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[579] ポケモンDP 闇の心・光の心
佳奈美 - 2008年07月04日 (金) 08時53分

以前書いた「ポケモンDP 開催・バトル大会 」の続編です。
前書いた小説の続編とは一切関係ありません。
前書いた小説は打ち切りとさせていただき、なかったことにします。
理由はもはこれは私が想像していたポケモンDPではない理由と、これからの展開が全く思いつかないからです。
だから前の小説は削除して新しく書き直すことにしました。

このストーリーはストーリーはヒカリがウリムーをゲットしサトシのグライガーがグライオンに進化した直後の話にしたいと思います。

名前 ユウエイ
出身地 カンナギタウン
職業 ポケモントレーナー(トレーナーレベルはベテラン以上チャンピオン以下)
性別 男
年齢 20歳
手持ちポケモン
フーディン ♂ (サイコキネイシス・じんつうりき・テレポート・ねんりき)
ミロカロス ♀ (アクアリング・まもる・みずのはどう・ふぶき)
ビーダル ♂ (シャドーボール・ころがる・めざめるパワー・いかりのまえば)
リーシャン ♂ (ミラーコート・いやしのすず・おんがえし・ねんりき)
リオル→ルカリオ ♂ (はっけい・カウンター・はどうだん・でんこうせっか)
ピジョット ♂ (ゴットバート・そらをとぶ・はねやすめ・かぜおこし)
経歴・特徴・バトルの仕方 前回と同じ
イメージ声優 中村悠一

名前 カンテ
出身地 ノモセシティ
職業 ポケモントレーナー(トレーナーレベルはベテラン以上四天王以下)
性別 男
年齢 20歳
手持ちポケモン
スリーパー ♂ (きあいパンチ・さいみんじゅつ・ゆめくい・ねんりき)
ハクリュー ♀ (ギカインパクト・りゅうのまい・りゅうのいぶき・ドラゴンダイブ)
ヘルガー ♂ (かえんほうしゃ・だいもんじ・アイアンテール・ほえる)
デンリュウ ♂ (10万ボルト・かみなり・かみなりパンチ・ミラーコート)
リーフィア ♀ (エナジーボール・にほんばれ・ソーラービーム・はっぱカッター)
グレイシア ♂ (ふぶき・あられ・冷凍ビーム・カウンター)
経歴・性格・特徴・バトル戦術 前回と同じ。
イメージ声優 緒方恵美

名前 タイラント
出身地 フィオレ地方
職業 ポケモンレンジャー(トップレンジャー)
性別 男
年齢 25歳
パートナーポケモン
シェイミ (シードフレア・はなびらのまい・エナジーボール・ソーラービーム)
経歴 世界に12人しかいないといわれるトップレンジャーの一人。
特徴 黒のセミロングぐらいの長さの髪を一つにまとめてあり、顔は一般人みたいな顔で、ハジメとダズルと同じレンジャーの服を着こなしている。
性格 正義感が強く、ポケモンを使って悪事を働く人間は容赦なく叩き潰す。
イメージ声優 津田健次郎

名前 ユヤ
出身地 フタバタウン
職業 ポケモントレーナー(元ロケット団三銃士の右腕)
性別 男
年齢 18歳
手持ちポケモン
ポッチャマ ♀(色違い・ピンク色) (バブルこうせん・ハイドロポンプ・ドリルくちばし・うずしお)
ハピナス ♀ (たまごうみ・すてみタックル・きあいパンチ・しんぴのまもり)
ブニャット ♂ (きりさく・めざめるパワー・とっしん・ひみつのちから)
経歴 元凄腕トレーナーだったが2年前のスランプがきっかけでロケット団に入団し、三銃士の右腕として働くようになったが、ロケット団のやっていることは悪いことだと知り自分から裏切った。
特徴 少女と間違われそうな顔つきに灰色の短髪としなやかな体つきをしておりロケット団幹部の服を着込んでいたが今は白い半袖シャツで裾はクリーム色に色づけられ、十字架の模様をモチーフとした袖の模様は青く書かれており、そして男性用のホットパンツと流行のスニーカーを穿いている。
ちなみにフタバタウン出身でアヤコとヒカリのことはよく知っている。
性格 平和主義者で、誰であろうとも敬語を使う。
バトル戦術 自分のポケモンや相手のポケモンをなるべく傷つけずに戦う。
イメージ声優 福山潤

名前 レン
出身地 シオンタウン
職業 ポケモントレーナー(賞金・賞品稼ぎ)
性別 男
年齢 27歳
手持ちポケモン
ゲンガー ♂ (シャドーボール・シャドーパンチ・さいみんじゅつ・ゆめくい)
ゴウカザル ♂ (きあいだま・かわらわり・ブラストバーン・かえんほうしゃ)
エンペルト ♂ (れいとうビーム・ハイドロカノン・バブルこうせん・なみのり)
ドダイトス(色違い・紫色) ♂ (ハードプランド・リーフストーム・かみくだく・ウッドハンマー)
ミュウツー (はどうだん・サイコキネシス・きあいパンチ・じんつうりき)
ギラティナ (シャドーダイブ・シャドーパンチ・シャドーボール・シャドークロー)
経歴 各地方で大会と付くものなら大会に参加して優勝をもぎ取っている。リーグ経験もあるがミクリがまだチャンピオンの時、ミクリに敗れて以来リーグには出場していない。
特徴 銀色の短髪に凛々しい顔つき、そしてちょっとがっちりとした体型にをしており、上から下まで黒の服を身にまとっている。
性格 自分の思い通りにならないと逆キレをし自分に負けた相手を徹底的に殴ったり蹴ったりの暴行を加える。また、勝つためならどんな手を使う。
バトル戦術 ジュウゴロウとサイと同じやり方。
イメージ声優 駒田一

名前 ガンマ
出身地 ノモセシティ
職業 ポケモンブリーダー
性別 男
年齢 14歳
手持ちポケモン
サボネア ♀ (ミサイルばり・ドレインパンチ・タネマシンガン・すなあらし)
エイパム(色違い・濃いピンク色) ♂ (ダブルアタック・スピードスター・ひみつのちから・かげぶんしん)
ロゼリア ♀ (リフレッシュ・くさぶえ・あまいかおり・リーフストーム)
経歴 トレーナー時代はカンテの一番弟子だったが訳ありで今はブリーダーとしてレンの元で働いている。
特徴 黄緑色のセミロング長さで一つに結わえており、顔の方は今でも10歳と間違われる顔立ちをしており、身長は平均よりも少し低く、服は白のトレーナー服に青の長ズボンを穿いている。
性格 誰にでも忠実で人を疑わない。
バトル戦術 師匠のカンテと同じ。
イメージ声優 野口聖古

ロケット団三銃士
名前 アロー
出身地 不明
職業 ロケット団三銃士
性別 男
年齢 22歳
手持ちポケモン
オニゴーリ ♂ (アイスボール・こごえるかぜ・まもる・ずつき)
ユキメノコ ♀ (ふふぎ・れいとうビーム・あられ・かげぶんしん)
経歴 ロケット団幹部も上回る『三銃士』のリーダー。
ありとあらゆる犯罪を犯し、危険なアイテムを作り出す。
特徴 濃いオレンジ色のシャギーヘアーにクールな顔つき、オレンジ色の服とマントを身に纏っている(この服にはRマーク入り)
性格 多少キザで頭脳・運動神経は抜群。冷酷極まりない。
バトル戦術 他人とポケモンの命を気にしないむごいやり方。
イメージ声優 風間勇刀

名前 ソウル
出身地 不明
職業 ロケット団三銃士
性別 女
年齢 20歳
手持ちポケモン
ブーバー ♀ (オーバーヒート・ふんえん・じしん・ほのおのパンチ)
ギャロップ ♀ (とびはねる・にほんばれ・ソーラービーム・オーバーヒート)
経歴 ロケット団幹部も上回る『三銃士』の紅一点。
特徴 真紅のロングヘアーに美人だがきつい顔つき、赤い服とマントを身に纏っている(この服にはRマーク入り)
性格 姉御肌でミスは許せない主義。
バトル戦術 炎タイプのポケモンで責め続ける熱き戦い。
イメージ声優 徳光由香

名前 レクリ
出身地 不明
職業 ロケット団三銃士
性別 男
年齢 19歳
手持ちポケモン
カイリキー ♂ (メガトンパンチ・かわらわり・ばくれつパンチ・クロスチョップ)
ハッサム ♂ (ハサミギロチン・いあいぎり・こうそくいどう・かげぶんしん)
経歴 ロケット団幹部も上回る『三銃士』の頭脳派。
危険なアイテムの効果を生み出している。
特徴 茶髪の短髪に童顔、淡い茶色の服と茶色のマントを身に纏っている(この服にはRマーク入り)
性格 敬語を使うが心は腹黒い。たまに少年っぽくなる。
バトル戦術 バトルを楽しむやり方。
イメージ声優 天神有海

名前 ヒーリング
出身地 不明
職業 ロケット団最高幹部(カドマツの右腕)
性別 女
年齢 27歳
手持ちポケモン
モルフォン ♀ (ねむりごな・しびれごな・どくのこな・サイケこうせん)
スターミー (スピードスター・ハイドロポンプ・サイコキネシス・みずのはどう)
エレキブル ♂ (10万ボルト・チャージビーム・ギカインパクト・かみなりパンチ)
経歴 ロケット団最高幹部にしてカドマツの右腕。あの『三銃士』を育て上げた張本人。
特徴 綺麗な顔立ちをしているが凄くきつい顔つきに、腰まで伸びている黒のストレートへアーと、特注品のロケット団幹部用の服を着こなしている。その服は足は完全に出ておりスカートはヒカリのミニスカートよりも遥かに短く、上半身の服装は胸が完全に隠れる程度で後は全部出している露出度が凄く高い服。
性格 凄くきつくて冷酷極まりない。他の幹部達からも『堕天使』や『魔女』と呼ばれるほど評判が悪い。
バトル戦術 カドマツと同じ。
イメージ声優 岡村明美

☆ゲームキャラ
名前 ハジメ
出身地 フィオレ地方
職業 ポケモンレンジャー(トップレンジャー)
性別 男
年齢 16〜7歳
パートナーポケモン
ムックル ♂(つばめがえし・はがねのつばさ・そらをとぶ・フェザーダンス)
経歴・特徴・性格 アニメと同じ
イメージ声優 阪口大助

名前 ダズル
出身地 アルミア地方
職業 ポケモンレンジャー(トップレンジャー)
性別 男
年齢 16〜7歳
パートナーポケモン
ブイゼル ♂(アクアジェット・しおみず・ソニックブーム・なみのり)
経歴・特徴・性格 ゲームと同じだかハジメと同じくゲームとは異なり年齢や背丈は変わっている。
イメージ声優 高橋広樹

☆アニメキャラ☆
サトシ アニメと同じ
ピカチュウ アニメと同じ
ヒカリ アニメと同じ
タケシ アニメと同じ
ムサシ・コジロウ・ニャース アニメと同じ
シンジ アニメと同じ
シロナ アニメと同じ(手持ちポケモンはゲームと同じ)

[580] 第1幕 ウォーティシティのバトル大会
佳奈美 - 2008年07月04日 (金) 12時29分

ノモセシティでフェンバッジをゲットし、ヒカリはウリムーをゲットし、サトシはグライガーをグライオンに進化させて2日が経った。
ヨスガシティに向かう途中、ウォーティシティに立ち寄りポケモンセンターで休憩をしているとき、ポケモン図鑑を持ったトレーナーがポケモンセンターを出て行き、そしてポケモンセンターの前にある一番大きいホテルに入っていくところを目撃した。
「なんだろう?この騒ぎ」
「ピィカ?」
サトシ達はさっきこの町に着いたばかりなので分からなかった。
「多分これのせいじゃないかな」
タケシはポケモンセンターに張られているポスターを見ながら言った。
「なになに・・・ベテラントレーナー限定のポケモンバトル大会を明日から行います、ポケモン図鑑と4つ以上のバッジを持ち、そしてポケモンリーグで高成績を収めているトレーナーは誰でも参加可能、優勝商品は進化の石詰め合わせセットをプレゼントします」
サトシはポスターをくまなく見終わってから立ち上がった。
「前と同じバトル大会ね」
「ポチャポチャ」
ヒカリとポッチャマは前のバトル大会と同じだといった。
「カンテさんとユウエイさん、あの日以来会っていないげと元気にしているかな・・・」
タケシはカンテとユウエイのことを思い出しながらつぶやいた。
「よーし、俺も参加するぜ」
「ピカピカ!」
サトシとピカチュウは久々の熱いバトルのことを考えて燃えていた。
「やっぱりそう来たか」
タケシは絶対に言うと思ったという表情していた。
「がんばってね、サトシ」
ヒカリはポッチャマ達と一緒にサトシを応援することにした。
「ああっ、そうと決まればエントリーだ」
サトシはポケモン図鑑を取り出してピカチュウと一緒にポケモンセンターを後にしホテルに向かった。
タケシとヒカリもサトシの後をついて行った。

ホテルの中に入ったサトシ達は、受付場所に向かった。
「明日のバトル大会に参加ですか?」
受付従業員の女性が声をかけてきた。
「はい」
サトシは返事をした。
「では、ポケモン図鑑をこの機械にセットしてください」
サトシは従業員の言いつけどおりにポケモン図鑑を機械にセットした。
「今のバッジは4つ、各ポケモンリーグでベスト8を収めている、ポケモンもそれぞれバランスが取れている上にポケモン自身も彼に忠実・・・」
従業員はサトシの特徴やポケモン達の能力、そして信頼度と愛情度をチェックしていた。
「おめでとうございます、あなたは明日のバトル大会の参加資格を得ました」
従業員は笑顔でサトシに言った。
そしてポケモン図鑑を返し、参加資格のパスポートが渡された。
「これは・・・」
「これは参加資格が得た証のパスポートです、片身離さずに持っていてください、なお、このパスポートを持っているトレーナーは明日からこの町のデパートの品物ががすべて無料で手に入ります」
従業員はパスポートの説明を丁寧に説明した。
「分かりました」
サトシはパスポートを受け取るとすぐに大切そうにポケットにしまった。
「本当に前と同じルールとやり方ね・・・」
ヒカリは少し呆然としていた。

受付が済むとサトシはバトル大会の責任者に参加者専用の部屋に案内された。
タケシとヒカリもサトシの付き人として特別に入室を認められた。
部屋に着くとポケモンセンターの部屋と比べようがないほどの高級感が漂っていた。
ビロードのカーテンに羽毛布団と枕、マボカニーに高級素材の机とソファーそして高そうな花も添えられており、参加者のための高級菓子と紅茶も用意されていた。
「すごーい、まるで高級ホテルみたい」
「ポチャポチャ」
ヒカリは始めてみる高級部屋で興奮を抑え切れなかった。
「高級ホテルみたいって・・・高級ホテルなんだよ」
タケシは呆れながら言った。
「よし、こんな窮屈な部屋から出て、バトルの特訓だ」
サトシは外でバトルの特訓をすると言い出した。
「ヒカリ、バトルの特訓に付き合ってくれないか」
サトシはヒカリに特訓相手に指名したがヒカリは疲れていたためか「あたしはこの部屋でゆっくりしたいから」と言い断った。
「じゃあ、タケシ」
「すまない、食料とかポケモンフーズの材料が切らして」
タケシは足りなくなった食料を調達するためバトルは後にしてくれといった。
「まあいいか、俺たちでやるか」
「ピカピカ」
サトシは一人でバトルの特訓をすることにし、ピカチュウと一緒にこの部屋を後にした。

第1幕 完

[581] 第2幕 再会
佳奈美 - 2008年07月04日 (金) 14時08分

サトシとピカチュウがビルから外に出て、公園に向かうと参加者達が明日に備えバトルの特訓をしているところだった。
「よーし、燃えてきたぜ」
サトシはモンスターボールからナエトル、ヒコザル、ムクバート、ブイゼル、グライオンを出した。
「皆、明日はバトル大会だ、力をあわせて優勝を狙うぜ!」
サトシが張り切って皆に宣言すると、ピカチュウ達はサトシの気持ちに答えた。
特訓を始めようとしたところ急に周りが静かになった。
「どうしたんだ?」
サトシが辺りを見回すと、参加者達は特訓を中断してひとつのバトルを見ていた。
そのバトルは今から始まるところだった。
サトシもバトルが気になり、見てみると、一人は背が高くて黒髪と茶色の服が特徴の美青年で一人は紫色の髪をした少年だった。
サトシはすぐに紫色の髪をした少年がシンジだと分かった。
「シンジ・・・それに・・・」
サトシは青年のほうを見た。
「カンテさんだ!」
サトシは懐かしい人と再会できてうれしそうにしていた。
「バトルは3対3、そのうち2匹戦闘不能になった時点で終了、それでいいか」
カンテはバトルのルールをシンジに説明した。
「はい」
シンジは3対3のバトルを受け入れた。
「お前とのバトル、あの時以来だな、シンジ」
青年はシンジのことを知っているようだ。
「ああっ、だか次は俺が勝ちます、カンテさん」
シンジとカンテと名乗る青年はモンスターボールを構えた。
「大地を揺るがせ!ハクリュー!」
カンテの最初のポケモンはハクリューを繰り出した。
「グライオン、バトルスタンバイ!」
シンジの最初のポケモンはグライオンを繰り出した。
「ハクリュー、りゅうのまい!」
カンテは、ドラゴンタイプの攻撃と素早さをあげるりゅうのまいを繰り出した。
「グライオン、シザークロス!」
グライオンのシザークロスがハクリューに直撃したが、ハクリューは前と比べると防御も徹底的にあげられていたため戦闘不能にはなっていなかった。
「ハクリュー、りゅうのいぶき!」
りゅうのまいの効果で攻撃があがったハクリューはドラゴンタイプの技、りゅうのいぶきを繰り出した。
グライオンはりゅうのいぶきをまともに受けただけでなく、麻痺症状になってしまった。
「くっ・・・」
シンジは少しあせっていたがカンテはかまわずにハクリューにもう一度りゅうのいぶきを命じさせ、グライオンに致命傷を与えた。
「グライオン、ハサミギロチン!」
グライオンは相手を一撃で戦闘不能にさせるハサミギロチンを命じた。
「でも、ハサミギロチンは当たる確率は低い!」
カンテの言うとおり、ハサミギロチンはハクリューには当たらずに終わってしまった。
「ハクリュー、ギカインパクト!」
ハクリューはギカインパクトを繰り出して来た。
ギカインパクトはグライオンに直撃しグライオンは戦闘不能になった。
「1回目は俺の勝ちだな」
カンテはハクリューをモンスターボールに戻して言った。
シンジは無言でグライオンをモンスターボールに戻し、エレブーを繰り出した。
「エレブーか・・・だったらリーフィアだ」
カンテは草タイプのリーフィアを繰り出した。
「エレブー、かわらわり!」
草タイプのリーフィアは電気タイプの技には効果がいまひとつのため効果が普通の格闘タイプの技を繰り出した。
「リーフィア、エナジーボール!」
リーフィアはかわらわりを華麗にかわしながらエナジーボールを繰り出した。
「続けてはっぱカッター!」
リーフィアはエナジーボールに続いてはっぱカッターを繰り出して来た。
はっぱカッターとエナジーボールの融合技がエレブーに直撃した。
「クッ・・・このリーフィア・・・前と戦ったよりも強くなっていやがる」
シンジは初めてカンテと戦ったよりもカンテが強くなっていることに気が付いた。。
「強くなっているか・・・俺は強くない、俺はお前と同じだ」
カンテもまた、各ポケモンリーグに出ているがシンジと同じく優勝はまだ納めてはいなかった。
「俺もホウエン、カントー、アルミア、オーレ、フィオレ、ジョウトとポケモンリーグに出たがどれも皆準優勝に納めてばかりさ、でも俺はポケモン自信、バトル自信は大好きなんだ、例え負けても俺は相手といいバトルが出来ればそれでいい、今までだってそう思ってからこそ諦めずにここまで来たんだ」
カンテは少し切なそうに言った。
「ぬるいな」
シンジは口を開いて語った。
「カンテさんの腕は俺も認めてはいる、しかしカンテさんのこういう甘い考え、そしてポケモン達の甘やかしは認めてはいない!カンテさんのやっていることはおろかな行為だ!」
シンジはカンテのバトルの腕とポケモンの強さは認めてはいたがカンテがポケモン達にやっている『甘やかし』は認めてはいなかった。
(俺はカンテさんのやり方を認めて入る・・・ポケモン達の長所を徹底的に褒めてあげればポケモン達は絶対に真の力を発揮は出来る)
サトシは肩に力を入れながらカンテを見つめ、そしてカンテのやり方を認めていた。
「エレブー、かみなりだ」
シンジはさっきの話を何事もなかったようにしてバトルを再開させた。
「リーフィア、ソーラービーム!」
リーフィアはソーラービームを繰り出そうとした
「ソーラービームは発射するまでに時間は掛かる、今のうちにけりをつけろ!」
エレブーはかみなりを繰り出して来た。
かみなりがリーフィアに直撃したが効果が今ひとつだったため、リーフィアは戦闘不能にならずに済んだ。
リーフィアはソーラービームを繰り出して来た。
ソーラービームがエレブーに直撃し、エレブーは戦闘不能になった。
「俺の勝ちだな」
カンテはリーフィアをモンスターボールに戻した。
「・・・・・・」
シンジは無言でエレブーをモンスターボールに戻した。
「シンジ、お前がどう思うとお前の勝手だ、俺は俺のバトルでポケモンリーグに出場して優勝をする」
カンテは少し力を抜きながら言った。
「フン・・・」
シンジはカンテの言葉に無視して、ポケモンセンターに向かった。
「カンテさん!今のバトル、凄くいいバトルでしたね」
「ピカピカチュウ」
サトシとピカチュウはカンテに話しかけてきた。
「サトシ、久しぶりだな」
カンテは嬉しそうにサトシを見上げた。
「お前も明日のバトル大会の参加者?」
「はい」
サトシはカンテの質問に答えた。
「そうか、実は俺もこのバトル大会に出場することにしたんだ」
カンテもまたバトル大会に出場者なのだ。
「へー、あの時は戦えなかったげと今度は絶対にカンテさんと戦いたいです」
サトシは嬉しさを押さえきれずに言った。
「時間あるか?再会の祝いだ!お茶、ご馳走するぞ」
カンテはサトシを誘った。
「ありがとうございます」
サトシはカンテの誘いに乗った。

カンテがサトシを連れて行った場所は喫茶店に入った。
「いらっしゃいませ」
店に入り席に座ると、ウエイターが声をかけて、メニューを渡した。
「紅茶とケーキをお願いします」
カンテは注文した。
「かしこまりました」
ウエイターが去るとサトシはカンテにトバリジムでバッジを入れたことやミクリカップに出場したとか、ヒカリが完全に復活したことや、ノモセで完全勝利を収めたことを全て話した。
「そうか、ヒカリ完全復活したのか」
カンテは嬉しそうに言った。
「はい、そのときの感動は今でも忘れられないってヒカリ言っていましたよ」
サトシはお冷の氷を食べながら言った。
「お前・・・俺のやり方を認めているのか?」
カンテは嬉しそうな表情していた。
「さっきシンジの言ったことを気にしているんですか?」
サトシは深刻な表情で尋ねた。
カンテは軽く頷いた。
「ポケモン達を信じて、そしてポケモン達の長所を褒めてあげれば絶対にポケモン達は真の力を発揮することが出来る、俺はいつもそう信じて戦い続けたんです」
「ピカピカ」
サトシは力を込めて言った。
「俺だけだと思っていた・・・こういう考え方をしていたのは俺だけかと思っていた・・・」
カンテは今にも泣きそうな声で言った。
「俺はポケモンに甘やかしてばかりいるのかもしれないと最近思うようになってきたんだ、シンジとの戦いでやっと自分の『甘さ』に気が付いて今から厳しくしようかなと思った・・・でもお前に再び会えた、もしお前と再会していなかったら俺、ポケモン達に厳しくしてしまうところだったよ」
カンテはサトシと会ったことに少し嬉しさを抱いていた。
「俺と同じだ・・・俺もカンテさんの思っていることいつも考えていたんですよ、でも、自分のやり方に自信をなくさないで下さい、自分のやり方で一緒にシンオウリーグに出場しましょう」
サトシはいつもポケモン達を信じ続けてバトルをして来たので、カンテとは気が合い、そしてライバルでもあり友達になった。
「ありがとう、サトシ」
サトシとカンテは熱い握手を交わした。

第2幕 完

[582] 第3幕 ヒカリ対ユウエイ
佳奈美 - 2008年07月05日 (土) 13時19分

同時刻・・・
「その調子よ!ウリムー」
ホテルの裏にある庭では一休みを終えたヒカリが新しくゲットしたウリムーに技の練習をさせていた。
「ウリウリ!」
ウリムーは嬉しそうに頷いた。
「こおりのつぶて、もう少し綺麗に見せたらコンテストバトルでも十分に対応が効くわよ」
カンナギタウンのポケモンコンテストに備えてポッチャマ達とコンテストバトルやパフォーマンスの練習をしていた。
「次はパフォーマンスの練習よ!」
ヒカリはウリムーを暫く休めさせ、代わりにポッチャマとエテボースにパフォーマンスの練習をさせようとした。
「ポッチャマはバブルこうせんからつつく!エテボースはスピードスターからきあいパンチ!」
ポッチャマは大量のバブルこうせんを放ち始め、そしてつつくでバブルこうせんを壊し始めた。
バブルこうせんの壊れたしずくがポッチャマの体に降り注ぎポッチャマの体の艶を徹底的に見せ付けた。
エテボースは二つの尻尾からバブルこうせんと互角の量のスピードスターを繰り出し、連続のきあいパンチでスピードスターを壊し始めた。
スピードスターの光がエテボースの自慢の尻尾に降り注ぎエテボースの尻尾は7色の虹のように輝いていた。
「う〜ん・・・技も綺麗、ポッチャマ自身も凄く目立っている・・・でもなんかこう今ひとつ足りないような・・・」
ヒカリはポッチャマとエテボースを見つめながら考え込んでいた。
「ああっ!そうか、バブルこうせんとスピードスターの量だ、これじゃポッチャマ達が隠れてしまう!」
ヒカリはやっと欠点に気がつき、もう一度ポッチャマとエテボースにさっきのパフォーマンスの練習をさせた。

