行きを見て困っているのだが、実は1番困っていたのはバイトのオトハだった。
「(どうしよう……このままじゃ……ルーカスさんに何を言われるか分かりません……)」
―――「本日の売上目標を達成できなければ、給料抜きの上にお仕置きよ♪」―――
オトハは朝の言葉を思い出していた。 金に目が無いルーカスのことだ。 きっとお仕置きはとっても過激なものだろう……。
しかし、救世主は突如として現れる。一人の大男が前に足を踏み出した。 その男は身長が2mくらいはあっただろうか。 赤いオーラを撒き散らして、睨みあう二人の世界に入り込み、2人の首の襟を掴むと軽く持ち上げた。 はっと我に帰る二人。
「っ!何するんだ!」
「放しなさい!」
男はじっと二人の顔を見る。
「ケンカするのはいいけど、まわりの迷惑を考えてくださいね」
男の後ろからひょっこりと顔を見せるのは美しく聡明な女子生徒だ。
「バックスさんお願い」
「ああ」
「って!放しなさいって!」
「リュウコ!どういうつもりだ!オイ!バックス!放せ!!」
大男、バックスはそのまま二人を連れて行った。
「焼き蕎麦パン3人分お願いします」
2人をバックスが連れ去った後、リュウコが3人分の焼き蕎麦パンを注文する。
「え……?でも、一人一つという決まりになっているんですけれども……」
「バックスさんと私とケンカしていた二人の分よ。一つは二人が持って行ったし……だから3つ。大丈夫。お金は4つ分とも私が払うから」
すると、リュウコは去っていった。 リュウコが鮮やかにケンカを沈めると、すごい人数の生徒がカウンターへ押し寄せた。 こうして、焼き蕎麦パン争奪戦は始まるのだ。
「ああ……私、一人じゃさばききれませんよぅ〜! ユウナさん〜助けてください〜(泣)」
あまりの客の多さにユウナに手助けを頼もうとする。
「待ってて。今、いいところなの!もう少しで雷桐先生とある生徒の関係を突き止められそうなの!それまでがんばって!……それにしても、さっきのバックスとリュウコの関係も気になるわね」
ユウナは情報を集めるのに夢中でオトハを手伝おうとはしなかった。
「え〜もう……駄目……」
オトハの叫びは虚しく響いたのだった。
6
「はい!これが俺のマジックでした!」
タマムシ大付属の中等部の校庭。 校舎の近くではマジックショーが行われていた。 そのマジックをしていた人物は『となりのコトロ?』の称号を持ち、最近ヒヨコ菌によってツッコミ属性に転化されつつあるコトキだ。 全校生徒の8分の3ほどが校庭に集まっていた。
「何でそんなに微妙な人数なんだよ?」
別に意味は無い。そして、それはコトキにツッコミをさせるためだ!
「じゃ、やめろ!」
そんなわけで、現在ちょうどコトキがムキルとランを無事に地上に着地させるというイリュージョンが終わったところだった。
その背景は、実は2の続きで、ランが屋上から誤って飛び降りてしまい、ムキルが助けようとするが、哀れ落ちてしまうと言うアットさんの感想展開の直後である。
「よし!それでは次は僕がやろうではないか!美しいマジックをご堪能あれ!」
そういって、トランプを片手にタキシード姿で登場する少年がいた。 どうやら、コトキとこの少年は手品部のようで時々昼休みに校庭でマジックを披露していたようだ。 しかし、タキシードの少年が前に出ると集まったみんなはブーイングをする。
「アース……いい加減トランプ以外のマジックを覚えないか?」
コトキはあきれていた。 それもそのはず。 アースはずっとトランプマジックしかやっていなかったのだ。 コトキのイリュージョン級のマジックに比べたら、アースのマジックは子供騙しだった。
「そこまで言われては仕方が無い。僕の最高に美しいマジックを見せてあげよう!」
アースは頭に被っていたシルクハットを観客に見せた。
「ここにあるのはどこにでもあるシルクハット。ひっくり返しても何も出ません」
そういって、アースはシルクハットをひっくり返す。 アースの言うとおり、振るが何も出てこない。
「でも、僕が呪文を唱えると、この中からいろんなものを取り出すことが出来ます」
観客がどよめく。
「(本当に出来るのか?)」
コトキは半信半疑だ。
「さぁ、誰かこっちに来て出して欲しいものを言ってくれ!」
当然そうなると観客は様々なものを言う。 中には『誰にも負けない真の強さ』とか、『バナナ』とか、『天解の秘伝書』とか、『アイドル部に所属する彼女』とか様々な言葉が飛び交っていたという。 もちろん、困ったことに一斉に言われると聞こえるものも聞くことはできない。
「誰か、選んだほうがいいんじゃないか?」
「そのほうがいいですね」
コトキの意見を聞いて、そう実行するアース。 でも、その心配は無かった。一人の女の子がすでにアースの隣にいたのだ!
「いつの間に!?」
「あれ?おかしいわね……? 購買部に行くはずだったのに、何で外にいるんだろう?」
「(購買部って……まるっきり中じゃないか!外に出る必要なんてあったのか!?)」
コトキはそう突っ込もうとするが、一応心の中で念じただけで言葉には出さなかった。
「ナギサちゃん?何やっているの?」
緑色のポニーテールの少女……ナギサ。 彼女は知る人ぞ知る、方向音痴四天王の一人である。
「(そんな設定あったのか!?)」←コトキ
「あ、アースくん!」
ナギサがシルクハット姿のアースを見て驚く。 実はこの二人は同じ学年で密かに付き合っていた。
「いや、付き合っていないから(汗)」
「実は……道に迷っちゃったの……」
「そうか……じゃあ、決めた。『道案内をしてくれそうな暇そうな人』を探せばいいんだな!」
「それって人でも可能なのか!?」
コトキのツッコミを聞かず、アースは呪文を唱え始めた。
「ヒヨコの中のチキンよ。コトロの中のトロロよ。天よ地よ。僕に力を与えよ――――――!ラティス!!」
「呪文……なのか?」
すると、アースはシルクハットを地面において、次の瞬間ふっと、帽子を振り上げた。 すると、出てきたのは茶色の掛かった黒髪に黒い瞳の少年だった。
「……あれ?何で俺はここにいるんだ?」
「「あ、シズマ(くん)」」
ナギサとアースの声が見事にハモッた。 またまた、二人と同学年の人物だった。
「ここで何してるんだ?アース、ナギサ」
すると、観客が大声援を送った。 このイリュージョンは成功らしい。
「ところで、シズマ。ナギサちゃんを購買部まで連れて行ってくれないか?」
「……お願いするわ」
ナギサが丁寧にお辞儀をする。 そこまで頼まれて断るなんて男じゃないぞ!シズマ!
「……。しかたないない……付き合ってやるよ」
そういって、2人は購買部に向かって歩き出す。 こうして、二人はカップルになってイリュージョンは大成功だった!という風に終わればよかったのにねぇ……。
「カップルにはならないだろ!」
「良かったのにねぇ……ってどういう意味?」
シルクハットの中から、茶髪に蒼い瞳の少女が飛び出したのだ。 突然出たと思うと、ナギサとシズマのほうに向かって大声で言った。
「待ちなさい!シズマ!」
「……なっ?キラメ?慌ててどうしたんだ?」
首をかしげてキラメに問いかけるシズマ。
「話しかけようと思ったら急に消えて……“穴”の中に飛び込んだらここにきたのよ!」
「それでどうしたんだ?」
「修行するわよ!修行!」
「一体の何の修行!?」
「剣術の修行に決まっているじゃない!」
「あ、なんだ。俺はてっきり、いつか開かれるという、伝説のマルチトーナメントの修行かと思った。でも、俺はキラメと組むとは言ってないよな?」
「え?わ、私はシズマとは組む気はないわよっ!」
「そうか……それじゃ、俺は用があるから」
と、シズマはナギサを促して購買部へ急ごうとする。
「もしかして、ナギサと出るつもりなの!?」
「え!?違う!これはただ……」
「組む気はないけれど、シズマが組むというならば組んでやってもいいわよ!」
結局、キラメとシズマが痴話ケンカはじめる始末……。
って、キラメってツンデレ?(ェ)
それを呆然とナギサをはじめ、ほとんどの人が見ていた。
「ところで……呪文を唱えていないのに、何でキラメまで出てきたんだ?」
コトキはアースに聞く。その言葉に反応して観客はどよめきだした。
“おい……マジックじゃなかったのか?”
“勝手に中から出てきたぞ?”
“もしかして、あれって、購買部で売っている『4次元シルクハット』じゃないか?”
“ということは、いんちきじゃないか!!”
“それじゃ、手品部はインチキだ”
“インチキだ!チキンだ!トロロだ!”
なんだか、悪口を言い出す始末……。
「あちゃーバレたか……こいつは美しくないね……」
「美しい、美しくないの問題じゃないぞっ!」
とりあえず、殺気立っている観客から、コトキとアースは逃げ出したのだった。
「ええと……私は購買部に行きたいんだけど……どうすればいいのでしょう……?」
果たして、ナギサを購買部に連れて行ってくれる救世主は現れるのだろうか? 続かない!
