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連載小説『ディアーナの罠』

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名前 MUTUMI
題名 75改定版
内容  傷の深さに苛立ちつつ、ハミルトンは血の気のないテリーを労る様に見つめた。
「メイファとはどうして別れたんだ? 別行動はするなと言ってあったはずだが?」
 重ねてロンが問うと、
「追い……かけ、させ……」
 かすれるような声で返事が返った。
「犯人を追いかけさせたんだな?」
 再び諾と、頭が動いた。
「無茶な真似を!」
 ロンが心底呆れた表情を浮かべる。怪我をした相方を放置し、犯人を追う方も方なら、そうするように告げる方も告げる方だ。どちらも底なしに馬鹿としか言い様がない。
「応援に遅れた俺達も悪いと言えば悪いんだが、なんつー無謀なことをするんだ。お前等殉職したいのか!」
 カイが不機嫌な声で、半状態のテリーを睨む。
「犯人を逮捕する前に、お前等がんでどーするよ? えぇ?」
 睨み付ける目の鋭さに、朦朧とした状態にもかかわらずテリーが脅えた表情を浮かべた。
「カイ、怪我人を脅えさせるな」
 ロンがすかさずたしなめ、話題を変える。カイは不服そうな表情ながらも、大人しく口を噤んだ。それでもその口元は、見事にへの字に曲がってはいたが。
[98] 2005/11/03/(Thu) 01:26:44

名前 MUTUMI
題名 75 失敗
内容 削除キー入力なしなので、編集不能。
邪魔臭いので75改を上に投稿します。
下の75はミス多発。
台詞(良く読むと痛恨だったし)、文末他。
読む時は飛ばして下さい。
[97] 2005/11/03/(Thu) 01:17:35

名前 MUTUMI
題名 75
内容  傷の深さに苛立ちつつ、血の気のないテリーを労る様に見た。
「それで、メイファはどうしたんだ?」
 重ねてロンが問うと、
「追い……かけ、させ……」
 かすれるような声で返事が返った。
「犯人を追いかけさせたんだな?」
 再び諾と、頭が動いた。
「無茶な真似を!」
 ロンが心底呆れた表情を浮かべた。怪我をした相方を放置し、犯人を追う方も方なら、そうするように告げる方も告げる方だ。どちらも底なしに馬鹿としか言い様がない。
「応援に遅れた俺達も悪いと言えば悪いんだが、なんつー無謀なことをするんだ。お前等殉職したいのか!」
 カイが不機嫌な声で、半死状態のテリーを睨む。
「犯人を逮捕する前に、お前等が死んでどーするよ? えぇ?」
 睨み付ける目の鋭さに、朦朧とした状態にもかかわらずテリーが脅えた表情をした。
「カイ、怪我人を脅えさせるな」
 ロンがすかさずたしなめ、話題を変えた。カイは不服そうな表情ながらも、大人しく口を噤む。
[96] 2005/11/02/(Wed) 20:48:44

名前 MUTUMI
題名 74
内容  パンとドアが閉じられ、
「出してくれ」
 予め指示を出していたためか、エアカーはスムーズに発進した。
「怪我は肩だけか?」
 テリーをシートに寝かせた後、耳元に跪いたロンがそう問う。朦朧とした意識の中、テリーが微かに頷いた。傷を見ていたカイが眉を潜めて嘆息する。
「おい、綺麗に抉られてるじゃないか! レーザー弾だからこの程度の出血で済んだが、そうでなければかなりやばかったぞ!」
「どんな状況で撃たれたんだ?」
 カイの隣で、全力で止血作業をしながらハミルトンが問いかける。
「そ……げ……」
 小さな声が震える唇から漏れ出た。
「? 狙撃か?」
 ロンが問い直せば、再び微かに頭が揺れる。
「なっ!?」
「狙撃手までいたのか!?」
 カイとハミルトンが、その回答に絶句した。ロンも驚きに目を見張ったものの、驚愕の言葉は口にしなかった。
 捜査をしていて土壇場で気付かれ、反撃される事はままあることだ。平穏無事に犯人を逮捕するよりも、撃ち合いになる確率の方が高い。だからこその装備であり、制服のはずだった。だが今回は役に立っていない。
「うちの制服を焼き切るって事は、とてつもない腕って事だよな?」
「ああ」
 ハミルトンが低い声音で同意を返す。
「でなければ、ここ迄酷い事態にはならないさ」
[95] 2005/11/01/(Tue) 20:37:01