30分後・・・
「これでいいのかな・・・」
ヒカリはポッチャマ達にポフィンをあげながら言った。
「ミクリカップでは何とかエテボースの特長を生かして1次審査を突破した、でもカンナギタウンのコンテストでこの演技で通るかな・・・」
ヒカリが考えているところに綺麗な鈴の音が聞こえた。
シャリーン♪
「鈴・・・」
ヒカリは鈴の音色が聞こえたところに駆け寄った。
シャリーン♪
「リーシャンだ!」
「ポチャ」
ヒカリとポッチャマはすぐにリーシャンだと分かった。
「このリーシャン、トレーナーとはぐれたの?」
ヒカリはリーシャンを抱き上げて言った。
「シャリーン」
リーシャンは軽く鳴いた。
「リーシャン!」
ヒカリの所に、美形の明るい茶髪の青年が息を切らして駆け寄った。
「よかったで・・・あんたがリーシャンを保護してくれとって」
青年はヒカリに感謝した。
「このリーシャン、あなたのポケモン?」
ヒカリはリーシャンを青年に差し出した。
「そうや、ちょっと目を放した隙にどっか行ってしもうてな、探していたところなんや」
青年は事情を話した。
青年とヒカリは最初はリーシャンのことで互いのことを忘れていたがよく顔を見るとすぐに互いのことが分かった。
「ユウエイさん!」
「ヒカリやないか!」
ヒカリとユウエイは急な再会で驚いていた。

「ミクリカップで優勝か・・・諦めなくてよかったな」
ヒカリとユウエイはやっと落ち着きを取り戻し、今までの旅のことを全て話した。
「うん、私、一時は辞めてしまうかなと、不正行為でもして優勝しようかなと思ったげと、こんなことしなくてよかったと思っているの」
ヒカリはリボンケースを握り締めながら言った。
「どうや?俺とバトルせーへんか?」
ユウエイはヒカリにバトルを申し込んできた。
「カンナギタウンのコンテストに出るんやろ?少しはポケモン達のレベルも上げとかなきゃこれから先、付いて行けへんで」
ユウエイはヒカリのためにと思って、そしてまた自分がバトル大会に出るためのウォーミングアップのためだと思ってヒカリにバトルをもう込んだのだ。
「はい、喜んで!」
ヒカリはコンテストバトルのいい練習相手になると判断したためすぐに承知した。

「バトルのルールは3対3、先に2勝したものが勝ちや!」
ユウエイはバトルのルールを説明した。
「はい!」
ヒカリは頷いた。
「では行くで!ミロカロス、出番や!」
ユウエイはミロカロスを繰り出して来た。
「ミロカロス!いつ見ても綺麗ね〜」
ヒカリはミロカロスを見てうっとりしていた。
「ポチャポチャ!」
ヒカリの足元にいたポッチャマはヒカリがうっとりしているところを見るとすぐに怒った。
「おっと・・・いけない!」
ヒカリはすぐに我に返りパチリスを繰り出した。
「ミロカロス、みずのはどう!」
ミロカロスはみずのはどうを繰り出して来た。
「パチリス、かわして!」
パチリスはみずのはどうをかわした。
「てんしのキッスよ!」
パチリスは可愛らしくてんしのキッスを繰り出して来た。
「ミロ〜」
ミロカロスは混乱状態になってしまった。
「ミロカロス!」
ユウエイは混乱したミロカロスに戸惑っていた。
「今よパチリス!スパーク!」
「チーパァァァーー!!!」
パチリスは線香花火のようにスパークを繰り出して来た。
スパークがミロカロスに直撃し、ミロカロスは麻痺症状になってしまった。
「ミロ!!!」
ミロカロスは混乱が解けたが麻痺症状になってしまって体が思うように動けなくなってしまった。
「ミロカロス、アクアリングで体力を回復するんや!」
ミロカロスはアクアリングを繰り出し、自分の体力を回復し始めた。
「これで暫くはミロカロスの体力には困らへんで!」
ユウエイはミロカロスの元々の防御の高さと特性の『ふしぎなうろこ』の効果でミロカロスの防御を最大限にあげさせていた。
その上アクアリングで体力を毎ターン回復させてしまうため、もはやミロカロスは無敵と言っても言い過ぎないほどになっていた。
「パチリス、ほうでん!」
ヒカリも負けずにパチリスに技を命じた。
「チパリーー!!!」
パチリスは凄い威力のほうでんを繰り出して来た。
ほうでんがミロカロスに直撃したが防御が徹底的にあげられていたためダメージは少なかった。
「ミロカロス、みずのはどう!」
ミロカロスは何とか体を動かすことが出来、みずのはどうを繰り出して来た。
「チパァー!」
みずのはどうがパチリスに直撃してしまった。
「パチリス!」
ヒカリはパチリスを呼んだがパチリスは戦闘不能になっていた。
「1回戦は俺の勝ちやな」
ユウエイはミロカロスにまひなおしで麻痺症状を治しながら言った。
「ミロカロスの特性のことすっかり忘れていたよ・・・」
ヒカリは反省しながらパチリスを抱き上げた。
「パチリス、よく頑張ったね、ありがとう」
「チパ」
ヒカリはパチリスを褒めながらモンスターボールに戻した。
「ミロカロス、ようやったな」
「ミロ」
ユウエイもミロカロスを褒めながらモンスターボールに戻した。
「次のポケモンはこいつや!」
ユウエイはフーディンを繰り出して来た。
「あたしはエテボースで行くわよ!」
ヒカリはエテボースを繰り出して来た。
「フーディン、じんつうりき!」
フーディンはじんつうりきを繰り出して来た。
「エテボース、かげぶんしん!」
「エポォー!!!」
エテボースはかげぶんしんを繰り出して来た。
じんつうりきがエテボースのかげぶんしんに直撃した。
「フーディン、本体を探すんや!サイコキネシス!」
フーディンはサイコキネシスを繰り出し、サイコキネシスでエテボースの影を全て打ち砕いた。
「あれが本体や!フーディン、じんつうりき!」
ユウエイは本体を見つけるとすぐに技を命じた。
「エテボース、スピードスター!」
エテボースはスピードスターを繰り出して来た。
スピードスターとじんつうりきがぶつかり合い、スピードスターは粉々に砕かれフィールドに降り注いだ。
「エテボース、ダブルアタック!」
ヒカリはこのままじゃやばいと判断し、接近戦で勝負に出ることにした。
「エイーポォォォーーー!!!」
エテボースは凄い勢いでフーディンの前に来、ダブルアタックを繰り出して来た。
パン!!!
パン!!!
ダブルアタックがフーディンに直撃してしまい、フーディンは戦闘不能になった。
「やったぁ!ありがとう、エテボース!」
ヒカリはエテボースを褒めた。
「フーディンは防御やとくぼうは低いのが弱点、この盲点に気が付くとはなかなかやな」
ユウエイはヒカリのバトル戦術を褒めた。
「ありがとうございます」
ヒカリは嬉しそうに返事した。
「最後のポケモンはこいつや!」
ユウエイはピジョットを繰り出して来た。
「行って来て、ポッチャマ!」
ヒカリはポッチャマを繰り出した。
「ピジョット、かぜおこし!」
「ピジョピジョー!」
ピジョットは凄い威力のかぜおこしを繰り出して来た。
「ポチャー!」
小さいポッチャマは当然絶えられなくなり、吹き飛ばされた。
「ポッチャマ、大丈夫!」
ヒカリは倒れているポッチャマを呼びかけた。
「ポチャ!」
ポッチャマは立ち上がり、平気だという態度を取った。
「ポッチャマ、バブルこうせん!」
「ポッチャ!」
ポッチャマはバブルこうせんを繰り出して来た。
「ピジョット、そらをとぶでかわすんや!」
ピジョットは空高く飛び上がりポッチャマのバブルこうせんをかわした。
「このままポッチャマに向けるんや!」
ユウエイの合図とともにピジョットは空から勢いよく急降下してきた。
「ポチャーー!!!」
そらをとぶがポッチャマに直撃してしまった。
「ポッチャマ!」
ヒカリは心配そうにポッチャマを見た。
「ポチャ・・・」
ポッチャマは立ち上がろうとしたが体はふらふらになっていた。
「ポッチャマ、もういいよ、私の負けで」
ヒカリはふらふらになっているポッチャマの体を支えながら言った。
「ポチャポチャァー!!!」
ポッチャマはまだやれるというかのように暴れた。
「もういいってば!」
ヒカリはポッチャマをなだめた。
「ポチャ・・・」
ポッチャマもヒカリのこの言葉にとうとう諦めがつき、大人しくなった。
「あたしに勝利を掴み取らせたかったのね、ありがとう」
ポッチャマはどうしてもヒカリに『勝利』と言う物を与えたかったため、バトルを続けようとしていたのだ。
ヒカリはポッチャマの気持ちを充分に分かっていたためポッチャマに感謝した。
「ポチャ」
ポッチャマは頷いた。
「このポッチャマ、ヒカリのことが好きみたいやな」
ユウエイはピジョットをモンスターボールに戻しながら言った。
「ええっ、私の初めてのポケモンなの、運命的に選ばれたのよね」
「ポチャ」
ヒカリは笑顔でポッチャマを見ながら言った。
「なんかこう、お前とポッチャマを見ると和むな〜」
ユウエイはヒカリとポッチャマを見ながら言った。
「えへへ・・・」
ヒカリは照れながら笑った。
「ポチャ・・・」
ポッチャマはヒカリの腕の中で胸を張っていた。

第3幕 完

[583] 第4幕 変えるバトル戦術
佳奈美 - 2008年07月05日 (土) 20時02分

「はい!」
ユウエイとヒカリはホテルに戻り、ホテルで営業している喫茶店に入った。
「クリームソーダ4つ下さい」
ユウエイは注文を入れるとすぐにクリームソーダが4つ来た。
「はい、これはお前とポッチャマの分で、こっちは俺とリーシャンの分や」
ユウエイは4つのクリームソーダを2つに分けた。
「ありがとうございます」
「ポチャ」
ヒカリとポッチャマは礼を言うとすぐにクリームソーダに手を付け始めた。
「う〜ん、美味しい♪」
「ポチャ〜♪」
ヒカリとポッチャマは幸せ気分でクリームソーダを食べ始めた。
「ところでユウエイさん」
ヒカリはユウエイに質問して来た。
「なんや?」
ユウエイはクリームソーダを飲むのをやめてヒカリに返事をした。
「ユウエイさんはあの後、バッジをいくつ集めたんですか?」
ヒカリの質問はこれだった。
「あれから7つは集めたで、後一つでシンオウリーグや」
ユウエイはバッジケースのバッジをヒカリに見せた。
「サトシが見たらびっくりするだろうな」
ヒカリは7つのバッジを見て驚いているサトシを想像しながら言った。
「そういえばユウエイさんは進化前のポケモンばかり育てていますよね、ミロカロスの進化前のヒンバスといいフーディンの進化前のケーシティといい・・・」
ヒカリはユウエイのポケモンの育て方に疑問を感じていた。
「最終進化ポケモンをゲットしようだなんて考えたことないんですか?シンオウリーグを目指しているトレーナーならこう言う事を考えるものだって以前どこかで聞いたような気がしてならないのよ・・・」
ヒカリは野生の最終進化系ポケモンを直接捕まえないユウエイに質問した。
「俺、どうしても欲しいポケモンはどんなに弱くても、どんなに進化前のポケモンでも手に入れてそして根気よく能力を上げて進化させるのが好きなんや」
ユウエイは気長・地道・努力の3拍子でポケモン達をここまで強くしたと自慢した。
「そういう考え方もあるんですね」
ヒカリは頷きながら言った。
「そうや、ポケモンは愛情込めて育てたからこそ使う価値があるんや」
ユウエイは頷きながら答えた。
「凄いですね、どこかのトレーナーにもこの言葉聞かせてやりたいよ、あの能力だけしか見ていなくて能力の低いポケモンや使えないといってポケモンを逃がすあのトレーナーに」
「ポチャポチャ」
ヒカリはシンジを思い出しながら言った。
「シンジか・・・あいつ、少しは変わったんとちゃうか?」
「いいえ、ちっとも変わっていません」
ユウエイの質問にヒカリはきっぱりと答えた。
「全く・・・最近の若い奴と来たら」
ユウエイは真剣になって言った。
「ユウエイさんも充分若いくせに・・・」
「ポチャ・・・」
ヒカリとポッチャマはユウエイの『近頃の若い者は』と言う言葉に苦笑いをしていた。
ドカーン!!!
その時、裏庭の方から大きな音が聞こえた。
「な・・・なんなの!」
「ポチャ!」
「シャリン!」
ヒカリ、ポッチャマ、リーシャンはこの音に驚きを隠せなかった。
「行くで!」
ユウエイとリーシャンはすぐに裏庭に向かった。
「あたしも!」
ヒカリとポッチャマもユウエイに続いた。

「大量大量!」
赤い髪と青い瞳が特徴の女性はメガヤンマとハブネークを使ってバトル大会参加者達のポケモンを片っ端から奪っていった。
「バトル大会に参加するトレーナーのポケモンは強い!これだけポケモンを集めればきっとサカキ様もお喜びだーい!」
青い髪に緑色の瞳の男性は女性が奪ったポケモンを片っ端から檻に閉じ込めていった。
「この野郎が!」
「俺のポケモンを返せ!」
参加者達は喋るニャースとソーナンスとマネネが持っている怪しい機械のせいで麻痺症状になってしまい体が思うように動けなかった。
「そうはいかないのニャ!」
「ソーナンス!」
「マーネネ!」
ニャース達は高笑いしながら言った。
「「「今回はなんだかとってもいい感じー」」」
3人組は浮かれ気分で言った時・・・
「リーシャン、ねんりきで檻をぶっ壊すんや!」
「シャリーン!」
リーシャンのねんりきが檻に向かって直撃した。
「「「ああーーー!!!」
3人組は驚いているうちに檻に閉じ込められたポケモン達は次々に出て行った。
「皆さん、大丈夫?」
「ポチャポチャ」
ヒカリとポッチャマはすぐに麻痺症状で倒れている参加者のところに駆け寄った。
「ヒカリ、こいつらに『クラボの実』を食べさせるんや!」
ユウエイはポケットから黄色い袋に包んだものをヒカリに渡した。
ヒカリは袋の中を見ると大量の『クラボの実』が入っていた。
「分かったわ」
ヒカリは頷き、すぐに参加者達に『クラボの実』を渡した。
「コラーなんてことをするんだお前は!」
男性は怒りながら言った。
「それはこっちのセリフや、お前ら一体何者や!」
3人組はユウエイのこの言葉に口上を言い始めた。
「一体何者や!と声を聞き」
「光の速さでやってきた!」
「風よ!」
「大地よ!」
「大空よ!」
「世界を届けよデンジャランス」
「宇宙を伝えよクライシス」
「天使が悪魔がその名を呼べば」
「誰もが震える魅惑の響き」
「ムサシ!」
「コジロウ!」
「ニャースでニャース!」
「時代の主役はあたし達」
「われら無敵の」
「「「ロケット団」」」
「ソーナンス!」
「マーネネ!」
ロケット団が名乗り終えるとユウエイは・・・
「って・・・お前ら前のお笑いコンビ!」
ユウエイのこの言葉にムサシとコジロウは切れた。
「なんだと!!!この野郎!」
「この言葉、聞き捨てにならないわね!やっちゃいなさい、ハブネーク!メガヤンマ!」
ムサシは出しっぱなしにしていたハブネークとメガヤンマを呼び戻した。
「マスキッパ、お前もだ!」
コジロウはモンスターボールからマスキッパを繰り出して来たが、マスキッパはすぐにコジロウに絡みつきかみついて来た。
「だ・か・らー俺じゃないってば!!!」
コジロウはマスキッパを叱るとすぐにハブネークとメガヤンマの所にやった。
「リオル!ビーダル!出番や!」
ユウエイはリオルとビーダルを繰り出しそしてリーシャンをリオルとビッパのところに付かせた。
「ハブネークはポイズンテール!メガヤンマはぎんいろのかぜ!」
「マスキッパはタネマシンガンだ!」
ムサシとコジロウはハブネーク達に技を命じた。
「リーシャンはハブネークにおんがえし!ビーダルはマスキッパにめざめるパワー!リオルはメガヤンマにはっけい!」
リーシャン達はハブネーク達の技を見事にかわしそして技を繰り出した。
「ハブー」
「ヤンー」
「スキー」
ハブネーク達は見事に技を受けてしまい戦闘不能になった。
「「「うっそだぁぁぁーーー」」」
ロケット団は驚きを隠せなかった。
「ビーダル、めざめるパワーでこいつらを懲らしめるんや!」
ビーダルはユウエイの指示通りにめざめるパワーを繰り出して来た。
ドカーン!!!
「「「やな感じーー!!!」」」
「ソーナンス!」
キラン!
ロケット団はいつものように空に飛ばされてしまった。

「ありがとう、君達のおかげで助かったよ」
参加者達はヒカリとユウエイにお礼を言った。
「どういたしまして」
「ポチャ」
ヒカリとポッチャマは笑顔で言った。
「全くあいつらも全然変わってへんな!」
ユウエイは呆れながら空を見あげた。
「それにしてもロケット団ったら、いつの間にこんなハイテクな機械を作れるようになったんだろう」
ヒカリは皆が麻痺症状になった機械を見て言った。
機械の形はモデルガンと完全に似ていたが発射すると電磁波が流れそしてどんな人でもすぐに麻痺症状になってしまう恐ろしい道具だった。
ヒカリ達は当然このことは全く知らずにただの電流が流れる仕組みのモデルガンだと思い込んでいた。
「今警察に連絡したところや、このモデルガンのこともきっと何かが分かるはずや」
ユウエイはポケギアをしまいこみながら言った。
「モデルガンの改造物・・・恐ろしいものやな」
ユウエイは地面に投げ捨ててあるモデルガンを見て言った。

第4幕 完

[587] 第5幕 ロケット団三銃士
佳奈美 - 2008年07月07日 (月) 19時05分

同時刻・ウォーティシティから離れている場所では・・・
「ヤマト、コサブロウの言うとおりのようですね、あいつらはロケット団の恥ですね」
ムサシ・コジロウ・ニャースの仕事振りを別の場所で見ていた茶髪の短髪と茶色の服とマントがトレードマークの青年はため息をつきながら監視カメラのスイッチを切った。
「レクリ、今後あいつらにはアイテムを渡すな、費用の無駄になる!」
オレンジのシャギーへアーとオレンジ色の服とマントが特徴の男はレクリと名乗る青年に向かった怒鳴った。
「分かりました、サカキ様があいつらのことを忘れてしまうのも無理はありませんね」
レクリはムサシ達のことを忘れることにした。
「以前はエリートみたいだったげと、今では下っ端以下の奴らだからね、ムサシ・コジロウ、ニャースの3人組は」
2人前に現れた真紅の髪と赤い服とマントが特徴の女性は気取った口調で言った。
「俺達三銃士には部下なんで必要ない、3人そろってからこそ任務をミス一つなく終わらせる」
男はシャギーをかき上げながら言った。
「アローの言う通りね」
ソウルは怪しげに微笑みながら言った。
「流石はリーダーですね」
レクリもまた、改めてアローを尊敬した。
「感心している暇があったらさっさとアイテムを作れ、何がなんとしても『ある任務』のために今日中に仕上げるんだ!」
アローはソウルとレクリに向かって怒鳴った。
「分かっている」
「分かりました」
ソウルとレクリは頷き、すぐに作業に取り掛かった。
「今回の『任務』は失敗は許されていないからな」
アローは笑いながら言った。

第5幕 完

[588] 第6幕 回想シーン
佳奈美 - 2008年07月08日 (火) 09時03分

4日前、ロケット団本部にて・・・
「サカキ様、何の御用で?」
三銃士はロケット団首領・サカキに呼ばれていた。
「アロー、ソウル、レクリ、お前達の発明するアイテムは本当に素晴らしいものだ」
サカキは3人を見ると最近アイテムの製作が順調だといった。
「お褒め頂きまして光栄です、サカキ様!」
アローはすぐに感謝した。
「その腕を見込んでお前達にはあることをやってもらいたい」
サカキは三銃士に『ある任務』を命じた。
「もし成功すればお前たちには、アローは副首領、ソウルとレクリは私の右腕にしてやろう」
サカキは『ある任務』を成功すればさらに出世させると約束した。
「「「ありがとうございますサカキ様!!!」」」
三銃士は深くお辞儀をして部屋を後にした。

その翌日には三銃士は特別のヘリでシンオウ地方に来た。
「シンオウは本当に寒いところね」
ソウルはマントを体に包みながら文句を言った。
「ここはキッサキシティ周辺だからな、寒いのは当たり前だ」
アローは迎えの車を確かめながら言った。
「リーダー、ソウルさん、来ましたよ」
レクリは車がここに来るのを分かるとすぐに2人を呼んだ。
車の中にはオレンジ色の髪をした女性と青色の髪をした男性が乗っていた。
「ロケット団三銃士のアローさん、ソウルさん、レクリさん、遅くなりました」
女性は三銃士に謝罪をして車に乗るように進めた。
三銃士はすぐに車に乗り込んだ。
「お前達だったのか、ヤマトにコサブロウ」
アローはすぐに男性と女性の名前を当てた。
「あなた様だけだ、俺の名前を間違わずに言ってくれるのは〜」
コサブロウは感動しながら言った。
「三銃士のリーダーたるものちゃんと幹部や下っ端達の名前は全て記憶に詰め込むものだ」
アローは自慢そうに言った。
「じゃあ、ムサシ・コジロウ・ニャースのお間抜けトリオのことは知っているかしら?」
ヤマトはムサシ達のことに持ちかけてきた。
「ああっ、以前は幹部候補者だったが今では出世が大きく外れているグループのことだろ?」
アローは当然の如くムサシ達のことも知っていた。
「さ・・・さすがね、今ではあいつらのことはほとんど知らないっという連中もいるって言うのに・・・」
ヤマトは驚きを隠せなかった。
ヤマトとコサブロウはさすがと思いつつ三銃士をウォーティシティまで連れて行った。

さらに翌日・・・
三銃士はウォーティシティの外れの倉庫に着いた。
「必要な道具はそろっています」
ヤマトは倉庫についている道具を見せた。
「ああっ、上等だ」
アローは軽く頷いた。
「後は僕達で何とかしますよ、ここまで送ってくれて本当にありがとうございます」
レクリは2人にお礼を言った。
「「いえ、成功を祈っています」」
ヤマトとコサブロウは三銃士の成功を祈りながら去って行った。
「本部に戻ったらサカキ様にあいつらの給料アップを頼んでみるか?」
アローはヤマトとコサブロウが気に入ったためこういう形でお礼をしようと考えていた。
「リーダー、アイテムを作りましょう?」
レクリはノートパソコンと倉庫についているパソコンの接続をしながら言った。
「あっ・・・ああっ」
アローはすぐに作業に取り掛かった。
三銃士たちはその日はずっとアイテムつくりに取り掛かっていた。

真夜中・・・
コソコソ・・・
「いいじゃないいいじゃない」
「パソコンに電化製品、これだけあればピカチュウゲットのマシーンが出来るぜ!」
「猫に小判!猫に小判!」
「ソーナンス!」
「マーネネ!」
誰かが電化製品を盗もうとした時・・・
パチ・・・
倉庫の明かりが急についた。
「「「ゲゲッ!」」」
犯人はムサシ・すぐに振り返ると三銃士がいた。
「何やっているんですか!貴方達は!」
レクリは怒りながらたずねた。
「何をやっているんですか!貴方達は!と声を聞き」
「光の速さでやってきた!」
ムサシとコジロウは口上を名乗ろうとした時・・・
「ロケット団のムサシとコジロウだな」
アローはすぐに2人の名前を言った。
「えっ・・・ええっ・・・」
「そうだけど、あんた達、俺のことを知っているのか?」
ムサシとコジロウは戸惑いながら尋ねた。
「俺達三人もお前らと同じロケット団だ」
アローは仲間だと言った。
「でも、あんた達と違って私たちはロケット団の三銃士と呼ばれるげとね」
ソウルは幹部も上回る三銃士だと自慢げに説明した。
「三銃士って・・・」
「サカキ様の一番のお気に入りの人物といわれる・・・」
「三人組のことかニャ」
ムサシとコジロウとニャースは『三銃士』と聞いて驚きを隠せないほどだった。
「君達、珍しいポケモンをゲットしていなくてもたまに本部に連絡した方がいいみたいですよ、サカキ様だけでなく他の皆さんもすでに貴方達のことを忘れていますよ」
レクリは本部では既にムサシ達の存在を忘れているといった。
「「「そんなぁぁぁ〜〜〜」」」
ムサシ達はすっかりしょげていた。
「俺達はこう見えても優しいからな、本部に帰ったらお前達のことをサカキ様に報告してやるよ『シンオウで何とかやっていますって』」
アローはムサシ達をフォローすることにした。
「本当ですか?」
ムサシとコジロウは目を輝かせながら言った。
「ああっ、その代わり条件がある」
アローはモデルガン3個を差し出した。
「「「条件???」」」
ムサシとコジロウとニャースはモデルガンを受け取りながら尋ねた。
「今度ウォーティシティでバトル大会が行われる、バトル大会当日までに参加者のポケモン1匹でもゲットできたらサカキ様にお前達のことを報告する、もしゲットできなかったら出世はおろか、ロケット団は諦めることだな」
アローは取引に持ちかけてきた。
「分かったわよ」
「この際だ、三銃士様の言うとおりにするぜ」
「ニャーもやるニャ!」
ムサシ達は大いに張り切り始めた。
「ところで、これどうやって使うんだ?」
「マーネネ」
コジロウとマネネはさっき渡されたモデルガンを見て言った。
「これは発射すると電磁波が流れそしてどんな奴でもすぐに麻痺症状にする銃だ、これを使って参加者達を痺れさせるがいい」
アローはモデルガンの使い方を説明した。
「失敗は2度までだ、3度目の失敗の時は諦めることだな」
アローはムサシ達に鋭く脅した。

