タマムシ大附属学校
ポケモンのオリトレ小説、学園パラレル企画掲示板。
要するに、オリトレ達のドタバタ学園コメディ(待て)。
物語がどう突き進むかは全く不明ですが、何はともあれ楽しみましょう。
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[479] 破壊(その3) |
- アット - 2008年06月16日 (月) 07時15分
※必ず、だいすさん作『破壊(その1)』からご覧ください。 <http://bbs4.sekkaku.net/bbs/?id=Tamamushi&mode=res&log=155>
※『破壊(その1)』に続き、今回も学園らしからぬ内容になるかも。あまり受け付けないなら、無理に読まれない方がいいかも知れません。
人間とは不便なものである。
「…………。んな事ないだろ」
「Σいきなり真っ向否定!!?」
ムキルがばっさり切り捨てたのは、この一文に限らず、『破壊(その1)』冒頭全てを指しての事。 あれだけ頑張ってお書きになられたであろう序盤部分を、躊躇もなしにまるごと言い切りやがった。 それは当然、シクー如きが横からツッコミしても、効果ゼロ。
「Σ僕が何の役にも立たないみたいじゃないか!?」
「……けど、正直言うと、僕もムキル寄りの意見にはなるね」
もう1人、同意の意向を表したのはカザト。 彼はダイスケと同じ、古流剣術部に所属。 竹刀剣道をこよなく愛し、『竹刀剣術が実戦剣術にも勝れることを自ら証明してみせる』と、普段から修行に励んでいる。 事実、彼の部内における剣の腕は、実戦向きの古流剣術に特化したダイスケと、五分に斬り結べるほどだ。
「僕はね。人が悩むことは、一種の権利だと思うんだよ」
そう、カザトは模範的な優等生を彷彿とさせる態度で、自分の考えを語る。
「自然界の動物は、とにかく生きていくことのみが、行動目的のほとんどを占めていると思う。だから、『余分』がない。食べ物にしろ何にしろ、選択をためらうといった事がまず無いんだと思う」
「『余分』か……。確かに、ただ生きていくだけなら、その通りかも知れねぇな」
ムキルも、同意を示した。
「世界には、その日を生きていくのだけでも必死な人間だっている。そうではなく、ただ漠然と暮らすだけで生きていられる俺達は、平和というものに甘えた存在に過ぎねぇ。けど同時に、その『余分』が許されているのも、俺達なんだ」
「うん。それは不便じゃなくて、権利なんだよ。だって世界には、生死の境を生きている生き物が沢山いる。それは人間も含めて。 ……けど僕らは、それ以外のことを考えている余裕を享受させてもらっている。その事を、むしろ感謝すべきじゃないかな」
基本的に、この2人は前向きな性格だ。 ゆえに、プラスとなる回答を述べられる。
これは、この事柄に限ったものではないだろう。 つまりは、視点の違いによる見え方の差異。 同じものを見つめた時、その視点が異なれば、中身すらも180度変化する。 ただし、それは同時に、道を違える引き金ともなることを意味している。
要するに、全てを否定しないという事には、限界が存在する。 物事の肯定は、その正反対に対する否定をも意味してしまう。
それは単なる、考え方の相違。
二極化した、プラスとマイナス。 それは、互いを理解し合おうとする事はできても、どこかで反りを違えて、完全の合致には至らない。
もっとも、そうでなければ『道』は生まれない。
行き先の選択があるからこそ、そこに至る道が生まれ、多岐に分かれている。 これは人に限らず、全ての動植物が、個々に微妙な違いがあって完全な同一が存在しないのと同じこと。 たとえ行き先が唯一でも、そこへ向かうか否かの選択はある。 行き先すらないのであれば、歩む必要性どころか、歩みという概念自体が無い……もはやそこに『道』はないのだ。
「いずれにせよ……」
ムキルは、まとめに入るような言い回しで語る。
「どうせ色んな考え方ができるのなら、考えて楽しい捉え方をした方がトクじゃねぇか。そんな程度の違いだろ」
「うん。そうかもね」
カザトは、簡単に同意してみせた。 シクーは何かを口にする訳でもなかったが、反論する必要もないのだろう。 こくりと頷くだけで、その場に立っていた。
「……だからなんだよ。てめぇら人間は」
空気が、震撼した。
「余分な道なんざ抱え過ぎてるから、弱えぇんだ。そんな自覚もねぇのか、餓鬼共が」
「っ!? なっ……」
その獣は、上空から睨みつけていた。
……否。 そいつは哂(わら)っていた。
嘲笑にも取れた。
interval.
