[66] 映画『ブロークバック・マウンテン』 |
- リー - 2006年04月02日 (日) 13時39分
観て来ましたよ〜〜(^_^)/~~~ つやこさんと。
つやこさんから映画『ブロークバック・マウンテン』の情報を頂いたとき、 まず私が思い出したのは『都市と柱』(ゴア・ビィダル著/本の友社刊)と「永遠の生命」(E.M.フォースター著/平凡社刊・『ゲイ短編小説集』収録)の2冊の本でした。 『都市と柱』のジムとボブと、「永遠の生命」の族長・ヴィソバイと宣教師・ポールは、どちらも一夜を共にしながら悲劇的な結末を迎えるという点で一致しています。 だから私は、『ブロークバック・マウンテン』のイニスとジャックも、ハッピー・エンドでは終わらないだろうなって思っていました。 同性愛を扱った作品がハッピー・エンドで終わることって、あまりないですしね。 映画で、今、パッと思いつくのは『モーリス』『トーチソング・トリロジー』『マイ・ビューティフル・ランドレット』くらいでしょうか。 『都市と柱』は著者が22歳のときの**作ですが、同性愛をあからさまに描いたために初版時(1948年)、出版社から圧力がかかり、ラストを変更させられたという逸話があります。 今も同性愛をタブー視する人が多いことを考えると、同性愛を扱った作品はあたかもアン・ハッピーで終わらなくてはいけない(或いは、ヒットしない)という、そういった暗黙の了解みたいなものがまだあるのではないでしょうか。 『ブロークバック・マウンテン』のイニスとジャックも、確かに片方が死んじゃうってことではアン・ハッピーだったけど、そこで終わってないところが、やっぱこの映画のいいところですよね。 特に、 イニスの最後のセリフ「・・・・・・Jack, I swear.・・・」の字幕を読んだとき、胸がジーンときて目に涙がにじみました。 英語の直訳とは違う日本語の字幕が、よりいっそう私の感動を深いものにしていたように思います。 また、パンフレットを読むと、映画を観ただけでは読み取ることが出来なかったことが分かり、なかなか面白かったです。 例えば、今野雄二さんの「映画評」には次のような記述があります。
ジャックが「再婚相手はいないのか?」とイニスに問いかける場面がある。 「地元の女といい関係にある。どうなるか・・・・・・」とイニス。 「少し前から牧場主任の女房とデキてる」と応じるジャック。 デキてるのは女房ではなく夫の方であることを、我々観客は即座に理解する (中略) ジャックの死亡を知らされたイニスが、ラリーン(ジャックの妻)に電話して死因をたずねる。 彼女は夫がクルマの事故で命を失ったと答える。しかし、我々観客はイニスと同様、ジャックがホモフォービアの連中によってリンチされ、殺されたのだと直感する。
正直な話、私は映画の中のセリフをそのまま鵜呑みにして、ジャックが牧場主任とデキてるとも、彼がホモフォービアの連中によってリンチされ殺されたのだとも、理解も直感も、することができませんでした(^^ゞ
最後に、やすみせりう様の「是非、劇場で観てくださいね。」っていうご意見に同感です。 2人のカウボーイが愛をはぐくんだ夢の楽園“ブロークバック・マウンテン”。 その雄大な大自然を是非、劇場の大画面で味わって頂きたいと思います。 美しい青い空と緑の山々。 画面いっぱいに広がる数え切れないほどの羊の大群。 それらの風景が、実に爽快でした。 因みに、私の1番お気に入りのシーンは、2人が4年ぶりに再会したとたん、イニスがジャックを物陰に引っ張り込み、キスをむさぼり合うところです。 お互いが、いかに相手のことを渇愛していたか? それがとてもよく分かるシーンだったと思います(^^)v
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