第6幕 完

[591] 第7幕 アイテムの力
佳奈美 - 2008年07月11日 (金) 12時45分

そして今・・・
「リーダー、アイテムの効果をひらめきました」
レクリはびっしりと書かれている紙切れをアローに見せた。
「ポケモンの能力を最大限に引き出し、そしてポケモンの体力消耗を完全に抑える首輪か・・・いいアイテムだ」
アローは早速これを作ることにした。
「以前のブレスレットも新しい効果を追加しました、以前のブレスレットはトレーナーに装備するアイテムだがポケモンにダメージを与えれば、そのダメージが所持するトレーナーにも食らうという優れものだけど、今回はそれをさらに上回る効果を持つブレスレットです」
レクリはさらに紙切れをアローに見せた。
「このアイテムは本当に使えるな、一見普通のブレスレット、しかしバトルをすればポケモンが受ける苦痛もトレーナーが受けてしまう、レクリ、お前の頭脳は世界一だな」
アローはレクリを褒めた。
「ありがとうございます、アローさんと比べたら僕なんかまだまだですよ」
レクリはアローに褒められて照れていた。
「アロー、ムサシとコジロウとニャースがここに戻ってきたよ」
ソウルは倉庫の出入り口前に倒れているムサシ達を見て言った。
「三銃士様〜どうかあたし達に新しいアイテムを下さいまし〜」
「俺達はどうしても幹部に昇りたいんです〜」
「どうが神のお恵みをニャー達に分けてくださいませ〜」
ムサシ達は必死で頭を下げて頼んだ。
「お前達は一度失敗した、お前達にアイテムを渡す余裕はない」
アローは冷たく言った。
「アロー様〜1度だけ失敗しましたがアロー様は2回まで失敗は多めに見るって言っていたじゃありませんか〜」
「どうかお願いします〜俺達を見捨てないで下さいませ〜」
ムサシとコジロウはとうとう泣き崩れアローにすがり付いた。
「どうしても幹部になりたいのか?」
アローはたずねてきた。
「どうしても幹部になってサカキ様に認められたいのです!」
「そのためなら・・・」
「ニャー達は命を犠牲にしても構わないのニャ!」
ムサシ達は力を込めていった。
「俺達が幹部になれたのもソウルの技術、レクリの頭脳、俺の記憶力と力の結束でアイテムを作ってからこそ幹部になれた、お前達は命を失ってもいい、幹部になりたい、強いポケモンをゲットして俺達と同じになりたいといったな、覚悟はあるって言う事か・・・」
アローはムサシ達の顔つきを見て言った。
「いいだろう、お前達にもう一度チャンスをやる、これを受け取れ」
アローはムサシにはエメラルドのイヤリングを、コジロウには黒真珠の髪ゴムを渡した。
「これは・・・」
ムサシはイヤリングを見て言った。
「俺達が下っ端から一気に三銃士まで昇り詰めたアイテムだ、イヤリングと黒真珠は本物ではなく作り物だ、これをお前達につけるだけでお前達のポケモンは攻撃・防御・とくこう・とくぼうをマックスにまで上げることが出来る」
アローはイヤリングと髪ゴムの効果を説明した。
「これをあたし達につけるだけで・・・」
「ポケモン達に完全無敵の力を手に入れられる、ジャリボーイのピカチュウも簡単にゲットできるって言う事か!」
ムサシとコジロウは大はしゃぎをしていた。
「ただし、心の弱きものや覚悟のないものがこれを使用するとこの命は失われる」
アローは怖い顔をしていった。
「「い・・・命を失う!!!」」
ムサシとコジロウは『命を失う』と言う事場で震え上がった。
「やめるなら今のうちだよ」
ソウルは震え上がったムサシとコジロウを見て言った。
「やめないわよ!これさえつければハブネークやメガヤンマは無敵の力を得ることが出来る!この機会を逃してなるものか!」
「そうだそうだ!幹部に昇るぐらいだ、俺達の命なんかやすいものだ!」
ムサシとコジロウは震えをかき消した。
そしてムサシはいつもつけているイヤリングを外してエメラルドのイヤリングをつけ、コジロウはある程度の長い髪を黒真珠の髪ゴムで一つにくくりつけた。
「うわあああ!!!」
「あああああ!!!」
アイテムの力が発動し、2人のモンスターボールは激しく揺れ始めた。
「な・・・何なんニャー!!!」
ニャースはこの行動に驚きを隠せなかった。
モンスターボールの揺れが収まると、ムサシとコジロウの目つきは別人のように変わっていた。
「合格だな・・・」
アローは2人を見て言った。
「ご・・・合格って・・・何なのニャ?」
ニャースはたずねた。
「この2人はアイテムの所有者に選ばれたんだよ、よほどの強い意志を持ち、そして覚悟を持ったからこそアイテムはこいつらを選んだ」
アローはアイテムがムサシとコジロウを選んだといった。
「これが私たちの作るアイテムの力、これさえあればサカキ様から命じられた『任務』が出来る!」
ソウルはやっと出来たブレスレットを見て言った。
「僕達もこの力を利用して三銃士に昇れたぐらいですからね、だから貴方達もこのアイテムの力で幹部にまで昇っていってください」
レクリはムサシとコジロウを応援して言った。
「分かったわよ」
「ああっ、参加者達のポケモンを全てゲットするさ」
ムサシとコジロウはニャースをほったらかしにして倉庫を後にした。
「ま・・・待つニャー!ニャーを置いていくニャー」
ニャースは2人の後を追いかけていった。
「2人が何処まで活躍できるかがこれからの見ものね」
ソウルは笑いながら言った。
「ああっ・・・アイテムの力はこれからが本番だ!」
アローは軽く笑った。

第7幕 完

[592] 第8幕 シロナ再び
佳奈美 - 2008年07月11日 (金) 20時49分

夕方前・・・
「結局今日はバトルの特訓できなかったな」
サトシは思わぬ人と再会を果たしたため、バトルの特訓があまり出来なかったとぼやいた。
「まあいいじゃないか、たまにはこう言うのも」
カンテはサトシをなだめた時・・・
「きゃああ!」
「うわああー、助けてくれぇぇぇー!!!」
突然ウォーティシティに大量の野生のポケモン達が我を忘れて人間に襲い掛かってきた。
「な・・・何だ!」
「どうして野生のポケモン達が」
サトシとカンテはこのままじゃまずいと判断し、ピカチュウの10万ボルトとグレイシアのふぶきで野生のポケモン達の足を封じようとしたがあまりにも量が多すぎるためピカチュウもグレイシアも惑わされていた。
「サトシ!!!」
サトシを呼ぶ声が聞こえた。
サトシはすぐに振り返ると、大量のポケモンフーズを持ったタケシがサトシのところに駆け寄った。
「タケシ!」
サトシはあせりながら一部始終を話した。
「分かっている、急に野生のポケモン達が暴れだしたんだろ、詳しい原因は警察の方でもまだ分からないって言っていたが・・・とりあえず俺達はホテルに避難だ」
タケシは野生ポケモン達にポケモンフーズを投げ始めた。
そして野生のポケモン達はポケモンフーズを食べ始めた。
「気をそらしている今だ!」
タケシの合図とともに、サトシとカンテはホテルまで走った。

サトシ、タケシ、カンテが息を切らしてホテルに戻った。
「サトシ!タケシ!」
「カンテ!」
ヒカリとユウエイがサトシ達と合流した。
「ユウエイさん!」
「ピィカ!」
サトシとピカチュウはユウエイと再会できたことに嬉しさを抱いていた。
「一体どうなっているって言うんだ、なんで野生のポケモン達が人間を襲い始めたんだ!」
「まさか!これがポケモン達の本性じゃないのか!」
「きっとそうだ!でなければこんなことをするはずない!」
「そうだそうだ!野生のポケモン達はトレーナーに捕まえられる、こき使われるのがイヤでこんな復讐をしたに違いない!」
「なんだか腹が立ってきたぜ!」
「殺っちまおうぜ!」
「そうだそうだ!!!」
ホテルにいたトレーナー達は理由もなく人に襲い掛かったポケモン達に腹を立てていた。
「ちょっと待ってください!野生のポケモン達が暴れたには理由があるはずです」
「サトシの言うとおりや!でなければ普段は大人しいムックルやケムッソやトリデプス達が一斉に暴れるはずないで!」
「俺もユウエイさんの意見が正しいと思います!」
サトシ達は当然ポケモン達は悪いことはしていないと言った。
「彼らの言う通りよ!」
ホテルから入ってきた背が高く、金髪のロングヘアーに黒い服を身に纏った美女がきつい声で言ってきた。
「「「「「シロナさん!!」」」」」
サトシ達はチャンピオンリーグマスターのシロナとこういう形で再会するとは思わず、一斉に叫んだ。
「今回のポケモンの凶暴化の原因を探ってみたげと、理由もなくポケモン達が暴れる原因は何一つ見つからなかった、住み家を荒らされた形跡もない、自然破壊された後もなし、なおかつウォーティシティ周辺はりっぱなポケモン保護区域で土地も町長さんが所有している、つまりウォーティシティ周辺のポケモン達が急に凶暴化した原因は他にあるって言う事よ、何もポケモン達が悪いというわけじゃないわ!」
シロナは原因は他にあるときっぱりと宣言した。
「原因は他にあるか・・・」
サトシは考え始めた。
「ウォーティシティ周辺はポケモン保護区域で土地は町長が全て所持している、暴れだした原因は・・・」
カンテが推理をしているところに・・・
ドーン!!!
大きな物音が聞こえた。
「な・・・なんだ!この音は!!」
サトシは驚きを隠せなかった。
「行ってみよう!」
カンテの言葉にサトシ達は頷くすぐに音が聞こえた場所に向かった。

第8幕 完

[593] 第9幕 ムサシ・コジロウ対サトシ・ヒカリ(前編)
佳奈美 - 2008年07月15日 (火) 19時35分

サトシ達が外に出てみると、マスキッパのタネマシンガンがポケモン達に当てられていた。
更にマスキッパのタネマシンガンから逃げまとうポケモン達に向かって、ハブネークがポイズンテールを繰り出し、ポケモン達に致命傷を与えさせた。
「なんと言う酷いことを・・・」
ヒカリはこの光景を見てわなわなと震えていた。
「なんと言う酷いことと声を聞き」
「光の速さでやってきた!」
ビルの陰からはムサシとコジロウが姿を現した。
「お前らの仕業か!」
サトシはムサシとコジロウを見るとすぐに鋭い口調で言った。
「相変わらず懲りない奴らやな」
ユウエイはムサシとコジロウの行動に呆れていた。
「フッ・・・俺達は生まれ変わったんだよ!新たなる力を得てな!」
コジロウはマスキッパを呼び、マスキッパにタネマシンガンを命じた。
「行ってきな、メガヤンマ!」
ムサシもまた、メガヤンマを繰り出して来た。
「メガヤンマ、ぎんいろのかぜ!」
タネマシンガンとぎんいろのかぜがサトシ達に向かってきた。
「ガブリアス!」
ガブリアスがサトシ達をかばった。
「シロナさん、ありがとうございます」
カンテはすぐにシロナに礼を言ったが無敵と言われているガブリアスがぎんいろのかぜとタネマシンガンに負けかかっていた。
「ガブリアス、ギカインパクト!」
ガブリアスは力を振り絞ってギカインパクトを繰り出そうとしたが、マスキッパのかみつくとメガヤンマのげんしのちからの前ではガブリアスはギカインパクトを繰り出す間もなく倒れてしまった。
「嘘だろ・・・」
「シロナさんのガブリアスがロケット団のポケモンに・・・」
「負けるなんで、ありえへんで・・・」
カンテとサトシとユウエイはこの光景に驚きを隠せなかった。
「あたし達は無敵の力を得たって言ったでしょう、さあ次はあんた達の番よ、あたしはあんたを指名するわね、ジャリガール!」
「俺はジャリボーイだ!」
ムサシはヒカリをコジロウはサトシを指名した。
「今度こそお前のピカチュウをゲットするまでだ!」
「あたしはあんたのコンテストリボンを頂くわ!そしてあたしがグランドフェスティバルで輝くのよ!」
ムサシはヒカリのコンテストリボンを、コジロウはサトシのピカチュウを頂くといってきた。
「サトシ、ヒカリ、ロケット団はいつもと違う、慎重にバトルをするんだ!」
タケシはサトシとヒカリに忠告を出した。
「分かっている」
「大丈夫」
サトシとヒカリはモンスターボールを構えて言った。
「ハブネーク!メガヤンマ!ソーナンス!」
「マスキッパ!マネネ!」
ムサシとコジロウは全ての手持ちポケモンを繰り出して来た。
「俺はヒコザルとグライオンで行くぜ!」
「あたしはエテボースとポッチャマとミミロルで行くわ!」
サトシとヒカリはそれぞれのポケモンを繰り出して来た。
「マスキッパはタネマシンガン!マネネはくすぐる!」
「ハブネークはポイズンテール!メガヤンマはソニックブーム!」
ハブネーク達は一斉に攻撃を仕掛けてきた。
「ヒコザルはかえんほうしゃ!グライオンはシザークロス!」
「エテボースはスピードスター!ポッチャマはうずしお!ミミロルはれいとうビーム!」
サトシとヒカリは技を命じたが・・・
「ソーナンス、よろしく!」
「ソーナンス!」
ソーナンスはミラーコートを繰り出してきミラーコートでヒコザルたちは自分達の技の威力の倍のダメージを受けてしまった。
「「ああっ!!」」
サトシとヒカリはこれで勝てると思い込んだ矢先ミラーコートで弾き返されたことに驚きを隠せなかった。
「ロケット団がこんなにも強かったなんで・・・」
「どういう意味だ・・・」
カンテもタケシもこの理由が全く分からずにいた。

第9幕 完

[594] 第10幕 ムサシ・コジロウ対サトシ・ヒカリ(中編)
佳奈美 - 2008年07月16日 (水) 19時23分

「ピカチュウ、お前も行ってくれ!」
サトシはピカチュウも繰り出して来た。
「何匹出したってかまわねえよ、どうせ勝つのは俺達なんだからさ」
コジロウは自信持って言った。
「パチリス、ウリムー、貴方達も行って!」
ヒカリもまた、パチリスとウリムーを繰り出して来た。
「あんた達、連携攻撃よ!」
「お前達も行け!」
ムサシとコジロウの合図とともに、ハブネーク達は一斉に技を繰り出して来た。
ハブネークはポイズンテールを、マスキッパはタネマシンガンを、マネネはものまねでマスキッパのタネマシンガンを真似して繰り出し、メガヤンマはげんしのちからを繰り出して来た。
「皆、かわして!」
「かわせ!」
ヒカリとサトシはピカチュウ達にかわすように指示を出したがハブネーク達は素早さも桁外れに上がっており、ピカチュウ達が技をかわす前に技を当てた。
「ピカー!」
ピカチュウ達は思いっきり体を地面にぶつかってしまった。
「一体どんなことをしてポケモン達を強くさせたんだ!」
タケシはこの疑問に感じていた。
「まさかこれがこいつらの本当の力じゃ・・・」
カンテもまた、これがロケット団の本当の力じゃないかと疑い始めていた。
「全ては三銃士様のお陰だな」
「あたし達にアイテムを提供してくれた素晴らしきお方、このイヤリングはあたしがはめるだけでハブネーク達の力が無限に上がっていく効果を得る」
「俺の黒真珠の髪ゴムもムサシがつけているイヤリングと同じ効果を得られるのさ」
ロケット団は髪ゴムとイヤリングをサトシ達に見せて効果を説明した。
「なんだと・・・じゃあこのアイテムの力でハブネーク達は強い力を得たって言う事か!」
サトシは鋭い声で言った。
「このアイテムの効果・・・どこかで見たことあるな」
カンテはアイテムの話を聞いて考え始めていた。
「そうだ、このアイテムの力で俺達のポケモンは力を得たんだ、もはや俺達は誰にも負けない、この力でシンオウ征服をするまでだ!」
コジロウは力みながら言った。
「シンオウ中のポケモンは全てあたし達のものよ、そして幹部に上がり、そしてその恩として三銃士様たちの右腕になるまでよ!」
「ソーナンス!」
ムサシはいつもにも増して張り切りを見せながら言った。
「こんなのお前らの力とちゃうやろ」
今まで黙ってサトシとヒカリとロケット団のバトルを見ていたユウエイが口を開いた。
「そんなのお前らの力とちゃうって言っているんや!お前ら、こんな力を得て完全勝利を得たいとでも思っているんか、こんな風にしてまで幹部にのぼりたいやと・・・寝ぼけるのも対外にしたらどうや!!!」
ユウエイは怖い声でロケット団に問いかけてきた。
「何ですって!!!」
「エリートボーイの癖に俺達に説教なんで10年はえーよ!」
ムサシとコジロウはユウエイが自分達に向けて説教をし始めたことから喧嘩腰になり始めた。
「お前らのやっていることは悪いことやと言う事をしらへんのか?悪いことをしたって何にも特になることはないし、自分達が後悔することになるだけや!」
ユウエイは悪いことをすれば自分達が後悔することになる、一生その罪を背負わなくなるといった。
「煩いわね!あたし達はこの道が償に合っているのよ!」
「そうだそうだ!お前達のポケモンを奪わない限り俺達の未来は見えてこないんだ!」
ムサシとコジロウは開き直りながら怒鳴った。
「だったら真面目にすればええことやないか!人生には正しき道と間違った道がある、例え間違った道に入り込もうとも、努力すれば正しき道に戻ることが出来るんや!何度も間違った道に入り込んでも孤独じゃないものが正しき道に戻ることが出来るんや!今までの優秀なトレーナーは何度も何度もこうやって未来に進んできたんや!お前らみたいに明るい未来に進みたいからってこんな力を頼るほど落ちこぼれやないんや」
ユウエイは少し興奮しながら正しい人生と間違った人生について説明した。
「フン、お前らの言う事はいちいちが正しすぎてむかつくんだよな」
コジロウのこの言葉にユウエイは少し切れ掛かっていた。
「なんやて!」
「お前の言う努力は俺達は死ぬほどしているんだ、だがなどうにもならないものはどうにもならない、分かるかエリートボーイ、俺達のこの苦しみがよ、お前みたいな正しき道や間違った道にほざいている奴なんかに俺達の苦しみは一生分かるはずない!」
コジロウは逆切れ状態でユウエイに突っかかった。
「お前らには一生正しき道に進むと言う事はせーへんみたいやな!それやったらサトシ、ヒカリ、遠慮なく行ってもかまわへんで!」
ユウエイはもはやロケット団には話し合いは無駄だと判断し、サトシとヒカリに全てを託すことにした。
「分かっているさ!」
「ロケット団には話し合いは時間の無駄よ!」
サトシとヒカリのこの言葉にピカチュウ達はバトル体制に持ち直した。

第10幕 完

[597] 第11幕 ムサシ・コジロウ対サトシ・ヒカリ(後編)
佳奈美 - 2008年07月18日 (金) 18時20分

「ジャリボーイ、ジャリガール、今度こそお前達のポケモンをすべていただく!」
コジロウはこういいながらマスキッパにタネマシンガンを命じた。
「そしてサカキ様にあたし達の実力を認めてもらうのよ!」
ムサシもまたこういいながらハブネークにはかみつくを、メガヤンマにはげんしのちからを命じた。
「ピカチュウ、ヒコザル、グライオン、かわせ!」
「皆かわして!」
サトシとヒカリの指示通りにピカチュウ達は何とかハブネーク達の技をかわしきった。
「サトシ、ヒカリ、ポケモン達に技を繰り出しても駄目だ!」
カンテはポケモン同士戦わせても無意味だといった。
「じゃあ、どうすれば・・・」
サトシはカンテに尋ねた。
「あいつらについているアイテムを壊すか外すかしない限り勝機はない、まずアイテムから狙うんだ!」
カンテのこの言葉にサトシとヒカリはすぐにムサシとコジロウについているアイテムを見上げた。
「グライオン、シザークロス!」
「エテボース、スピードスター!」
グライオンは黒真珠の髪ゴムに向けてシザークロスを、エテボースはエメラルドのイヤリングに向けてスピードスターを繰り出した。
「マスキッパ、俺とマネネを守れ!」
「ハブネーク、メガヤンマ、ソーナンス、あたしを守りなさい!」
ハブネーク達はムサシとコジロウの指示通りに守ろうとしたが・・・
「ピカチュウ、ヒコザル、ハブネーク達の動きを封じるんだ!」
「ポッチャマ、ミミロル、パチリス、ウリムー、貴方達もよ!」
ピカチュウは10万ボルトを、ヒコザルはかえんほうしゃを、ポッチャマはうずしおを、ミミロルはれいとうビームを、ウリムーはこおりのつぶてを、パチリスはほうでんを繰り出しハブネーク、マスキッパ、ソーナンス、メガヤンマの動きを封じた。
「「しまった!!!」」
ムサシとコジロウは慌てたがグライオンのシザークロスとエテボースのスピードスターがアイテムに直撃し、アイテムが2人から離れた。
「「うっそだぁぁぁぁーーー!!!」」
そしてピカチュウ達の融合技がハブネーク達を吹き飛ばし、ムサシとコジロウにも直撃した。
「「うわああああーーー!!!」」
その時点で、ハブネーク、マスキッパ、マネネ、メガヤンマ、ソーナンスは戦闘不能になった。
「うそ・・・」
ムサシは唖然としていた。
「俺達の勝利だ!」
サトシとヒカリはムサシとコジロウの前に来て勝利を宣言した。
その時、ニャース型気球がサトシ達の真上から飛んできた。
「ムサシ、コジロウ、見てみるニャ」
気球の中からニャースが姿を現し、そして気球の下にぶら下がっている巨大な檻を2人に見せた。
「おおー!!」
「でかしたぞニャース!」
ムサシとコジロウは檻の中に入っている大量のポケモンをみてニャースを褒めた。
「ニャーハハハハ、ムサシとコジロウがジャリボーイ達とバトルをしている間にニャーがポケモンを根ごそぎゲットしたのニャ!」
ニャースは自慢しながらはしごをつるした。
はしごがムサシとコジロウの前に来ると、すぐに2人とポケモン達は気球に乗り込んだ。
「「「では・・・帰る!!!」」」
ロケット団はそう叫ぶとこの場から去ろうとした。
「そうはさせるか!ハクリュー!」
「ピジョット、出番や!」
カンテとユウエイはポケモンを繰り出して来た。
「ハクリュー、りゅうのいぶきで檻を壊せ!」
ハクリューはりゅうのいぶきを繰り出して来た。
りゅうのいぶきが檻と気球に繋がっている鎖を壊し、檻が急降下し始めた。
「ピジョット、檻を受け止めるんや!」
ピジョットはユウエイの指示通りに檻を鷲掴みにし、そしてゆっくりと檻を地面に下ろしていった。
「「「ええーーー!!!」」」
ロケット団は驚きを隠せなかった。
「ハクリュー、ギカインパクト!」
ハクリューはギカインパクトを繰り出し、ギカインパクトが気球に直撃した。
ドカーン!!!
「あーーー!今回は上手く行くと思ったのにー!」
「俺達の出世がまた離れていく〜」
「「「やな感じ〜〜〜」」」
ロケット団はいつもの決まり台詞で空まで飛んで行った。

第11幕 完

[598] ここからリレー小説で行きます
佳奈美 - 2008年07月18日 (金) 18時21分

ここからリレー小説で行きたいと思います。
誰でも参加可能なのでぜひ参加してください。

[599] re
ひこ - 2008年07月20日 (日) 16時21分

カンテとユウエイ健在!

佳奈美さんの書かれる小説はすごく読みやすいです。
連載頑張ってくださいねー


そのうちリレーにも参加させて頂きまっす!