「僕はフラれると思うね」
中等部二年のサキチは、容赦がない。
「どっちでもいいわよ、そんなこと」
同じクラスのミヤには、興味がない。
「どう思う?」
「私だったらパスだな。コトキ君っていい人だけど、顔が趣味じゃないもの」
「な、何気にひでぇ……(汗)。けど今回は確かに、相手がレベル高過ぎだからなぁ」
「つか、無理だろ。うん、間違いなく」
クラス内の話題は、たった1つに集約されていた。 で、その中で唯一、不機嫌そうな野郎が一名。
「Σナメてんのか、お前らー!!」
コトキは、懇親の叫びで理不尽を訴える。 ま、こういう展開の場合、空気的にはスルーされるんだけどね(ぇ)。
何ということはない。 コトキがヒカリに告白したことが、あっという間に周囲に知れ渡ってしまっただけのこと。 彼が告白の回答を貰うよりも少し前の、昼下がりのタマ大附属校。 彼のクラスには、もはやこの話以外の音は何も聞こえていなかった。
この学校に新聞部がある以上、隠し事は不可能。 どんな些細な情報もだだ漏れしてしまう、セキュリティがあまりに無力な土壌が出来上がっていた(ぁ)。
「Σどんな雛見沢だよ、ここ!!(汗)」
「あー、そういう解釈の仕方もあったのね」
不思議と、ミヤは感心する(?)。
「大体、何でそんなにも話題になってんだよ。カナ先生が支配するこの学園において、告白の1つや2つは珍しい事じゃないだろ」
「うん、まー……そうなるかしらねぇ」
Σそうなのか(待て)。
「でも、やっぱり相手があのヒカリ先輩だからじゃないの?」
「……う゛」
どうもカナは、『まるで娘のように』ヒカリに対してはご執心なところがある。 そんな事もあって、ヒカリ(あと一応ヒカルも)は、タマ大附属校内において結構有名な存在だ。 彼女のガードの高さもまた、知れ渡っているところなのである。
「しかも、何たってコトキから見て、2学年も上の先輩なのよね」
「Σ元、同級生だ!!」
何故かそこのところを、意地になって言い張るコトロだった。
「だぁッ、とうとう表記名が変わりやがった! どうせ授業も終わったし、帰ってやる!(ぁ)」
いじけて(?)コトキは、カバンを持ったままドカドカと教室を出ていく。 ……いや、出ていきかけたが、不意に立ち止まると振り返ってきた。
「そういえば、サキチ」
「ん?」
まるで、何かを思い出したかのように。 コトキは、教室内にいるサキチに話しかけた。
「お前……今回も影薄かったな」
「Σほっといてよッ!!」
interval out.
空は、早くも絶望に染まっていた。
「冗談じゃ……ねぇぞ……!!」
歯を食いしばり、肩口の出血を抑えながら、それでもムキルは睨み付ける。 だが、相対する人外の者は、あまりに遠い力の存在だ。
「う……ぅっ……」
シクーなどは、あまりの恐怖に微動だにできない。 歯をガチガチならして、眠りのない悪夢にうなされていた。
「無駄なんだよ、餓鬼共。無意味な抵抗に、ありもしねぇ希望をつなごうとすんじゃねぇ!」
この人外の存在が、ダイスケの前に姿を現す直前の出来事。 他の蹴散らした人間同様に、奴はムキルを這いつくばらせていた。 人外なる者の名は、デイサゲ。
あれは、人間ではない。 物理法則すら無視した動きと力は、抗うという概念すらも磨り潰す。 それすら気づかぬ人間に、彼は更なる苛立ちを覚えているようだ。
「無駄かどうかは、やってみなけりゃ分からないだろ!!」
横からカザトが、竹刀を振り下ろす。 同時に、姿を消すデイサゲ。
「ケッ。分かりきってるから、間抜けなてめぇらに教えてやってんだろうが」
「くっ……そこ!」
カザトの竹刀は、冷静に敵を追尾する。 一瞬見失った姿は、確かにそこにあった。
「それを言っても分からねぇ餓鬼共なんざ、目障りなだけだ!」
デイサゲが刀を振る。 竹刀で受けられないのは百も承知、ならば避け……。
ドシュっ!!
鈍い音は、カザトの腹部から響いたものだった。
「かッ……は……!!?」
見えなかった。 というよりも、気づけなかった。
いつの間にか横っ腹にはデイサゲの手がめり込んでいて、途端に意識が喰い削られる。 やられたことを自覚したのは、それを認識したのよりも、更に後だった。
「……グッ……」
ドサリ。
無情な音色で、カザトがあっけなく倒される。 剣の腕ではダイスケと互角を誇るカザトですら、まるで勝負にならなかった。 その様を、シクーとムキルは無言で目の当たりにする。
「嘘だろ……」
「チッ。すぐこれだ。自分に都合が悪い事には目を反らし、容易く現実から逃避しやがる」
切っ先を、うずくまっていたムキルの眼前にちらつかせる。
「だから、どいつもこいつもカスみてぇに弱えぇんだ。人間ってのはよぉ!!」
そのまま刃を真横にし、突き刺す構えを見せた。
「さっきの間抜けた談議もそうだ。まるで、自分なりの答えを出したかのような自己満足に浸ってたみてぇだが、所詮は自分達の視点でしか物を語っちゃいねぇ」
「何……だと?」
「全く、俺にとってはどうでもいい事なんだがよぉ。それでも、ゴミみてぇに弱いだけの餓鬼共が、自分勝手に満足して喜んでる姿を見てると虫唾が走んだよ!」
この頃になると、デイサゲはやけに多弁になっていた。 彼は、人間ではない。 とはいえ、彼は人の言葉を話す存在。 人語を理解する以上は、かなりズレてるとはいえ、かろうじて人に理解できる範疇の思考回路であることを意味する。