「Σ続かないのかよ!」←コトキ
7
「もう……駄目です……私はもう寝ます……」
昼休みが終盤に差し掛かって、ぐったりと購買部の中にある椅子を4〜5つくらい並べてその上に倒れこむのはオトハだ。
「オトハ!まだ昼休みは終わっていないわよ!!がんばってちょうだい!」
ユウナが激励するけれど、すでに遅し。 オトハはすでに寝息を立てて眠っていた。
「全くこの子は……」
そう言って、ユウナはデジカメを構えてオトハの寝顔をパシャリ。パシャリ。
「(これをパソコンにダウンロードして、印刷してと……)」
見事に出来上がったのが、オトハのスリーピング写真だ。
「アイドル部の活動に月の恵の音楽活動……絶対ファンに売れるはずよね!!」
勝手にそんなの作っていいのだろうか?しかも勝手に売っています(汗)
「完成!『オトナになーる』!」
「アクア?何ができたの!?」
「何って!?薬を作っていたのよ!私の他にも性転換の薬とかいろいろ作れる人がいるみたいだけど、私も作れたわよ!これがその試作品、『オトナになーる』よ!」
「一体どんな効果があるの……?」
ユウナが興味津々に尋ねる。
「それはね……」
「ちょーだい☆!」
アクアが説明をしようとするところへ一人の少女がやってきた。 少女……う〜ん……率直に言ったらロリ系少女?(汗) 彼女の名前はミーナ メタリス イーブイタウン。 通称ミーナと言った。
「何がほしいのかしら?」
と、対応に出たのは昼休みの間(今も昼休みだけど)どこかに出てきたルーカスだ。
「いつ帰ってきたんですか!?」
「今よ!それで、何が欲しいのかしら?」
ルーカスが応対に出る。
「大人になれるアイテムをちょーだい☆!」
「大人になれるアイテムね……。口紅とか、化粧品とか、こういうのでいいかしら?」
と、ルーカスが見本を見せる。
「な〜んで〜そんなのまでおいてあるんだぁ〜!?」
と、どこからかツッコミが聞こえた。 みんなはツッコミの主を探すがどこにも見つからない。 見つからないので、話を戻した。
「ん〜と、もうちょっと具体的のは無いりっ☆?」
「難しいわね……」
さすがにルーカスも首をかしげる。
「(あ!いいこと思いついた♪)ルーカスさん」
アクアは妙案を思いつきルーカスに相談してみた。
「いいわよ!私が許可する!それじゃ、アクアちゃんに後は任せるわ。私はこのあとの準備があるから」
そう言って、ルーカスはまた購買部から姿を消した。
「(ルーカスさん……一体どこへ?このあとの準備って何?)」
不安そうなユウナだが、一方こっちは話がどんどん加速する。
「あるわよ!大人になれるアイテム!」
「ほんとーりっ☆!?」
「これよ!」
そういって、アクアは一粒の薬を取り出す。
「って、それはさっきの『オトナになーる』という薬じゃない!?」
「大丈夫!今ルーカスさんには許可は取ったわ!」
「それちょーだいりっ☆」
「試作品と言うことで、100円にしてあげる♪ 材料とかはその100倍の値段くらいかかったけど」
「100倍って〜10000円じゃ〜ないか〜〜それで作れるのかぁ〜〜?」
とまたツッコミがどこからか聞こえた。
「ありがとりっ☆後で早速使わせてもらうりっ〜☆!!」
こうして満足してミーナは帰っていった。
「アクア……あの薬の効果って?」
「あの薬を飲むと、10年後の自分に変身することができるの。でも、成功した場合はだけどね。失敗したら私知らない!」
「……無責任ね……(汗)」
この後、ミーナがどうなったかはだいすさんのみぞ知る。
「作者は知らないの?」
「フギャ!」
また謎の声がした。それはミーナがその人物を踏んだからである。
「あれ?まだいたの?モトキ先輩?」
ユウナがカウンター越しに倒れている人物に話しかける。 そう、彼は昼休みずっとここにいた。正確には何百人という生徒に踏み潰されていた。 それはナルシスト男も同じだが、彼は意識がもう無いらしい。
「お、オトハ〜今日のれんしゅ〜はちゅーし……ね……」
そして、モトキは気絶した。
「モトキ、残念だけど、オトハは夢の中よ」
と、ユウナはばっさりとモトキに言うのだった。
8
ラ〜メ〜ンネ〜ス〜♪
た〜べ〜れ〜ませ〜ん〜♪
コウ〜は〜ゆう〜れい〜♪
み〜え〜ま〜せん〜♪
と……こんなチャイムが流れた。
「「って、どんなチャイムだよ!!」」
「そこの二人。ツッコミをやめてください」
初等部6年B組の教室。 ツッコミ属性の二人がノリよく突っ込む。 しかし、それは間違いだ。なぜなら、これは授業の終わりを告げるチャイムだったからだ。 そう、このチャイムが流れるまで、先生が話をしているのである。 つまり、このツッコミは非常識である。
そして、その先生と言うのは、大学にも通っている2年生のシリウスだった。 2年生で初等部の担任を任されると言うことは、よほど人材が不足しているのだろうか? それとも、シリウスの能力の賜物だろうか? その真相は謎である。
「と言うわけで、ネス、コウ、職員室に来なさい!お尻百叩きの刑だよ」
「「って、それ虐待だよッ!!」」
「つべこべ言ずに」
「「って、うわぁ!!」」
シリウスはどこからか持ってきたか、鮮やかなロープ捌きでその二人をグールグールまきにして、職員室へと引っ捕らえて行った。
「コウ君……」
「ネスのバカ……」
彼らの友達は、心配したり、半ばあきれたりして、彼らを見送っていた。 だれも助けないなんて薄情な友達だ(ぁ) また、刑が執行されたかは定かではない。
さて、こんな陸上ツッコミ二人組みはおいといて、本題に戻ろっか。
「ちょっと!一体これは何のオチなのさ!?」←ネス
「Σ僕らは何のために出てきたわけ!?」←コウ
9
タマムシ学園の高等部の2年A組の教室。
初等部のネスとコウが授業中にツッコミをして、こってり絞られている時間……つまり放課後のこと。 仲のいい2人が、喋っていた。
「よし、今日は……数学を徹底してやるぞ!」
授業が全て終わって机に数学の教科書を出しているのは緑色の髪をした少年だ。
「部活はどうするの?」
「う〜ん……部活はどうしようか……」
緑髪の少年はもう一方の背の低いありきたりな少年に聞かれて悩んだ。
「ありきたりって何だよ。ありきたりって……」
「ショウ、ナレーションを気にしていたら、話が進まないから! それにしても……いい加減、トキオに勝ちたいしな……」
「トキオに勝ちたいって……部活でなら勝っているでしょ!」
「勉強でだよ!う〜ん……ナックルサーブも練習したいしなぁ」
「ヒロトなら最初からできるだろ?」
「いや、いや、出来ないって!」
手をぶんぶんと横に振って否定する緑髪のヒロト。
ボイスを変更したので、彼はナックルサーブを打てません(ェ)
「そういえば……トキオはどこにいるの?」
ショウは辺りを見回している。 すると、トキオは黄色いポニーテールの少女と話していた。
「ねえ、イエローちゃん!今から俺を描いてくれない!?」
「えっ!?ちょっと……ボクは……」
訂正しよう。 トキオは話をしていたんじゃなくて明らかに付きまとっていた(ぁ) 見てのとおりイエローはトキオの誘いに困っていた。
「そうだな……屋上へ行こう!そこなら気持ちいいz(ドン)」
「何やってんだよ」
ヒロトはテニスラケットが入った入れ物を右手で持ちながらカッコよく右肩に乗せていた。 でも、実際カッコよくない!!
「うるさい(汗)」
「ヒ〜ロ〜ト!!人が楽しく女子とスキンシップを取っている時に……ラケットで頭を叩くな!!」
「イエローが困っているだろ!」
ヒロトはトキオに言ってから、イエローをみる。
「わりィ、イエロー!トキオは俺たちに用事があるから!」
そういうと、イエローはヒョコッと礼をして安心して教室を去っていった。
「あっ!どうしてくれるんだよ!」
「どうするもこうするも、ヒロトの止めが無くてもあれは失敗だよ!」
ショウがそういうと、ヒロトはそうだと頷く。
「『トキオ=女の子にもてない』というのは恒等式で成り立っているんだよ!」
「ヒロト!恒等式はな……“恒”に“等”しく成り立つ“式”だからから恒等式って言うんだぞ!どこが恒等式だ!?」
自分の定理通り成り立っていると思うけど?
「ナレーション、黙れ!!」
「それにしても、トキオは懲りないよね。いつもいつも女の子にナンパしてさぁ……。女の子なら誰でもいいの?」
ショウは前から疑問に思っていたことをぶちまけてみた。 ちなみに僕も前からこれは疑問に思っていたんだよね。
「だから、ナレーションには聞いていないって……」
「何かに熱中する子は特に好きだよ。その熱中している子から俺に注意を向けさせることが一番の快感なんだよ!」
ショウとヒロトは顔を見合わせる。
「……ショウ、理解できるか?あいつの考え?」
「わからないよ……」
二人ははぁ……とため息を付く。
「なんかおかしいこといったか?それに、どっちかと言うと、軽く女の子と喋るだけの何が悪いんだよ」
ややトキオは怒って言う。
「それじゃ、お前らはどういう女の子が好みなんだよ!俺は答えたんだから言えよ!!まずはヒロトから!!」
「俺は……特に好みとかはないけど……」
「もしかして、女の子に興味ないとか!?」
トキオはどこぞのム○クの叫びのように“アリエナーイ”と言いたげに口を開く。
「いや、そんなんじゃないけど(汗) ……ただ、恋愛とかはまだ興味ないなって」
「えっ!?それじゃ、コトハちゃんは狙えるな!」
グッとガッツポーズを取るトキオ。 コトハとは一級下の女の子で『月の恵』というバンドでボーカルをしている女の子であり、結構狙っている人もいるらしい。
だが、何故かヒロトにアタックしていた。 コトハがヒロトLOVEなのはタマムシ7不思議の一つである(ェ)
「だから、トキオは無理でしょ!コトハちゃんに嫌われているし」
「今から好感度を上げるんだよ!!じゃあ、次は……」
トキオがショウに問いかけようとしたとき、突如、前の席で帰る準備を整えて席を立ち上がった男の子がいた。 トキオは思い切って彼に尋ねてみる。
「ファイアはどうだ!?」
「え?何が?」
ファイア……成績もそこそこで、人当たりがよくて誰とでも付き合えると言う特技を持つ少年だ。 スポーツもほぼ全てのスポーツが得意で女子にもそこそこもてるので、噂ではヒロトのライバルということになっている。 もちろん、二人ともライバルという自覚はないのだが。
「ファイアはどんな女の子が好みか?だってさ」
ショウが聞いていなかったファイアに説明を加える。
「う〜ん、俺はあえて言うなら綺麗な人かなぁ……。あ、もうこんな時間だ!!俺は部活があるから……また明日な!」
「あ、オイ!ファイア!!まだ聞きたいことが……」
ファイアは腕時計で時刻を確認して、さっさと教室を去っていった。 トキオの静止も無駄だったとさ。
「まっいいか……。なぁ、トビショウはどんな子が好きなんだ?」
「え……?」
前の方にいたショウに話しかける。 しかし、注意しないといけないのは、このクラスには2人のショウがことである。
WWSシリーズに出てきている人懐っこそうで甘えん坊なテニス少年の掌(ショウ)。 VGシリーズの可愛い顔で少し儚そうに見えるが、凄まじい野球センスを持つ少年の翔(ショウ)。
トキオがトビショウと呼んでいるのは、翔(ショウ)の方です。
「ごめん……聞いてなかったよ……。僕……急ぐから……」
カバンを持ち、胸を押さえながらゆっくりと教室を出ようとする翔(ショウ)。
「なんか苦しそうな顔していたな……飛向……」
ヒロトは心配そうにつぶやいた。 ヒロトはショウのことを飛向と読んでいるらしい。
「何だよ……ノリの悪い奴ばっかりだな!じゃ、翔(ショウ)つながりで掌(ショウ)は!?」
「えぇ!?ええと……」
ショウはトキオとヒロトから目線を外す。 すると、ある一つの少女の姿が目に映った。
「へぇ……意外にショウも隅に置けないなぁ」
「アイドル部のあの子か……でも、俺も狙っていたんだぜ!ショウ、負けないぞ!!」
ヒロトとトキオはショウの目線にある子を見ていった。 てか、トキオは本当に女の子なら誰でもいいのだろうか?
「二人とも!違うって!!でも……あれ?何でいるの?」
その三人……テニス3バカカラス(違)の目線の先には、彼らの同級生の女の子とその先輩が喋っていた。
「じゃあ、今日はカナ先生が急用のためにアイドル部の活動はなしなんですね?ユウコ先輩」
「私は、もっと活躍して売れたいんだけどね……。コロナ、これから二人で練習しない?」
アイドル部の年長者のユウコと女の子なのに一人称が“僕”の上に類まれないスタイルをもった高2のアイドルの僕っ娘コロナだ。 どうやら、今日の活動に関して廊下で話していたんだけど、ユウコがぐいぐいと教室の中に侵入してきた(ェ)
「練習って何をやるんですか?」
「それはもちろんこれよ!」
ユウコが持ってきた者……それは……
「……バニースーツとマイク?」
「これで練習が出来るわよ!」
一体何の練習をするんだよ……(汗)
「これを着て、司会の練習をするの!そうすれば、テレビ番組で進行役に起用されても、バッチリという寸法よ!!」
「…………」
コロナは呆れて声が出ないらしい。
「……ユウコ先輩。……コロナとなんか話しているな……」
「お姉ちゃん……何やっているの?」
あまりにも気になって、ショウは尋ねてしまった。 念のために確認するけどは紛れもない姉弟である。
「あら?ショウ……いたの?」
「いたの?って……ここは僕のクラスだよ!!」
「コロナと同じクラスだったのね。コロナ、この子ね……凄く甘えん坊なのよ」
「はい……?」
すると、何を思ったか、ユウコは自分の胸にショウを抱き寄せる。 ユウコの胸はアイドル部の中でもトップクラスにランクインされるほどだ。 そして、引き離すと……ショウは昇天していた。ショウだけに(蹴)
「こうやって抱きしめてあげるとね、すぐにこうなっちゃうのよ。とっても、うぶな子でしょ?」
「「…………」」
あまりにも突拍子な行動でヒロトとコロナは唖然として声が出なかった。
そんなこといきなりされたら、ショウじゃなくてもそうなるって!