[601] 第12幕 共通点
佳奈美 - 2008年07月21日 (月) 08時28分

ロケット団をやっつけることが出来たサトシ達はポケモン達を全部、元の場所に返してあげた。
「これで最後ね」
ヒカリは♀のニドランと♂のニドランを元の場所に置き終えると呟いた。
「全く、あいつらも酷いことするな」
カンテはロケット団のやり方に腹を立てていた。
「ほんまや!あいつらのやっていることはれっきとしたポケモン虐待や!」
ユウエイもまた、カンテと同じ意見だった。
「ところでさ、これ、ロケット団が身につけていた奴、拾ったんだけど・・・」
ヒカリはエメラルドのイヤリングと黒真珠の髪ゴムを皆に見せた。
「凄く綺麗よね・・・」
ヒカリはうっとりとして言った。
「ヒカリちゃん、ちょっと貸してくれない?」
シロナはヒカリにたずねた。
「いいですよ」
ヒカリはイヤリングと髪ゴムをシロナに渡した。
「このアイテム・・・以前の裏アイテムと同じ作りになっているわ」
シロナはイヤリングの付ける部分と髪ゴムのゴムを外してエメラルドと黒真珠の部分を確かめていた。
「裏アイテム!!!」
サトシはこの言葉に驚きを隠せなかった。
「詳しいことは帰ってから調べてみないと分からないげと、あの人達がこれをつけてからポケモン達が急に間違った力を発揮した、これはまず裏アイテムと同じ仕組みだと言う事はまず間違いないわ」
シロナはきっぱりと断言した。
「私は今から帰って調べるわ、貴方達も充分に気をつけて」
シロナはイヤリングと髪ゴムをポケットに詰め込むとすぐにウォーティシティを後にした。
「シロナさぁ〜ん・・・すぐに別れる事になるなんで・・・」
タケシはがっかりとしてめそめそし始めた。
「タケシ・・・そんなに落ち込むなって・・・」
サトシはタケシを宥めた。
(以前の裏アイテムと今回のアイテム、同じ共通点って言う事だけはまず間違いないが・・・一体誰がこんなアイテムを作り出したんだ・・・)
カンテは考えていた。
「ねえ、もうすぐしたら暗くなるからホテルに戻ろうよ」
「ポチャポチャ」
ヒカリは夕日が沈んでいくところを見ながら言った。
「それもそうだな」
サトシ達はヒカリの意見に賛成し、ホテルに戻って行った。

第12幕 完

[604] 第13幕 三銃士の始動
佳奈美 - 2008年07月23日 (水) 14時00分

同時刻・・・
「やっぱりこいつらは一生出世は望めないな」
アローは呆れながら液晶テレビを消した。
「アイテムのイヤリングと髪ゴムにもモデルガンと同様、監視カメラを仕込んで奴らの動きと仕事振りを見たげと、全然駄目なやつらだね」
ソウルもまた、アローと同じ意見だった。
「ソウル!レクリ!俺達の最新のアイテムも出来たことだし、今から腕試しに行くぞ!」
アローは立ち上がると、すぐにそばにあったマラカイト(孔雀石)の指輪をはめた。
「『ある目的』の腕試しね」
ソウルはルビーのネックレスを首につけながら怪しく笑っていた。
「腕試しとしてトレーナー狩りを行うんですね」
レクリは子供みたいにわくわくしながら黒曜石付きブレスレットを付けた。
「そう言う事だ、全てが上手く行くアイテムを作るのもいいが俺達のポケモンも徹底的に鍛えないといけない、だからトレーナー狩りをしてポケモン達を鍛えまくるんだ!」
アローの掛け声と共に三銃士はすぐそばにあるウォーティシティに向かった。

「明日のバトル大会、前のズイの付近の町とほぼ同じルールで行われるんだって」
「ああっ、知っている、あの時のバトル大会、有名なトレーナーも参加していたよな」
ウォーティシティの夜でのんきに買い食いしながら明日のバトル大会のことを話している2人のトレーナーは三銃士の一人レクリと遭遇した。
「ん?」
「誰、あんた」
トレーナーはレクリに話しかけた。
「あの、よろしかったら僕とポケモンバトルやりませんか?」
レクリは二つのモンスターボールを構えながら礼儀正しく言ってきた。
「あははは」
「俺達2人でバトルを申し込むとは・・・」
「「いいだろう!!」」
トレーナーは最初は笑っていたがすぐにレクリの誘いに乗った。
「ありがとうございます、では僕はカイリキーとハッサムで行かせて貰います!」
レクリはカイリキーとハッサムを繰り出して来た。
「俺達2人相手じゃこのポケモンはすぐに戦闘不能だ!」
一人のトレーナーはサマヨールとジュペッタを繰り出して来た。
「俺達をなめたことを後悔させてやる!」
もう一人のトレーナーはアブソルとブラッキーを繰り出して来た。
「サマヨールはシャドーパンチ!ジュペッタはあくのはどう!」
「アブソルはかまいたち!ブラッキーはかみくだく!」
2人のトレーナーの手持ちポケモン達は総攻撃を仕掛けてきた。
そして技がカイリキーとハッサムにクリーンヒットした。
「俺達の勝ちだ!」
「相手が悪かったと思って諦めることだ・・・な・・・」
一人のトレーナーは傲慢な態度で言い、もう一人のトレーナーも傲慢な態度で言おうとしたが、ハッサムとカイリキーはほとんどノーダメージだった。
「どうしてだ!」
トレーナーは唖然としていた。
「じゃあ、次は僕の番ですね、ハッサム!カイリキー!」
レクリの合図と共にカイリキーとハッサムは技を繰り出して来た。
カイリキーはブラッキーとアブソルにばくれつパンチを、ハッサムはサマヨールとジュペッタにハサミギロチンを直撃させた。
「「一撃で戦闘不能にー!!!」」
2人のトレーナーは驚きを隠せなかった。
「アイテムのおかげで僕のポケモン達は無敵の体力・攻撃・防御・とくこう・とくぼうを得たんですよ」
レクリは黒曜石付きブレスレットを見せ付けた。
「そして、このアイテムの効果はこれだけじゃないんですよ」
レクリがニヤリと笑ったと同時に・・・
「うわああーーー!!!」
「く・・・苦しい・・・助けて・・・」
2人のトレーナーは急に苦しさにもがき始めた。
「このアイテムを使用し負けたトレーナーは意識を失います!永久に」
レクリがそういうか言わないかの内に2人のトレーナーは意識を失いこの場に倒れこんだ。
「このアイテムは神に近い力を得ることが出来るアイテムとでも言っておきましょうかね・・・」
レクリはそういいながらカイリキーとハッサムをモンスターボールに戻しこの場を去った。

「やっぱり俺達の発明したアイテムは好都合だな」
別の場所ではアローがバトルに負けて意識を失っているトレーナーのモンスターボールと金品を奪いながら呟いた。
「これは俺が貰っておく、もうお前には必要のないものだからな」
アローは盗品を持ちながら意識を失っているトレーナーをほったらかしにしてこの場を去った。
「俺達のつけているアイテムは俺達がつけただけでポケモンの全ての能力が上がり、そして戦闘不能にはなりにくくする、そして負けたトレーナーは意識を永久に失う・・・このアイテムのおかげで俺達三銃士は大出世をし、サカキ様に信用されている、俺達の力と頭脳は神も上回るのかもしれんな」
アローは笑いながら言った。

「フン!どいつもこいつもひ弱なトレーナーばっか、あたしの心を奪うような強いトレーナーはいないわけ?」
ソウルは意識を失っているトレーナーを蹴飛ばしながら文句を言っていた。
「まあいいわ、トレーナー狩りをしている間にきっと現れるはずだわ!行くよ!ブーバー、ギャロップ」
ソウルはそういいながらこの場を後にしトレーナーを探し続けた。

第13幕 完

[605] 第14幕 三銃士の右腕
佳奈美 - 2008年07月23日 (水) 18時52分

1時間後・・・
アローがトレーナーを探してトレーナー狩りをしているところに一人の青年が現れた。
少女と間違われそうな顔つきと体つきをしていたがロケット団幹部専用の服を着こなしていた。
「ユヤか、どうした」
アローはすぐに自分達の右腕の幹部だと分かった。
「アローさん、貴方達の世界平和のためにも僕もお手伝いすることがあったら何でも言ってください」
ユヤは頭を下げて言った。
「それでわざわざ本部からここに一人出来たのか?」
アローはたずねた。
「はい、立ち聞きで本当に失礼だったとは思いますげと、僕もアローさん達の力になりたいんです、お願いします!2年前に僕を強くしてくれたお礼としてアローさん達が言っている『ある任務』に協力させてください!」
ユヤは土下座をしてまで協力すると言って来た。
「分かった、お前も混ぜてやるよ」
アローは承知した。
「ありがとうございます」
ユヤは立ち上がって改めてアローに礼を言った。
「そういえばお前はこれは初めてだったな」
アローはユヤにジェイド(翡翠)付きのチョーカーを渡した。
「うわあ、凄く綺麗ですね」
ユヤは嬉しそうに受け取った。
「これはポケモンとの絆をよりいっそう深くなるアイテムだ、そしてポケモンを一切傷つけずにバトルができる効果も持っている」
アローはアイテムの効果を逆に説明した。
「ありがとうございます」
ユヤはすぐにチョーカーをつけた。
「ユヤ、お前はホテルのトレーナー達の方を頼む」
アローはそういい残すとユヤと別れた。
「はい!」
ユヤは頷きすぐにホテルに向かった。

ホテルでは・・・
『緊急ニュースです!今ウォーティシティで意識を失っているトレーナーの被害が多発しています!原因は今のところ分かってはいませんが同一犯と見て警察は捜査に乗り出しています、ウォーティシティや付近にいるトレーナーの皆さんは外出やバトルは控えてください、繰り返します・・・』
ロビーのテレビを見ていたサトシ達は表情を固くしていた。
「まさか、アイテムの力じゃ・・・」
「ピカピカ」
サトシ達はあの後、アイテムのことで色々と話していた。
「アイテムの力で意識を失う・・・充分考えられるな」
カンテは深刻そうに言った。
その時・・・
ホテルから誰かが入ってきた。
「ああっ!!!」
サトシはロケット団の服を着込んだ青年を見て表情を変えた。
「お前、ロケット団やな!」
ユウエイはモンスターボールを構えて青年の前に立った。
「は・・・はい、そうですげと・・・」
青年はおどおどしながら返事をした。
「別のロケット団と見てまず間違いあらへんな、お前らのアイテムのことをすべて吐いて楽になったらどうや!」
ユウエイは青年を脅しながら言った。
「あ・・・あの・・・ちょっと待ってください・・・」
青年が今にも泣きそうな声で言った時・・・
「ユヤさん・・・ユヤさんじゃないの?」
ヒカリは青年のことを知っているそぶりで言った。
「そうですげと・・・」
ユヤはヒカリの顔を見て頷いた。
「やっぱり、あたしヒカリ、ほら、あたし達近所同士だったじゃないの」
ヒカリは嬉しそうにしながらユヤに近づいた。
「ヒカリ・・・ちゃん・・・まさか・・・あのヒカリちゃんなの?」
ユヤはヒカリのことをやっと思い出しヒカリに近づいた。
「な・・・なんでロケット団とヒカリが近所同士なんや?」
ユウエイは混乱していた。
「タケシ、こういう場合はどうしたらいいと思う?」
サトシはタケシにたずねた。
「う〜ん・・・」
タケシは考え込んだ。
「とりあえず・・・俺の部屋に行く?」
カンテはロビーよりも個室で話し合ったほうがいいと言った。
「それもそうやな」
ユウエイもようやく混乱が解けカンテに同意した。

「ユヤさんは10歳の時じゃなくって13歳の時に旅に出たんだよね」
カンテの部屋に入ったサトシ達はヒカリが自分とユヤの関係を話した。
「何で13歳の時に旅に出たんだ?」
サトシは紅茶を飲みながらたずねた。
「僕、昔から臆病なもので旅に出るのが怖かったんだ、10歳の時もそれに怖がって、初めてのポケモンを貰ってもフタバに出られずに3年の時を過ごして・・・」
ユヤは恥ずかしそうに言った。
「でも、僕に勇気をくれたのはヒカリちゃんのお母さんなんです、『旅は一人ぼっちなんてことはまずない、ポケモン達が付いているし、出会う人達も大勢いる』って励ましてもらったんです、それで勇気が出て旅に出る決心をしたんです」
ユヤは明るく言った。
「そしてハピナスをピンプクから育て、ブニャットを野生でゲットして認められるトレーナーになったんです」
ユヤがこう言うとユウエイは口を挟んだ。
「何でこんな優秀なトレーナーがロケット団の仲間に入ったんや?」
ユウエイがこう答えると・・・
「2年前に急に勝てなくなってスランプに陥ってしまったんです、どうしていいのか分からずにいたところ三銃士の皆さんが僕にこういいました『世界をもっと平和にして人とポケモンの絆を永遠に断ち切れないプロジェクトに入らないか』って、それで僕、ロケット団に入ったんです、三銃士の皆さんも他の皆さんも凄く優しいんですよ」
ユヤは嬉しそうにしながら言った。
「何が世界をもっと平和にして人とポケモンの絆を永遠に断ち切れないプロジェクトや!あいつらのやっていることは全くの逆や!」
ユウエイはユヤの言葉と嬉しそうな顔を見て大声で怒鳴った。
「ええっ!でも三銃士の皆さんは僕の実力を認めてくれましたし、リーダーのアローさんなんかは僕にポケモンの鍛え方とかも教えてくれたんですよ、それに僕はお礼にアローさんの好きな物をプレゼントした時はアローさんは優しそうな顔をしてお礼を言ってくれたし・・・とても悪い人達じゃありません!」
ユヤはロケット団は悪人じゃないと固く主張した。
「・・・・・・」
サトシ達は困った表情をしていた。
「だったら現実を見てみることやな」
ユウエイは冷たく言った。
「ええっ!」
ユヤは不安そうな顔でユウエイを見つめていた。
「ロケット団の本性をたっぷりお前に拝ませてやるまでや!」
ユウエイはユヤの腕を引っ張りホテルを出た。
「ユウエイさん、待って下さい!」
「あたしも行きます!」
サトシとヒカリはユウエイの後を追いかけた。
「全くユウエイさんは強引過ぎるんだよ、あんなに綺麗な顔をしているって言うのに!」
「あいつ、黙って入れれば男にナンパされるが黙っていなければ今風の男と同じだからな」
タケシとカンテはユウエイの行動に呆れながらも2人の後を追った。

第14幕 完

[609] 第15幕、元幹部対三銃士
★ディオ★ - 2008年07月30日 (水) 15時11分

こんちは〜!参加しま〜ス!


名前 ジュウゴロウ
出身地 トキワシティ
職業 ポケモントレーナー/ポケモンコーディネーター
性別 男
年齢 17歳
手持ちポケモン
・キラザ(エルレイド)♂『サイコカッター・かわらわり・リーフブレード・つじぎり』
・サイドン♂『じしん・ストーンエッジ・メガホーン・ブレイククロー』
・ボーマンダ♂『ドラゴンクロー・つばめがえし・かみくだく・じしん』
・ギャラドス♂★『アクアテール・じしん・ギガインパクト・にらみつける』
・ロズレイド♂『エナジーボール・シャドーボール・あまごい・ウェザーボール』
・ミロカロス(アルフィー)♂『ハイドロポンプ・れいとうビーム・アクアリング・りゅうのはどう』
経歴 元大魔神会長だが、自分の間違いということに気づいて解散。ある人物からのがきっかけでコンテスト挑戦も始めたらしい。
特徴 黒の半袖シャツ(背中に『鬼』が書かれてる)、下半分はベージュの長ズボン。黒髪の短髪でやや細目。顔は怖い系。
バトル戦術 前回同様。 
イメージ声優 川原慶久



今度こそ迷惑かけようにやっていきます。


【本編】

「・・・こりゃひでーな・・・」

俺の名はジュウゴロウ。一目見れば分かるポケモントレーナーだ。
俺は昔、『大魔神』という最強を集めたチームを率いていた。しかしそれは1年で解散され、仲間の居場所などは知らない。
俺はもう何することは無かった。だがある日、ウォーシティによる大会が開催される情報を聞き。早速やってきたものの・・・


現在に至る。


俺は意識を失うトレーナー達を見てふと思った。ボールが消えている。どうやら犯人はポケモンハンター当たりかと推測した俺だった。
だが気になる事が1つある。意識を失うことは、凶器でやられたこと、その凶器でやられた後が見当たらない。
ポケモンによる毒ガスということもあるが、それだと残りのガスがある。しかし今ではそのガスが無い。

「仕方ない・・・キラザ!」

こうなればとボールを上へ投げた。中からは刃ポケモンエルレイドが出てくる。俺の相棒でもあるのだ。

「この者は誰にどうやってやられたかを予知してくれるな?」
『勿論だ』

俺の耳からキラザの声が入った。常に翻訳機も付けているのだ。
キラザは意識不明のトレーナーの頭に触れると静かに瞑想する。キラザの頭の中には、ビデオテープみたいに彼の記憶が流れ移った。

『・・・なるほど』
「どうだ、何か見えたか?」
『・・・バトルに負けた瞬間に気絶した。絶望したのではないが、妙に変だぜ』
「あいつの仕業か?」
『否、どうやら別人だ』

俺はまた頭を働かせた。負けた瞬間に・・・気絶した・・・
その時、俺の頭に中であることがひらめいた。

「キラザ、俺の予測が正しければそいつは・・・」

次の瞬間、

「あら、いいトレーナー発見!」
「『!』」

口を挟むように出てきた声と共に反応する俺とキラザは、その方向に振り向いた。

「・・・ソウル!!」

俺は見た瞬間に見覚えのある顔で名を言った。

「あら?よく見たらジュウゴロウじゃないの、4年ぶりかしら」

彼女も懐かしい顔で言う。

「お前がいるということは・・・まさか三銃士がトレーナーを・・・!」
「そうよ、どれも弱いトレーナーばっかりだったからね・・・ポケモンごといただいたりもしちゃったけど」

やはりそうかと、俺は思った。

「さて、あなたも負けて意識を失ってもらおうかしら?」
「やだな、俺は『負け』という言葉が嫌いだ。アルフィー!」

俺はさらにアルフィーと名乗るミロカロスを出す。

「ブーバー、ギャロップ、お相手してあげなさい!」

2体はいきなり最大技のオーバーヒートを使ってきた。

「伏せろ!」

2体とも体を利用してオーバーヒートをギリギリで回避した。

「キラザ、アルフィー!フォーメーションハリケーンだ!」

俺の指示通りにキラザがアルフィーに乗り、アルフィーは高速回転をする。そこにハイドロポンプでまるで竜巻のようになり、相手を巻き込ませた。そこにキラザのサイコカッターが連続で放たれる。

「どうだ!これが俺の合体技、『サイクロンスプラッシュ』だ!」

だが次の瞬間、水が爆発する勢いで弾けとんだ。キラザとアルフィーが地面に落とされる。

「・・・やはりそのアイテムのせいか、ソウル!」
「いまさら気づいても遅いわよ?戦闘中は全ての能力が最大まで上がり・・・」
「バトルに負けたトレーナーは意識を失う、か・・・」
「その通り、あなたのポケモンよく育ってるわね。本気のつもりだったんだけど耐えてたみたいだから」

キラザとアルフィーは何のこれしきと立ち上がろうとした。

「ポケモンと一緒に倒れなさい!!」
「そうはいくか!!」

ブーバーとギャロップのオーバーヒート、アルフィーのハイドロポンプが激突した。

「アルフィー! 踏ん張れ!」
「無駄よ、2体+特攻では勝らないわ・・・」

「ミロカロス、ハイドロポンプ!」

その時、突然アルフィーの横からもう1つのハイドロポンプが飛んできた。
一同驚くが、相手のオーバーヒートは急に緩くなった。

「今だ!ソウルを狙え!」
「ハッ! キャァァァッ!」

ソウルはビックリして尻餅をついた。

「・・・これくらいにしてあげるわ。次は容赦しないからね!!」

ソウルは急いで逃げ出した。しかしさっきのは・・・

「ジュウゴロウ君、大丈夫かい?」
「あんたは・・・ミクリ!」

ミロカロスの後ろには、ミクリと名乗る男が立っていた。彼はホウエンリーグのチャンピオンでもあるのだ。
そして何より・・・

「どうだい、リボンはいくつ手に入れた?」
「・・・4つだ」

彼は俺が希望へと導いてくれた人でもあった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「ひさしぶりだね、ジュウゴロウ君」
「ミクリか・・・サイユウシティ以来だな。俺に何のようだ?」
「・・・質問するけど、君が率いていたトレーナーたちはいないのかい?」
「・・・解散した。居場所もわからねぇし、これからただのトレーナーとして・・・」
「そんな君ならチャレンジできそうなことを言いに来たんだ。どうだいまずはバトルをしてみては?」
「・・・再チャレンジできるんだからいいか・・・」

戦ったあの時、ミクリは頷いてこう言った。

「・・・君ならできるかもしれないな・・・コーディネーターとして」
「コーディネーター?ポケモンコンテストの?」
「そう、君はやったことは無いみたいだけど・・・ためしにやってみる気は無いか?」

俺はふと思った。大魔神というのは〔全て〕に勝つクラブだ。よく考えてみれば、コーディネーターの制覇は1回もしていない。

「異存なし!」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ということで、俺はコーディネーターにもなった。

「それにしても、この有様はひどいことに・・・」
「ロケット団の仕業らしい。まだ生存しているトレーナーにももし・・・」

ミクリは頷く。

「・・・他のトレーナーがいないか探そう」




=あとがき=
ということで勝手ながらも(?)ミクリさんがまさかの参戦。でも、大会には出ませんので。
そして何よりミクリはジュウゴロウの師匠みたいな感じです。

[611] 第16幕 アロー対シンジ
佳奈美 - 2008年07月30日 (水) 18時29分

同時刻・・・
「意識不明者が多いな・・・」
カンテとのリベンジバトルの後、シンジはポケモンセンターで休憩を取っていたがトレーナー達が意識を失う事件を聞いて暇つぶし程度に辺りを調べていた。
「俺には関係ない事件だな・・・この間みたいに巻き込まれるのはごめんだ」
以前のこともあってがシンジは無視してこの町から出ようとしたとき・・・
「以前のバトル大会のベスト4の実力者だな」
オレンジ色の髪と服が特徴の男、アローが後ろから話しかけてきた。
「お前は・・・」
シンジはグッと睨み返した。
「俺はロケット団三銃士のリーダー、アロー!俺とバトルしかないか?」
アローはバトルを申し込んだ。
「・・・・・・」
シンジは無視して先に進もうとしたが・・・
「負けるのが怖いのか?」
アローは挑発するかの口調で言った。
「誰が!」
シンジはこの言葉にムカっと来たらしくモンスターボールを構えた。
「じゃあ決まりだな」
アローはオニゴーリとユキメノコを繰り出した。
シンジはエレブーとブーバーを繰り出した。
「エレブーはオニゴーリにかみなり!ブーバーはオニゴーリにかえんほうしゃ!」
エレブーとブーバーは凄い威力の技を繰り出して来た。
「オニゴーリはアイスボール!ユキメノコはれいとうビーム!」
アローは冷静さを失うことなくオニゴーリとユキメノコに技を命じた。
アイスボールとれいとうビームがかみなりとかえんほうしゃに打ち勝ち、エレブーとブーバーに直撃した。
「なに!!!」
シンジはオニゴーリとユキメノコの潜在能力の高さに驚きを隠せなかった。
「俺の勝ちだな・・・案ずるな、このバトルにはアイテムは使ってはいないからお前は意識を失うことはない」
アローはシンジのバトル前に指輪を外しており、アイテムの効果を使用しなかったのだ。
「本来ならトレーナー狩りの時、アイテムを外すことは許されてはいない、しかし俺はお前を一目見たとき強いトレーナーだと分かってな、お前の意識を失わせないようにしたんだ、その理由が分かるか?」
アローはシンジのそばに近づきながら説明した。
「お前のポケモンは強い、おまえ自身も優秀、どうだ我らの仲間にならないか、ただでさえ潜在能力の高いお前のポケモン達は無限な力も手に入れられる、悪い話ではないだろ?」
アローはスカウトしてきた。
「断る!」
シンジはすぐに大声でアローの誘いをきっぱりと断った。
「お前らの言うアイテムの効果は以前嫌って言うほど見てきた上、被害にもあってきた!俺はこういう力など必要ない!俺は俺のやり方でやる!お前らのくだらないアイテムは用なしだ!」
シンジは喧嘩腰にアローに文句を言い、そして大立腹のままこの場を去った。
「もったいないな・・・お前ほどの優秀な奴だったら入団の直後、俺の右腕になれたのに」
アローは呆れながら言った。
「まあいいか、トレーナー狩りを続行するか」
アローはシンジを仲間に入れることを諦め、再び指輪をはめてトレーナー狩りを再開した。

第16幕 完

[612] 第17幕、三銃士の登場
★ディオ★ - 2008年07月31日 (木) 14時16分

生存トレーナーを探してから5分が経った。いまだに目撃するものはいない。

「全滅となっているとしたら、残りは俺達を狙うかだな。・・・そういえば、なぜお前がこんな町に用があるのかが気になるが」

俺はミクリがここに来た理由を聞こうとした。

「この町では大変有名なとこでもある。見物のつもりで来たものの、こうなっては黙ってはいられない・・・」
「まぁ、しばらくの間だ。仲良くやるとでもしようじゃねぇか、師匠よ」
「その言い方、良くないんじゃいの?」

俺は冗談のつもりでふざけてみた。
だがここで気を緩める俺ではない。四方から密着している可能性もある。

「・・・そこかっ!?」

真横にあった不自然な箱を踵落としでぶっ壊した。箱はバラバラに砕けるが、人気すらなかった。
スカか・・・。と思ったその時、上からハッサムが情け無用に『いあいぎり』をする。
反応が速かったお陰で間一髪で避けれた。

「俺の気に入りがつかえなくなったら弁償しろよ。アロー」

その声と同時に、敵が姿を見せた。

「流石元幹部だ。しかし三銃士である俺達を倒すのは不可能!」
「確かに倒せない・・・それは裏アイテムがある限りでは?」

と、互いににらみ合ってる最中にまた人がやってきた。

「あいつか!?」
「! お前等は!」

6人ほどいるが、5人は覚えがある人物だった。それはかつて大会で出会ったトレーナー、サトシ、ヒカリ、タケシ、ユウエイ、カンテだった。
一方のサトシ達は俺とミクリがいることにより驚く。