単に彼は、飽きてきたのだ。 元から飽きてて、機械的作業だったに過ぎないのかも知れないが、それでも同じ事に繰り返しは、いい加減つまらなかった。 なので少々趣向を変えて、体を刻むのみならず、言葉でも刻んでみようと……。 デイサゲ本人、自覚しているかはかなり怪しいが、そんな程度の気分転換らしかった。
「ったく、目障りだ。自分勝手なだけの弱えぇ人間如きが、ちったぁ自分達の無意味さでも自覚しやがれ!」
まるで、そうあるべきと。 その方がまだ救いがあると、押し潰す言葉。
「そうして、こそこそ這いつくばりながらのたれ死んできゃ、ちったぁマシになるってもんだぜ」
「……五月蝿(うるさ)い」
それに抗したのは、押し殺すような暗い声だった。 発したのは、切っ先を突きつけられているムキル……ではなく……。
「お前に……何の権利があって、そんなこと言ってるんだ!!」
……シクーだった。 普段穏やかな彼が、いつになく激情に駆られて怒鳴りたてる。
「あ?」
デイサゲは、つまらなそうに……くだらなそうに。 何やら、喚(わめ)いているモノを見下す。
「無意味だなんて決め付ける資格が、お前なんかにあるものか!! さっきのムキルやカザト先輩の話だって、辛いより楽しい方がいいからって出した、純粋な結論だったじゃないか!! 現実逃避かどうかなんて関係ない。僕も、ムキル達の前向きな答えの方が好きだ!!」
「…………」
「だから僕は、お前なんか絶対に認めない!! ムキル達を否定する権利がお前なんかにあるなんて、絶対に……」
ニタァ……と、睨みの笑みが突き刺されたのは、その直後。 それだけでシクーの喉は詰まり、もう何も口にする事を許されなかった。
「……っ……ぁ……!? っっ……!!」
「資格だの権利だの、んなものはてめぇら人間が作ったモンだろ。俺に当てはめようとするのは勝手だが、そんなもの知ったことか」
「……ぅ……ぃっ……!!?」
「まぁいい。こいつらを刻む様を目に焼き付かせてから、てめぇの四肢の一本一本を、順にむしりとってやるぜ」
シクーは、動けない。 それは、先ほどから切っ先を突きつけられている、ムキルもまた同じ事。 逃げるという概念自体が、今この状況下では承諾すらされていないのだ。
「くっ……!」
「さて。……じゃあな」
本当に飽き飽きした様子で、彼の刀はムキルの額を貫く。 ザシュッッ!!
「あ?」
……かと思われたが、そこにあったのは、等身大の人形。 潰れた頭からは、血の代わりに綿がにじみ出ていた。
「…………」
ザンっ!! デイサゲが軽く刀を横薙ぎすると、人形は粉微塵となって、宙を舞い落ちるホコリと化す。
彼は、標的を見失った訳ではない。 ギロっと後ろを見れば、死んでいたハズの餓鬼は、10mほど先に寝かされていた。
「ったく、何だよ。この状況」
「……え。あ……コトキ先輩っスか?」
それはカザトと共に救助され、その場に寝かされていたムキルが口にした名。 彼は呼吸を整えながら、後ろにムキルに迅速な指示を与える。
「カザト先輩の止血を頼む。自分の傷もな。……あとは、今すぐ病院に行け」
「は、はい」
呆然としながらも、ムキルは返事をしてすぐさま動いた。 この状況下、意外なほど冷静かつ的確な応急処置を終えると、彼はカザトを担いで駆け出す。 ムキルもまた負傷した身ではあるが、まだ動ける以上は彼がするしかない。
「シクー!」
「…………」
お前も行け……と、そう告げたかったが、それは無理だと悟る。 シクーは、ふるふると首を振るのみで、指一本動かせてはいない。 一切の傷を負ってなくとも、もはや彼の足は機能していなかった。
「……てめぇ、何しやがった」
デイサゲの抗議は、『ゴミの始末』を妨害したことに対するもの。 これについてコトキは、悪げもなく、こう返す。
「手品」
「そうかよ。……もろとも死んでなッ!!」
デイサゲは、ムキルとカザトを逃がすつもりは毛頭ないし、余計な割り込みをしたコトキはなおの事。 つまり……次のただ一太刀で、全員の命を刈り取る一閃とするつもりだ。
「……っ!? チッ」
だが、これも手ごたえを感じられないデイサゲ。 刻んだ3名の餓鬼は、いずれもが人形に摩り替わっていた。 忍者顔負けの、変わり身の術である。
「そんな大振りが当たるかよ。デイサゲ」
「……あぁ?」
聞こえた声は、デイサゲの後ろの方から響いている。 そして、次の言葉には、デイサゲも眉を動かさずにはいられなかった。
「いや……『ダイスケ・ジュカイ・フォレスト』」
「…………。てめぇ……」
「何でその名を知っているんだ、か? そんなの決まってるだろ」
コトキは悠々と話す口調を変えずに語る。
「この学園、情報セキュリティが雛見沢並みに働かないんだよ!!」
ビシィっ!! と、目を釣り上げながら宣言してみせる。 ……つーか、まだいじけてたのか(ぇ)。
「チッ!」
デイサゲが突進し、裂く。 2度、3度と、刀を振っては次々刻まれてゆくシルエット。
だが、いくら斬っても、手ごたえは人形のそれでしかない。 まったく、いくつ集めてきたんだか……。
「…………。あ、ストックがもうない」
「Σ尽きるの早っ!?」
どうやらシクーも、まともなツッコミができるほどに回復はしたらしい(ぇ)。
またも、デイサゲの刀は宙を滑って、流れ横切る。 だが、今度の一閃は途中で止められた。
「…………」
いつの間にかコトキの手には、鉄パイプが握られていた。 デイサゲの横薙ぎの斬撃を止めたのも、それである。
「悪いな。そう易々と斬らせるつもりはない」
「……ハッ」
攻撃を止められたにも関わらず、デイサゲはより一層、口を釣り上げた。 そして刹那の後に、コトキの胴に鋭い痛みがほとばしる。
ザンっ!!