「そういえば、何でカナ先生は今日は居ないんですか?」
「なんか、今度開くある大会の準備だって……」
「ある大会?」
「それってもしかして、DSマルチトーナメントのことかな?」
どうやら、それは結構噂で伝わっているようで(ぁ)
「もしそうだったら、コロナちゃん、いっしょに出ようぜ!!」
コロナの手をとるのはトキオ。
「ゴメン。トキオとは無理」
トキオ即玉砕(爆)
「じゃあ、ユウコさん……」
「私は出ないわよ。それに出たとしてもあんたとは出ないわ」
トキオ玉砕その二(笑)
「ぐっ……いいや、どうせヒロトもショウも相手がいないんだろうから……」
「ははは……」
ヒロトは苦笑いをしてやり過ごす。
「でも、ヒロトは人気があるから組んでくれる人ならいくらでもいるんじゃないかな?」
「そうね。トキオよりはましだし」
コロナとユウコがふとヒロトをフォローする。 トキオはその言葉を聞いて、ガクッと項垂れる。
「何でだ!?俺はそんなに嫌なのか!?くそっ!俺は見つけるぞ!!自分のパートナーを!!」
と、トキオは走り出して教室を出る。
「って、ほんとに探しにいくつもりかよ……トキオのやつ……」
苦笑いをしてヒロトはトキオを見送った。
「トキオって忙しい人だね」
「ただのバカでしょ」
コロナとユウコは言った。
「うぉっ!!」
すると、短いトキオの悲鳴がして、ドスンと壁に何かがぶつかった音がしたという。
「トキオ?どうしたんだ?あれ?……飛向!?」
ドスンという物音が気になって、ヒロトは廊下に飛び出した。 目に映ったのは廊下で苦しそうに体を丸めてうずくまっていた翔(ショウ)だった。
「オイ!飛向!!」
「保健室に運んだ方がよさそうね」
「掌(ショウ)!飛向を運ぶから手伝ってくれ!」
ユウコの言葉に頷いてヒロトはショウに助けを頼む。 しかし、ショウは気絶している! 原因は言うまでもなし!
「本当にこの子は駄目ね!」
「「絶対ユウコさんのせいだって!」」
ヒロトとコロナがハモって突っ込む。
「コロナ、手伝ってくれる!?」
「うん!いいよ!」
仕方がなく、ヒロトはコロナといっしょに保健室へ急いで苦しんでいるショウを搬送していった。
「ところで……あんたは何やってるの?」
ヒロトもコロナも気にされていなかったトキオは、苦しんでいたショウにつまづいて壁にぶつかったらしい。 しかも、そのときかなりの速度で移動していたために壁にめり込んで身動きが取れなかったようだ。 なんとも哀れな。 こうして、トキオは今日も女の子にもてなかったという。
「まだだ!終っちゃいないぞ!保健室に俺も行く!ショウ!来い!って、まだ気絶してるのかよ!!仕方がない!!」
まだ気絶しているショウを引きずって、トキオはダッシュして言った。
「ヒロトとコロナを2人っきりにさせてたまるかぁ!!」
Σ阻止が目的かよッ!!
そして、トキオは今日2度目の保健室に行くことになるのであった。
「あ、2度目なのね」
フェイズ1参照(ぁ)
10
「いいネタないな〜」
「そうだな」
いいネタを捜し求めて、今回もミカゲとユウトが動く。 そんな二人が行き着いた先は購買部だった。
「何か買っていく?」
「そうすっか」
しかし、ご存知の通り今日の購買部は、ヒスイずっこけ3人組がアルバイトをしている。
「なんかください」
「なんかといわれてもねぇ……」
今、カウンターを受け持っているのは、先ほどミーナに怪しげな薬を売り払った『薬兼化学の達人』アクアだ。
「それじゃ、とりあえず、アンパンと、牛乳を……」
「刑事の張り込みでもするの?」
アクアは苦笑いをして、代金を受け取って商品を渡す。
「あれ?そこにいるのは、ヒスイ女学園のユウナ先輩?」
ユウトは奥にパソコンを弄っている、『情報の達人』こと、パソコン、ネットワーク操作の達人ユウナがいるのが見えた。 ちなみに、奥では椅子を並べて寝ている『睡眠の達人』兼アイドル部……そして、月の恵のオトハがいた。
「ミカゲとユウトね。もしかして、情報が欲しいの?」
「「あるんですか?!」」
二人は食いついた。 たまに新聞部の情報の中にはユウナが流した情報もあるらしい。
「これなんかどう?」
すると、ユウナはパソコンに入れた写真をプリントアウトして、二人に見せた。
「「なっ!これは!!」」
二人はこれを見て愕然とした。 ミーナという生徒と、メテオンという堅物の先生が手をつないで歩いている写真だった。
「これはスクープだ!!」
ミカゲはその写真を手に走り出した。
「ユウナ先輩、いいネタありがとう!」
「もう一つあるけど?」
そうして差し出した写真には……タマムシ学園の一室で二人っきりで男性教師が女子生徒に桜餅を渡している姿があった。
「これは!雷同先生と……この子は確か……」
「ヒスイ女学園……ホタネの姉のハナ?」
「これもスクープだ!!あれ?これって今日の写真?」
「そうよ!それじゃ、コレもらうわよ!」
ユウナが親指と人差し指で輪を作って言った。
「わ、わかりましたよ……」
こうして、情報は売却された。 二人は牛乳とアンパンと情報を持って意気揚々とそのまま去って行った。
「ところでユウナ……あれって、事実なの?」
「私は写真を入手しただけよ。あれが事実とは限らないわ。特に雷同先生とハナは違うと思うわよ」
「って、ガセネタ売ったの?ユウナ……あんたもやるわね……」
このあと、ミカゲとユウトがどんな新聞を書いて、その後どういうことになったかは、ご想像にお任せします(ェ)
「作者も無責任ね(汗)」←アクア
11
シューズをはいて、靴紐を結ぶ。 そして、軽く屈伸をして、その場で駆け足をした。 ファイアは体育館に来ていた。それはもちろん部活をするためだ。
「ふう……準備OK!行くよ!タイチ先輩!!」
「よし、来い!!」
ダムダム……と体育館に一定にボールの音が響き渡る。 そして、次の瞬間、ボールの突く音が変わり、シューズのキュッと言う音が同時に2回なる。 すると、パサッとボールが入る音がした。 どうやらシュートを決めたらしい。
「決められたか……やるな、ファイア」
「タイチ先輩もやっぱり凄いよ……全然中に切り込めさせてくれないんだから」
「……とか言って、後ろに下がってスリーポイントを狙うんだから、お前の方がすごいだろ」
とか、喋っていると、上から何かが飛んできて、カーンとタイチの頭に命中した。
「イタタ……誰だよ!上から空き缶を投げる奴は!!」
「後輩に負けてどうするのよ!しっかりやりなさい!!」
「ティシア!?」
ティシア。ヒスイ女学園の中3の女子。 いわずと知れたかかと落としの天才。(トキオメモより) しかし、見に来ていたのはティシアだけではなかったようで。
「へぇ、あの人がティシアの許婚か……パッとしないわね」
「それにしても……この抹茶は美味しいですね(にこにこ)」
上からサラナ(古流剣術部、カイリの姉であり、水泳部で活躍している少女)、ハナ(恵8姉弟の三女であり、のんびりとした性格と癒しの笑顔でタマムシの男子から人気を集める少女)。 いずれも、ティシアのクラスメイトだ。
ちなみに、詳しい紹介はトキオメモより。
「って、トキオの奴……一体どこまで調べたんだよ(汗)」←突っ込む人がいなかったのでファイア(ぁ)
「何でティシアがここにいるんだよ!?」
「サラナがアタシの許婚を知りたいっていうから……」
「期待はずれだったみたいね。ティシアとは不釣合いに見えるわ」
言われ放題のタイチ(爆)
「私はダイチお兄さんに不思議な贈り物をしていたら、丁度二人に会ったので付いてきただけです。途中で雷同先生に美味しい物をいただきました」
「ハナって、好きよね……こういうもの……」
早い話、ティシアたちは暇だったようだ(ぁ)
「それなら、ファイア!もう一度勝負だ!今度は俺から攻める!!」
「いいですよ!(タイチ先輩も大変だな(汗))」
今度はファイアがゴールを背にして、守りに入る。 タイチがボールをついて、ゆっくりとゴールに近づいていく。 もちろん、ファイアは行く手を遮る。 腰を低くして構えて、目を見てタイチの行動を読む。 目を見ることで相手の考えがわかることがあるらしい。
「行くぜ」
タイチがそう言った瞬間、ファイアは逆を付かれて抜かれて、そのままジャンプ。 そしてボールをリングに置くように決めた。
「くっ……フェイントに引っかかった……」
「俺の勝ち♪」
「フェイント?そんなことしていた?」
サラナが首を傾げて、ティシアに問う。
「それは多分、目ですね」
どこからか手に入れてきた桜餅を食べながら、しみじみと言うハナ。
「ええ、ハナのいうとおりね。タイチは一瞬、右の方を見ることでフェイントを入れたのよ。ファイア先輩はそれに反応して右を見てしまった。その隙を突いて、タイチは左のほうから抜けたのよ」
「へぇ、意外とやるのね。あんたの旦那」
「まだ旦那じゃないって!!」
「そうですよ。結婚しているわけじゃないんですから。せめてダーリンですよ!」
「それ、英語に直しただけでしょ!!」
なんとも和やかに、べちゃくちゃと3人は喋っていた(ぁ)
「それにしても、やりにくいな……」
「ティシアちゃんと許婚なんですよね?張り切っていいじゃないですか」
「いや、ちょっとな……」
タイチは苦笑いをした。
「そういえば、蒼夜先輩は?」
「おかしいな……授業には普通に出ていたが……。また、トラブルにでも巻き込まれたか?」
蒼夜とは、タイチと同期で一緒にバスケ部を背負って立つ重要人物で、非常に有名なツッコミ属性として名をはしているが、人の良さからトラブルに巻き込まれやすいというラブコメにはありがちな少年である。
「このジャンルはラブコメじゃないでしょ」
「おい!そこの二人!」
だが、この和気藹々とした空間は、明らかに不良ぽい謎の男たちによって破られた。 どうやら、ファイアとタイチに話しかけてきたようで。
「誰?」
「俺の名前はA!」
「俺はB!」
「「俺たちと2on2で勝負しやがれ!」
タイチとファイアの前に挑戦者が現れた。 コマンド?
「って、何でドラクエ風!?しかも、古い!!」
じゃあ…
タイチはどうする? ファイアはどうする?
「ほとんど同じでしょ!!」
「いいぜ!挑戦受けるぜ!!」
「タイチ先輩!?」
タイチは安受けしてしまった。
「それじゃ、お前たちが負けたら、お前たちの彼女プラスαを頂いていくぜ!」
「え!?そんなことは出来ない!!」
ファイアが否定をする。
「果たしてそんなこと言っていいのかな?」
「何!?」
「助けて……ファイア!」
「え!?リーフ!?何でここに!?」
すると、体育館の二階に男に羽交い絞めにされているリーフの姿があった。 リーフ……彼女はヒスイ女学園の1年でお茶が好きという点ではハナと似ているファイアの彼女だ。
何故彼女がここにいるかって? それはもちろんネタのためだ!