「ユヤ、そこで何をしているのだね?」
「そ、それは・・・」

アローはまさか裏切ったのかという顔でユヤを睨んだ。逆にユヤは怯えている。

「ユヤが間違った道に進んでいると証明するために、直接本人に会いに来たんや!」

そこにユウエイが事情を話した。彼の顔には怒りがこもっている。
「ユヤ・・・そういえばそんなトレーナーがいたはず。まさか三銃士の・・・!」
「彼は三銃士の右腕だ」
「そんな・・・」

ヒカリは信じられないとばかりにショックを受ける。

「だかどうやら、お前は挟み撃ちにあったようだな。俺の怒りと・・・」
「俺の怒りに挟まれてな・・・」
「確かに・・・」

アローはピンチになるどころか、逆に笑っていた。すると、その直後に新手が現れた。

「2人も現れた!?」
「これで三銃士が集合というわけか。ソウルとレクリ!」

「改めて自己紹介をしよう。俺達はサカキ様に従えるロケット団三銃士。リーダーのアロー」
「紅一点のソウル」
「頭脳派のレクリだ」

「・・・負けたクセにずいぶん気が強いじゃないか、ソウル?」

俺がソウルに追い討ちを掛ける。ソウルはドキッとした顔になり、アローとレクリは睨んだ。

「・・・フンッ、諦めただけよ。あんたと戦ってもつまらないからね」
「そういうと罰当たるぜ?足元見ろよ」

三人は足元を見ると、ドリル(?)が地面から出ていた。次の瞬間に地面からドカンッと何かが飛び出てくる。サイドンだ。

「・・・チッ、外したか。次は当てる!」

三銃士は屋根の上に移動していた。

「ジュウゴロウ、俺もやるで」

ユウエイはやる気満々で食いついてきた。互いに目的は同じって訳か・・・

[613] 第18幕 『ダークライの力』発動!
佳奈美 - 2008年07月31日 (木) 15時20分

「やれるものならやってみろ!」
アローは大振りの黒っぽいかけらを取り出した。
「暗黒に染まりし闇の力よ!今ここに我に力を貸すときだ!『ダークライの力』発動!」
アローの手元にあったかけらが急に黒く光り始めそして三銃士のモンスターボールが真っ黒に染まった。
「この『ダークライの力』は悪の心の持ち主にしか使えないアイテム、このアイテムの効果は全てのポケモンを無敵の力を得る!そしてどんなに相性が悪くても関係ない!」
アローは『ダークライの力』の効果を説明した。
「ダークライの力・・・悪の心・・・アローさんたちが今まで使っていたアイテムはポケモンと人間の永遠の絆を深めるアイテムじゃなかったの・・・」
ユヤは泣きそうな声で言った。
「ユヤ、これで分かったはずや!こいつらのやっていることを!」
ユウエイは力んで言った。
「ユヤ、こっちに来い、こいつらは俺達の敵だ!」
アローはユヤに戻るように言った。
「ごめんなさい・・・アローさん達のおかげで僕のポケモンは強くなれた・・・でも悪いことをしている以上僕は・・・アローさんの元には戻らない・・・戻りたくありません」
ユヤはポケモン達が強くなれたことに対しては感謝していたが自分の求めていたものはこんなんじゃないと分かった以上三銃士を裏切ることを決めた。
「この裏切り者が!」
ソウルはユヤが自分達を裏切ったことに腹を立てた。
「まあいい・・・だったらおまえも俺達の手で倒すまでだ!」
アローはユヤが向こう側の味方に付いたため、ユヤと共にサトシ達を倒そうと決心した。
「行って下さい!ハッサム、カイリキー」
レクリはハッサムとカイリキーを繰り出して来た。
ハッサムの赤いボディとカイリキーの灰色のボディが真っ黒に染まっていた。
「な・・・何よ!なんでハッサムとカイリキーがこんな色に!」
「ポチャポチャ!」
ヒカリとポッチャマはカイリキーとハッサムの異変に驚いていた。
「『ダークライの力』はどんなポケモンもダークポケモンとして扱われます!」
カイリキーは地面に向かってばくれつパンチを繰り出した。
ばくれつパンチは地面を打ち砕きそしてビル一軒を壊した。
「な・・・なんと言う強烈なばくれつパンチだ!」
タケシはこの威力に驚きを隠せなかった。
「これが『ダークライの力』だ!この石を手に入れ、ダークライの力を得るには相当の時間と努力を費やした、この力で『ある任務』をなしどけるまでだ!」
アローはユキメノコとオニゴーリを、ソウルはブーバーとギャロップを繰り出して来た。
アローのポケモンもソウルのポケモンもレクリのポケモンと同様真っ黒に染まっていた。
「無敵な力を持つポケモン、そしてダークポケモン・・・こんなポケモンを使うなんで・・・」
カンテはポケモンこんな風に使う三銃士をみて怒りを露にしていた。
「こんな力を使わなくたって勝てることを証明してやるぜ!」
サトシはピカチュウとグライオンとヒコザルを繰り出して来た。
「行って来て、ポッチャマ、ミミロル、エテボース」
「グレッグル、ウソッキー、お前達もだ!」
ヒカリとタケシもポケモンを繰り出して来た。
「もはやお前達が俺達三銃士に勝つことは不可能だ!俺達がつけているアイテムの力、そして『ダークライの力』の前ではどんなポケモンも無力!お前達の目の前にあるのは『敗北』だけだ」
三銃士はサトシ達に残される道は『敗北』だと宣言した。

第18幕 完

[615] 第19幕 アルミア地方では・・・
佳奈美 - 2008年08月01日 (金) 18時51分

数ヶ月前・・・
「一足遅かったか・・・」
アルミアのアンヘルタワーの頂上では2人のポケモンレンジャーが悔しそうに呟いていた。
ヤミヤミ団のボス、ブラック・ホールが捕まり、ヤミヤミ団は解散して行ったが、トリオ・ザ・ヘルの行方は未だにつかめずにいる上アンヘルタワーにある『青い石』『赤い石』『黄色い石』で支えていた『光の結晶』はアプライト作戦が終わってから1ヶ月もたたないうちに何者かに盗まれてしまっていた。
2人の最年少のトップレンジャーのハジメとダズルは『光の結晶』が盗まれたと情報を聞きすぐにアンヘルタワーに来たのだ。
「しかも、『光の結晶』を守っていたダークライもいなくなった挙句、未だに手掛かりはつかめていないとなるとこれは大変なことだ!ハジメ!俺達にはどうすることも出来ないのかよ・・・ヤミヤミ団よりも上の組織を倒すことなんで・・・」
ダズルはハジメに突っかかった。
「ダズル、落ち着けって!俺もうかつだった、『闇の結晶』が3食の石によって『光の結晶』に変えただけでなくヤミヤミ団の野望を打ち砕いただけで安心してしまった・・・しかし『闇の結晶』のことを知らない組織はいないって言う事をすっかり忘れてしまっていた」
ハジメは『青い石』『赤い石』『黄色い石』を回収しながらこう言った。
「俺達のミッションはダークライを救出しそして『闇の結晶』を再び『光に結晶』に戻すことだ、それしか方法はない!」
ハジメは決意を固めて言った。
「・・・そうだよな」
ダズルもやっといつもに調子が戻り大きく頷いた。
「まずは一度ユニオンに戻ろう、そして手掛かりを探すんだ」
ハジメの提案にダズルは賛成し、2人は一度ユニオンに戻って行った。

あれから数ヵ月後・・・
やっと『光の結晶』の行方がつかめ2人はシンオウ地方にやってきた。
「シンオウに来るのは久しぶりだか本当に『光の結晶』がここに・・・」
ハジメはシンオウ域の船から下りると周りを見回した。
「ハジメ!リズミからのボイスメールだ!『光の結晶』は今『闇の結晶』に戻っているから注意が必要だと」
ダズルはバトナージ・スタイラーのボイスメールの内容を報告した。
「それで、『闇の結晶』は今何処に・・・」
ハジメは更に質問をした。
「ウォーティシティから結構離れたところだ、ここはキッサキシティ、ここからウォーティシティまでは凄く離れている」
ダズルは悔しそうに呟いた時・・・
「どうしたんですか?」
大きなヘリから白髪と狼みたいな黄色い目が特徴の青年が話をかけてきた。
「あなたは・・・」
ハジメはたずねてきた。
「何か困っているみたいですね、よろしかったら力を貸してあげますよ」
青年は優しくたずねてきた。
「あの・・・実は・・・」
ハジメはためらいながら自分達をウォーティシティまで連れて行ってくれないかと言って来た。
「いいですよ、実と言うと僕もウォーティシティに行くところだったんです」
青年はあっさりと了解した。
「俺ハジメです」
「俺はダズル」
ハジメとダズルはヘリに乗せてもらい青年に自己紹介をした。
「僕はトキワシティのサイ、よろしく」
なんとハジメとダズルをウォーティシティに連れて行ってくれる青年は元大魔神の一員のサイだった。
「ヘリなら僅か3時間でつきますよ、しっかりシートベルトをつけていてくださいね!」
サイはこう言うと、ヘリを器用に操りながらウォーティシティに向かい始めた。

そしてウォーティシティでは・・・
「ピカチュウ!」
ピカチュウ達はダークポケモン化とした三銃士のポケモン達に苦戦していた。
「強すぎる・・・」
タケシは悔しそうに呟いた。
「どうだ!俺達のポケモンは無敵の力を得たんだ!」
アローは自信ありげに言った。
「何を偉そうに言っているのよ!こんな力はあんた達の本当に力じゃない!」
ヒカリはアローに向かって怒鳴った。
「ポケモンを闇の力を利用してこんな風にして勝つなんで・・・こんなの満足できる勝利なんかじゃない!」
ヒカリはこんな力を使って勝ったって何もならないと説得した。
「奇麗事を抜かし続けるがいいさ、人間は誰にだって勝ちたいと思うからこそ間違った道に進む、間違ったやり方で強くなる、お前だってミクリカップで優勝する前はそう思った事だってあったじゃないか」
アローのこの言葉にヒカリは表情を変えた。
「それは・・・そうだけど・・・でもあたしはもうあの時の敗北の恐怖を引きずるあたしじゃない!あたしはサトシやタケシ、そしてポッチャマ達があたしを支えてくれたお陰で再びコーディネーターとしてやっていける自信が付いた!あんた達みたいに卑劣な手を使わなくても勝てるのよ!皆がいるからこそ絶対に大丈夫って言えるのよ!」
「ポチャポチャ!!」
ヒカリとポッチャマは自信を持ち、そして力みながらアローに突っかかった。
「誰がどんなことを言おうとも俺達はこの力で世界を思う通りに操ってやるまでだ!」
アローはオニゴーリとユキメノコに技を命じた。
オニゴーリのアイスボールとユキメノコのれいとうビームがヒカリとポッチャマに向けられた。
「ヒカリ!」
カンテはヘルガーを繰り出し、かえんほうしゃを命じた。
かえんほうしゃがれいとうビームとアイスボールを溶かした。
「カンテさん、ありがとう」
ヒカリはカンテに礼を言った。
「例えダークポケモンでも相性を付けば怖くない!」
カンテはそう言うと、ヘルガーにだいもんじを命じた。
「そうは行かないわよ、ブーバー!ギャロップ!アローのポケモン達を守りな!」
ソウルがこう言うと、ブーバーとギャロップはオニゴーリとユキメノコをかばい、だいもんじを自分達が受けた。
「でもブーバーとギャロップは炎タイプ、効果は薄いようね」
ソウルは笑いながら言った。
「でも・・・俺達は闇に捕らわれたりはしない!俺達の行く道は未来という栄光と光だ!」
カンテのこの言葉にサトシ達は大きく頷いた。
三銃士とサトシ達の本格的のバトルが今始まろうとしていた。

第19幕 完

[616] 第20幕 アイテムの秘密
佳奈美 - 2008年08月02日 (土) 13時21分

「ミロカロス、出番や!」
ユウエイはミロカロスを繰り出して来た。
「行け!アルフィー!キラザ!」
ジュウゴロウも今までは隅で控えていたが三銃士が本格に動き出すとキラザとアルフィーを繰り出して来た。
「ダブルミロカロス・・・」
カンテは2匹そろったミロカロスを見て唖然としていた。
「行って下さい!ポッチャマ!」
ユヤもまた、色違いのポッチャマを繰り出して来た。
「あはっ、可愛いね、ピンクのポッチャマ」
ヒカリはユヤのポッチャマを見て嬉しそうにしていた。
「世の中の平和やポケモンの絆を深めるなんで騙して・・・貴方達のやっていることは全くの逆じゃないですか!僕は貴方達の行為を絶対に許しません!」
ユヤは力んで言った。
「まあいいさ、お前と共にこいつらを潰す!」
アローはこう言うと、総攻撃を命じた。
オニゴーリとユキメノコの氷技がポッチャマ達に向けて繰り出され、ブーバーとギャロップの炎技がピカチュウ達に降り注ぎ、カイリキーとハッサムのパワーと素早さを生かしての攻撃がミロカロス達にクリーンヒットさせた。
「ウソッキー!グレッグル!」
「ポッチャマ!皆!」
「ピカチュウ!」
タケシ、ヒカリ、サトシはすぐにポケモン達を戻した。
「大丈夫か?」
サトシはピカチュウを抱きしめながら言った。
「ピィカ・・・」
ピカチュウは頷いたがボロボロになっていたためこれ以上のバトルは無理だった。
「ミロカロス、アクアリングで回復するんや!」
ミロカロスはアクアリングで体力を回復し傷ついた体を癒してきたが・・・
「カイリキー、クロスチョップ!」
レクリはこの隙を見逃さずにすぐにカイリキーに技を命じた。
カイリキーはクロスチョップをミロカロスに直撃させた。
「ミロカロス!」
ユウエイは一撃で戦闘不能になったミロカロスを見て呆然としていた。
「強すぎる・・・勝てないのか・・・」
サトシが悔しそうに呟いた時、急に『ダークライの力』が弱まり始めた。
「なっ・・・どうした!」
アローは『ダークライの力』を再び使おうとしたが無駄な抵抗に過ぎずに『ダークライの力』は消えてしまった。
「どう言う事だ・・・まだ未完成だったって言う事か・・・」
アローは悔しそうに『ダークライの力』をみて言った。
「恐らく『ダークライの力』を支えていた『闇の結晶』の力の法が圧倒的に強かったと見てまず間違いないわね」
ソウルはアローの持っている『ダークライの力』を見て言った。
「ちっ・・・『闇の結晶』のコントロールがまだ分が悪いって言うのか!」
アローは腹を立てながら『ダークライの力』を地面に叩きつけて足で踏み壊した。
ギリギリ・・・
「今回は引き上げてやる、次会うときまで命を大切にすることだな!」
アローはこう言うとこの場から離れて言った。
レクリとソウルもアローの後を追いかけた。
「『闇の結晶』・・・三銃士たちの言っていた『闇の結晶』って一体・・・」
サトシはこの疑問に引っかかっていた。
「この話は僕からします、まずはポケモンセンターに行きましょう、ポッチャマ達も疲れているはずです」
ユヤは自分のポッチャマを抱きながら言った。
「そうだな」
サトシ達は頷いた。

「『闇の結晶』・・・数ヶ月前に盗んだのはいいが使い勝手が悪いな・・・」
アローは悔しそうにいいながらウォーティシティから凄く離れている森の中央においてある『闇の結晶』を見上げながら言った。
「闇の力を利用してただでさえ使い勝手のいいアイテムが更に使い勝手にしてくれるかと思って作ったげと、結果的にはよかったが時々闇の力が弱くなりそれを消えてしまうこともあるからな・・・クソ!『闇の結晶』を使ってのアイテム作りは失敗したって言う事か!」
アローは『闇の結晶』を乱暴に蹴りながら腹を立てていた。
「まあいいじゃないの『闇の結晶』でのアイテム作りは失敗したげと、トレーナー狩りで使用したアイテムの効果は大成功じゃないの、何しろこのアイテムはあんこくポケモン・ダークライの特性、ナイトメアをイメージして作ったアイテムは大成功を収めたじゃないの」
ソウルは自分が嵌めているアイテムを見ながら言った。
「そうだな・・・あいつは『闇の結晶』がないと特性を充分に発揮できないからこのまま放置しろ、それから『ある任務』が終わるまではあのポケモンは絶対に解放するな」
アローはこう言うと再びアイテム作りに取り掛かった。

ポケモンセンターでは・・・
「三銃士達が本格的に出世したのは1ヶ月前!」
サトシ達はこの話に耳を疑った
「はい、三銃士の皆さんは優れた記憶力・頭脳・体力・神経を持って幹部に昇れた、トレーナー自身がつければポケモン達がパワーアップするアイテムを作ったのは幹部の時からなんです、最初はエスパーポケモンの力を借りてのアイテム造りで、攻撃・防御・とくこう・とくぼう・素早さのどれか一つだけ上がるアイテムだったんですが次第にリーダーのアローさん・・・いえ、アローはこれだけじゃ満足が聞かなくなったんです」
ユヤは不安そうに言った。
「要するにドーピングの力みたいなものっていうわけか」
カンテがこう言うとユヤは軽く頷いた。
「ドーピングは切れれば元に戻るんですが三銃士達が作っているアイテムはトレーナーがこのアイテムを外さない限りポケモン達は元に戻ることはないのです、そしてエスパーポケモンが力を貸さない限り例えアイテムをつけていても、アイテムの効果も発動はしません、アローはこのアイテムの構造が次第に気に入らなくなり、アイテムの構造をダークライの力を借りて行うといい始めたんです」
ユヤのこの言葉に皆は表情を固まらせた。
「ダークライって・・・あのダークライのことか」
サトシはユヤに突っかかった。
「はい・・・でも以前新聞で見たことありますがアラモスタウンのダークライではなく、アンヘルタワーにいるダークライのことです」
「アンヘルタワー・・・シンオウ地方にあったかな・・・」
サトシはアンヘルタワーのことを知らなかったためユウエイに質問した。
「アンヘルタワーはアルミア地方にある一番高い塔のことや、しかしあのアンヘルタワーは数ヶ月前にヤミヤミ団の野望のために建てられたって言っていたな・・・」
ユウエイは考えながら言った。
「そのダークライなんです、ダークライは『闇の結晶』の力で自我を失っていました、でも4人のトップレンジャーの活躍によって『闇の結晶』は『光の結晶』に変わりダークライは自我を取り戻しそしてアンヘルタワーに祭っている『光の結晶』の守護ポケモンになったと聞いています、でも三銃士の皆さんはダークライをさらい『光の結晶』を支えていた『青い石』『赤い石』「黄色い石』を外してそして『光の結晶』を再び『闇の結晶』に変えてアルミア地方からシンオウ地方に持ち込んだのです、そしてさっきアローが発動した『ダークライの力』は『闇の結晶』の一部を削り取ったものと見てまず間違いありません!」
ユヤは話し続けて疲れたためか少しため息をついた。
「酷いことをするわね・・・私利私欲のためにダークライをこんな酷い目にあわせるなんで・・・」
ヒカリは悲しそうに言った。
「エスパーポケモンの力でのアイテムだけでは満足できずについには闇の力までも手を出してしまったかと言う訳か・・・」
カンテは三銃士のやり方は間違っているといった。
「アイテムの力なんか借りなくてもポケモン達を信じて先に進めばきっと上手く行くのに・・・」
「ピカピ・・・」
サトシは悔しそうに言った。
「それじゃ、奴らと戦って意識を失ってしまったトレーナー達は全員、ダークライの特性の影響って言う事か!」
タケシはユヤに質問した。
「はい!三銃士が身に着けているアイテムはダークライの特性、ナイトメアをイメージして作られたものです」
ユヤはタケシの質問に答えた。
「そしてレクリから聞いた話ですが赤い髪の女性と青い髪の男性、そして喋るニャースが使っていたアイテムはまだ未完成なものだったと聞いています、未完成のものでしたら例え負けても意識を失うことはないって・・・」
前にロケット団が使用したアイテムは未完成物で闇の力は凄く弱いものだったため、ロケット団は助かったと言った。
「あいつら・・・自分の仲間を人体実験に使用するとは・・・」
「身勝手も対外にしろって言うものや!あいつらのやり方、絶対に許せへん行為や!」
カンテとユウエイは完全に腹を立てながら三銃士を潰すと決意した。
「今では三銃士は闇の力を自分達の力と思い込んでいるのです、闇の力の虜になってしまったのです・・・」
ユヤは悲しそうに言い始めた。
「僕が求めていた未来は・・・こんなんじゃなかった・・・あいつらに騙されて・・・幸い闇の力を手にしなかっただけでもありがたいと思わないといけないげと・・・僕は・・・悪いことを・・・」
ユヤはいくら今までロケット団の悪事を知らなかったとは言えども悪事を働いてきた身だったためこれ以上話が出来なくなり、泣き始めた。
「ユヤ!お前は悪くない・・・お前に悪いところはあらへんから・・・」
ユウエイはユヤを優しくなだめた。

第20幕 完

[617] 第21幕 ユヤとユウエイ
佳奈美 - 2008年08月02日 (土) 19時52分

ユヤの話が終えた後、ユヤはユウエイに進められて宿泊室で睡眠をとり始めた。
精神が凄く疲れていたのかユヤはすぐに深い眠りに落ちた。
「あたし、三銃士を許せなくなってきた!」
ヒカリはユヤを騙して悪事を働かせた三銃士に腹を立てていた。
「誰だって許せないことだ、あいつらのやり方は」
サトシもヒカリと同じ気持ちでいた。
ダークライの闇の力を利用する三銃士をどんなことがあっても許せないと思っていた。
「ところで、ジュウゴロウの奴は何処に行ったんだ、話を聞くだけ聞いてよ」
カンテはジュウゴロウがいないのに気が付いた。
「ジュウゴロウさんなら一人で三銃士と戦うっていい残したまますぐポケモンセンターから去りました」
タケシはジュウゴロウの伝言をサトシ達に伝えた。
「まあ・・・あいつは一人でも何とかやっていける奴やからほっといて・・・」
ユウエイはジュウゴロウのことをほっとくことにした。
「無責任ですよ・・・ユウエイさん」
サトシは呆れながら言った。
「これからどうするかだ・・・」
ユウエイはこれからどうすればいいのかと言った。
「下手に動くと危険だから暫くポケモンセンターで時を過ごすしかないだろ」
カンテは待機したほうがいいといった。
「じゃあ、俺暫く仮眠取らせてもらうわ、ここんところ寝てへんし・・・」
ユウエイは目をこすりながら言った。
「俺達も腹ごしらえしとく」
カンテもまた、空腹だったため、サトシ達と軽食を取るといった。

ユウエイが宿泊室に戻ると、ユヤが目を覚ましていた。
「あの・・・」
ユヤはユウエイが来るのを分かるとすぐにユウエイにたずねた。
「目が覚めてしもうたんか?」
ユウエイはユヤのそばに来て尋ねた。
「夢の中で昔のことを思い出したんです・・・」
ユヤは切なさそうに言った。
「ユウエイさん・・・昔・・・あなたと僕、どこかでお会いしませんでしたか?」
ユヤはユウエイに質問して来た。
「昔・・・悪い、俺、お前と会うのは今日が初めてや」
ユウエイは全く覚えてはいなかった。
「そうですか・・・僕の錯覚でしたか・・・ごめんなさい」
ユヤはユウエイに謝った。
「まあ、錯覚は誰にでも起きるもんやし気にせーへん方がええって、今日はゆっくり寝ろよ」
ユウエイはユヤにもう一度寝るように言う。
「はい・・・」
ユヤはそう言うともう一度眠りに落ちた。
「昔か・・・俺、こいつに会ったかな・・・」
ユウエイはそばにあったもう一つのベッドにもぐりこみながらユヤの言ったことを考えていた。

第21幕 完

[618] 第22幕、再開
★ディオ★ - 2008年08月03日 (日) 12時01分

あの時に俺は、ミクリに生存者の保護を頼み、俺は三銃士を追いかけに森まで来ていた。

「どうだ、奴は近いか?」
『ああ、反応はしている。今なら奇襲できる』

進んでいくうちに、遂に三銃士を発見した。一度岩陰に隠れ、不意をつこうとの作戦を決行する。

(さて、どのタイミングで行くか・・・)

俺は考えていると、突然10メートル先から音が聞こえた。ヘリコプターの音である。

「あの音は何だ?」
「ヘリコプターの・・・音?」
「・・・俺には何かを感じる。もしかすると侵入者かもしれない」

三銃士は警戒態勢をとるため、今立っている場から離ようとした。と、次の瞬間!

「今だっ!!」

俺は突撃を開始した。俺、キラザ、ロズレイド、サイドン、ボーマンダの順番で飛び出てくる。

「お前達は完全に包囲している。直ちに克服しろ!」
「ノコノコと1人で出てくるとは・・・フンッ、馬鹿な奴め」

その時、俺達の腰にプラズマでできたリングみたいなのに縛られた。

「な、何!?拘束機だと!?」
『外れない・・・!!』
「そのリングに抵抗しないようにね、さもなくば・・・」

バリバリバリバリ!!

「ぐわぁぁぁぁぁ・・・!!」

突然電撃が走り出した。

「ぐっ・・・・・・!」
「これで分かったか?幹部と三銃士の違いというものをな・・・」

アローはハッサムを繰り出す。

「ジュウゴロウの首を斬れ!!ハサミギロチン!!」

ハッサムは突進しながら鋭い鋏を俺の首に勢いよく挟もうとした。その時、


「ドリルくちばし!!」

バリィィィンッ!!