「…………。あれ(汗)」
急ごしらえの鉄パイプなど、すんなり一刀両断。 刀の切っ先は、易々とコトキの上を滑っていた。
「Σ容易く斬られたー!!?」
「目障りなんだよ、餓鬼がぁっ!!」
ビッ! 今度はこめかみ辺りを、刃が流れた。
どちらの傷も、薄皮一枚を断たれた程度。 さして深手ではないものの、それなりの出血をもたらしている。
「……!!」
「チィィっっ!!」
更に、斬撃は続く。 その度、切っ先はコトキの体いたるところの皮を撫でていった。
「……こ、このままじゃ……」
殺られる……!! シクーはそう感じ、刻まれていくコトキの様子を、目で覆いたくなってくる。
だが、それは必死に堪えた。 ただ見ているだけしかできない自分が、それすらも拒絶してどうするのか。
「ひゃはっ!! 弱えぇ……弱すぎるんだよ、人間の餓鬼がッ!!」
「黙れ。お前のへらず口は聞き飽きた」
「いや、今そんなボイスネタやってられる状況じゃ……(汗)」
ところが、どうしたとこだろう。 デイサゲがいくら刀を振るおうと、両断には至らない。
「(……あれ)」
シクーも、ようやく気がついた。 デイサゲは、何度も斬り込んでいるのだが……今なお、致命傷を与えられてはいないのだ。
実はデイサゲも、先ほどからその事に苛ついていた。 まず、相手の表情が気にくわない。 一瞬表情を崩したのは、最初の一太刀を与えたのみで、あとは始終涼しげな顔を保っている。 人間の餓鬼如きが、自分を前にして恐怖を感じていないところが、まずムカついた。
しかし、それならさっさと斬り捨てれば、それで済む話なのである。 ところがどういう訳か、狙っても狙っても、その斬撃はかすめる程度にしか当たらない。 無論、最初の一撃もそうだ。 本来ならば胴を両断するつもりだった横薙ぎを、彼はかすり傷で済ませてしまっている。
こんなのは、デイサゲにとって斬った内に入らない。 傍目からは追い詰めている様子であるのが、その実、デイサゲはコトキの身も心もまだ刻めずにいたのだ。
「…………。てめぇ、何者だ」
デイサゲは、ようやく手を止めた。 もちろん、彼の気は全く収まっている様子はない。
「……人間だ。その答えじゃ、不服か?」
「ふざけるな! 俺の刀を避け続けられる奴が、只の人間であるはずがねぇ!」
「それでも、俺は人間だよ。ましてや、特殊能力や超能力の何1つも有していない、手品部所属の普通人(ノーマル)学生だ。 ……そう。大した武術の心得も無い俺が、お前の刀を避けているのは手品だ。間違っても現実離れした特殊能力などじゃない」
ピラっと、コトキは1枚のハンカチを取り出して、わざとらしくひらつかせる。
「手品ってのは、必ずタネがあるからな」
「……あぁ。そうかよぉッ!!」
不意に、デイサゲは向かう先を変えてきた。 彼がまっしぐらに目指す先には、未だ立てないでいるシクーの姿がある。
「……えっ」
急に標的が自分になったことを、すぐには認識できないでいるシクー。
「教えてやるぜ!! 人間の餓鬼が、この俺の破壊を止めることなど不可能だt……」
ドゴォっっ!! 脳天……正確には、背部の首筋付近だろうか。 殴られた衝撃が走り、デイサゲはつんのめる。
「……っ!!?」
何か、光線が飛んできた気がした。 無論、そんな手品は誰も見た事がない。 ただし事実としてあったのは、確かにデイサゲは衝撃を受けたということ。
「どうだ、人外。弱者と見下していた人間に、いいようにやられる気分は」
デイサゲの暴れっぷりで、すでに周辺には幾つもの瓦礫の山ができていた。 そんな中の1つの上に、コトキは立つ。
「……っっ!!」
ギリギリィィ……っっ!!
そのまま顎(あご)が砕けてしまうのではないか。 両手を地につけるデイサゲは、それ程に歯を食いしばっていた。 今の奴は、明らかに腸(はらわた)が煮えくり返っている。
そんなデイサゲを余計に挑発し、可笑しくニヤっと笑いながら、コトキは更に吐き捨てる。
「弱いなぁ、お前」
「チィっ……これだから人間の餓鬼は嫌いだ……。血だらけのくせして、分際が分かってねぇっ!!」
パキィィィン……!