「ネタのために余計なことをするなっ!!」
「ほら、勝負しないと、Cがあの子に酷いことをしちゃうぞ!」
「き、汚いぞ……!」
「それにしても、何で名前がアルファベットなんだ?」
タイチの質問ももっともだが、それは単にめんどくさかっただけだ(蹴)
「ちなみに、DとEがそこにいいるティシア+αたちも捕まえているはずd」
と、名も無き不良の男Bがその先を見ると……
「……ふう」
「……(ガチャ)」
「ズズッ……」
DとEは戦闘不能になっていた。 というか、跡形もなく消滅していた。
「って、何が起こったの!?」
仕方がない。ファイアがわからないみたいなので説明してあげることにしよう。
まず、ハナが桜餅を食べているところに、Dが襲い掛かったのだが、ティシアがDの頭をかかと落としで一撃粉砕! そして、ティシアの隙を狙って掴みかかろうとしたEがサラナのメガトンキックで吹っ飛ばしてからガトリングキャノンを持ち出して、DとEを遥か彼方に吹っ飛ばした。 その間に、ハナは抹茶をすすっていたということだ。
「…………」
「……何ていうか、自業自得だな……」
「こ、怖いな……ティシアたち……(汗)」
下にいる4人は言葉が出なかった。
「だが、リーフはもらうぜ!おっと!そこの3人!余計なことするなよ!したら、彼女がただじゃすまないぜ!」
「これだから、男って奴は……」
サラナは地団駄を踏む。
「ちょっと落ち着きましょう。ここに桜餅が残っていますから」
「落ち着いている場合じゃないでしょ!」
のんびりしすぎのハナをティシアが突っ込む。
「くっ!不本意だけど……受けるしかない!!タイチ先輩!」
「わかった。だけど、お前らが負けたらどうするんだ!?」
タイチが3人を睨みつける。
「……どうする?」
「負けることなんて考えてなかったしな……」
ピンポンパーンポーン♪
丁度こんなとき、臨時放送が流れた。
「こんばんは〜♪購買部よッ!!ただいまからアイスのバーゲンセールをはじめるわよ!!全てのアイスを50円!50円の格安で販売するわよ!また、300円以上購入した際に最近オープンしたコーヒー喫茶店『SKY PLACE』の無料招待券などが当たるスピードくじを1回引く事が出来るわよ!早くしないとなくなるわよ!以上、FRIENDLY SHOPの店長ルカことルーカスがお送りしました〜!さあ、みんな!待っているわよ!!」
ルーカスの臨時放送は学園内に響き渡ったという。 もちろん、この体育館も例外ではなかった。
「よし、アイス300円分でどうだ!?」
Aが言う。
「よし、いいぜ!」
「決まりだな!」
タイチが了承して、こうして賭けが成立した。
「って、リーフの値段は300円かよ!?勝手に決めるなよ!!」
と、ファイアがツッコミを入れるものの2on2の試合をすることになってしまった。
「よし!行くぜ!」
「リーフのために……負けられない!!」
「ファイア……」
リーフがファイアを見つめる中、こうして、バスケバトルが始まった!!
12
「ええと……小豆アイスください!」
「カイト、小豆アイスよりもバーゲンダッシュをおごりなさい!」
「チョコバナナアイスくれアル!」
「コウ君のためにハーゲンダッツを買って行こう♪」
「コウの奴……大丈夫かな?」
「どけどけ!!バーゲンダッシュだ!」
「ニイナ、また邪魔する気か!?」
「グーリッシュください!!」
「パピーコあるかい!?」
「オイラは……バーゲンダッシュ!!」
「月見大福アイスくれ」
「バーゲンダッシュ……」
「ですっ♪」
「『ですっ♪』ってバーゲンダッシュ?」
「ムキルぅーバーゲンダッシュ食べたい!」
「バーゲンダッシュをいただくぜ!!」
「モナカください!!」
「バーゲンダッシュくださいッ!!!」
「バーゲンダッシュください。ユキヤはどうする?」
「俺もカイリと同じでいい」
「バーゲンダッシュ!!!!くれーー!!!!」
「……あ、当たった」
購買部……アイスを求めてたくさんの客が殺到していた。 そのせいで購買部が溢れかえり、誰が誰だかわからない状況になっていた。
てか、バーゲンダッシュ人気すぎ(ぁ)
「ルーカスさんが昼に取りに外へ行っていたのって……」
「アイスを仕入れるためだったのね!!」
ユウナとアクアもさすがに客の対応に追われて、自分のやりたい事が出来ないらしい。
「「オトハ!!いい加減に起きて!!」」
二人は〜オトハにー助けをぉーもぉとめるぅ。 しかーし、オトハはまだ寝ていたぁ!! その様子は、まぁるで白雪姫の如〜く安らーかに!!
「何でナレーション……ア○ゴ風なの?」
「アクア……あなた、オトハに毒リンゴでも食べさせた?」
「私がそんなことするわけが無いでしょ!!まじめな顔でボケないでよ!」
こうして、オトハが起きないまま、二人は必死に対応に追われる羽目になったという……。
13
バスケバトル……が始まって10分が経過した。残り5分である。 ルールは一般的なルールを適応して、時間は15分の一本勝負。人数は2on2の特別ルールである。 現在の得点は、22対21でバスケチームがリードしていた。 だが、形勢は不利だった。
なぜなら……
タイチが凍っていたからである。
「ちょっと!?何でタイチが凍っているのよ!?それと、何でアタシが突っ込んでいるの!?ツッコミはヒヨコ先輩かシークかコトロか陸上二人組みの役目でしょう!?」
仕方がないでしょうに。 ファイアは一生懸命だし、某ヒヨコはダイスケたちと古流剣術部に出ているはずで、シークは秘密で、コトロは手品向上委員会に訴えられて手品部の存続が危うくなって大変だし、陸上二人組みは今職員室でっしゃろ。 さらにラブコメ君はトラブルに巻き込まれていると考えていいだろうし(ェ)
「あら?本当に何が起こったの!?」
「このバーゲンダッシュ……私のお口に合いません……(しょんぼり)」
あれ?珍しく、ハナが落ち込んでる!?(ェ)
「でも、私は好きだけどね。バーゲンダッシュ」
「ハナ!サラナ!バーゲンダッシュよりも、この状況を説明して!」
「そんなこと言われたって」
「私たちはアイスを買って来ましたから(にこっ)」
どうやら、ティシアはタイチの氷付けの瞬間を見逃してしまったようで。 それじゃ、私目が説明をして差し上げましょう。
「わかったわ!きっと、テニス部のユウちゃんが通りかかって、『初の舞・月白』を放ったんだわ!」
「いいえ、違います。きっと潜在的にあるタイチ先輩の雲属性の死ぬ気の炎を凍らせたんだと思います」
「アタシはまじめに聞いているんだって!!」
2人の意見が違うので、説明しましょう。 それは、某所で起こった出来事だ。
「♪タイチ!タイチ!ここにタイチ!あなたなら〜タイチ!」
と、どこかの誰かがくだらない替え歌を歌ったためだと言われている。 つまり、原因は寒いギャグだった。
「悟○の『ふとんがふっとんだ!!』並の凍りつきなの!?」
そして、Aがファイアをマークしている間に、Bがダンクを決めた! 22対23。 逆転である。 そして、残り時間は1分30秒!
「あれ?時間すぎるの早くない?」
何を言う。 このシーンを書くのにどれくらかかっていると思っている!? 3分4分じゃ効かないぞ!!
「そんなこと聞いていないわよ!!」
「くっ、このままじゃ、リーフが……あの男たちの毒牙に……」
ファイアはリーフを見る。 そして、リーフは信じている。 ファイアがきっと……いや、必ず助けてくれると。
「負けられない……リーフのために……本気で行くぞ!!」
しかし、AとBがしっかりとマークする。 だが、次の瞬間、ファイアは飛んで空を蹴った。 すると、ぽん!ぽん!とホッピングのように跳ねてゴールにダンクを決めた!
「な、何だと!?」
「まさか……アレは『月歩』!?あいつ……あんな技が使えたのか!?」
「でも大丈夫だ!相手が飛べようが、こっちには関係ない!2人なんだ!」
「うぉぉぉぉぉ!!」
だが、次の瞬間、ファイアは2つの剣を出したかと思うと、片方の燃える剣でタイチの氷を溶かしてしまった。
「まさか……アレは!?双竜の剣!?」
「バカな……あいつは何者なんだ!?」
ファイアはレイヴマスターである(オイ)
「ふう……やっと溶けた。……でもそのおかげで……充電完了だ!」
次の瞬間、氷が解けたタイチがしたことは、持っている銃を2人に向けて放ったことだった。 超高速のショットが2人を遥か彼方まで吹っ飛ばした!! こうして、勝負は決まった。24対23である。
そう。タイチは黒猫と呼ばれる暗殺者だったのである(待て)
「ちょっと!一体何があったの!?」
「ファイア先輩!タイチ先輩!あたしたちがランニングしている間に、何やっていたの!?まさか、ドラゴン狩りでもやっていたんじゃないでしょうね!?」
2人の少女が体育館に入ってきた。
「って、ドラゴンって……いるわけないでしょ(汗)」
「ちょっとな……人の姿をした……ドラゴンを懲らしめていたんだ……」
「ドラゴンを懲らしめていたですって!?許さないわよ!!」
「えっ!?ちょっと!」
吹っ飛ばした後に来た二人のうち、ドラゴンが好きな少女、ケイコはタイチに襲い掛かる。 タイチは比喩表現をつかったようだが、どうやら彼にそれは似合わないらしく、そのままケイコは間に受けたようだ。 つまり、タイチがそういう風にカッコつけることは、ドラゴンが出てくることよりありえないことだということだ!(笑)
そしてもう一人の少女、草華 理意符伊 狐栗鼠町(ソウカ=リーフィー=イーブイタウン)ことソウカは何故か、気絶しているイムっちを引きずっていた。
「って、イムっちって誰!?」
イムっちでわからない人は、フェイズ3を読み直しましょう!
「ところでソウカちゃんは何で彼を引っ張ってきているの?」
「いや、なんとなくノリよ!」
ノリか。
「ノリか……。もう疲れた。何でこんなときに限って蒼夜先輩がいないんだ?」
さほどイムっちのことを気にせず、ファイアは腰を下ろした。 やはりファイアにはツッコミは向かないらしい。 しかし、あることを思い出して、また立ち上がる。
「あっ!リーフ!!」
そう、リーフはまだ捕まっていたはずだ。
「ファイアー!」
と、突如、ファイアに抱きつくリーフ。
「っっ!?」
なんともいえない、リーフの温もりに酔いしれるファイア……
「違うよ!(確かに感じていたけど)」
じゃあ、いいじゃん。否定するなよ(ぁ)
「何で無事なの!?」
あ、無視された。まあいい、それも僕が説明しよう。 タイチの必殺ショットが火を噴いたのと同じころ……
「このバーゲンダッシュ、いかがですか?」
ハナが謎の男Cにアイスを勧めていた。 「じゃあ、いただくよ」と言った所、ティシアが殴りつけ、サラナが剣を持ってきてもうなんともいえないくらい滅多打ちにして、衝撃波を放って吹っ飛ばして星にしたと言う。
「タイチ先輩、リーフを助けるのを協力してくれたありがとうございます」
「ああ。……あ!ファイア!感謝しているなら、俺にアイスをおごってくr(ゲシ!)」
だが、そこにティシアの蹴りが入る。
「先輩のあんたがおごりなさいよ!!」
「あたしも食べたいな」
「それがいいわね!」
ケイコもソウカも乗り気だ。
「よし!今日はティシアの旦那のおごりよ!」
「違いますよ。ダーリンですよ」
「どっちも違うって!」
「『FRIENDLY SHOP』へレッツゴー!」
「『ブレンドスープがつれーぞ』」
(ズガン!ドガン!バコン!)
イムっちのギャグに腹を立てて、ほとんどの人がイムっちを総攻撃する。
「ちょっと、黙っててくれる?」
しかし、ここで一番腹を立てたのは、サラナだった。 翼を生やして飛び上がる。
「狽竅Aまずい!みんな、逃げろー!!」
「『ニーベルンヴァレスティ』!!」
チュド―――――――――――――――――――――ンッ!!!!
こうして、イムっちはボロカスになって発見されたと言う。
ちなみに、体育館が壊れない程度に撃った様で建物に損傷はない。
結局、タイチの財布のほとんどがアイスのために消えて行き、本日の売上のかなりの貢献になったと言う。
その後、タイチは財布が寒くなって、再び凍りついたのは言うまでもない(ぁ)
14
さて、ここは保健室。 いつもならば、タマムシの首領(ドン)と謳われる保険医のカナがいる保健室なのだが、現在は出払っているらしく、数人の生徒しかいなかった。 その数人の生徒の様子といえば、その保健室に気絶している者が二名、苦しそうにしているものが一名、心配そうに看病しているものが四名、そして、こんな状況にもかかわらずナンパしているのが一名……
「ねえ、スイレンちゃん!俺とDSバトルトーナメントに出場しようぜ!そうすれば、きっと芽生えるものm」
「ちょっと……トキオさん……」
「しつこい男は嫌われるわよ!」
ビシッ!