突然オニドリルがバリアを突き破った。そのままハッサムに直撃する。急に止まれず、無防備のままでダメージを受けてしまった。

「誰だ!!」

アローは砕かれた破片の向こう側を見てそういう。すると、そこから2人の少年と1人の青年が出てきた。
そして何より、その青年を見たときについ言葉が出た。

「・・・サイ!」
「・・・会長さん!?」

サイは俺達大魔神の会員であり、俺の補佐役であった。解散してから数ヶ月、まさかの再開であった。

「サイ・・・まさか元マグマ団幹部のサイなのか?」

レクリは見覚えのある顔で言った。

「そうです。そして、大魔神ナンバー2のテクニカルトレーナー・・・!」

サイは証拠として証明書を見せる。

「俺はトップレンジャーのハジメ。『闇の結晶』を奪った犯人は・・・お前達だな!?」
「俺も同じくトップレンジャーのタズル!観念しろ!」

俺は今気づいた。よく見たらこの2人はポケモンレンジャーだ。当然、手にはスタイラーを持っている。
そしてあのオニドリルは、おそらくキャプチャしたポケモンということだ・・・

「ブイゼル、あの人達に縛り付けられている拘束機を破壊するんだ!ソニックブーム!」

タズルはブイゼルに指示をし、ソニックブームで俺達の拘束機を破壊してくれた。助かった・・・

「次から次へと邪魔を・・・」

アローはとうとう怒りを買ってしまった。

「覚悟しろ三銃士!全員警察行きにしてやる!!」

今、第2ラウンドが始まろうとした。

[619] 第23幕 三銃士の最終切り札・アルセウス
佳奈美 - 2008年08月03日 (日) 13時31分

ポケモンセンターでは・・・
「行こう!」
サトシは三銃士を倒そうと言ってきた。
「本気か?サトシ」
タケシは尋ねた。
「ああっ・・・俺は三銃士を許せない、だからと言ってこのまま待機していても何も起きやしない、俺達のほうから三銃士のところに向かうんだ!」
「ピカピカ!」
ピカチュウもまた、サトシと同じ意見だった。
「お前の言うとおりだな・・・ここで待っていても何も変わらない」
カンテはサトシの意見に賛成した。
「あたしもやる」
「ポチャポチャ」
ヒカリとポッチャマも三銃士を倒すと力みながら言った。
「じゃあ・・・決まりやな」
仮眠から覚めたユウエイは既に準備が整っていた。
「よし!行くぞ、三銃士を倒しに!」

森の方では・・・
「ブイゼル、ユキメノコにしおみず!」
「ムックル、ハッサムにつばめがえし!」
ダズルとハジメはパートナーポケモンに技を命じさせたがユキメノコもハッサムも技をかわしてしまった。
「つばめがえしは必ず命中する技なのに・・・」
ハジメは悔しそうに呟いた。
「俺達のポケモンはどんな技だろうと必ずかわすことが出来るんだよ!」
アローはプライドを崩すかのように言ってきた。
「何偉そうに言っているんだ!こんなのお前らの力じゃないはずだ!アイテムの力でも借りなきゃお前達のポケモンは戦えないくせに!」
ダズルは三銃士のポケモンはアイテムなしじゃ戦えないと大声で言った。
「このガキ・・・減らず口を叩きやがって」
ソウルはダズルの言葉に切れ掛かっていた。
「確かに彼の言う通りでもありますね」
サイはダズルと同じ意見だった。
「リーダー、アイテムの力を使ってもこっち側が圧倒的に不利です!特にあのエルレイドには僕のカイリキーとソウルさんのブーバーは既に敗れています!」
レクリはこっちの残りのポケモンは4匹なのに対し、ジュウゴロウ達のポケモンにはまだダメージはあまり与えていないと言った。
「確かに・・・ジュウゴロウのエルレイドの究極の技『大旋風』は厄介だな・・・」
アローはキラザを見ながら言った。
「しかし・・・こっちには究極の切り札がある、こいつさえ使えば俺達の勝ちは間違いない」
アローはこう言うと、懐から笛みたいなのを取り出した。
「この笛は!」
ジュウゴロウはこの笛を見てすぐに気が付いた。
「流石はジュウゴロウだな、これはただの笛じゃない『てんかいのふえ』だ!」
アローがこう言うと『てんかいのふえ』を吹き始めた。
♪〜
「な・・・何がくるんだ!」
ハジメとダズルは構えながら言った。
そして『闇の結晶』の隅においてあったマスターボールが壊れ、そのポケモンが『てんかいのふえ』の音色に導かれて姿を表した。
「あ・・・あのポケモンは・・・」
サイは驚いていた。
滅多に・・・いや人間では全くお目にかかれない伝説のポケモン・アルセウスの姿が今ここに姿を現していた。
「創造ポケモン・アルセウス、これこそ俺達三銃士の最終切り札だ!」
アローはアルセウスを見て力みながら言った。
アルセウスは金属音みたいな声で鳴いた。
「アルセウス・・・」
「これが・・・目撃が全然ないため伝説・・・いや、幻のポケモンと呼ばれるあの・・・」
トップレンジャーであるハジメとダズルもアルセウスを見て唖然としていた。
「アルセウスの特性発動!」
アローは懐から『いかずちプレート』をアルセウスに持たせた。
そしてノーマルタイプのアルセウスが雷タイプに変わった。
「アルセウス、まずは煩いトップレンジャーのポケモンからやっつけろ!さばきのつぶて!」
アルセウスはさばきのつぶてを繰り出して来た。
さばきのつぶては持たせたプレートによって技のタイプが変わる技、アルセウスは『いかずちプレート』を持っていたため技のタイプは電気タイプとなっていた。
ブイゼルとムックルは電気技に弱かったため、さばきのつぶてを直撃してしまい戦闘不能になった。
「ムックル!」
「ブイゼル!」
ハジメとダズルはすぐにムックルとブイゼルの元に駆け寄った。
「次はこれだ!」
アローはアルセウスに持たせていた『いかずちプレート』を外し代わりに『りゅうのプレート』を持たせた。
「もはやお前達のポケモンはアルセウスの強さに怯えてしまい戦えない状況に立たされている・・・」
アローは冷たく言った。
「キラザ!お前ら!!」
ジュウゴロウがキラザ達を見ると、キラザ達はアルセウスの今までにない『怖さ』に怯えてしまい戦うことも逃げることも出来ずにいた。
「俺達三銃士をコケにした後悔を思い知るがいい!アルセウス、さばきのつぶて!」
アローが技を命じるとアルセウスはドラゴンタイプの技に変わったさばきのつぶてを繰り出して来た。
三銃士達のつけているアイテムの影響かアルセウスのさばきのつぶては凄い威力で全てのポケモンを一撃で戦闘不能にさせた。
「俺が・・・負けただと・・・」
ジュウゴロウは戦闘不能になったキラザ達を見て呆然としていた。
「ただでさえ強いアルセウスがアイテムの力を得たことにより無限大な力で・・・」
サイはこれ以上言葉が続けられなかった。
「これでお前達は二度と俺達に歯向かうことは出来なくなったみたいだな」
アローはジュウゴロウ達を見下しながら言った。
「アルセウスを使ったときアイテムの影響で意識を失うことは出来ない、ありがたいと思うことだな」
アローはこう言うと、アルセウスを連れてこの場から去った。
レクリとソウルもアローについて行った。
「こんなの滅茶苦茶すぎる・・・三銃士達のやっていることは・・・全てにおいて無茶苦茶だ」
ハジメは三銃士のやり方はむご過ぎると言った。
「こんな強敵に・・・俺達はどうやって戦えって言うんだ」
ダズルはこういうのが精一杯だった。

第23幕 完

[621] 第24幕 タイラント登場
佳奈美 - 2008年08月04日 (月) 19時54分

サトシ達は三銃士と戦うべく森に向かっていた。
そのとき、一匹の小さなポケモンがサトシ達の前に姿を現した。
「このポケモンは・・・」
サトシはポケモン図鑑を取り出してポケモンを調べようとした時・・・
「お前達!外をうろつきまわるなってニュースで言っていたはずだ!」
一人のポケモンレンジャーが姿を現した。
「ミー」
小さなポケモンは嬉しそうにポケモンレンジャーの側に来た。
「勝手に動き回るんじゃない!俺達は遊びでここに来たのではないんだぞ!」
ポケモンレンジャーはポケモンを叱った。
「まあまあ・・・この子だって悪気があったわけじゃないんだし・・・」
カンテはなだめた。
「まあいい・・・もしシェイミがお前達と会わなかったらお前達は絶対に被害にあったトレーナーと同じことになっていたのかも知れんな」
レンジャーはシェイミと名乗るポケモンを撫でながら言った。
「自己紹介が遅れたな、俺はタイラント、トップレンジャーの一人だ!」
タイラントと名乗るポケモンレンジャーは自分の名前を名乗った。
サトシ達も同じく名を名乗った。
そしてサトシは三銃士を倒すためにここに来たといった。
「ポケモントレーナーとコーディネーターとブリーダーか、悪いことは言わん、今すぐに町に戻れ!」
タイラントはサトシ達はすぐにウォーティシティに戻るように言った。
タイラントの目的は既にここに来ている若きトップレンジャーの助太刀のためと三銃士の野望を阻止するためにここに来たのだった。
そしてタイラントはサトシ達のやることに反対した。
「どうしてなんですか!俺達・・・三銃士を倒したいだけなのに・・・」
サトシは三銃士を倒すまでは戻らないといった。
「これは俺達トップレンジャーの仕事だ!ド素人であるお前達を巻き込むわけにはいかん!」
タイラントはサトシ達をどうしても危ない目にあわせるわけには行かなかったので厳しく忠告した。
「三銃士の本当の恐ろしさも知らない奴に何が分かるというんだ!奴らは手持ちポケモンのほかにも強力なポケモンも隠し持っているんだ、その上『闇の結晶』の守護ポケモン、ダークライまでもが今にも悪用されようとしているんだ!ここは俺がやる、お前達は俺が言いと言うまで町から出ることは断じて許さん!」
タイラントはあくまでもサトシ達を危ない目に合わせるわけには行かないと固く言った。
「いいえ!俺達も加勢します!」
「ピカピカ!」
サトシとピカチュウは頑として譲ろうとしなかった。
「くくっ・・・」
タイラントはサトシを睨みつけた。
「俺を何処までコケにすれば気が済むんだ、さっきの紫髪のガキもそうだったがお前までもがこの森に入るだと・・・」
タイラントのこの言葉にサトシは目の色を変えた。
「シンジもこの森に・・・」
サトシはすぐにシンジだと分かった。
「ああっ、確かそういう名前のガキだったな、あいつ次の町に向かうと言ってこのまま森の中に入って行った、次の町に行くには必ずこの森を抜けなければならないからな、だがこの森は既に奴らの縄張りとなっている、たとえ森を抜ける一般人でも三銃士は容赦なく叩き潰すことになる、それがたとえ誰であろうともな」
タイラントはこの森に入ったら最後、三銃士の手によって倒されるといった。
「そ・・・そんな・・・」
ヒカリはこの言葉に怯えていた。
「三銃士を倒さない限り俺達は・・・」
「この町から出られないと言う事か」
タケシとカンテは悔しそうに言うのが精一杯だった。
「これが最後の忠告だ!お前達はすぐに町に戻れ!三十誌との決着は俺がつける、行くぞ、シェイミ!」
タイラントはサトシ達に最後の忠告を出すと森の奥に進み始めた。
シェイミもタイラントの後についていった。
「・・・・・・ねえ、どうする」
ヒカリはカンテにたずねた。
「悔しいがタイラントさんの言う通りにするしかないだろ・・・」
カンテは圧倒的に強い三銃士との戦いでは自分達の力だけじゃ無理だと判断し、この件はトップレンジャーであるタイラントに任せる事に決めた。
「・・・そうだよな」
サトシは渋々承知した。
「ポケモンセンターに戻ろうか、ユヤもここにおるし」
ユウエイは待機場所を皆に言った。
「そうだな」
サトシ達はユウエイの意見に賛成し、ポケモンセンターに戻り始めた。

第24幕 完

[622] 第25幕 アルセウス対ドダイトス
佳奈美 - 2008年08月06日 (水) 18時36分

森の奥では・・・
「ちっ・・・この森、何処まで続くんだ」
シンジはアローとのバトルの後、ウォーティシティを出たのはいいが次の町に行くには絶対にこの森に入らないと次の町に行けなかったためこの森に入ったが既に森は三銃士の物となったとポケモンレンジャーのタイラントから聞いたがそれを無視して先に進んでいた。
その時、森の奥のど真中に大き目の黒い水晶が置かれていた。
「なんだ、これ?」
シンジは水晶に近づいた時・・・
「キュゥゥーン!」
金属性の音が聞こえてきた。
そして黄色い角と真っ白な体が特徴のポケモンが姿を現した。
「なんだ!このポケモンは」
シンジはアルセウスを見たことがなかったためすぐにポケモン図鑑を取り出しアルセウスのデータを調べ始めた。
『ポケモンハンノウナシ』
ポケモン図鑑にも流石にアルセウスに対するデータは入っていなかった。
「まさか・・・いつかの改造ポケモンじゃ・・・」
今のシンジにはこれしかないと判断した時・・・
「こいつは改造ポケモンではない、正真証明のポケモンだ」
森の影からアローが姿を現した。
「創造ポケモン・アルセウスはどんな人間だってけして見たことがないといわれるポケモン、私達はこのポケモンをついに手に入れることが出来たのよ」
アローと同じくソウルも姿を現した。
「創造ポケモン・・・だと」
シンジは呟くのが精一杯だった。
「よくも俺達の『闇の結晶』を見てくれたな、それそうの償いはしてもらうぞ」
アローはこう言うと、アルセウスに『つららのプレート』を持たせた。
「ドダイトス!」
シンジはドダイトスを繰り出して来た。
「これがあんたのエースポケモンね」
ソウルはドダイトスを見て言った。
「初対面なのにどうしてこいつが俺のエースだと分かる?」
シンジはソウルに質問した。
「カドマツから聞いてね、以前私の計画を失敗させた原因のトレーナーがいるってね、それでカドマツからそのトレーナーの特徴と手持ちポケモンを教えてくれたのよ」
ソウルはシンジの質問に答えた後、ブーバーとギャロップを繰り出して来た。
「アルセウス、さばきのつぶて!」
アローはアルセウスに技を命じた。
アルセウスは技を繰り出して来た。
「ハードプランド!」
ドダイトスもまた技を繰り出して来た。
さばきのつぶてとハードプランドがぶつかり合ったが、さばきのつぶての効果により氷タイプの技になっていたのでハードプランドの方が負けてしまった。
「なっ・・・」
シンジはこの光景に驚きを隠せなかった。
「アルセウス、もう一度さばきのつぶて!」
アルセウスはドダイトスの頭にさばきのつぶてを直撃させた。
「ドダー!!!」
草・地面タイプをもつドダイトスに氷タイプの技は拷問に近かったためすぐに戦闘不能になった。
「アルセウス・・・なんという強さだ・・・」
シンジはアルセウスの強さにはどうすることも出来ずにいた。
「さばきのつぶてはプレートを持たせるだけでタイプが決まる技、アルセウスはもはや無敵といった方がいいだろ、そして今檻に閉じ込めている『闇の結晶』の守護ポケモン、ダークライを使いこなせれば俺達三銃士は誰にも負けない強さを持つことが出来る!」
アローは笑いながら言った。
「リーダー、ソウルさん」
レクリが傍らに黒いポケモンを連れてアローとソウルの元に戻ってきた。
「レクリか」
アローはレクリの傍らにいるポケモンをみて目の色を変えた。
「おっ・・・おお〜ついに・・・ついにダークライが我らの元に・・・」
アローはダークライを見て興奮していた。
「はい、すっごく苦労しました、『こわもてプレート』にサーモグラフィをはめ、そしてそのアイテムをダークライにもたせたところ、ダークライは僕達の言う事を聞くようになりました」
レクリは嬉しそうにアローとソウルに報告した。
「でかしてぞレクリ、これでダークライは再び『闇の結晶』を操るようになる、そうなれば俺達の作るアイテムは最強の力を持つことが出来る、弱いポケモンが無敵のポケモンに変化する!」
アローは高笑いしながらダークライを見て言った。
「ところで、こいつどうする?」
ソウルは三銃士を睨みつけることしか出来ないシンジを見ていった。
「口封じのために殺せ」
アローは冷たく言った。
「OK」
ソウルはナイフを持ちそしてシンジに近づいていった。
「チッ・・・」
シンジはすぐにエレブーを繰り出そうとしたがソウルはそれを見逃さなかった。
「ブーバー、ギャロップ、オーバーヒート!」
ブーバーとギャロップはオーバーヒートを繰り出して来た。
「!!」
シンジに逃げ場を失った時・・・
「ケーッキングー」
ケッキングのまもるがブーバーとギャロップのオーバーヒートを回避した。
「このケッキング・・・まさか!!!」
シンジはこのケッキングに見覚えがあった。
「シンジ君!」
そして懐かしい声が聞こえた。

第25幕 完

[623] 第26幕、幼い頃の記憶
★ディオ★ - 2008年08月08日 (金) 15時11分

さて、そろそろ紹介でも仕様かな?と思います。

名前:サイ
出身地:トキワシティ
職業:ポケモントレーナー
性別:男
年齢:20
手持ち:
・ケッキング♂ 【ギガインパクト・じしん・カウンター、まもる】
・ハッサム♂ 【シザークロス・かわらわり・つじぎり・きりさく】
・ニョロボン♂ 【たきのぼり・じしん・ちきゅうなげ・れいとうパンチ】
・ピカチュウ♂ 【10まんボルト・ちきゅうなげ・カウンター・みがわり】
・リザードン♂ 【かえんほうしゃ・りゅうのはどう・きりさく・ちきゅうなげ】
・バシャーモ♂【ブレイズキック・スカイアッパー・かみなりパンチ・メガトンキック】
経歴・性格・特徴・戦術:前回同様。


【本編】

サイが勝手に行動を取ったその先には、あのシンジの姿が見えていた。ケッキングが防御してくれたお陰で一時は危機から逃れる。

「よかった。なんだか胸騒ぎがすると思っていたら、シンジ君が三銃士に・・・」

その後に俺達も駆けつけた。

「またお前たちか・・・何度来ても無駄だぞ」
「一度死んだ身だ。今度はそうはいかないぞ!」

俺は無茶をするかのように、ギャラドスを繰り出した。その姿は通常とは違う、真っ赤で美しいギャラドスである。

「なるほど、色違いは通常とは別格な能力を持つと聞くが・・・アルセウスにその力は通じるかな!?」

「あの、ほんとにやる気なんですか?そんなことしたら・・・」
「もし万が一の事もあり得るし・・・」
「やるにはこれしかない、分かってくれ!」

俺は悔やむようにハジメとタズルに言った。アローはアルセウスにいかずちのプレートを持たせる。

「どっちみち負けることだ!!きばきのつぶて!!」

アルセウスはギャラドスに雷と化した力を放出する。

(すまないギャラドス。死ぬんじゃねぇぞ!!)

俺は念をこめて何かをギャラドスに投げた。

注射器だ。

注射器はギャラドスの首元に刺さる。次の瞬間にさばきのつぶてがギャラドスに直撃した。

「・・・・・・」

周りは一斉に静かになった。煙が立ち込めていたが、晴れたときにはキャラドスは倒れていた。しかも死んでいるような顔つきだった。

「言っただろ。何度やっても負けは負けだ」
「か、会長さん・・・」
「・・・・・・アクアテール!!」

次の瞬間、ギャラドスは目を覚ましてアルセウスに会心の一撃を与えた。

「何っ!?」

アルセウスもアローも驚いた。倒れたはずのギャラドスが起き上がったのだ。

「馬鹿な・・・いったい何が起きた!?しかもアルセウスにダメージが・・・」
「! アロー、もしかするとさっきの注射器に」

レクリはまさかの顔でアローに言った。

「ジュウゴロウ・・・お前いったい何をしたんだ!?」
「・・・ギャラドスに覚醒剤を注入した」

俺はさきほど打った注射器を見せる。

「これを打てば、一定時間は極限まで力が増す。しかし問題は時間、短期決戦でいかせてもらうぞ」
「・・・怒らせてくれるじゃないか・・・!!」

アローは本気を出そうと再びさばきのつぶてを使おうとする。さっきよりも強力なのが分かる。
と、その時

「まて!そこまでだ!」

突然誰かが三銃士に問い詰めた。

「っ! 一旦引くぞ!」
「ハッ!」

三銃士はすぐに逃げ出した。

「チェッ、逃げ足は速いもんだぜ」

俺ではあの3人には当分追いつけないと思い、諦めた。そこへ誰かがやってくる。

「タ、タイラント先輩!?」
「ハジメ、それにタズルじゃないか。三銃士は何処へ逃げた?」
「見失った」

タイラントと名乗る男を見た瞬間タチが悪いと感じた俺は興味の無いようにして答えた。

「たくっ、年下の癖に生意気だなお前は・・・」
「悪かったな」

俺とタイラントは互いに睨み合った。

「先輩!ここで喧嘩なんかはやめてくださいよ!」
「でも、追いかけても俺達でも勝てない相手だし・・・」
「何?」
「そいつの言ってることはほんとだぞ」

俺は三銃士の状況のことを説明した。

「・・・なるほど、アルセウスか」
「懐かしい響きもするな・・・創造ポケモン、アルセウス・・・」
「会長さん、知ってるんですね?」

俺は頷くと、幼い頃のことを話した。


当時10歳、ロケット団最高幹部に昇格した頃に俺は、アルセウスにまつわる話を聞いたことがあった。

宇宙が生まれた瞬間、通称ビッグバンが起きたその時、創造の神と呼ばれたポケモン、アルセウスが誕生した。
アルセウスはその後、太陽系や銀河もつくり、一部である地球にも生命が生まれた。
また、時間の神と空間の神が誕生したのも、この神のお陰だと言い伝えられる。



「・・・と、話せるのはこの位だがな」
「宇宙で一番最初に生まれたポケモンかぁ・・・」
「そんな説が・・・」

ハジメとタズルは納得するが、タイラントはそうでもなかった。

「しかし、それはあくまで存在ということにすぎないだろ?対抗できる術はあるのか?」
「術は無いが・・・探れることならできる」

俺はポケモン図鑑を開き、あるものを見せた。アルセウスのデータである。

「そうか!これで特徴を調べて、弱点を探すんですね。流石会長さん!」

その他ハジメとタズルも俺の意見に同意、シンジはしばらくしてから仕方ないように同意する。

(こいつ・・・気に食わないが、不思議な奴だ)

タイラントもシンジの後に続いて同意した。

[626] 第27幕 集結
佳奈美 - 2008年08月08日 (金) 20時35分

森の入り口では・・・
「ポケモンの体力回復は済ませた、そして傷薬もたっぷり持った、三銃士を倒しに行くぞ!」
カンテは力みながら言った。
「ああっ!俺達は三銃士を許せへんで!」
ユウエイもまた、カンテと同じく張り切っていた。

―――――――――――――――――――――――――――――
サトシ達はタイラントの言うとおりにポケモンセンターに戻って暫く待機という形になった。
そのとき、ユヤが宿泊室から出てきてサトシ達の前に来た。
「皆さん、三銃士を倒しに行きましょう!」
ユヤが言った最初の言葉はこれだった。
「僕が今やらなきゃいけないことは三銃士を倒すことです!そしてポケモン達やトレーナー達をこれ以上あいつらに苦しめられないようにしたいんです!これが・・・僕が今しなきゃいけない償いなんです!」
ユヤはこれ以上三銃士の被害になるポケモンや被害者を出さないためにも三銃士を倒すといってきた。
「よく言った!」
カンテはこの言葉を待っていたかのように構えた。
「ユヤさんの言うとおりだ!俺も奴らのやり方は許せないぜ!」
「ピカピカ!」
サトシとピカチュウもまたユヤの意見に賛成した。
「ああっ!」
タケシも頷いた。
「タイラントさんには悪いげとあたし達も行きましょう!三銃士を倒しに!!」
「ポチャポチャ!」
ヒカリとポッチャマもタイラントの指示を無視して三銃士を倒しに行こうと言って来た。
―――――――――――――――――――――――――――――

