[89] 映画「バッテリー」…理屈じゃなく体が欲する相手 |
- やすみせりう - 2007年04月14日 (土) 18時21分
昨日レイトで、あさのあつこ原作「バッテリー」を観て来ました。 原作を読んで映画化を見たのは「陽気なギャング…」で少々がっかりしたので、実は期待していなかったのだけど、なんとなんと。 バッテリー、面白かったです!
よく出来ていたと思います。私は原作の大ファンだったのですが、 あの映画はこんなもんかな…というよりレベルは上かと思う。 大体の筋は原作通りだし、多少変えられてるのは違和感なく 枠内に納めるにはあれで良かったかと。 (新田東の海音寺まで大きな顔で出てくるとばらつきがでるだろうし) 非常に簡素にスムーズな話の運びで良かったです。 キャラも、全員といって良いほどベストキャスティング。 ただオトムライがもっとごつい役者がすると思ってましたが、 萩原氏もちょっと筋肉質になっててそんなに違和感はなく。
特筆すべきは、絵ですね。風景。舞台。 原作の舞台が岡山の美作というのは以前から知っていたので、 そこで撮影したのかな〜と思ったのですが、何か違うという話もあり、 どうか分かりませんが、実にイメージどうり。 も〜本当、原作通りのイメージなんじゃ!!(にわか方言感染) 巧と豪(主人公のバッテリー)の二人がいつもキャッチボールする神社も、思い描いた絵通り。 ここで無言のキャッチボールをし、ここで二人が…うふ。(妄想入り気味) その風景を実際に見たことはないくせに、デジャブのように ああ、ここだったなぁ…と妙な嬉しさがありました。
バッテリーの役者には巧らしいもどかしさや、豪ちゃんらしい優しさもよく出てて、非常に二人とも清清しい、少年っていいなぁという感じ。 巧の弟、青波もとても良かったし。巧の母役の女王(違う。天海さん)も嵌ってました。 野球部のリンチシーンもありましたよ〜!さすがにその後の、豪が巧の傷を治療して、抱きしめるシーンは無いですが。(少しだけ語弊があるが、原作にあります)
私は野球をやらないし、野球にも興味がないので、(バッテリー読んだ時は少し興味が出たけど)多分、野球好きな人が見るとまた感じ方は違うんだと思いますが、スポーツって無意識に体が反応する、感覚的なものという気がする。理屈じゃなく、体が欲するもの。体の細胞が欲するんです。 それは感情でさえないかも。(うわ。大好きじゃん私)
その感覚的なものを共有できるのは、得がたい喜びなのかもしれない。 原作では、二人の関係はそんな生優しいものではないのだけど… でも萌え風に映画は作ってないので(当たり前)、それは原作だけのお楽しみっす♪ 小説の文章を読むと、その辺が心の襞として表現され、 その葛藤や思いや憎しみや、色んなものが伝わるのだけれど (読み手によっては余計な妄想も伝わるが) 映像は、感覚的に伝え捉える必要があり、映画化は実に良かったのではないかと思われます。やっと児童文学だったね〜♪ (小説は絶対BLです!)
野球好きな人には、勿論お勧め。 そうでない方には、体感できないものを体感できて、嬉しくなるでしょう。 もちろん、バッテリーな二人を実写で見られるチャンスです。
ときに完結したバッテリーの続編がハードカバーで出ています。 巧を姫さん扱いしていた瑞垣目線の話だとか…。やっぱ買いですかねぇ。 ナンバーシックスもいいらしい。文庫が出たので、いつ頃で買うか考えてます
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