咆哮と共に、ガラスがひび割れる。 どちらかというと、割れ易くできている、車のフロントガラスか。 綺麗なほど細切れに砕けて、現実の世界を侵食しだす。
「……固有結界?」
「そのようだな」
呆然とするシクーと、冷静に答えるコトキ。
ぶつぶつと……何かの言葉が、頭に流れ込んでくる。 耳から入るのではない。 頭の表面から、直接浸透してくるような感触だ。
不思議と、デイサゲが述べている訳ではない気がした。 ましてや、固有結界のせいでもないように思える。
……一体、何が聞こえているのか? 語られるのは、定められた1つの真理。
……子供と大人の違い。 子供は全てを可能とする世界を持っていて、大人になるとそれを喪失するらしい。 ただし、子供はそれに気づいていないし、大人は忘れていくのみ。 子供の夢は、大人が持つべき堅実な目標へと成り下がる。
「決め付けんなよ。子供としての夢を未だ現実にさせることのできる大人を、『最低1人』は知っている」
コトキが、楔(くさび)を打ち込んだ。 そこに、大した意味はない。
「大人の知り合いが数える程しかない俺ですら、最低1人を知ってるぐらいだ。それを例外と呼ぶには、あまりに数が多過ぎるぜ?」
ただ、気に食わなかっただけである。 ピーマンの味が嫌いだから食べないと喚く子供と、さしたる違いはない。
「俺は大人になろうと、『理想』も『現実』も捨てるつもりはない。仮にお前が否定しようと、しなかろうと、構いやしないな」
――本当に分かってないようだな。
――単に頑固なだけか? ――それとも所詮は餓鬼、知らないだけなのか?
「はぁ? 俺は哲学者じゃないんだ。考えることで食って生きてる訳じゃねぇ。つまりは、悩むも放棄するのも、己の自由。俺にとって考えるとは、たかが『道楽』に過ぎないんでね」
くしゃくしゃと、コトキは群青のハンカチを握り締めていく。 手品のタネでも仕込んでいるようだが、傍目からはそれが何かは分からない。
「あいにくと俺は、道楽ごときに身を潰されるほど、滑稽であるつもりはない」
ザシュっっ!! コトキの胴が分断された……かと思えば、それはただのハンカチ一枚。 先ほどの人形への変わり身と、同様の現象である。
「……チィっ」
「お前の剣なんざ当たるかよ」
そこに、デイサゲが現れていた。 背後を取ったのはコトキであるが、あえて無闇な手出しはしない。
コトキは剣士でもないし、戦士でもない。 ここに至ってなお、人間のマジシャンに過ぎない。
「少なくとも『加減したまま』なお前の刀など、二度と当たる気はしない」
「…………」
「ま、もっとも。加減しなかったところで、当たる気などしないがな」
先ほど斬られた、こめかみ付近の血をぬぐうコトキ。 とはいうものの、出血量は胴を斬られたそれよりも多い気がするので、一回程度では拭いきれなかったが。
当たる気はしないと断言したが、それでも先の攻防であちこちを斬り付けられたのは事実だ。 だが、そんなものはお構いなしだった。 それでいてなお、今後のデイサゲの斬撃に対してを否定し、ねじ伏せる。 そして、これもまた事実……今の一撃は完全にかわしていた。
「……クソ餓鬼。これも手品だと言い張る気か」
「当たり前だ。さっき言ったように、俺は特殊能力者でも、超能力者でもない」
「どこまでも、ふざけていたいようだな。その口は」
デイサゲの言いたい事は分かる。 この固有結界は、全てがデイサゲの思うがままとなる世界だ。
デイサゲの意向以外では、脱出も侵入も不可能。 あらゆる直接干渉はデイサゲの行動の前では意味を成さず、全ての力は彼には直接に及ぶはずもない。
……のだが。
「『理(ことわり)を破る者』だっけか。なら、その理とやらを新たに作ってしまえばいい。お前の破りなど、追いつかない程にな」
「……あぁ?」
意味が分からなかった。 ここまで来ると、単なる駄々っ子にしか見えない。 何しろ、こちらが決め付けたルールを、全て無視しているのだから。
「案外、簡単なことだぜ。はっきり言って、誰にでもできる。ただ……そのやり方を知らないだけでな」
そんな餓鬼など、デイサゲにとってはさっさと斬り捨てる対象だ。 というか、それはさっきからやっている。 ただ、未だにそれが完遂できていない……コトキのわがままが、振り払えない。
「分かってるかどうかは知らないがな。力だの、剣の腕だの、そしてどれ程チートな特殊能力だろうと……そんなもんは、『人間の闘い』においては全て二の次だ」
「…………」
「それに……手品ってのは、理性なくして出来ないもんでな。悪いが、お前に合わせてやるつもりはない」
ひらりと、またもコトキはハンカチをひらつかせる。
「……あー。お前、人間じゃないんだっけか? けどさ、お前、その事にこだわり過ぎじゃね?」
コトキが、デイサゲの刀をつかみ、握り締めた。 素手である。 しかし、何故か彼の手は斬れない。
「いちいち相手を見ては餓鬼餓鬼とうるせぇし、嫌いなものを見ると苛々しやがる。……そういうとこ、実はすげぇ人間臭く見えるんだよな」
「……っ」
ザッ!! コトキの頭を、デイサゲはつかみあげた。 そのまま強引に、至近距離の光線を放つ。
