[20] POCKET Monster The Imaginary Another Battle 01 〜幼き兵士達〜 |
- アッシマーMkU量産型 - 2007年04月24日 (火) 21時50分
こちらでは始めましてです。アッシマーです。 先日質問した『T.I.』の外伝、遂にアップです!
「おねがい・・・たすけて・・・」 「ごめんよ・・・命令なんだ・・・僕だってこんな事したくないんだ・・・ごめん!!」
助けを求める、悲痛な幼き声。それを黙殺し、鳴り響く鈍い音。 幼いキモリは、巨大な光の剣に体を貫かれ、すぐに息絶えた。
「・・・・・・っ・・・」 残虐な殺し屋と罵るがいい、ポケモンの皮を被った鬼だとけなすがいい・・・ そんな開き直りが心の中に浮かぶ。 悔しくて、悔しくて。 「・・・・・・ちくしょおおおおおおっ!!」 斬り殺した敵の返り血に染まったかのような、真紅の鎧――PRAG1B・リムファクシを身に纏った、若きルカリオは叫んだ。
POCKET Monster The Imaginary Another Battle 01 〜幼き兵士達〜
任務が終わり、彼は基地へと戻った。 鎧を外すと、汗で蒸れていた肌が一気に冷やされる。 机の上に置かれた水筒を手に取り、それを口に運ぼうとした、その時。 「どうしたんだカール、つれない顔してるな」 そこに誰かの声が、後ろから聞こえて来た。
「兄さんか・・・なんでもないよ・・・」 そこに立っていたのは、1人の黒いリザードン。『兄さん』と呼んではいるが、当然血の繋がった兄弟ではない。 この物語の主人公――ルカリオのカールハインズ・ハインリッヒ中尉は、すぐに彼からそっぽを向こうとした。 が、その直後に、黒いリザードン――イザーク・ハインリッヒは、彼の心に鋭く突き刺さる一言を言い放った。 「・・・そうだな、今回の敵はひ弱な女子供ばかりだったからな。お前が物足りないと思うのも当然・・・」 「違う!!」 いきなり拳を壁に叩きつけるカールハインズ。 「憎いんだ・・・こんな血も涙もない任務を平気でこなしてしまう、自分が憎いんだ!!」 彼の手から離れた水筒が、軽い音を立てて床に落ちる。 「・・・仕方ないさ。俺達は兵隊――それ以前に人間の下に仕えるポケモンだ。上の言う事には嫌でも従わなくちゃならん。 たとえそれが、理不尽な要求であってもだ・・・」 「確かにそうだよ・・・けど! それだけで受け入れられるような事なら、こんな事考えるわけ無いだろ!!」 顔を上げ、カールハインズは声を張り上げてそう言った。
「お前・・・前にもそんな事を言ってたな。俺達の兄弟が、1人減った時・・・」 イザークは、静かにそう答えた。
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