ユウコのビンタが炸裂した。
そのビンタで壁を突きぬけ、校舎の外まで出る勢いだった。
「いや、それはないだろ」
うん。ないよ(オイ) 正確には保健室の壁にめり込んだ。
「…………」
ごめんごめん!ほんとのことを言うからさぁ!(ぁ)
トキオはユウコのビンタで吹っ飛んで、壁に激突して目を回していた。 つまり気絶しているものが2人から3人に増えた。
「トキオ君って、忙しい人ね」
「一言で済ますの!?(汗)」
のんきなコロナのセリフに準ツッコミ役のヒロトが突っ込んだ。 たいてい、僕のキャラの主人公はツッコミ役が多い。
「そんなことどうでもいいから(汗)」
うん、確かにどうでもいい。話を進めよう(ぁ)
「飛向は大丈夫なのか?スイレンちゃん」
スイレンは頷く。
「ええ。一時的な喘息の症状です。喘息とは気管支が収縮して、呼吸困難に陥った状態で激しく咳き込んで……」
「スイレンちゃん……そこはかいつまんで話して(汗)」
ヒロトには詳しい症状は理解できないらしい。
「出来るけど……そこはノリで」
そうだね。
「簡単に言うと息が吐き出せない状態なの」
「それじゃ……処置の方法は……?」
「大丈夫よ!私が何とかするから……ヒロトさんたちは帰っても大丈夫ですよ。後は私が付きっ切りで看病しますから!!」
「そうか……じゃあ、おねがいするよ。『長いものに任せろ』ってよく言うしね!」
ヒュ〜と冷たい空気が流れる。
「ヒロト……それをいうなら『長いものに巻かれろ』……しかも使い方違うよ(汗)」
姉のユウコによって気絶させられていたショウがいつの間にか目を覚ましていた。
「あれ?『長いものに任せろ』ってある……よな?」
「ないよ」
「ないと思う」
「知らないわ」
ヒロトの疑問にショウ、コロナ、ユウコがそれぞれ答える。
「とりあえず、私が付きっ切りで看病するので皆さんは戻っても大丈夫です」
スイレンが急かすようにもう一度言った。
「わかったよ。後は任せるよ。『長いものに任せろ』っていうs」
「だから言わないって!しかも、繰り返す気!?(また間違っているし)」
「あぶねーあぶねー」
ギリギリです(何) そんなこんなで気絶している二人を置いて、ヒロトたちは廊下に出て行った。 こうしてにぎやかな空間が静かになり、野球部のショウとスイレンのほぼ2人きりの空間が出来上がった。
まぁ、トキオは気絶しているから無視して(ぁ) それにしても、掌(ショウ)と翔(ショウ)はややこしいからなー(何)
「大丈夫……ショウ……?これを飲んで……」
スイレンはいっぱいの水を差し出しだして、寝ているショウにいっぱいの水をゆっくりと口に注いであげた。 「ショウ……」
それでもまだ苦しそうにしており、スイレンはショウの手を握り締める。 「ス…イレ…ン……?」
かろうじて返事はするものの、まだ苦しそうだった。
「……ええと……もういっぱいお水を……」
と、ここでスイレンはふと気がつく。 この場所にいるのは気絶しているトキオと、苦しんでいるショウと、ずっと保健室で寝込んでいる一人の男だけだった。
「(これはもしかしてチャンス……?)」
一杯の水をコップに汲んできて、ショウの寝ているベッドの隣に座る。 そして、スイレンはコップの水を含んだ。
って……まさか……!?
「(……ショウ……)」
ショウの手を握り、そのまま彼の唇に近づけていく。
1メートル……50センチ……10センチ……
「ずわっ!!よく寝たぁー!!あれ?ここどこだ!?」
「(ゴクッ!!)」
しかし、5センチのところで止まってしまった。 隣のベッドで寝ていた奴が起きてしまったのだ。 ショウに近づいたままの体勢で、スイレンは固まった。
「あれ?てめぇはスイレン?寝ているのはショウか。ってことはここは保健室か?」
「エホッエホッ!!」
しかし、男に返事をすることが出来ない。 いきなり起きてしかも、その行為を見られそうになったのを驚き、水を飲み込んでしまいむせてしまったのだ。
「スイレン、てめぇ……今こいつに何をしようとしていた?今のシーンはどちらかと言うと、俺とミミがやるはずのシーンだぞ!」
いや、それはボイスネタだろ(汗) そして、君の不満はそれか!
「ん?もう3時過ぎか。学校に来た意味ねーな。まあいい。帰るか」
「ラグナさん……」
「ん?何だ?」
くるっと、不良風味の生徒ラグナがスイレンを見る。 スイレンはショウに水を飲ませながら、顔を赤くしていた。
「いいところで邪魔しないでください!!」
スイレンは、思いっきりラグナを突き飛ばした。
「ぐわっ!」
こうして、ラグナは壁にめり込み二度の眠りにつくことになった。 凄い力だな〜スイレン。 「……そんなに強く押したつもりじゃなかったんだけど……」
15
「う〜ん……あんッ♪あ〜ん♪……温泉牛乳〜……(パチッ)」
どうやら寝言だったようで。どんな夢を見ていたかは想像に任せます(何) 一人の少女が覚醒して、腕を伸ばしたり腰を逸らしたりストレッチをし始めた。 その度に胸が揺れる(蹴)
「ん〜よく寝ました……あれ?皆さん……?」
彼女が目を覚ましたとき、他の二人はぐったりとしていた。
「アクアさん、ユウナさん……いくら客がいないからといって、だらけ過ぎですよ」
「(あんたね……)」 「(あなたね……)」
半ば怒りと呆れで体で突っ込みたかったアクアとユウナだが、疲れて動けないらしく、実行できずに終わった。
「あ、アイスは全て売り切れたみたいね!?よくやったわ!3人とも!」
アイスセールの間、どこかに行っていたルーカスが戻ってきた。
「はい。みんなでがんばりました!」
「「オトハ〜(怒)」」
もちろん、ご存知のとおり、オトハはミーナが尋ねてきたときから、アイスのセールが終るまでずっと寝ていました。 その間、彼女の働きは全くありません。
「とりあえず、ひと段落ね」
「あれ!?終っちゃっている!?」
すると、2人の男子が購買部の前に来ていた。、
「う〜ん、飛向を保健室に運んでいたし、その後、コロナとユウコと喋っていたし、仕方ないよ」
その二人は少し前にコロナとユウコと分かれたヒロトとショウだった。 どうやら、アイスを求めてきたらしい。
「あら、ヒロト?どうしたの?珍しいじゃない!?私の顔でもみたくなったのかしら?」
「違うって。アイスを買いに来ただけだし。この後すぐに部活に行くんだから!」
どうやら、ヒロトは勉強せずに部活に出るようだ。
「部活に出ちゃ悪いの?」
悪いとは言ってない。
「ヒロトさん、ごめんなさい。アイスは売り切れちゃったみたいなの。だから変わりにコトハの作ったチョコレートをもらってあげて」
「えっ?!なんで!?バレンタインデーじゃないのに!?」
注意:現在の季節は7月の設定です。
「きっと、コトハなりの季節はずれのバレンタインデーですよ」
「で、でも……俺は……」
「じゃあ、僕がもらってあげようか?」
ヒロトが渋っているのを見てショウが名乗り出る。 駄目だろ(汗)
「あ、コトハはショウさんにならいいといっていたので大丈夫ですよ。ただし、トキオさんには渡さないでという条件付で託されました」
「何てアバウトな(汗)」
こうして、ショウはチョコレートをいただいた。
「300円になるわよ」
「Σ姉さん、金取るの!?」
「当然よ?悪い?」
ルーカスがしゃしゃり出てきて料金を徴収する。 贈り物の意味なし(爆)
「あれ?奥にいるのってもしかして……?」
ふとヒロトは奥にいる人物に気がつく。
「ヒカリ……?ヒカリだろ!?」
そう、呼んびながら、ヒロトは彼女に近づく。
「どうしたんだよ!?今日は家で寝ていたはずだろ!?何でこんなところでバイトやっているんだよ!?……あれ?なんで皆さんバイトやっているの?」
「今後の資金のためよ」
「私は付き添いです♪」
ユウナとオトハがそれぞれ答える。
「うるさいわね……。それに何度言えばわかるの?」
「あ……あれ?もしかして……また……?(汗)」
彼女、アクアの目がギラリと光る。
「なんども間違えるんじゃないわよ!!ゼフィロスブルーム!!」
アクアは魔女の箒を持って、凄まじい勢いで振り放つ。 旋風が舞起こり、ヒロトを軽々と吹き飛ばしていった。
「なんで、私とヒカリって子を間違えるのよ!!」
「それは、あなたとヒカリはあまりにも似すぎているのよ」
ユウナがアクアの肩をぽんとたたく。 そう、ヒカリとアクアが似ていることは身長、体重、3サイズ、声……すべてにおいてほとんど同じなのだ。 違うのは性格と能力くらいだろうか。
「だから、仕方がないことなのよ」
「仕方がなくても、間違われる方はとっても嫌なんですけど(怒)」
「そんな事よりも……ヒロト!!大丈夫!?」
吹き飛ばされていったヒロトを心配してショウは追っていった。
「ルーカスさん、ほんとに私とヒカリって子は似ているの?」
「似ているわよ。びっくりするくらいにね」
彼女は微笑んで言うのだった。
16
「もう時間だから後一球で終わりな!」
「負けないわよ!!」
「私だって!!」
ここはテニス部。 テニス部のキャプテンが……あれ?テニス部のキャプテンって誰だっけ? ……ま、いいや。 彼が終わりを告げると、最後の一球を始めた二人がいた。
「やぁ!」
「フッッ!」
「でりゃ!」
「ハァッ!」
サーブから始まり、なかなか緊迫したラリーが続いた。 その隣のコートで、サーブの練習をしているのが一人。 また、そのサーブを受けるためにもう一人反対のコートに立っていた。
「ヒロト……僕たちも終わりにしようよ」
「そうだな……これ以上やっても、ナックルサーブは完成しないし……」
ほんとに練習していたのか!