サトシ達は森の中に入っていき、そして手当たり次第に三銃士を探し始めた。
その時アルセウスがヒカリの目の前に現れた。
「なに!このポケモン」
ヒカリはすぐにポケモン図鑑でアルセウスのデータを調べようとしたがシンジの時と同じくアルセウスのデータが載っていなかった。
『ポケモンハンノウナシ』
「ポケモンじゃないの!」
ヒカリは驚いていた。
そして背後にはダークライが姿を現した。
「きゃああ!」
ヒカリは思わず悲鳴を上げた。
「ヒカリちゃん!どうしたんですか!」
ユヤはすぐにヒカリの元に駆け寄った。
「ああっ!アルセウスとダークライ!」
ユヤはアルセウスとダークライを見て息を呑んだ。
「皆さん!気をつけてください!三銃士が近くにいます!」
ユヤが大声でこう言うと同時に森の影から三銃士のアロー・ソウル・レクリが姿を見せた。
「アルセウスとダークライを見ただけで俺達が近くにいると判断する、なかなか優秀になったじゃないか」
アローはユヤの判断を褒めた。
「惜しいわね、あんたほどの優秀な青年がロケット団を裏切ってしまうとはね〜」
ソウルはからかうように言って来た。
「まあいいじゃありませんか、今から裏切り者やここにいるトレーナーも全員アルセウスの餌食にしてしまいましょう、それからダークライの力も見てみたいですし」
レクリはアルセウスとダークライでサトシ達を倒そうと言った。
「賛成だな」
アローはこう言うと、アルセウスに『しずくプレート』を持たせた。
そしてアルセウスは水タイプに変化していった。
「アルセウス、さばきのつぶて!」
アルセウスはさばきのつぶてを繰り出して来た。
「ポッチャマ、ハイドロポンプです!」
ユヤは素早くポッチャマを繰り出しハイドロポンプを命じた。
ユヤのポッチャマはハイドロポンプを繰り出して来たがアルセウスのさばきのつぶてによりハイドロポンプが引き下がれ、ポッチャマに直撃させた。
「ポッチャマ、大丈夫ですか!」
ユヤはポッチャマを抱き上げてすぐにモンスターボールに戻した。
「ダークライはあくのはどう!アルセウスはもう一度さばきのつぶて!」
ダークライとアルセウスのダブル攻撃が繰り出されようとしていた。
「ヒコザル、かえんほうしゃ!ピカチュウは10万ボルト!」
「リーシャンはおんがえし!リオルははっけいや!」
サトシとユウエイは互いのポケモンを素早く繰り出し技を命じたがアルセウスのさばきのつぶてとダークライのあくのはどうの威力や素早さが遥かに上だったため、ピカチュウ達は技を繰り出す間もなくさばきのつぶてとあくのはどうを直撃してしまった。
「ダークライが俺達の言う事を聞くようになってから『闇の結晶』はもはや俺達が思う通りに使えるようになった!アイテムの力も最大限に引き出せる!お前達の敗北は死の意味でもあるように強化されているんだ!」
アローは自分達がつけているアイテムは更にパワーアップしており、バトルに負けたトレーナーは『死』を迎えるといってきた。
「そんな・・・アイテムの力がここまでに・・・」
ヒカリは怖がっていた。
「俺達が負ければ・・・死んでしまうって言うのか!ふざけるな!!!」
カンテは命を失うと言う言葉に怒鳴った。
「これが『闇の結晶』の真の力だ!そしてアイテムは『闇の結晶』の力を得て無限のパワーを誇るようになったまでだ」
アローは高笑いした。
「さあどうするかしら!今ここで敗北宣言をしてあたし達に謝ってポケモンを全て差し出すって言うんなら命だけは助けてあげてもいいげと」
ソウルはポケモンを全て差し出し謝罪すれば命は奪わないと言った。
「ふざけるな!誰がお前達に謝るか!!!」
カンテは頑として否定した。
「・・・・・・分かりました・・・アローさん、ソウルさん、レクリさん、僕が・・・僕が代償として貴方達に僕の命を提供します!」
ユヤは自らの命を差し出すといってきた。
「ユヤさん!」
ヒカリは驚いていた。
「その代わり、サトシくんやヒカリちゃん、タケシさんやカンテさんやユウエイさんは関係ないから・・・この人達を狙うのは辞めてください!お願いします・・・」
ユヤは涙を流して頭を下げながら頼み込んだ。
「いいだろう・・・裏切り者であるお前をここで殺してやる」
アローはユヤの条件を飲むことにした。
「アルセウス!」
アローはアルセウスを呼びさそして、アルセウスに『ひのたまプレート』を持たせた。
「ここがお前の墓場にしてやる、この裏切り者が!アルセウス、さばきのつぶてでこいつの骨や魂を燃やし尽くせ!」
アルセウスのさばきのつぶてがユヤに降りかかろうとした。
「ユヤさぁん!!!」
ヒカリはユヤを助けようと走り出した時・・・
「ムクーーーー!!!」
ムクホークが急降下しユヤの背中をつかみアルセウスのさばきのつぶてをかわした。
「誰だ!邪魔をする奴は!!!」
アローは腹を立てながら怒鳴った。
ムクホークはユヤを地面におろした。
「どうして・・・」
ユヤが呟いた時・・・
「大切な命を無駄使いするんじゃねえよ!」
森の影からタイラントが姿を現した。
「タイラントさん!」
サトシは驚いていた。
「お前らも来ていたのか」
「お久しぶりですね、皆さん」
タイラントと同じくジュウゴロウとサイも姿を見せた。
「サイさん、お久しぶりです」
「ピィカ」
サトシとピカチュウは嬉しそうに挨拶を交わした。
「お前ら、俺の忠告を忘れたのか!ポケモンセンターで待機しろといっただろうが!」
タイラントはサトシ達を急に叱り付けた。
「ごめんなさい・・・でも俺達も協力したいんです!」
サトシはどうしても三銃士を許せなかったためタイラントの協力をするといってきた。
「ここまで来たからにはしょうがない・・・」
タイラントはとうとう諦めサトシ達も参加させることにした。
「あの・・・どうして・・・僕が犠牲になれば皆助かるって言うのに・・・」
ユヤは自分を助けた理由が分からずにいた。
「誰かを犠牲にしなくても必ず突破口はある!俺はいつもそう信じて戦ってきた!優しき人間は闇などに導かれたりはしない!優しき人間の進む道は光だからだ!」
タイラントはユヤに『闇』ではなく『光』に進めといった。
「レンジャーさん・・・」
ユヤは涙を流しながら本音を言った。
「僕は・・・本当は・・・死にたくない・・・死にたくないんです・・・罪を償ったら・・・もう一度・・・トレーナーとして・・・やり直し・・・」
ユヤはこれ以上言葉が続けられなく泣き崩れた。
「これ以上語るな、お前を自由にさせるには・・・こいつらを倒すしかない!」
タイラントは三銃士を睨みつけながら言った。
「今ダズルとハジメとシンジが『闇の結晶』を『光の結晶』に戻すことに専念している!俺達は三銃士の方に集中攻撃だ!特にアルセウスの特性には気をつけるんだ!」
タイラントはサトシ達に今の状況を説明した。
「アルセウスの特性って・・・」
サトシはタイラントに質問して来た。
「アルセウスは持たせたプレートによってタイプが変わるポケモン、つまりあいつらがプレートを使わせないようにするんだ!」
タイラントはアルセウスの特性を封じるためにはプレートをまず何とかしなければならないと言った。
「分かりました!」
サトシは大きく頷いた。
「俺とサイはダークライを何とかする、アルセウスはお前達に任せた!」
ジュウゴロウはキラザとアルフィーを繰り出しながら言った。
「ああっ!」
カンテは大きく頷いた。
三銃士とのラストバトルが今始まろうとしていた。

第27幕 完

[627] 第28幕 闇から光に・・・
佳奈美 - 2008年08月09日 (土) 14時48分

「ピカチュウ、アルセウスが水タイプになっている今がチャンスだ!10万ボルト!」
サトシは早速ピカチュウに先制攻撃を命じた。
「そうはさせません!」
レクリはハッサムとカイリキーを繰り出して来た。
「あたし達の持っているポケモンがダークライとアルセウスだけだと思ったら大間違いよ!」
ソウルも同じくブーバーとギャロップを繰り出して来た。
「お前達も加勢しろ!」
アローもユキメノコとオニゴーリを繰り出して来た。
「8匹も繰り出すなんで卑怯じゃないの!」
「ポチャポチャ!」
ヒカリとポッチャマは三銃士が全てのポケモンを繰り出したことに腹を立てた。
「フン、お前達も遠慮なく全てのポケモンを出してみろ」
アローは挑発するかのように言った。
「でもあたし達のポケモンではあんた達は負けるしか方法はない」
ソウルは勝つ気満々でいた。
「だったら遠慮なく行かせて貰うぜ!」
「反則に近いがこの際しょうがない!」
「三銃士を倒さへん限りウォータティシティのバトル大会は開かれへんまでや!」
サトシとカンテとユウエイは全てのポケモンを繰り出して来た。
「トレーナーの方が気合が入っているじゃないか、アルセウス!」
アローはアルセウスに『ひのたまプレート』から『りゅうのプレート』に持ち替えた。
「さばきのつぶて!」
そしてアローはすぐにアルセウスに技を命じた。
「リーシャン、ミラーコート!」
ユウエイはリーシャンに特殊技を倍にして跳ね返すミラーコートを命じた。
「ユキメノコ、オニゴーリ、リーシャンに向けてダブルれいとうビーム!」
アローはミラーコートが繰り出されると同時にユキメノコとオニゴーリに技を命じた。
リーシャンはさばきのつぶてを跳ね返して倍のダメージをアルセウスに与えようとしたがユキメノコとオニゴーリのれいとうビームがそれを邪魔してしまい、さばきのつぶてがリーシャンとリオルとピジョットに直撃してしまった。
「リーシャン!リオル!ピジョット!」
ユウエイは慌ててリーシャン達の元に駆け寄った。
「ミラーコート対策の万全って言う事か・・・クソッ!」
カンテは悔しそうにした。
「ミラーコートは特殊技を倍にして跳ね返す技、しかしこの効力は一匹のポケモンにのみ有効、2匹目以降はこの効力は発揮できない!お前達に俺達を倒す手段はもはやないと言う事だ!」
アローは高笑いしながら言った。
「敗北してしまうあんた達に特別にダークライの真の力を見せてあげるわ!」
ソウルはニヤリとしてダークライに『ある技』を命じた。
「ダークライ!ダークパワー!」
ダークライはダークパワーを使い始めた。
そして地面からは闇の影が広がり始め、ピカチュウ達を飲み込もうとした。
「ピカピー!」
「ポチャー!」
ピカチュウとポッチャマは助けを求めた。
「ピカチュウ!」
「ポッチャマ!」
サトシとヒカリはピカチュウ達を助けようとした。
「キラザ、アルフィー、ダークライを止めるんだ!」
ジュウゴロウはすぐにキラザとアルフィーに技を命じた。
キラザはサイコカッターを繰り出し、アルフィーはりゅうのはどうを繰り出して来た。
「邪魔しないで!!」
ソウルはブーバーとギャロップにオーバーヒートを命じた。
オーバーヒートがキラザとアルフィーに直撃してしまいりゅうのはどうとサイコカッターの集中が途切れた。
「この調子で行けばあいつらはもはや戦う術はないというものです!」
レクリはサトシ達のポケモンを失わせれば勝ちは決まりだと判断した。
「さあ、ピカチュウ達、闇の世界に落ちなさい!」
ソウルは高笑いしながらピカチュウ達がダークパワーに吸い込まれるところを見続けた。
「ピカチュウ!!!」
サトシは助けたくてもダークパワーの威力の前では助けられずにいた。
その時、ダークライがダークパワーを止めた。
「どうした!ダークライ!!」
アローはダークライを呼びかけたがダークライはダークパワーを繰り出すのを止め、ピカチュウ達を解放した。
「ピカ・・・」
ピカチュウ達は唖然としていた。
そしてダークライがつけていたサーモグラフィ付き『こわもてプレート』が壊れてしまった。
「まさか!!!」
アローはこの光景を見て息を呑んだ。
「フフッ・・・フハハハ、ハーハハハハハハハ!!」
タイラントはこの光景を見て高笑いをした。
「ハジメとダズルが『闇の結晶』を『光の結晶』に戻した!ダークライが攻撃を止め、お前達のアイテムを壊れたのが何よりの証拠だ!」
タイラントはダークライを見て言った。
「まさか・・・俺達のアイテムも・・・」
アローは付けていたアイテムを見て呆然としていた。
「もはやお前達のアイテムはただのガラクタと化した!」
タイラントは三銃士のアイテムはただのガラクタになったと宣言した。
「これだったらダイジョウブね!」
ヒカリはアイテムの力、ダークライの力を失った三銃士に勝てると張り切っていった。
「そうだ!もはやダークライはお前達の言う事は聞かなくなった!」
タイラントの言うとおり、ダークライは三銃士の元から離れ、タイラントの側についていた。
「トップレンジャーめ・・・」
アローは歯を食いしばるだけで精一杯だった。
「でも・・・僕達の有利に変わりはありません!ダークライがいなくなってもアイテムの力が失われるようとも、アルセウスを倒さない限りあなたたちの勝機はありません!」
レクリはアルセウスがこっち側にいる限り望みは捨てずにいた。
「だったらこのアルセウスを倒す!それだけだ!!」
ジュウゴロウは力んで言った。

第28幕 完

[628] 第29幕 アルセウスの弱点
佳奈美 - 2008年08月10日 (日) 14時54分

「ユキメノコはお前達が何とかしろ!アルセウスは俺が何とかする」
タイラントとシェイミは三銃士の手持ちポケモンをサトシ達に押し付け、アルセウスの前に踏み出した。
「分かりました!」
サトシは大きく頷いた。
「こんなチビ一匹で何が出来る」
アローはシェイミを見下していった。
「フフ・・・シェイミを甘く見るとどうなるか今この目で分からせてやるまでだ!」
タイラントは懐から『グラシデアのはな』を取り出した。
「この花は・・・まさか!!」
アローは『グラシデアのはな』をみてはっと気がついた。
「気が付くのが遅いみたいだな、シェイミには隠された能力があるんだ!一つは通常の『ランドフォルム』そして『グラシデアのはな』を使うことによってシェイミは『スカイフォルム』に変化するポケモンだ!」
タイラントはシェイミに『グラシデアのはな』をかがせた。
そしてシェイミは『ランドフォルム』から『スカイフォルム』に変化した。
「クソ!あのチビが変化するとは!」
アローは悔しそうに怒鳴った。
「アロー、いくら変化したとは言えども所詮草タイプ、炎タイプ・氷タイプで勝てるはずよ!」
ソウルはアローに『ひのたまプレート』と『つららのプレート』を差し出した。
「タイラントさん!!」
ユヤはブニャットを繰り出して来た。
そしてブニャットはソウルに向けてとっしんを繰り出した。
「きゃあ!」
ソウルはブニャットにとっしんを直撃してしまい、プレートを落としてしまった。
「チッ!」
ソウルはすぐにプレートを拾おうとしたがヒカリのパチリスとミミロルがプレートを取った。
「あっ!プレートが!!」
ソウルはしまったと言う顔をして言った。
「ミミロルとパチリスの特性・ものひろいの効果でプレートはこっち側のものになりました!そして他に隠し持っているプレートも今サイさんが回収したところです」
ユヤがこう言うと、サイはプレートが入っている小さな袋を三銃士に見せた。
「駄目じゃないですか、こういう大切な物は森の茂みの方ではなく常に持っておかないとね」
サイはからかうように言った。
「よくやったわね、ミミロル、パチリス」
ヒカリはプレートを持っているミミロルとパチリスを褒めた。
「これじゃ・・・アルセウスの特性が発揮できない・・・」
アローは悔しそうに言った。
「もはやアルセウスはただの雑魚ポケモンと化した、特性も使えないアルセウスはただのノーマルタイプ!シェイミ全てを終わらせろ!シードフレア!!」
「キラザ、『大旋風』で加勢しろ!」
ジュウゴロウもまたキラザを繰り出し、シェイミに加勢した。
シードフレアと『大旋風』がアルセウスに直撃し、アルセウスは戦闘不能になった。
「俺達の最強ポケモンが・・・俺達のアルセウスが・・・」
アローはこれ以上言葉が続けられなかった。
「悪は滅びる運命にあると言う事を忘れるな!」
タイラントは高笑いしながら言った。
「ミー」
シェイミは『スカイフォルム』から『ランドフォルム』に戻り、タイラントの肩の上に載った。
「まだ・・・まだ俺達はやるべきことがある・・・俺は認めない・・・認めないからな、敗北はーー」
アローが立ち上がりそして懐からダイナマイトを取り出した。
「ダ・・・ダイナマイト!!」
サトシ達はダイナマイトを見て驚いた。
「これでお前達を倒す!そしてダークライを再び『もののけプレート』にサーモグラフィを埋め込ませたアイテムを持たせ再び『光の結晶』を『闇の結晶』と化してアイテムの力を再び蘇らせる、その時は・・・その時はぁぁぁーー!!!」
アローがこう言うとタイラントは冷たくこう言い放った。
「この脅しが俺に通用するとでも思っているのか?」
タイラントのこの言葉にアローは目を見開いた。
ファンファンファンファン・・・
遠くの方からパトカーの音が聞こえてきた。
「ポケモンレンジャーと警察は常に一緒だ、つまり俺が森に入る前に俺が警察に連絡したまでだ!」
タイラントはあらかじめ警察に報告していたのだ。
「そ・・・そんな・・・」
アローはダイナマイトを落とし、そして膝を付いた。
「僕達の・・・負けですね」
レクリは逃げられないと判断したため、木にもたれて敗北宣言をした。
「あたし達のポケモンも戦えなくなってしまった・・・終わったわ・・・あたし達の人生・・・」
ソウルも戦闘不能になったブーバーとギャロップを見て呟いた。
「お前達が今までしてきたことを刑務所の中で知ることだな、長い時間をかけて」
タイラントは敗北でひざまずいている三銃士を見て冷たく言った。

第29幕 完

[629] 第30幕 終結
佳奈美 - 2008年08月10日 (日) 15時20分

パトカーが止まり、そして三銃士は御用となった。
アルセウスは自由になり、自分の住処に帰って行った。
「ご協力、感謝します」
ジュンサーはタイラントとハジメとダズルに敬礼した。
「ジュンサーさん・・・」
ユヤがジュンサーの前に現れ何か言いたそうにしていた。
「話は全てタイラントさんから聞いています」
ジュンサーがこう言うとユヤは強く頷きそして両手首を突き出した。
ユヤはいくら騙されていたとは言えどもロケット団の悪事に手を染めてしまったので償いをしようと固く決心していた。
「逮捕も刑務所の中での償いもあなたには必要ありません!」
ジュンサーはユヤに向かってきっぱりといった。
「えっ・・・」
ユヤは顔を上げてジュンサーを見上げた。
「あなたは充分に罪の償いをしました、これから未来に進んで頑張って」
ジュンサーはユヤに過去を捨て未来を進めといった。
「は・・・はい!ありがとうございます!!」
ユヤは深々とお辞儀をした。
「ジュンサーさん、自分はあなたの優しさにますます惚れました、是非自分の心を逮捕してください!」
タケシはまたいつものわけの分からない言葉でジュンサーをナンパした。
バス!!!
そしてお約束のグレッグルのどくづきを食らってしまった。
「しびれびれ〜」
ズルズル・・・
グレッグルがタケシをどこかに連れて行くのを見てサトシ達は唖然としていた。
「ところでハジメさん、ダズルさん、タイラントさん、『光の結晶』はどうやってアルミア地方に持って帰るんですか?」
ヒカリはハジメ達に質問した。
「サイさんがヘリを貸してくれるって言うからヘリにつんで持って帰ろうと思うんだ」
ダズルは『光の結晶』をサイのヘリに積んでアルミアに持って帰るといった。
「お前達とはここでお別れだな、次会う時はレンジャーのやることに首を突っ込まないことだ」
タイラントはこう言うとヘリの方に向かった。
「ごめん、タイラントさんはいつもああなんだけと心は優しい人だから、きっとサトシ君達を危険な目にあわせたくない一心でこういうぶっきらぼうに言っているんだ」
ハジメはタイラントの荒い言葉遣いを気にしないでくれと言った。
「いいですよ、俺達気にしていませんから」
サトシは気にするなと言った。
「ハジメ、早く行かないとタイラントさんにおいて行かれるぞ」
ダズルはハジメを呼びかけた。
「ああっ、すぐ行く」
ハジメはダズルの後を追いかけた。
「じゃあな、サトシ君、皆」
ハジメとダズルは挨拶を交わすとすぐにタイラントのいるヘリに向かった。
「三銃士の戦い、終わりましたね」
サイはジュウゴロウに言った。
「ああっ・・・」
ジュウゴロウは頷いた。
「ところでサイ、何でここに来たんだ」
ジュウゴロウは改めてサイに質問した。
「ウォーティシティのバトル大会に出るんですよ」
サイがウォーティシティに来た本当の理由はバトル大会に出るためだったのだ。
シンジはこのまままっすぐ次の町に行こうとしたがサイのこの言葉を聞いて引き返すことにした。
「シンジ?」
カンテはシンジを呼びかけた。
「気が変わった・・・ウォーティシティのバトル大会、俺も出る」
シンジはこの一言を残すとウォーティシティに引き返した。
「あの時の約束を果たすためにですね・・・」
サイはシンジがあの時の約束を忘れていないことが嬉しかったため、嬉しそうな表情をした。
「俺達もウォーティシティに戻るか、今なら三銃士に敗れたトレーナー達も皆意識を取り戻しているはずだ」
サトシのこの言葉に皆は大きく頷き、そしてウォーティシティに引き返した。

第30幕 完
※三銃士編 完結

[630] 元大魔神対スター、勝負前
★ディオ★ - 2008年08月10日 (日) 20時25分

あの後、トレーナーの意識も、使用していたポケモンも無事に戻り、この事件は解決された。
俺とサイはウォーシティの別の場所へと向かっていた。ちょうそこにはミクリがいた。

「ジュウゴロウ君、どうやら三銃士に勝ったみたいだね」
「まぁな」
「・・・あら、あなた達も来てたのね」

突然声がしたと思いきや、1人懐かしいトレーナーがミクリの横にいた。それは・・・

「シロナ!」

なんと、かつて俺との死闘を繰り広げたチャンピオン、シロナがいたのだ。

「珍しいですね、もしかして大会の参加にですか?」
「フフッ、そのつもりなの」
「それにどうやら、もうひとりスペシャルゲストが着てるみたいだね」
「あ、久しぶりです。ミクリさん」

ミクリはサイの存在に気づき、懐かしいそうに言った。

「それにしても、スター同士の対面とは奇遇だな」
「ええ、さきほど話し合ってたの」
「・・・そうだ、どうせならやってみてもいいんじゃないですかな?元大魔神対スターとの対決!」
「良いわねそれ」

サイの提案にシロナは同意。その後にミクリも同意した。

「スター同士が相手か・・・奇跡的な機会だ。存分に腕を振るわせてもらうぞ」

俺はすでにボールを取り出していた。


「勝負はフルチームで3分のバトル。時間切れのときは数で判定を決める」

ルールは時間3分のフル使用バトル。全滅または判定によって勝利が決まるこの勝負は、倒されないという集中力を用いた真剣勝負である。

「出会え、サイドン!」
「ガンガンカッ飛ばし、ピカチュウ!」

「天に舞え、ガブリアス!」
「ゆけ、ギャラドス!」

4体のポケモンが出揃った。

「さぁ、行くぞ!!」

4体は構えに出た。

[632] 第32幕 休憩
佳奈美 - 2008年08月10日 (日) 20時55分

同時刻・・・
サトシ達がポケモンセンターに戻ると、ジョーイからバトル大会は三銃士のせいでごたごたになり、延長という形になったと聞いた。
サトシ達は仕方ないといい、応じることにした。
「それにしても腹減らへんか?俺ら昨日の晩から何も食ってへんし」
ユウエイはお腹を押さえながら言った。
サトシ達は三銃士とのバトルとかで昨日の晩から何も食べていないことを思い出した。
「じゃあ、遅い夕食でも取るか」
タケシの提案にサトシ達は賛成した。

ポケモンセンターの食堂で遅い夕食を取っているサトシ、タケシ、ヒカリ、ユウエイ、カンテ、ユヤは今までの旅のことを話しまくった。
「僕は2年間、間違ったことをし続けたげとこれからは心を入れ替えてジムめぐりを再開します!そしてシンオウリーグに出場します」
ユヤは大きな目標を持って言った。
「シンオウリーグか、実は俺も目指しているんや」
ユウエイも自分もリーグを目指しているといった。
「俺だけやない、サトシやカンテ、それにシンジもシンオウリーグを目指してバッジを集めているんや」
ユウエイは脅すように言った。
「たしかにサトシ君もカンテさんもユウエイさんも強い、でも僕は挫けずにやろうと思います!」
ユヤはひるむことなくきっぱりと宣言した。
「そうか、頑張れよ」
ユウエイはユヤの勇気が気に入り、応援することにした。
「あっ、そういえばユヤさんはヒカリのご近所といっていたな」
サトシは何かを思い出したようにユヤに尋ねた。
「ええっ、ヒカリちゃんが幼稚園を卒園するまで僕、ずっとフタバタウンにいたんだ、それがどうしたの?」
ユヤは首を傾げていった。
「いや・・・なんでヒカリの幼馴染のケンゴやユモミはヒカリのことを『ピカリ』なんていうのかなって・・・ユヤさんなら何か知っているんじゃないかって思ってさ」
サトシはどうしてもヒカリのあだ名の由来が知りたかった。
「ああっ、あれですか、あれは流石にヒカリちゃんのお母さんも呆れるほどだし、近所中も暫くこの話で持ちきりでしたよ、何しろ・・・」
「これ以上言っちゃだめぇぇぇーーー!!!」
ユヤがヒカリのあだ名の由来をサトシ達に暴こうとしている時、ヒカリは慌ててユヤの口にサンドイッチを詰め込んだ。
「うぐ・・・うぐ・・・」
ユヤはもがき始めた。
「だ・・・大丈夫か!」
カンテはユヤにすぐにオレンジジュースを渡した。
「んぐんぐ・・・」
ユヤはサンドイッチを平らげるとすぐにオレンジジュースを飲み干した。
「本当にこの由来は知られたくないみたいですね・・・」
ユヤは息を荒げながら言った。
「当たり前です!」
ヒカリは喧嘩腰で突っかかるように言った。
「女って言うのは秘密があればあるほど美しくなれるもんや、それに人間って言うものは誰にも知られとうない秘密を一つぐらい持っている物や」
ユウエイは頷きながら言った。
「ユウエイさん、夕飯が済んだらバトルの特訓に付き合ってください」
サトシは残りのサンドイッチを平らげるとユウエイに特訓に付き合ってくれと頼み込んだ。
「ええで」
ユウエイはすぐに承知した。