「『太陽の閃光(グラン・レイ・ソル)』!!」
閃光は、全てを焼き尽くす……一枚のハンカチの、全てを。 コトキは、またも離れた別の位置に立っていた。
「餓鬼がっ!! 俺を人間の基準で当てはめたければ、好きにしろっ!! そんなものは、根こそぎ刈り取ってやるがなぁっっ!!」
「……そうだな。じゃ、俺も言っておこう。人間を見下したければ、いくらでも見下してな。人間である俺は、更にその上からお前を踏み潰してやるよ」
あえてもう一度、コトキは額の出血を拭った。 体のことを考えれば、そろそろきちんとした止血をすべきな所である。
「来な、デイサゲ。……遊んでやる」
――――。
「……行っちゃった」
結局シクーは、呆然としっぱなしだった。
「額の傷、大丈夫……ですか?」
「あぁ、大した事ねーよ」
でっかい絆創膏を傷に貼り付けることで、コトキは応急処置を終えた。 あまりに不恰好なそれは、クラスメートが見たら良い弄りの対象となろう。
「ほっとけ!(ぁ)」
「……行かせて、よかったんですか?」
シクーが言ったのは、もちろんデイサゲのことである。 結局、どちらがどちらを倒す訳でもなく、デイサゲは『お気に入り』の元へと向かっていった。
学園をこれだけ破壊した相手なのだ。 野放しにしていいのか、シクーが危惧するのも自然な考えだ。
「あー。けど、あいつのそもそもの目的はダイスケだろ。あとは、ダイスケを信じるっきゃないさ」
それだけ答えて、コトキの小休憩は終了。 闘いの後に残された惨状には似つかわしくなく、あえて明るく振るまい立ち上がっていた。
それから、しばらくして。 事件が終わり、ダイスケはヒカリとホナミの答えを告げ、そしてヒカリはコトキに答えを告げた。
「コトキさんは、待ってると言ったのね。それでもヒカリは、心変わりする気はないんでしょ?」
「…………」
問いかける者は、セレナだった。 ヒカリは無言だが、その頷きにためらいはない。
「……私。正直、コトキさんとヒカリが付き合うのなら……それでもいいって思ってた」
「……え……?」
「でもね。ヒカリがそういう答えを出したのなら、それで踏ん切りがついたから」
セレナは、笑っていた。 コトキがふられたことを喜ぶのは不謹慎な気がするし、もちろん彼が敗れたことを笑うつもりはない。 それでも正直……それが良い気持ちではないとしても、セレナには嬉しい事があったのも事実。
「私、コトキさんをオトしてみせるから」
影の王は、密かに笑っていた。 まるで滑稽なものを見て、嘲るかのように。
「完璧主義者ではなく、不器用なだけか……」
汚らしい笑みだった。 それは見下しよりも更に堕ちた、蔑みだった。
「いいや。お前はやっぱり完璧主義者だよ。自覚が無いだけのな」
破壊(その3)終わり
途中で気づいたのですが、『破壊(その1)』にもカザトって登場してましたね(ぁ)。
いや、まー、今更書き直すのも面倒だったし。 しかも、その1でのカザト出番なんて、せいぜい1〜2行だったみたいだし(だから気づかなかったとも言える)。 それなら問題無いかと思い、しれっと執筆続行しました(ぇ)。
とりあえずデイサゲの行動理念をあまり把握できてないので、シンクロ率の自信は皆無です。 シナリオとしては、ダイスケvsデイサゲの直前という位置づけでした。 皆が景気よく倒されていったっぽかったので、最強のカードを切りました。
何があっても気にいらなければ容認しないというコトキ。 恐らく彼は、ヒーローなどではありません。 わがままなだけとも言えます。 ですから逆に、不思議と性格はデイサゲに近い存在なのかも知れません。
一応予定では、もう1つ『破壊(その4)』を書く予定です。 しかし、楽しみにはしないでください……真面目に(ぇ)。
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[482] この作品に足りないもの! それは情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ! そして何より! 狂気が足りない!(ぇ) |
- だいす けん - 2008年06月16日 (月) 22時57分
ダイスケ「………。…誰ですか、今回出てきた人は?」
ヒカル「狽「きなりそれ1? いや、どうみてもデイサゲ……」
ダイスケ「全然違うよ。少なくともあいつは、たかが暇潰しの為にわざわざ大嫌いな人間の子供の前に姿を現すような人じゃないしね。それに……」
ヒカル「それに?」
ダイスケ「口癖の『知るか』が一つも無い時点で偽者確定だよ(きっぱり)」
ヒカル「それ口癖だったの!? …まあ、いわれてみれば確かに多用してたような気がしないでもないけど…」
ダイスケ「後、あいつはこの程度のことで抜刀するほど優しくないからね。大体刀を抜いた時点で加減も何もするはずないじゃないか、あいつが」
ヒカル「………確かに(汗)」
ダイスケ「……最後に、この時のあいつは『最悪の日』だったから普段にも増して狂気が増大していた。ここまで饒舌に語ったりしないよ。……例え、僕とやりあう前だったとしてもね」