名前 MUTUMI
題名 73
内容  同時刻。
 別の場所では、ようやく到着した捜査官の手によってテリーが発見されていた。被弾した肩を赤く染め、ぐったりと意識のないまま横たわっている。雨水の染みたコンクリートが、滲み出た血で鮮やかに染まっていた。
「テリー!」
 倒れていた屋上からビルの中に担ぎ込まれたテリーは、青ざめた頬をロンによってピタピタと叩かれる。
「しっかりしろ!」
 耳元でロンが大声で怒鳴ると、テリーの目が微かに開かれた。
「……う……あ」
「大丈夫か? 今医者に運ぶからな」
 再び意識をなくしそうなテリーにそれだけを告げ、同行したハミルトンとカイに目配せをする。ハミルトンとカイも第5班ではパートナー同士であり、テリーに負けず劣らず体格が良かった。
「足でいいか?」
 カイがハミルトンに聞けば、
「頼む」
 と短い返事が返る。テリーとメイファーの五月蝿い組とは違って、こちらは阿吽の呼吸のわかる理性派組だった。
「いいか? せーの」
 カイのかけ声と同時に、テリーの体が持ち上げられる。カイは足を、ハミルトンは脇から手を入れ胸を持ち上げた。ぐったりとしたテリーの体がくの字になりながらも、床から浮く。
「うへ、重いぜ」
「何喰ってんだか」
 ブツブツ言いつつも、二人は急いでエレベーターへと向かった。ロンもその後を追う。
「下にエアカーを待機させた。この近くのサウスヘレナ病院が受け入れてくれるそうだ」
 別の捜査官が呼んだエレベーターに乗り込み、一気にビルを下る。ホールを抜けたその先に、一台の大型エアカーが停車していた。テリーを連れた三人は一斉にそれに乗り込む。
[94] 2005/10/28/(Fri) 19:48:47

名前 MUTUMI
題名 72
内容 (今に始まったことじゃないが、本当にこの人は容赦がないな)
 濡れたままの短い髪を掻きあげ、背面のクッションに背中を預ける。腕の中の名も知らぬ女性が、苦痛に呻いた。
「……おっと」
 呟き、傷に触らぬ様に楽な姿勢を取らせる。
「起きそう?」
 一矢が背後のシートを振り返り、ボブに問いかけた。
「いえ、大丈夫でしょう」
 様子を伺いつつボブが答え返す。そして薄らと女性の額に玉のような汗が浮かんでいるのに気付き、
「もっとも急ぐにこしたことはありませんが。……少し熱も上がっているようです」
 と、付け加えておく。シズカが了解したとばかりにエアカーのスピードを上げた。
 ウインドウにポツポツと雨が当たり、丸い粒となって背面に流れてゆく。雨の中をエアカーは目的地に向かってひたすら走った。
 前方のスカイロードには、何台ものエアカーが交差し、すれ違っている。流れるような色のエアカーの渦に、一矢達も紛れ込んだ。郊外へ向かう優先ロードを選択し、走行モードを高速のまま維持する。先を行くエアカーを次々と追いこし、シズカは巧みなハンドル裁きで第133分隊への帰投を急いだのだった。
[93] 2005/10/27/(Thu) 19:15:06

名前 MUTUMI
題名 71
内容 「罠ですか?」
「そんな大した物じゃ無いよ。単なる余興さ。現場を混乱させるつもりもないし」
 一矢はシズカの深読みを否定する。バックシートで女性を抱えたまま、その会話を聞いていたボブは、そこはかとなく頭痛を覚えた。
(連絡もせず、中途半端に負傷しているという情報だけを与えて、捜査官を連れ去っておきながら、余興呼ばわりしますかね……。その上、わざとらしく通信端末だけを残してくるし)
 エアカーに乗り込む際に、女性の持っていた通信端末を、一矢が取り残して来たのをボブは知っている。忘れたではなく、置いて来たがどう見ても正しい。
 通信端末の回線は開いたままだった。そろそろあの現場に他の捜査官が到着している頃合いだろう。
(心配して駆け付けた捜査官が発見するのは、通信端末と血の付いた脱脂綿。……その状況は誰だって動揺するぞ)
 悪辣という言葉が頭に浮かんだ。
[92] 2005/10/25/(Tue) 19:19:23

