[13] 小説「うつくしい子供」壊れた子供はみんな同じ…? |
- やすみせりう - 2003年06月26日 (木) 22時11分
石田衣良・作「うつくしい子供」 「何故、弟は人殺しをしたのだろうか」という兄を軸にしたミステリー。意外やミステリーだった。殺人犯が初めからわかっているので、ミステリーだと思わなかったのだけど。ちょっとというかカナリ、神戸の事件がモデルになっている様子だけど。
主人公のジャガは出来すぎな大人視点の子供という気がするけれど、今の子供はそれくらい、大人びてしまったのかもしれない。 (って書きつつ大人ってどんな人?と問う私) 壊れた子供を描こうとしてる私には思いがけなく参考書?と思ったけれど、あまり目新しいことはなかった気がする。目新しい「子供の壊れ加減」がない。石田衣良氏の文章表現はかなり好きだけれど。でも子供の視点?で書いているところがちょっと泣けた。(だけど私が子供だから私にも解るのか、子供じゃなく本当は大人の心目線なのか?は謎。) 本当は想像力が追いつかないくらい実は現実が壊れていたりするのかもしれないけれど、所詮は物語。でも心のない人間を書くのは案外、簡単なのかもしれない。無いのだから。それより何をそして「心のあるという人間」は思うのか、という方が断然難しいもの。壊れていない子供をしっかり書けることで、物語は収集がつく。のだ。多分。きっと。…。だけど「壊れる」には「まず完璧な姿」でありえなければ、なければならないのか?
この物語の最後は少し私には甘い気もするけれど、それは正しい選択は物語の人物に委ねられる。それがこの難しい題材の物語の正解だと思う。だけど現実では解決策とか、真実なんかない気がする。犯罪を起こす子供の事件の、どの記事を見ても同じようなことを書いてある。そこに真実はあるのかなといつも思うのである。だから模索するのだが。人間の心ではなく、人間の設計図で白黒つけられたら断然解りやすい。そういう見解も実は一理。いかにも簡単そうだが、でも侮るなかれ遺伝子もかなり複雑なのだ。(そんなの皆が知ってるけど?)でも記憶する遺伝子もきっと優しさや愛をどこかで学ぶ。愛されないことも学ぶ。はずだ。多分。きっと。…。でも、全てが同じ組織反応は起こらないのだ。同じものをまったく同じ量、与えても。
途中から小説感想、全然関係なし。すいません。
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