ヒカル「ねぇ、前々から不思議だったんだけど、どうしてダイスケ君はそこまで詳しく知ってるのさ?」
ダイスケ「さぁ、どうしてだろうね。あえて言うとすれば……」
ヒカル「言うとすれば?」
ダイスケ「『作者だから』、かな」
ヒカル「やっぱりそれなんだね(汗)」
ダイスケ「……ま、多分今回出てきたのはあいつが今回連れてきた腰巾着の一人だろうね。大方あいつの力の一端でも与えられてハイになってたんだろうけど、残念ながら言動も行動もズレすぎてたね。あれじゃ偽者にもなれないよ」
ヒカル「言いにくい事をずばずば言い切っちゃうね、君は(苦笑)」
ダイスケ「まぁ、ね。たまにはつらつらと言い並べたくなる事もあるさ」
ヒカル「……あれ、そういえばどうしてダイスケ君はデイサゲの事を『あいつ』って呼ぶの?」
ダイスケ「そうしないとあいつが怒るからだよ。『あの人』とかいう表現は人間を基準にしているからね。あいつが人間臭さを毛嫌いしているのは理性によるものじゃなく、猫が柑橘類のにおいを嫌うのと同じ本能による生理的反応。それを言葉で説き伏せようとしても虚しくなるだけだよ。……こっちも散々試みたし(ため息)」
ヒカル「(色々あったんだなぁ……)
ダイスケ「……ま、この場にあいつがいなかったのが救いだね。実際に居たら、もう学園補正も何も関係なくなるのがオチだから」
ヒカル「(ぶるっ)……今更ながらに恐ろしくなってきたんだけど(汗)」
ダイスケ「ははは。もう終わった事だよ。……いや、もしかするとこれが始まりなのかもしれないけど、ね」
ヒカル「え?」
ダイスケ「……なんでもないよ」
デイサゲ「あぁ? 誰がサービスなんざするか! さっさと終わりやがれ!」
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[485] |
- アット - 2008年06月16日 (月) 23時26分
そうか、偽者か。 そして情熱も、思想も、理念も、頭脳も、気品も、優雅さも、勤勉さも足らないと。
ちょっと凹んだじゃないか!(爆)
えー。そりゃー僕は、あらゆる要素が貴方に劣りますよー。 つまりは『弱い』ですよー。 でも弱さがいけないというのなら、せいぜい破壊その4で後悔なさってくださいねー。 ……しないか(ぁ)。
シクー「Σなんか言い方が壊れてる」
しかし偽者ねぇ。 よほど思い入れがあるようですね、デイサゲには。
でもならば、こちらも同じ手を使っても文句はないですよね? つまりは学園編でデイサゲが傷つけた相手は全て偽者。 コトキが手品で容易した人形全て。
デイサゲはあれだけ暴れておきながら、実のところ誰1人として傷つけてはいなかった!! 何故なら、あのキャスティングは全て人形、偽者だから!!(ぁ) いや、だいすさんご自身のキャラは本物でもいいと思いますよ(ぇ)。
どうやらデイサゲもダイスケも、周りが全て人形であることに、まったく気づいてなかったようです。 喋りもするなんて、全くよくできた人形ですね。 コトキのマジックの、レベルの高さが伺えます(ぁ)。
まー、当たり前ですよね。 ケイコがあんなアッサリ捕まって、大人しくしてるはずがないですし。 あんなのケイコじゃないです(待て)。
だからダイスケが告白の返事をしたときも、ヒカリはともかく、ホナミなんていませんでした。 偽者だもの、人形だもの(ぁ)。
シクー「うわー作者がいじけてるー(汗)」
何を言う。 そういう理屈も十二分に通るだろと言ってるだけではないか(ぁ)。
タマ大附属校の裏手。
コトキ「時の光線(クロノス・レイ)!!」
シクー「Σって、もろ本編の技じゃないか!?」
一筋の閃光は、何十体ものデイサゲを駆逐していく。 無論、全て偽者だ。 これだけアッサリ倒れていくのは、よっぽど質が低い偽者と見える。
コトキ「それもあるが、先の戦闘であいつの技も能力も完全に見切った。少なくとも偽者のデイサゲなら、何百体とやってこようが、瞬殺は容易いだろうな」
そりゃ、偽者だものね(ぇ)。
よく見れば、周辺も同様の光景が広がっている。 ラグナ、ユウナ、ユキヤ、クロエ、ビズ、カイリ、シズマ……etc
他、誰かいたっけ? 忘れてたらごめんなさい(汗)。
とにかく彼ら1人1人が、もはやデイサゲなどゴミ同然に蹴散らせるようである。 もちろん、全てが『偽者』なので誤解なきよう。
シクー「これなら、本物がやってきても勝てるかな(汗)」
コトキ「さぁな。本物と戦った事が無い以上、断言はできないだろ。……けど、『負けるつもりは一切ない』と、それだけは断言できる」
とりあえず今のコトキには、情熱も、思想も、理念も、頭脳も、気品も、優雅さも、勤勉さも、全てが不要。 ただ『決意』の1つがあるだけで、もはや何物にも劣ることはない。
コトキに限った話ではない。 ここに集まった1人1人の『人間』全てが、そうである。
シクー「……そういえば、ダイスケが告白の回答をしたホナミが実は偽者で、そして人形だったっていうのなら……本物のホナミはどうしているの?」
それは、破壊(その4)で明らかになります。