「アクアさんのせいで……大変な目にあったけどな」
「飛ばされたのがテニスコートでよかったよね。トキオはまだ保健室にいるのかな?」
「トキオはもういいよ(汗)」
「それにしても、あの二人……やるね」
「そうだな」
ラリーを続けている2人の女子を見る。 唯我独尊でネスの幼馴染のエリーとマッハで神速なムキルの双子の妹のユウだ。
エリーの唯我独尊ぶりは毎度毎度ネスカをパシリに使うほどである。 そして、ユウの神速ぶりはフェイズ5を参考してもらいたい。 ネスとコウが舌を巻くほどの速さである。
まさに、雷。またを、神なり。
「寒いから!!」
そんなこんなで、ユウが勝負に出た。 エリーの浅いボールをドロップショットでネット際にうまく返した。
「っ!届いて!!」
全力でダッシュしてバウンドしたボールをうまく拾うエリー。 しかし……
「そこよ!!隙ありッ!!!!」
神速……いや、瞬間移動のようにユウはネットにつめていた。 そして、エリーが拾うのがやっとの思いで打ち返した甘いボールを綺麗にボレーで決めた。 もう、テレポーテーションユウと呼んでもいいだろう。
「私はエスパーじゃないって!それに神速でもないわよ!!」
だって、ユウの速さは神速級だってアットさんから聞いた覚えが……(ぁ)
「作者の聞き間違えだろ(汗)」←ヒロト
とりあえず、一球勝負が終ってのんびりと片づけが始まった。
「ヒロトさーん♪」
片付けの折に現れたのは、一期下の少女。 そして、ヒロトLOVEの少女、コトハだ。 相変わらず、ボインなスタイルにへそを出してミニスカートで男子の目を釘付けにしていた。
コトハは『月の恵』のメインボーカルでもあり、アイドル部にも顔を出すようになったため、コトハを狙う輩が結構いた。 しかし、ほとんどの生徒はコトハが惚れているヒロトのことを知っており、ヒロトと自分では格が違うと身を引いていた。 そして、ヒロトとコトハは付き合っていると思われがちなのだが事実は違っていた。
「コトハちゃん……(汗)」
「一緒に帰ろう!」
ヒロトはコトハが苦手である。
「ねえねえ!チョコ受け取ってくれた!?」
「あ、えーと……チョコ……」
「それなら僕が持っているよ」
ショウがコトハの手作りのチョコを受け取っていた。
「ショウ先輩が受け取っちゃったか……ま、いいわ!トキオ先輩じゃなければ!」
よほどトキオは嫌われているらしい(笑)
「エリーちゃん、帰ろうか」
「待って!ユウ先輩……おかしいわね……」
「どうしたの?」
こちらは女子サイド。
「ネスがいないわ……いつもならこの辺に転がっているのに」
ネスは石かよ。
「エリーちゃんはネス君が好きなの!?」
「そ、そんなんじゃないわよ!!」
と顔を赤くするエリー。わかりやすいなー。 そう思ったのはユウも同じらしい。
「よし。みんな一緒に暮らそうk……間違えた。帰ろうか!」
「ショウ、どう言ったら、間違えるんだよ」
「♪」
こうして、仲良くテニス部のメンバーは帰っていったと言う。 トキオの所在は不明だが(ぁ)
17
「……エアーさん……何の用ですか?」
どこかの場所にコウの友達のサクリとチャイナ風味少女のエアーがいた。
「面白いものを手に入れたアル!だから、サクリたんで試してみたかったアル!」
面白いものとは、購買部で手に入れた嘘発見器である。
「と言うわけで、サクリたん、胸に着けるアル!」
「……何で俺が?」
「深い意味はないアル!」
今日、エアーはこの嘘発見器を手に入れてから、ずっと同級生に試していたのだ! ほとんどの生徒に試したために、後は同じ助っ人のよしみということでエアーはサクリを呼び出したのだ。
とっても、サクリは迷惑していたという。 しかも、この嘘発見器はまだ故障していることに気づいていないエアーだ(ぁ)
「ふう……やっと終ったよ……」
「大変だったね……」
そこに現れたのはラーメンと黒ノリだった。
「何なの!?その説明!?」
「Σ黒ノリって誰のことだよッ!!」
説明しよう。 『ラーメン』とは、『ちぢれラーメン頭』の略で、『黒ノリ』とは『腹黒いノリツッコミ』の略である。 二人ともラーメンでいいじゃないか。
「どっちにしても」
「よくない!!」
後ナルトとメンマがいれば……
「Σいいよ!そんなの!!作らないでよ!!」
「あれ?サクリ、何やっているの?」
「もしかして、サクリたんの友達アルか!?じゃあ、2人とも、試させるアル!!」
エアーが獲物を狙うかのような目をしている。 彼女の発するオーラにたしろぐ2人。
「なんだかわからないけど……」
「うん……逃げるぅ!!」
ラーメン兄弟は顔を見合わせて逃げることを決意した。 でも、所詮、中華風娘にラーメンは食べられることになるのだから、逃げても無駄だろう。
「…………。(助けるか?)」
「あ、サクリ、こんなところで何してんの?」
だけど都合よく、サクリの恋人と名が高いアズサが通りかかる。
「……アズサか。別に何もしてない……。一緒に帰るか?」
こうして、サクリはあまりエアーとはかかわりたくなかったのでネスとコウのことを見捨てて帰ることにした(苦笑) でも、嘘発見器はまだサクリが持っているのに、エアーは何をやっているんだ?
18
「美味しかった〜」
「よく放課後までこの時間まで溶けずにもったな……(汗)」
サッカー部の自主練習が終って、帰路に着こうとしているのは嘘発見器騒動に巻き込まれたムキルとランだ。 そしてランがバーゲンダッシュを食べ終わったところだった。
「ムキルく〜ん!一緒に帰ろー!!」
だが、そう簡単にはまとまらないらしく、サッカー部のマネージャーのカエデがムキルの背中に抱きつく。
「か、カエデ!?ちょ、離れろ!!(汗)」
「……(怒)」
もちろん、それを見てランは不快になる。
「あんた!ムキルから離れなさいよ!!」
「嫌よー!ムキル君は私のものなんだからー!!」
「何よー!」
そして、ケンカになる(ぁ) でも、ここに救世主が通りかかる。
「あ!シクー!ソウト!助けてくれー」
ムキルが助けを求めた救世主とは、インラインスケートをシャーウに壊されて大変な目にあったこの話のメインツッコミティーのシクーだ。 あと、空気王ソウト。 「Σメインツッコミティーって何?!」
「俺は空気かよ!」
メインツッコミティーとはメインパーソナリティみたいに、その話のツッコミの主要人物である。 ソウトはそのまま……だって本当に存在感ないんだもん(蹴)
「どちらかと言うと、メインはコウかネスだと思うけど!!」
ソウトはともかく……シクーはやっぱり救世主じゃないな。 だって、あの時、逃げたじゃないか!!仲間を捨てて逃げたじゃないか!!何も出来なくて逃げたじゃないか!!
「……酷い……扱いも酷い(泣) でも、ナレーションの言うとおり僕じゃ何も出来ない……僕ハ何モデキナイ……存在シテモ、シナクテモ……変わらない……僕ハ鉄クズナンダ……」
「Σシクー!!しっかりしろ!!」←ソウト
こうして、さらにトラブルが増える(ぁ)
「ラン!カエデ!やめろ!!(泣)」
なんだか、頬を引っ張ったり耳を引っ張ったりと醜いケンカをするカエデとラン。 もう、ムキルとソウトじゃ止めらんないや♪(笑)
「止めろよ!“(笑)”じゃないだろ!!ソウト!何とかするぞ!」
「無理だって(汗)」
と、ここでタイミングよくある集団が通りかかる!!
「この状況は何だい!?」
「ここはワイのギャグで……」
「また飛ばされたいのかしら?(怒)」
「ズズッ……」
「シクーにソウトに……なんだか、面子がそろっているわね」
通りかかったのは、上から順にソウカ、イムっち、サラナ、ハナ、ケイコである。 どうやら、一緒に校門までやってきたようだ。
あれ?ファイア、リーフ、タイチ、ティシアはいずこ?
「本当ならば一緒に来るはずだったんだけどね……あっちはあっちで仲良くやっているだろうから先に来ちゃったのよ」
「実際のところはもう一組あっちに残るはずだったのにねぇ」
「それはどういう意味だい!?」
ソウカが顔を赤くして、サラナを睨む。 怒っているのか照れ隠しなのかは判断しかねる。 どっちにしても、サラナは涼しい顔をしていた。
「あら?カエデちゃん?一体どうしたの?」
「ハナおねーちゃん!?」
「久し振りに一緒に帰りましょう」
にっこりと、湯飲みのお茶と右手で持ちながら、左手でカエデを引っ張っていく。
「あ、ちょっと待ってよ……」
なんだか強制退場のカエデ。 ハナのおっとり強引さ(謎)には逆らえないらしい。
「た、助かった……(汗)」
「ムキル……」
「何だ?」
ランは寂しげな眼でムキルを見る。
「あんな女になびかないでよね……」
フッと、ムキルは笑った。
「昼休みに言っただろ?ランと将来を一緒に生きるんだって!」
「ムキル……」
そう言われると、ランはムキルに抱きついた。
「暑いわねー」
「ところで、そっちのシクーは何やってんの?」
「……僕ハ……必要ノ無イ存在ナンダ……」
シクーを完全に忘れてた。
「オイッ!!ソウト!しっかりしろ!あ、ナツキ!?」
「えっ!?」
シクーは我に戻る。単純だなオイ(ぁ) でも、それはソウトの嘘だった。 だよな〜こんなところに都合よくナツキが現れるわけ……
「シクー様!」
Σあった!?
「一緒に帰りましょう♪」
「う、うん!」
こうして一件落着!!
「サラナ先輩……あたし周りが暑くてかなわないわ……」
「そうね」
そういって、羨ましそうにしているサラナとケイコであった(ェ)
19
ムキルたちがシクーの闇を鎮めてから10分くらいして、校門に茶色の掛かった黒髪に黒い瞳の少年が待ち伏せしていた。
「ただ待っているだけだから……」
待ち伏せじゃん(ェ) そう、彼は一人の女の子を待っていた。
しかし、出てくるのは……
「アース、どうすんだ!?手品部はインチキって噂広まって、部費削られるらしいぞ(汗)」
「おかしい……。何故、こんな目に!?」
「お前のせいだろ!!」
「美しくないッ!!」
手品部について今後の話し合いをしているアースとコトキの二人が校門から出て行った。 そして、すぐ後に……
「エイ君……?さっき何を聞こうとしていたの?」
「い、いや、なんでもないよ!」
聞くタイミングを失敗したエイとミミが通りかかった。
「まだか……?」
だが、彼の焦りとは裏腹に別の人物がどんどん出てくる。
「今日は本当に疲れた……」
「お疲れ様♪助けてくれてありがとうね!ファイア♪」
腕を組み合うラブラブなカップルが通り……
「本当に金がないよ……ティシア……俺、明日からの昼飯どうしよう……(汗)」
「仕方がないわね。アタシが作ってきてあげるから!」
「本当か!?」
仲睦まじいカップルが通り……
「早く来ないと置いていくぞ!元々お前が言い出した約束だろうがっ!(赤面)」
「うんっ☆!メテオン、今夜は一杯遊びっ☆!!」
怪しげなカップルが通り……
「バックスさん、先に行きますよ?」
「待ってくれ!リュウコ!!」
文字通りの美女と野獣が通って……
「楽しみだね」
「そうだね♪」
「そうだな」
「ですっ♪」
「ふふっ♪」
おねえさんとおにいさんと無邪気な3人組が通っていった(謎) とりあえず彼は思っただろう。何故こんなときに限って、カップルばかり通るんだ?と。
「し、シズマ……くん?」
ふと、自分の名前を呼びかけられる声を聞いて、後ろを振り向いた。 そこにいたのは気に隠れていた、ネガティブボーイの二翼のエレキだった。
「うぅ……」
もちろん、もう一人はシズマだと言うことは言うまでもない。
「…………。(汗) ……こんなところで何やってるの?」
「そ、それは……」
エレキの悪い癖はすぐに口ごもって相手に意思を伝えられないことである。
「し、シズマ君は……何やってるの?」
「お、俺か……?俺は……ちょっとな……」
「そ、そう……」
二人はそれ以降喋らず、それぞれ離れて、木の陰に隠れて校門を見ていた。
「(誰か待っているのか?)」
「シズマ?」
エレキを気にしていると、後ろから自分の名前を呼ぶ声がした。
「……キラメ……」
はっと、振り向く。 シズマとキラメは昼休みに夫婦ゲンカしてから、ずっと仲が悪かった。
「夫婦じゃないわよ!!」
「一緒に帰らないか?」
「え?」
「駄目か?」
シズマが俯いて言っていた。
「シズマがそういうなら、一緒に帰ってもいいけど!?」
と、キラメはぶっきらぼうに言った。 こうして、二人は仲良く一緒に帰ることになった。めでたしめでたし……。
と、なればよかったのにねぇ(ェ)
「待つアル〜!!」
「助けて!!」
「食べられるぅ!!」
ここに現れたのはまたまた、中華軍団である。
「Σもうセットにされてる!?」
「いやだ……(泣)」
しかし、2人の前に飛び出してきた少年がいた。 エレキだ。
「あれっ?どうしたアル!?エレキたん、どうしたアル!?」
「じ、実は……あのーそのー……」
「それよりもエレキたんもこれを試すアル!って、あれ?」
エアーはようやく嘘発見器が手元にないことに気がついた。 遅いな(苦笑)
「何処に行ったアルぅ!?」
「え、エアーちゃん……」
「嘘発見器ー(泣)」
「あのー……」
「嘘発見器ー(泣)」
「そのー……」
「嘘発見器ー(泣)」
「い、一緒に帰らない?」
「嘘発見器ー!うわぁーん!!(泣)」
エアーはその場から逃げ出した!(ぁ)
「え、えぇ!?ま、待ってよ!!(泣)」
こうして、二人はその場から泣いて去っていった。
「……僕たちは助かったの?」
「そうみたい……」
黒ノリとラーメンは何とか命拾いしたのだった。
「もう嫌……」
「午後からろくなことなかったね……(泣)」
20
「結果発表♪本日の売上が出ました♪」
ルーカスが言うと、店員の3人がわいわいと喜ぶ。
「ところで、何故今日はルーカスさん一人だけだったんですか?」
「それはね、今日、副店長のガンちゃんが山登りに行っちゃった上に、店員が風邪でダウンしちゃったのよ。だから」
「私たちをバイトに雇ったわけですね」
「そうよ」
ユウナは察しがよかった。 ちなみにガンちゃんとは岩吉 六貴意図 狐栗鼠町(ガンキチ=ロッキーズ=イーブイタウン)のことであり、山岳部を作りたい山マニアである。 しかし、ルーカスの方が年下なのに、ガンちゃんと呼ぶのは謎である(ぁ)
「じゃあ、精算するわよ。まず……“地獄のまきびしセット”に“鉛入りボール”、“サッカーボール”に“インラインスケート”、“嘘発見器”、“コロン”、“女物の洋服”他もろもろ……」
「あれ?“鉛入りボール”って結局売れたんでしたっけ?」
「“焼き蕎麦パン”、“DXスマッシュ弁当”、“デンジャラス麻婆春雨”、“豆腐”などなど……」
「豆腐……ってそのままよね?」
「“四次元シルクハット”、“オトナになーる”、“オトハの写真×5”、“コトハの手作りチョコ”他省略……」
「“オトナになーる”って、私が作った物じゃないですか!?」
「その写真は私が編集した品物じゃないですか!」
「ユウナさん!また勝手に私の写真を作らないでくださいよぅ〜」
と、三者三様の反応を見せる。 オトハはコトハのチョコに関して何も言わないらしい(ぁ)
「何言っているの?ここで売った物は全て購買部の収入なのよ!それにあんたたちにはバイト代を払うからいいじゃない!」
「「「ああ、そうか」」」
簡単に言いくるめられる3人。
単純な奴ら……(汗)
「それに、アイスが大量に売れたので……売上は……ざっと100万円になりました♪」
「すごい!それだけあれば……」
「情報仕入れ放題ね」
「実験し放題だわ!」
100万じゃ無理だろ(汗)
「ええと、と言うわけで、販売価格から、仕入れ価格を引くと……なんと……」
三人はゴクッと息を呑む。
「利益は50万円よ!!」
「「「50万円!?」」」
3人は驚く。 学校の購買部で50万円って……オイ! 普通のショップでも50万くらいしか行かないぞ! それも売上だけで……。一体どんなイカサマをしたんだ!?