名前 MUTUMI
題名 70
内容  自分で止めておきながら、一層のこと素直に笑ってくれた方が遥かにましだという情けない感情が、一矢の中に巻き起こった。それを知ってか知らずか、ボブの体はいまだに小さく揺れている。
 シート越しに一睨みし、一矢はシズカとの会話を再開する。
「とにかく、そう言う訳でうちのテリトリーで保護したいんだ」
「保護ですか? それ尋問って言いません?」
 エアカーを高速走行させながらシズカが問う。一矢は軽く肩を竦めた。
「建て前上は言わないよ。怪我人の保護だ。ちゃんと手当てもしてあげるし」
「でも尋問もするんでしょう?」
「情報収集って言って欲しいな」
 人の悪い笑みを浮かべつつ、一矢は回答する。シズカが少しだけ呆れた表情を浮かべた。
「わかりました。ではそのように。……あ、星間中央警察への連絡はどうします?」
 ふとそれを思い出し一矢に問う。一矢はにこりと微笑んだ。
「無視」
「……いいんですか?」
「いいの。少し動揺させて、虫を動き易くさせとかないとな」
 一矢の口元が微かに吊り上がる。
「捜査官が行方不明になれば、二課の統制も緩くなる。内通者が本当にいるのなら、何か動きを見せるはずだ。それがどういう物であれ、知りたい」
[91] 2005/10/25/(Tue) 18:57:45

名前 MUTUMI
題名 69
内容 「いや、病院は駄目だ。安全が確認出来ない」
「? もしかして副官が抱えている人は、……今回のテロに関わる人ですか?」
 幾ら何でも街に出た程度で、そういう関係者をひっかける偶然なんてないだろうと、シズカが思いつつ確認を取ると、一矢の眼差しが天井を向いた。シズカの頬が思わず引き攣る。
「まさか関係者ですか?」
「星間中央警察の捜査官」
 端的に答え、言い訳めいた言葉を続ける。
「別に狙って見つけた訳じゃないぞ。偶然だからな」
「トラブルメーカー健在ですか?」
「……言うな、忘れろ。気のせいだ、気のせい!」
 一矢の台詞とほぼ同時に、バックシートから吹き出す声が聞こえた。
「ボブ〜」
 恨めし気な声で一矢はボブを非難する。
「失礼」
 口を閉じ吹き上がる笑いを必死に押さえ、ボブは肩を震わせた。
[90] 2005/10/24/(Mon) 23:01:12

名前 MUTUMI
題名 68
内容  女性の上半身を抱えたまま道路を見ていたボブが、視線を一矢に戻す。
「来たようです」
 台詞とほぼ同時に、エアカーが横付けされた。ウインドウが開き、シズカが顔を出す。
「隊長〜!」
 ヒラヒラと手を振って、シズカは自分の到着を合図した。
「ようやく来たか」
 ほっとした表情を浮かべながら、一矢はエアカーに近付き、運転席に座るシズカに指示を出した。
「【06】、133分隊に連絡して軍医を待機させてくれ」
「? えと?」
 シズカはきょとんとした顔をしつつも、一矢を見、ボブを見、その腕の中の見知らぬ女性を見つめる。その表情には不信感が溢れていた。
「拾い物だ。レーザーで左足を打ち抜かれている。まだ応急処置しかしていない。分隊に運び込んで手当てをしたい」
「ああ、わかりました。取り敢えず乗って下さい」
 瞬時に状況をのみ込むと、シズカはエアカーの扉を開けた。すかさず一矢が助手席に座り、ボブが女性を抱えたまま後部座席に納まる。扉が閉まり五月蝿かった雨音も消えた。
「分隊でいいんですか? 病院の方が近いですよ」
 エアカーを発進させながら、シズカが一矢を伺う。
[89] 2005/10/22/(Sat) 23:00:14






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