……つーか、偽者ネタは金輪際やめにしたほうがいいですかね。 つまらない(ぁ)。
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[486] 人外には人外が相手するのが道理 |
- ガルダ - 2008年06月17日 (火) 00時13分
???「人外の者にわざわざ手品を使って相手をする必要など無い。そうした者には、同じく人外の者が戦うのが、効率として優れている。」
ギル「薬屋、確かにそれはそうだが、ここにそんな奴いるか?どうみても戦争には素人の奴等しかいないだろ?」
???「…素人でも使えないことは無い。軍隊に所属している者達も、元は素人だ。訓練を施せば、それなりに使えるだろう。」
エリゴル「まあ、それでも相手が悪いですがね。…ギル、人外の者を相手したことは?」
ギル「無いな………と言いたいところだが、エリゴルだって同じような者か。」
エリゴル「ええ。確かに私は道士ですので、人間ではありません。…とはいえこのような狂気染みた男は、あまり見たことはありませんが。」
???「…狂気に支配された者など、『蒼き殺戮者』には勝てないだろう。」
ギル「薬屋、なんだそれは?」
???「…今は、まだ表に出てきてはいない。ただ、出てくればそれは『全生命体の存亡に関わる危機』とだけ、言っておこう。」
ギル「物騒だな。…まあ、出てきてない以上相手も出来ないけどな。……最後に言っておくが、ここの連中はどうせ学生な以上『戦争』には全くの素人しかいないと思えるんだよな。」
エリゴル「近い内に、我々も一つ訪問するかもしれませんよ?」
ギル「攻撃してくるようならな………死ぬことの一つくらい覚悟してからにしろよ?」でないと、緩慢な死ってのをくれてやらぁ。」
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[487] |
- アット - 2008年06月17日 (火) 01時02分
それでは意味がないのです。 僕は、『人間』が『人外』に勝れることの証明がしたいだけですから、『人間』で倒さなければ困ります。 それも特別な改造を受けたりなどしていない、純粋な人間でなければ意味がないという(ぇ)。
効率とかの問題ではありません。 不可能を可能にすることが醍醐味です。 ……いや、そんなの『不可能ですらない』でしょうから、前提が違うかな。
ま、デイサゲに限っての話でいうと。 奴の本物が現れることは永劫なさそうなので、そもそも戦闘自体が発生しないでしょうけどね。 ただしそれは、デイサゲがどんな人間さえも傷つけることができないことを意味しますが。
デイサゲはともかく、うちにも人外の者はいるので、役者には困るまい(ぁ)。
ただし、効率を第一とするなら、その意見はもっともだと思います。 今回は特に効率を重視した話ではなかったので、手品で対決することになりました。
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[488] うーん・・・(汗) |
- 零崎夜識+六識 - 2008年06月20日 (金) 21時50分
夜識「何だか、ここにシキがいたら尚更殺伐した雰囲気になるなあ・・・」 シキ「・・・」 六識「まあ、イオに捕獲される前のだがな。捕獲されてからは丸くなったもんだよ」 イオ「ねえ、前々から思ってたけど、何で「捕獲」なんて表現するの?」 夜識「獣は捕獲するものだろ?」 シキ「・・・イオ、暴走していいか?」 イオ「だ、駄目だからね?」 夜識「な?扱ってるだろ?」 二人「・・・」 ワーグル「・・・まあ、僕とタイムですら止めれなかったからね」 タイム「うん、あれは獣だった・・・」 シキ「・・・俺は、強者が弱者に対し一方的な暴力を振るい、弱者がそれを否定したがってるのに、強者はまだ暴力を振るい続けてる、そんな状況が許せないだけだ」 夜識「特に1人に対し複数の人が暴力を振るってる状況がな」 六識「とりあえずシキ編入前でよかった、編入したらこうした状況に出くわしたら相手を見下したり、相手を汚く言う相手を見た瞬間」 シキ「・・・貴様を、殺して解して並べて揃えて晒してやる。」 夜識「と言って、ナイフとかで切り刻み始めるからなあ・・・」 ワーグル「一流の腕を持ってしても負けるからね・・・」 六識「改めて、イオが凄く思うよ・・・」 イオ「(微妙な心境なんだけど・・・)」 夜識「ワーグルは手品でも何でも全てこなす人だから・・・ってか、全ての「力」使えるから、もしワーグルが遭遇したらその場をあっけなくあっさりと終わらせそうだね」 ワーグル「まあ、僕が嫌いな光景でない限りそうだろうね」 ナユ「えーと・・・戦争経験あるのは・・・私とワーグルとザン位かしら、大分過ぎたから勘は訛ってるだろうけど」 ザン「まあな。平和になったもんだ」 ワーグル「一度世界を滅ぼしたから平和になったってのも皮肉だけどね(苦笑)」
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