「何言ってんの?これが私の実力よ!仕入れ価格の2倍の値段で売ったのよ!それに仕入れ価格も安くしてくれたしね」
一体どうやったかは想像しにくい(汗)
「と言うわけで、ハイ、あなたたちのバイト代」
ルーカスは給料を封筒に入れて渡す。
「薄いですね……。紙一枚のようですね」
「まさか……1万円!?これだけ働いて1万円は安いわよ!」
「……いいえ、10時間働いたとして、時給1000円は高い方だと思うわよ」
アクアが不満を訴えるがユウナが冷静に受けとめて、袋の中身を確かめた。 だが、その中身を見てユウナは顔をしかめることになる。
「ルーカスさん!!これはなんですか!?」
「見てのとおりよ?」
ユウナの手に握り締められていたのはアイスのスピードクジの当たり券である“コーヒー喫茶店『SKY PLACE』の無料招待券1週間分”だった。
「私は現金が欲しいんですけど」
「私はこれでもいいんですけど……コーヒー好きですし」
「授業までサボってこれだけって言うのも納得いかないわ」
アクアはそういうが、実際3人ともまじめに授業を受けている様子は“決して”ありません!
「強調しないでよ!!」
「それにこれは今日1人にしか当たらなかったから、とってもレアな物なのよ!というわけでこれ以上私は出さないわよ!」
「「えー!!」」
アクアとユウナは不満を漏らすのだった。
「“えー”じゃない!!!」
「ルーカスさん」
「何!?オトハまで文句あるの?」
「確か……利益ってそこにおいてあったんですよね?」
「ええ、確かにそこのボックスの中に…………あれっ!?」
その利益の入ったボックスがなくなっていたのだ!!
「どうなっているの!?」
「さっき、男の人が持って行きましたよ」
「何で教えてくれなかったのよ!?」
「てっきり、ルーカスさんの知り合いかと……」
「私の知り合いなら、私にまず話しかけるでしょ!!」
「あ、そうですね」
ポンッと手のひらを叩いて納得するオトハ。
「納得しないでよ!!とにかく、犯人を捜すのよ!!」
「「嫌です。現金をもらうまで捜しません!!」」
「わかったわよ!!ちゃんと払うから捜して!!」
アクアとユウナは見合わせてニッと笑った。
「さあ、オトハもいくわよ!!」
「えっ!?私もですかー!?」
強引にオトハをつれて2人は捜しに出たのだった。
「こいつは凄いぜ!!10…20…30…40…50万も入っているぜ!今日は凄い収穫だ!!」
校舎の裏で鍵がかかっているはずのボックスをいとも簡単に開けてお金をチェックしていた。 見るからに泥棒である。
「泥棒……?そんな簡単な説明で片付けるな!!俺はそこんじょそこらの泥棒とは違う!!大盗賊、『盗空のマルク』とは俺のことだ!!」
聞いたことねーな。
「何だと!?嘘だろ!?WWSの補助キャラ設定にちゃんとあるじぇねえか!!瀬野 丸九(セノ マルク)って!!」
あれならもうないから。
「オイ!!」
そんなこんなで、盗賊と言うカッコよりも、どちらかと言うとサバイバルをするような格好をしている男である。
「どっちにしても、これだけあれば当分遊んで暮らせるぜ!!」
シメシメと笑うマルク。 だが、そこに2つの影が……
「ふふふ……まさかと思って校内を見回っていたら……獲物発見ね」
「誰だ!?」
「そこのお金……渡してもらうわよ。……さもないと……噛み殺すわよ!!」
と、そこに現れたのはトンファーを持った風紀委員のライトだ! って、どっかの風紀委員の真似すんなよ!!
「ライトさん……まじめにやりましょう」
その相方を務めるのは同じ風紀委員のニクス。 行き過ぎたライトの行動を監視する役目に何故か落ち着いている。
と勝手に設定しているのは僕だけどね(蹴)
「そうね」
ニクスに言われてポイッとトンファーを投げ捨てるライト。 結局役作りのためかよ!!
「お前ら……俺が誰だかわかっているのか!?『盗空のマルク』だぞ!!」
「糖食う……?砂糖が好きなの?」
「糖分を取りすぎるとどこかの銀髪の剣士みたいに糖尿病になりますよ?」
「違うッ!盗む空で盗空(トウクウ)だ!!」
「そんなの知っているわよ」
「ワザと言ったに決まっているじゃないですか」
これでも頭の回転はトップクラスの2人。 ライトはこれでも一級飛び級している。意外にも。
「意外は余計よ!」
でも、ニクスは頭がいいかわからないんだよなー。 資料ないし。 でもきっとシブキのライバルなんだから、頭いいと想定して進みます。
え?シブキが誰かって?シブキとは……『水波動の勇者マサシ』、『女帝エスパーニのエーフィ』、『マジシャンウィザードコトキ』に並ぶ四天王の一人……『妹のパシリのシブキ』だ!
「なるほど」
「わかりやすい説明ですね」
って、この説明で納得するのかよ! つっこまないのかよ! 拍子抜けだなオイッ!!(汗)
「さて、こっちに渡してください。あなたのそのお金」
「盗んだお金をみすみす渡してたまるか!!」
―――1分後。
「のわーっ!!」
マルクは星空の彼方へと吹っ飛んで行った。
「あっけなかったわね」
「そうですね」
二人の手元にあるのは利益の入ったお金だった。
「はぁ…はぁ……あっ!そこの二人!!」
「これくらいのボックスを知りませんか?」
「って、それじゃない!?」
その場に現れるはヒスイずっこけ三人組。
「それは今日の利益なのよ!返しなさい!!」
ライトの手元にあるボックスをヒョイッとひったくるアクア。
「待ってよ!私たちが変な泥棒からお金を取り戻したんだから、謝礼を頂戴よ!」
「…………」
当たり前のことをしただけなのに、ライトはお金を要求する。ニクスは少し呆れていた。
「はい、お礼の1割です」
「って、オトハ!?」
と、オトハは10万円を二人に渡した。
「これでいいですよね?」
「こんなに!?ありがとう!!」
「本当にいいのですか?」
さすがにニクスはためらう。ライトとは大違いだ。
「いいですよ!」
「そうですか……」
ニクスが頷くと2人は再び校内を見回り始めたのだった。
「オトハ、あんた……」
「いいじゃないですか!あの二人がいなかったら、利益は戻ってこなかったんですから♪」
「そうじゃなくて……50万円の1割は5万円よ。あなた単純な計算ミスをしているわ」
「あ……(汗) ……ま、いいですよね」
「「よくないわよ!!」」
こうして、利益は減ったが、何とかお金を取り戻したと言う。 この後、3人はルーカスに給料として1万円をもらい、満足して帰っていった。
「残ったのは……大体30万か……。このお金で“あの計画”を実行するわよ!!」
何かを考えるルーカス。 しかし、本日の売上は終わりなのでルーカスの計画が明るみに出ることはありませんでした。
「続きなさいよ!!」
つづきません(ぁ)
21(おまけ)
「こんにちはー!」
「いらっしゃい!カレンちゃん!」
場所はコーヒー喫茶店『SKY PLACE』。時間は19時を回る。 『SKY PLACE』はカツトシと言う若い男性がマスターを勤めるコーヒー喫茶店である。 彼の入れるコーヒーはどの喫茶店よりも美味しく、幅広く人気があるといわれている。 のだが……まだ、出来たばかりでその存在を知るものはあまりいない。
「今日はどうしたんだい?また悩み事かな?」
カツトシと言う男性はタマムシ学園を高等部で卒業し、マメに3年働いて、その後この地に『SKY PLACE』を開店させた。 彼はかなりのイケメンで、部活は陸上部でそこそこの成績を収めて人気者だったのだ。
「いいえ。今日は純粋にコーヒーを飲みに来たの。これを見て!」
彼女……カレンが取り出したのは、『SKY PLACE』の無料招待券だった。 どうやら彼女が今日、唯一無料招待券が当たった一人らしい。
「ねえ、この無料招待券のアイディアってカツトシさんでしょ!?」
「ははっ。少しでもこの店を知ってもらおうとルーカスさんに頼んだんだけど、常連のカレンちゃんがあたっちゃうなんて思わなかったなぁ」
と、苦笑いをする。
「大丈夫!今度、私が弓道部のみんなを連れてくるから!」
「そうか……それはありがたいよ。ところで……彼とはどうなったのかな?うまくいったのかい?」
「……そ……それは……(汗)」
「まだ、うまくいっていないみたいだね」
「そういえば……今日、ハルキ……来なかったのよね……」
「やっぱり、話しかけないと駄目だよ。話しかけないことには彼も話をしてくれないよ」
「そ、そうよね」
ところで……ハルキが来なかったと言うことは……悠火のハルキへの託が無意味だと言うことになる(滅) さて、そこでドアのスズがチリリーンとなって、3人のお子ちゃまと一人の中坊と一人の女性が入ってきた。
「すご〜い……立派なお店」
「凄いね……」
「ですっ♪」
「コーヒーのいい香りがするね」
「このような店ははじめてきましたわ」
手をつないでまず入ってきたのが、ネスの友達のリュウとナミネ。 次に一言頷いたのがエレミア。 匂いに感心したのが莉徒。 店に感嘆するのはミカンだ。
「いらっしゃい!」
「コーヒー牛乳ありますか?」
「僕も同じのおねがいします」
「です!!」
「3人ともコーヒー牛乳だね」
オーダーを受けて、すばやくカツトシは取り掛かる。
「(コーヒーショップなのに……コーヒー牛乳って(汗))」
と、心の中でつぶやくカレン。
「私は……エスプレッソを」
「僕は何でもいいのでコーヒーを一杯ください」
お子ちゃま3人(ェ)に比べて、2人はまともにコーヒーを注文した。
「あれ?莉徒くん?」
「あ、カレンちゃん?何でここに?」
2人は同じクラスなので顔見知りだった。
「私はいつも部活が終ったらここに来てコーヒーを一杯飲むのよ?莉徒くんは今日はどうしたの?」
「僕は、今日は天文部の活動で集まって、ここで今日は何の星を見るかと言うことになって…………」
以下略(ェ)
「そうだったの……」
「はい、出来たよ」
5人にそれぞれ、コーヒー牛乳、エスプレッソ、を目の前に置いた。 どうやら、リトの注文は何でもいいということだったので、適当にエスプレッソを2つ入れたらしい。 それぞれ、口に入れてみると……
「本当に美味しいです」
ミカンがカツトシに言う。
「美味しいね。リュウ君」
「うん」
「ですっ♪」
どうやらみんな満足のようだ。 しかし、一人だけ反応が違かった。 「ぶっ!な、何だこの味!?」
飲んで、蒸せるリト。
「い、一体このコーヒーに何が入っているんですか?」
「さっきカレンちゃんにリトくんはコンソメ味が好きだと聞いたからコンソメの元をひとさじ入れたんだ」
「(カレンちゃん……余計なことを……)」
「これで、ショップの評判が高まるといいわね。カツトシさん♪」
「そうだね」
これだけ評判なら、客足も伸びることだろう。 そんな浅はかな思いを浮かべるカレンだった。
「浅はかなの!?」←カレン
22(おまけ)
次の朝。
「え!?山から下りられない!?ガンちゃん!?何やっているのよ!?今日も私一人で店をやらせる気!?」
そんな話し声が、準備中の”FRIENDLY SHOP”から響き渡ったとさ(ぁ)
終わり
☆キャラアト!(キャラたちとアトガキ)
1:購買部と喫茶店
アクア「それにしても、何で『本日の売上シリーズ』なんて思いついたわけ?」
それはもちろん、皆さんにFRIENDLY SHOPの存在を知って欲しかったわけさ♪
ルーカス「そうよ!宣伝よ!これでまた売上が入るわよ〜♪」
ヒロト「それはどうだかわからないけどな……(汗)」
ユウナ「売っている物も半端じゃないわよね(汗)」
ルーカス「『生卵』から『ボーリングのピン』まであらゆる物を売っているの!これで客は必ず欲しいものが手に入るという寸法なのよ!!」
ヒロト「『生卵』って……売れなければ腐るだけだろ(汗)」
オトハ「凄いです!『ボーリングのピン』があれば、学校でボウリング大会が出来ますよ!!」
モトキ「♪本当だ〜!今度、ボウリング大会〜やろうぜぃ〜!」
ヒロト「何故にそうなる」
ユウナ「店といえば、『SKY PLACE』というコーヒーショップも出ていましたわね」
ヒロト「アレもなんで出したんだ?」
カツトシ「決まっているじゃないか!宣伝のためだよ!ただでさえ、経営が大変なんだから、少し客を呼ぶためにね」
カレン「そうよ!私もがんばっているんだから!」
ヒロト「そういえば、フェイズ12を見て気がついたんだけど、あのアイスを買ったセリフって、キャラの設定があったって本当か?」
ユウナ「私の記録によると……」
アクア「パソコンに記録してるのね(汗)」
ユウナ「最初の「ええと……小豆アイスください!」はカイト君。でも次に「カイト、小豆アイスよりもバーゲンダッシュをおごりなさい!」といわれて、シオリちゃんに頼まれています」
ユウコ「むしろ、頼むというよりも強引に買わせているって感じね。シオリちゃんもやるわね〜」
ショウ「ねーちゃん(汗)」
ユウナ「次の「チョコバナナアイスくれアル!」はもちろん……」
エアー「私アル!丁度食べたかったのよ」
アース「エアー、女の子がそんなもの食べちゃだめだよ。美しくない」
エアー「何でアル?」
ユウナ「その次に現れたのはセリンちゃんね。「コウ君のためにハーゲンダッツを買って行こう♪」って。あれっ?アキラ君だったかな?「コウの奴……大丈夫かな?」……は確かフアル君だった気がする……」
アクア「曖昧ね……何でそこは覚えてないの?」
ユウナ「次の「どけどけ!!バーゲンダッシュだ!」と「ニイナまた邪魔する気か!?」は……」
クルミ「ニイナとオレだな!!あれが焼き蕎麦パンの争奪の続きになってしまったわけだ」
ハナ「クルミお姉さん。ケンカはよくありませんよ」
クルミ「あいつから吹っかけてきたんだろ!売られたケンカは買うのが礼儀だぜ!!」
ちなみに、このときはまだ、ニイナの好きなピザは売っていません(ぁ)
ユウナ「「グーリッシュください!!」と「パピーコあるかい!?」は、忙しくて誰だか確認できなかったの……」
アクア「そのとき忙しかったしね。そのとき誰かさんは寝てたけど……」
オトハ「??」
ユウナ「「オイラは……バーゲンダッシュ!!」はクルミの弟のホタネね」
クルミ「あいつも来ていたのか。……ところで「月見大福アイスくれ」って奴は誰だ?」
それは俺だ。
ヒロト「いや、違うだろ(汗)」
アクア「「バーゲンダッシュ……」は確か……誰だっけ?」
確かその口調はチェルノ……
ヒロト「出てないぞ」
ユウナ「「ですっ♪」は言うまでもないわね。「『ですっ♪』ってバーゲンダッシュ?」が私が言った言葉だから」
クルミ「そうだったのか」
カエデ「「ムキルぅーバーゲンダッシュ食べたい!」って言うのはもしかして、ラン!?」
ヒロト「カエデちゃんの歪曲したイントネーションが引っかかる(汗)」
アクア「彼女しかいないでしょうね。カエデじゃないとなると」
ユウナ「「バーゲンダッシュをいただくぜ!!」……というのが分からないんですけど。あと「モナカください!!」」
オトハ「わからないならわからないでいいじゃないですか」
ハナ「そうですよ〜。ズズッ」
クルミ「ハナ……お前いつもどこからお茶を持ってきてるんだ?」
エリー「「バーゲンダッシュくださいッ!!!」というのはユウ先輩だわ。神速の速さでテニスコートから購買部に行っちゃったから」
ヒロト「そんなことをしていたのか(汗)」
ユウナ「「バーゲンダッシュください。ユキヤはどうする?」と「俺もカイリと同じでいいや」は説明不要ね」
それは、二人が仲良しだと聞いたから、一緒にアイスを買うシーンを出してみました。
ハナ「「バーゲンダッシュ!!!!くれーー!!!!」は誰だか一目で分かりますね」
クルミ「ダイチのやつ……いちいちうるせーんだよ」
ユウナ「そして最後の「……あ、当たった」と言うのは……」
カレン「私の『SKY PLACE』の無料招待券が当たって驚いたときのセリフね」
ヒロト「そういう意味があったのか」
ユウナ「ところで、『SKY PLACE』にはどんな飲み物が置いてあるの?まだ私調べていなかったのよね」
カツトシ「それなら、今度来てください。丁重におもてなししますよ?」
カレン「カツトシさん〜お客さんはみんな同じようにしないとだめですよ!」
カツトシ「ははは。そうだね(笑)」
2:最後に今後の展開について
ネス「これで最後なら、順番つける意味ないでしょうに!!」
ノリだよ!ノリ!今後の要素はやはり恋愛要素でしょうか。
全員「!!!!」
いや、何でみんなにそんなに反応する(汗)
ハナ「ズズッ」
クルミ「そんなものなくてもいい」
そんな反応をするのはあんたら二人だけだよ(汗) ハナはのんきにお茶飲んでるし。
カツトシ「僕はみんなの相談役として出るから、僕自身の恋愛はないはずだよ」
うん。モトからカツトシはそういう役目だから。
カエデ「私はムキル君t」
カエデはモトキで我慢しろ(ェ)
クルミ「無理だろ」
オトハ「ところで私は誰になるのでしょう?」
オトハは組合せが色々ありすぎるからなぁ……ヒロトも同じだが。
ヒロト「何か最後に言わなかったか?どれだけ振り回す気だ?」
コトハ「ヒロトさんは、私と結ばれるのよー!!」
ヒロト「うわっ!抱きつくなッ!!」
ショウ「うまくかわしているし。って!!」
ショウに抱きついてる(ェ)
コトハ「ま、いいか」
ネス「Σいいの!?」
でも恋愛要素で、もう最初からCPになっているのはファイアとリーフなんだよな。
リーフ「そ、そうなの?」
ファイア「!!」
一方、ヘタレエレキと中華風エアーは微妙だし、無口ハルキと守銭カレンはうまく口が聞けない設定になっているし。
エレキ「……うぅ……(凹)」
エアー「何アルか?」
カレン「そんなこといわれたって仕方ないじゃないの!!ハルキが避けているんだから!!」
トキオ「なぁ!俺は一体いつになったら女の子と付き合えるんだ?」
ラグナ「俺だったらそうだな……オトハクラスの巨乳の女がいいな」
クルミ「お前らはどっかに行きやがれ!!」
ラグナ「何だ!?やんのか?!」
ネス「ケンカは外でやってよ!!(汗)」
一番書きたいCPは本編でもこっちでもライト何だけどね。
ライト「じゃあ、速く書きなさいよ」
いや、どううまくパロディ化して書くかに悩んでいるんだ。
ライト「普通に書きなさい!!」
アトガキ〜本日の売上を再編集して〜
自分のシリーズ物の原点ですね。 最初は漫画のネタやゲームのネタ、ボイスネタをあまり使わずに、進めていたことがよくわかります。 今となっては、ボイスネタなしには学園ネタは書けないほどになっていますけど(苦笑)
再編集で少し変わっているところがあります。 けど、だいすさんのキャラが出ているのは変えていません。 一応、長編シリーズの4までは自分の中で第一部という勝手に位置づけています。 そして、未来編のキャラが出ると同時に、だいすさんのキャラがいなくなるみたいな?そんなノリで自分の中で切り替えしていくつもりです。
付け加えて、内容復習のために、投稿してみました。 あと、いっき読みしたい人はこちらがいいかもしれませんね。 4つも分かれていると、クリックするのがいちいち面倒だったりしますし。
…………。
それって僕だけ?(苦笑) とりあえず、シリーズ2も予定中です。こちらは少し短いかもしれません。
次回もよろしくです。
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[688] |
- ガルダ - 2009年02月27日 (金) 17時42分
むしろこうやって一つに纏めた方が消費するスペース1つで済んでる分良くね?と思ったのは俺だけか…?
ミカ「…ただしその代わり長くなる分途中で読むのを止めると次読む時困るけど。」
まあそんな問題もあるわけだが…この場所の都合あとから突っ込んだのが上に来るしな、こうした長編の場合こうやって一つにした方が楽じゃないかね。
さて学園は現在状況としては以前よりカオス化してるわけだが、ここまで面子が増えてくると誰が誰だか分からなくなってくるかもな。
ギル「つか作者、てめぇも何か書けや。例の会合系はもうネタ切れか?」
ああ、あれか。あれはもうちょっと蒐集が終わってからにしようと思ってな。…まあ需要があるかどうかは知らんが。
ミカ「…仮にも参加してる状況なんだからたまには書けばいいのに。」
確かにそうなんだが、まあアレだ、思いついたらやるくらいしか俺には出来んよ。 さて、またPSZで周回する作業を始めるか…
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