第32幕 完

[633] 第33幕 見学
佳奈美 - 2008年08月11日 (月) 21時49分

朝食を済ませたサトシとユウエイとカンテはすぐに外に出てバトルに特訓にふさわしい場所を探し始めた。
「どこにしようかな・・・」
カンテは回りをきょろきょろしながら言った。
「サトシ、カンテさん、ユウエイさん」
サトシ達の後についてきたヒカリ、タケシ、ユヤもサトシ達と合流した。
「あれ?ユヤの服なかなか似合っているじゃないか」
カンテはロケット団幹部の服を着ていたユヤの服が変わっていることに気がついた。
ユヤの服は白い半袖シャツで裾はクリーム色に色づけられ、十字架の模様をモチーフとした袖の模様は青く書かれており、そして男性用のホットパンツと流行のスニーカーを穿いていた。
「元々可愛いから何を着ても似合うな」
ユウエイはからかうように言った。
「ありがとうございます・・・」
ユヤは恥ずかしそうにお礼を言った。
「おっ、あそこにダックバトルやっているぞ」
サトシはちょっと離れたところにダックバトルをしているトレーナーを目撃した。
「行ってみようか?」
カンテの言葉にサトシ達は即座に賛成し、現場に向かった。

サトシ達が現場に付くと、ダックバトルをやっていたのはジュウゴロウとサイ、そしてシロナとミクリだった。
「ミクリ様!」
ヒカリはミクリを見て驚いていた。
「ミクリ?ああっ、あのコンテストマスターか」
カンテは暫く考えてからやっとミクリのことを思い出して言った。
「シロナさんも再びここに来ているって言う事は・・・」
サトシは息を呑みながら言った。
「ああっ、間違いないで、ウォーティシティのバトル大会は前のバトル大会と比べようがないほどごっつう凄いものになるっちゅう訳や!」
ユウエイはチャンピオンリーグマスターとコンテストマスターがここにきていると言う事はバトル大会の特別ゲストとして呼ばれたと判断した。
「頑張って、ミクリ様!」
「ポチャポチャ!」
ヒカリとポッチャマはミクリを応援していた。
「シロナさぁん、自分がついていまーす!」
タケシは目をハートマークにしながら精一杯シロナを応援した。
「ジュウゴロウさんもサイさんも頑張れ!」
「ピーカ!」
サトシはシロナとミクリの応援はもちろん、ジュウゴロウとサイの応援も忘れずにした。
「ジュウゴロウはサイドン、サイはピカチュウ、シロナさんはガブリアス、ミクリさんはギャラドス、目が離せないバトルになりそうだな」
カンテはこのバトルは目を離さずに見ようと決心して言った。

第33幕 完

[634] 第34幕、高度なテクニック
★ディオ★ - 2008年08月12日 (火) 10時38分

現在俺のサイドンはミクリのギャラドスに、サイのピカチュウはガブリアスに交戦中だった。
そもそもピカチュウはギャラドスを楽に倒せるのだからやればいいのにと思っている人もいるはずだが、それは無理だ。
サイドンには『ひらいしん』がある。これは味方の電気にも影響してしまうのだ。よって、ピカチュウの電気技は全て封じられているのだ。そこで、サイのピカチュウには肉弾で戦ってもらうことになる。
不利だと思ったら大間違いだ。サイは会員の1人、ピカチュウの眼からにしても、よほど鍛えられてるのが分かる。そして何より・・・

「ピカチュウ、地球投げ!」

背後に回ると背中の鰭を掴み、180度回転して投げ飛ばした。
サイのピカチュウは力持ちなのだ。俺達ははすべてのポケモンを使いこなせれることが大魔神の鉄則である。それは理解ができているという証拠にもなるのだ。

「ギャラドス、ハイドロポンプ!!」

ミクリのギャラドスはサイドン相手に容赦無しだった。ギャラドスは口から水圧を放出する。

「サイドン、メガホーン!」

サイドンは角を高速回転させ、ハイドロポンフへと突撃した。なんとも無茶しがちな行動である。
サイドンは角からハイドロポンプの水へ飛び込んだ。サイドンの一番の弱点は特殊防御の低さだ。バブルこうせん一発でも倒れるので、並では使いにくい。しかし・・・

「!」
「荒波こど突き破れ!!」

なんとサイドンはハイドロポンプを伝っている。そう、さっきの行動の理由は流線型になって水の抵抗力を低くしたことである。これで水のダメージはほとんど受けないのだ。
無防備状態だったギャラドスはダーツの的みたいにサイドンのメガホーンを食らう。

「上手い!サイドンを完璧に使いこなしてるぞ!」
「こんな使い道があるとは・・・」

サトシとカンテは先ほどのプレイングに驚いた。

「・・・引け、サイドン!」

ここで俺はサイドンを戻した。

「サイ、今だ!」
「よし、ピカチュウ!10まんボルト!!」

サイドンがボールに戻ったことで『ひらいしん』の効果が消えた。これで電気技が使えるようになったピカチュウに最後は得意の10万ボルトをキャラドスにぶちかまそうとした。

「させないわ!ガブリアス!」

なんとそこへガブリアスがギャラドスを庇った。地面タイプでもあるガブリアスは電気をモロに食らい、仲間の危機を阻止した。

「あー、惜しい!」
「仲間を助け合わせること、それがタッグバトルよ。まだまだこれからよ!」

時間など俺達の頭には無かった。時間よりも仲間の体力がこのバトルで大事にしなければならないのだ。

「出会え!アルフィー!!」

今度はアルフィーを出す。時間がもし無いのなら、耐久力の強いポケモンで勝負を仕掛けるのだ。

[635] 第35幕 ジュウゴロウとサイのコンビネーション
佳奈美 - 2008年08月12日 (火) 17時00分

「うわあ、凄く綺麗ですね」
ユヤはアルフィーの美しさに釘付けになっていた。
「ミロカロスは防御の高いポケモンだが特性を使いこなせればほぼ一撃で倒すことが難しいポケモンや、ジュウゴロウは自分のミロカロスをどうやって使うかが勝負の決め手やな」
ユウエイはアルフィーを真剣な眼差しで見て言った。
「そういえばユウエイさんもミロカロスを持っていましたね、水ポケモンの中でトレーナーやコーディネーターに人気なのはミロカロスみたいだけど・・・ただ美しいだけでなく防御やとくこうにも優れているなんで・・・ミロカロスって凄いポケモンだったんですね」
ユヤはユウエイに向かって言った。
「ああっ、悪いが少し黙っていてくれへんか、今ええところや」
ユウエイはユヤに注意すると視線をバトルに移った。

「アルフィー!ギャラドスにれいとうビーム!」
アルフィーはれいとうビームをガブリアスに目掛けて撃ってきた。
れいとうビームがギャラドスの鰭に直撃し、ギャラドスは飛行能力を封じられた。
「しまった!」
ミクリは慌ててギャラドスに体勢を立て直そうとしたが、ジュウゴロウはそれを見逃さずアルフィーにりゅうのはどうを命じた。
「ギャラドス、まもる!」
ギャラドスはまもるで間一髪アルフィーのりゅうのはどうをかわしきった。
「安心するのはまだ早いですよ!ピカチュウ、動けないギャラドスに10万ボルト!」
サイはターゲットをガブリアスからギャラドスに切り替え、ピカチュウに攻撃を支持した。
ピカチュウは10万ボルトを繰り出そうとしたがさっきと同じくガブリアスがギャラドスを庇おうとした。
「そうはさせねえぜ!」
ジュウゴロウはすぐにアルフィーにれいとうビームを命じた。
れいとうビームがガブリアスに直撃し、ガブリアスの腕と翼と足を氷付けにしてしまった。
「あっ!!」
シロナは油断したと悔しそうな表情を浮かべていた。
そしてピカチュウの10万ボルトがギャラドスに直撃し、ギャラドスは戦闘不能になった。
「この勝負俺達の勝ちだな」
ジュウゴロウは笑いながら言った。

「すげえ・・・」
サトシは呆然と立ちすくんでいた。
「さっきの同じ戦術をわざと繰り出し、それを狙ってガブリアスをれいとうビームで動きを封じこめてギャラドスにとどめを刺した・・・あいつらのコンビネーション、チャンピオンやコンテストマスターも上回るほどだ」
カンテはジュウゴロウとサイのコンビネーションを認めて言った。
「ますます強くなって行っているじゃないかジュウゴロウさんにサイさん」
サトシは興奮しながら言った。
「あーはいはい・・・お前はさっきの2人のバトルを見てすっかり2人の強さに惚れてしもうたんやな」
ユウエイはサトシを見て呆れていた。
「当たり前じゃないか、ユウエイさんもカンテさんも戦いたいげとジュウゴロウさんとサイさんとも戦ってみたいぜ」
「ピカピカ!」
サトシは子供みたいにはしゃぎながら言った。

第35幕 完

[636] 第36幕 ユヤのバトル
佳奈美 - 2008年08月13日 (水) 21時12分

ジュウゴロウとサイ、シロナとミクリのバトルが終わった。
「凄いバトルでしたね」
ユヤは少し興奮しながらジュウゴロウ達に言った。
「ありがとう」
シロナは軽く微笑みながら礼を言った。
「ユヤと言ったな、お前はバトル経験はどれぐらいだ?」
ジュウゴロウはユヤにバトル経験を教えろといってきた。
「は・・・はい、ロケット団のときをのぞいては3年です」
ユヤは気まずそうに言った。
「僕・・・トレーナーとして旅に出たのが13歳でしたから・・・16歳でロケット団に入ってしまって・・・その間にバトルはしっかり覚えました」
ユヤは自分の事情をあらかた話した。
「そうや、お前、俺とバトルせーへんか、丁度こいつもそろそろ時が満ちたときやし」
ユウエイは一つのモンスターボールを構えて言った。
「時が満ちたって・・・何が?」
サトシはカンテに尋ねた。
「俺に聞かれても・・・あいつ、時々変になるときがあるからな」
カンテは呆れながら言った。
「よろしくお願いします」
ユヤはユウエイの挑戦を受けることにした。

「リオル、出番や!」
ユウエイはリオルを繰り出して来た。
「行ってください!ハピナス!!」
ユヤはハピナスを繰り出して来た。
「リオル、はっけい!」
リオルは自身の素早さを生かしてはっけいを繰り出して来た。
「ハピナス、しんぴのまもり!」
ハピナスは暫く状態異常にならないしんぴのまもりを繰り出したがはっけいが直撃してしまった。
「ハピナスはノーマルタイプ、格闘タイプのリオルとは相性が圧倒的に不利だ!」
サトシはこのバトルはユヤの方が不利だといった。
「それ以前に奴のバトル戦術は全然なっていない、もしハピナスに物理技を使わせればはっけいと互角に打てたはずだ」
ジュウゴロウはユヤのバトル戦術は初心者丸出しといった。
「リオル、きあいパンチ!」
ユウエイは容赦なくリオルに技の指示を出した。
「ハピナス、たまごうみ!」
ハピナスはたまごうみの効果でさっき受けたダメージを回復したが代わりにきあいパンチを受けてしまいはっけいよりも大ダメージを負った。
「ハピナス、もう一度たまごうみ!」
ハピナスはもう一度たまごうみで体力を回復した。
「なんや!さっきから回復技や特殊技ばかり!!お前、やる気あんのか!」
ユウエイはさっきから特殊技や回復技ばかりしか使ってこないユヤに腹を立てた。
「ごめんなさい!だって・・・ポケモンを傷つけたくないんです・・・それで・・・」
ユヤはポケモンを傷つけたくないと言いはじめた。
「お前、よう凄腕トレーナーと呼ばれていたな?」
ユウエイは呆れながら言った。
「リーグ戦や、ジム戦のバトルは真剣にやるんですげと・・・普通のバトルや特訓はポケモン達を疲れさせたりするだけなんです・・・僕は・・・この子達を無益な戦いはさせたくないんです・・・」
ユヤはハピナスを抱きしめながら言った。
「あのな、ユヤ、特訓やジム戦やリーグに備えた普通のバトルは無益のバトルと違うんや、特訓や普通のバトルはポケモン達の絆を深めたり、ポケモン達の能力を無理なく上げたりするとっても立派な行為なんや、無益な戦いは、三銃士がやっていたことを指すんや」
ユウエイは無益なバトルと正式なバトルの理由をユヤに話した。
「そうなんですか・・・」
ユヤはユウエイの瞳を見て言った。
「ユウエイの言うとおりだ!悪い人や間違った道に進んだ人間がバトルをし続けているのは無益なバトルに過ぎやしないんだ、こんな奴にまともなバトルや、ポケモンに充分な愛情を注ぎ込まれるわけがない!」
カンテは無益なバトルをするのは悪いことをするトレーナーと間違った道に進んでしまったトレーナーだけだと言った。
「・・・・・・はい、僕の戦いやユウエイさん達のは無益なバトルじゃない、それをよく分かりました」
ユヤはようやく分かり、バトル体制に戻った。
「ここからが僕達の本当のバトルです!ユウエイさん!」
ユヤはキッとユウエイを睨みつけた。
「ああっ、行くまでや!!リオル、でんこうせっかからきあいパンチ!」
リオルはでんこうせっかでハピナスを撹乱させそしてきあいパンチを繰り出して来た。
「ハピナス、こっちもきあいパンチ!!」
ハピナスとリオルのきあいパンチが互角にぶつかり合った。
「なかなかええ技を持っているやないか!」
ユウエイはハピナスの強さを見直した。
「とてもジムやリーグ以外では鍛えたとは思えないな、ロケット団に入った影響なのか?」
カンテはハピナスに凄さはこれだけじゃないと判断しながら呟いた。
「恐らく、これがユヤさんの本当の強さとバトル戦術じゃないかしら」
ヒカリはユヤのバトル戦術は本当はこれだと判断して言った。

第36幕 完

[637] 第37幕、進化するリオル
★ディオ★ - 2008年08月14日 (木) 18時08分

「いい勝負だった。次は大会できっと・・・」
「勿論」

試合を終え、握手する俺とミクリの前にふと、ユウエイとユヤのバトルが行われていた。

「そういえば彼女、結構能力があると聞いたな。まぁ俺ほどではなかったが、団員ではトップクラスだとか・・・」
「戦ったんですか?」
「ああ・・・というより、ほんの一部は俺が教え込んじゃってな」

俺は恥ずかしそうに顔を赤くした。

「教えた・・・って、まさかあの人みたいに!?」
「そうでもねぇ、ただ俺のバトルを見て思ってたんだと思う」

俺はリオルとハピナスの戦いを見続ける。

「・・・あのリオル、かなり懐いてるな」

その時、俺はふと思い浮かべた。ポケッチの時計を見る。

(・・・サイ、どうやらこのバトルはもっといい展開になるぞ)
(え?それってどういう・・・・・・あ、なるほど)

俺が時計を見せると、サイもそれに気づいて笑う。



「ずけぇ、ユウエイさんとほとんど五分五分だ」
「動きの乱れがどちらにも無い。あのトレーナーはかなり実力がありそうだ」
「こりゃいい展開かもしれねーな・・・」
「いや、これからが見ものだぞ」

バトルを見ていたサトシ、ヒカリ、タケシ、カンテの前に俺達が入り込む。

「それってどういうことですか?」
「あっ、そういえばユウエイさんは『時が満ちた』って言ってたけど・・・」
「やはりな、俺には理由が分かる」

みんなは驚いた。

「そろそろ時間だ・・・10・・・9・・・8・・・」

俺は時計を見てカウントを始めた。

「3・・・2・・・1・・・」

時刻は午前4時になる。と、次の瞬間、ユウエイのリオルに異変が置き始めた。

「リオルが進化し始めてるぞ!」
「・・・・・・」
「・・・ルカリオ」

ユウエイは応えた。古い自分の姿を脱ぎ捨てた今は、ルカリオへと進化したのであった。
手には青白い炎、波動を発している。

「ルカリオへの進化条件は、懐き度最大で午前4時から午後7時59分までにレベルを上げることだ」
「ユウエイさん、このために・・・」

サトシ達は今になって納得した。
ルカリオは鋭い目をして構える。

「ルカリオ、はっけいや!」
「グゥゥッ!!」

ルカリオは両手を前に突き出した瞬間、強烈な威力と広範囲でハピナスに大ダメージを与えた。
それを見ていたサトシ達は「え!?」とした顔で驚く。

「あんなに距離があったのに・・・」
「はっけいが当たった・・・?」
「ルカリオのはっけいは波動も利用している。だから遠くても当たりやすい」

俺は今さっきの出来事を説明した。

「ハピナス、タマゴうみで一旦回復してから、きあいパンチ!」

まずは回復に専念するユヤ。ハピナスは回復し終えると、真っ先にきあいパンチを繰り出す。

「あのルカリオ、避けようとしないぞ?」
「ユウエイさん!指示しなきゃ!」
「駄目だ、聞こえて無いぞ!」

もめているうちにルカリオはきあいパンチを食らう寸前まで来た。
すると・・・

「・・・カウンターや」
「!」

ルカリオはハピナスのパンチを左で瞬時に止めたかと思うと。右でハピナスにパンチをかました。

「フッ、せざるを得なかったことか。威力のある技を倍にして返せば、流石にハピナスは・・・」

俺の言うとおり、ハピナスは威力に耐えれずに倒れた。

「あ・・・」
「ふぅ・・・」

2人は息を吐いた。

「ユヤさんもすごかったけど、ユウエイさんもすごかったですね・・・」

ヒカリが口にした後にサトシ達も頷く。

[638] 第38幕 ルカリオとの絆
佳奈美 - 2008年08月14日 (木) 19時56分

「よく頑張ったね、ハピナス」
ユヤは微笑みながらハピナスを褒めた。
「ルカリオ、いつ見てもかっこいいな〜」
サトシは進化したばかりのルカリオを見て言った。
「ルカリオ、ユウエイさんにすっごくなついているね」
ヒカリはポケッチの『懐きチェッカー』を使っていた。
「どれどれ・・・」
サトシはヒカリのポケッチを覗き込むと、ユウエイのルカリオはサトシのピカチュウの仲とほぼ同じぐらいに懐いていた。
「すげえな」
「ピカチュウ」
サトシとピカチュウはルカリオとユウエイの絆の深さを改めて尊敬した。
「大会が楽しみになってきたで、頑張ろうな、ルカリオ」
ユウエイはルカリオに期待して言った。
ルカリオは頷いた。
「ルカリオに進化させるために僕のハピナスと戦わせたんですね」
ユヤはハピナスを連れてユウエイに話しかけた。
「ああっ、リオルは俺の初めてのポケモンや、10年間、進化させずに技を磨きかけ、波動を強くさせ、そして友情や信頼、絆を深めていったんや、でも、これだけ充分に鍛えたんや、そろそろ進化させてもええころやなと思うて、今日進化をさせることにしたんや」
ユウエイはルカリオを見つめながら言った。
「10年間進化させずに鍛えて、そして信頼と絆を深めてく、とても普通のトレーナーじゃ真似できないことだな」
タケシはユウエイの育て方を感心していた。
「熟成させて育てたルカリオ、バトル大会が楽しみになってきたな」
カンテはもう一度ユウエイのポケモン・・・特にルカリオと・・・もう一度戦いたいと思っていた。
「今日はリオルがルカリオに進化した祝いだ、何か甘い物でも食べに行かないか?」
サトシはユウエイ達を誘った。
「賛成!あたし、アイスクリームが食べたい」
ヒカリははしゃぎながら言った。
「おっ、ええな」
ユウエイはサトシの提案に乗った。
「あの・・・僕も一緒にいいですか?」
ユヤは恥ずかしそうにたずねた。
「ええに決まっているやないか」
ユウエイはユヤも誘った。
「ありがとうございます」
サトシ達は店に向かい始めた。

「ユウエイ君、ますます強くなっているわね」
シロナはサトシ達が去った後、呟いた。
「そういえば、アルミア地方ではチャンピオンリーグマスターがまだ決まっていないみたいよ、きっと次の候補では彼を推薦するんじゃないかしら?」
シロナはふと何かを思い出したかのように言った。
アルミアでは前代チャンピオンが引退したため今ではチャンピオンはいない状態でポケモン協会はアルミアのチャンピオン候補トレーナーを探しているところだった。
「確かに彼は強いトレーナーですね、会長さんも僕も一度は戦った事はありますげと・・・」
サイは前のバトル大会に自分とジュウゴロウがユウエイと戦っていることを思い出しながら言った。
「あの時は改造リザードンを使って俺の不正勝利をしてしまった・・・だか今度こそ正々堂々とあいつと戦って見せるまでだ!」
ジュウゴロウは今回のバトル大会では自分のポケモンでユウエイに正々堂々の勝負を挑む気でいた。
「僕だって彼とはもう一度戦いたいものです」
サイもまた、シンジの次にユウエイと戦いたいと宣言した。

第38幕 完

[641] 第39幕 新たなる敵
佳奈美 - 2008年08月16日 (土) 08時51分

「それにしても・・・ウォーティシティの市民ってよほどせっかちな人達ばかりだよな」
アイスクリーム店でアイスクリームを買い終わったサトシ達はカンテのこの言葉に耳を疑った。
「どう言う事ですか?」
サトシは質問をしてきた。
「普通午前4時半に店なんか開くわけないだろ?せいぜい開くとしたらポケモンセンターかフレンドリーショップぐらいだろ」
カンテはポケモンセンターやフレンドリーショップ以外の店も午前4時半過ぎに開店していることに少し戸惑っていた。
「いつもはどの店も午前9時過ぎに開店だがバトル大会目前の時は参加者達のために早く店を開ける事があるってジョーイさんが言っていたな」
タケシはこの町に来てすぐ、町の特徴を全てジョーイに聞いたのだ。
「ウォーティシティの人達はせっかちな人達じゃなくってトレーナー達に頑張って欲しいという思いを持って頑張って早起きをして店を開いているんですね」
ユヤは市民達の親切心に胸を打たれていた。
「そういえば、本当は今日の午前10時からでしょう、バトル大会?」
ヒカリはアイスクリームを食べながらサトシに言った。
「ああっ、でも三銃士のせいでバトル大会は延長だってさ、落ち着き次第始めるって言ってた」
サトシはアイスのコーンを平らげるとヒカリの質問に答えた。
「だったらコンテストバトルの特訓に付き合ってくれない?」
ヒカリはカンナギタウンのコンテストに備えて特訓に付き合えといってきた。
「いいぜ」
サトシはすぐに承知した。

午前7時・・・
ウォーティシティのホテルでは一人の男がパソコンを弄っていた。
パソコンの画像は前のバトル大会のことを全て書き記されていたサイトだった。
「今回のバトル大会優勝候補者はカンナギタウンのユウエイ、ノモセシティのカンテか・・・期待トレーナーはマサラタウンのサトシにトバリシティのシンジ・・・どいつも強そうなポケモン持っているな」
男はニヤニヤしながら言った。
「大会の前に期待トレーナーのサトシとシンジでも潰しておくか」
男は大会前にサトシとシンジを大会に出られない体にしてやろうと決心し、部屋を後にした。
「レンさん」
男が部屋を出ると男の名を呼ぶトレーナーが姿を現した。
「どうした?ガンマ!」
レンと名乗る男はガンマと名乗る男に話しかけた。
「レンさんのポケモン達のケア、終わりました」
ガンマはレンに6つのモンスターボールを渡した。
「ご苦労」
レンはそれを受け取った。
「ガンマ、お前は別行動をとれ、俺は期待トレーナーを潰す!まずこいつらを潰しておけば後が楽になるからな」
レンは高笑いしながらホテルを後にした。
「相変わらずですね」
ガンマは呆れながらレンを見送った。

第39幕 完

[642] 第40幕、推理
★ディオ★ - 2008年08月16日 (土) 13時16分

ドンッ、ドンッ、ドンッ

広場で和太鼓を叩くトレーナーがいた。・・・というより、俺である。
俺のキラザとサイのハッサムを相手に、太鼓の音を聞きつつも、躍り出るかのように戦っていた。これは俺がコンテストで編み出した新しい戦い方である。
太鼓の音を頼りに蝶のように舞い、敵を蜂のように刺すのである。
なぜこんな事をしているのか・・・たとえば、叩く回数でフォーメーションを作ったり、攻撃をしたりと、予測できないようにするためにこれを行っているのだ。

「よし、そこまで!」

ドドンッと叩くと、キラザは一息ついた。

『なぁ・・・コンテストでも非常に恥ずかしい感じするんだけど、いいのか?』
「コンテストで人気になれたのも、この戦法のお陰だ。もっと強くならなきゃいかんし」
「それにしても会長さんらしい戦い方ですね。僕は賛成ですよ」
『でもよぉ・・・』

キラザは揉めていた。その時、

「いやー、実に見事な腕前だよ」
「? 誰?」

突然拍手しながらも怪しそうな男が現れた。

「大会の参加者みたいですね」
「まさしくその通りだ。それと君たちの話も聞いてるよ、この前の大会に出たとか・・・」
「・・・!」
「すごい!当たってますよ!」

サイは男の鋭さに驚いた。

「・・・それは兎も角、この大会でサトシとシンジっていうトレーナーが出るらしいが・・・今何処にいるか心当たりは無いか?」
「あの2人にですか?確か・・・」

サイは考え込もうとした次の瞬間、

「サイ、少し引っ込んでくれんか?」
「え?どうして・・・」
(ギロリッ)

「うっ・・・分かりました」
「・・・言わせてもらいたいが、なぜ俺達のことを知ってたんだ?」
「サイトで君達が参加していた大会を見てだ。サトシ達の他の名も知っている」
「・・・そのトレーナー達に合って、何かしたいのか?」
「!」
「え?ちょっと、会長さん・・・」

サイは訳が分からなかった。

「あなたがここに来るとしたら、何か目的があるはず。優勝よりも大切な・・・サトシ達とあってする目的が・・・」
「会長さん、そこまでは・・・」

すると、男は急に笑い出した。

「これまた良い芝居を見せてくれるね。特にそこのガキ・・・なかなか鋭いな。そう、俺はある目的を果たすために来た」
「あなたの顔を見れば、それくらい分かります」

俺はずっと彼を睨み続けた。

「まさか・・・じゃあ彼の目的とはいったい・・・?」
「隠すのも限界か。秘密を聞かされたら生かしてはおけんからな!!!」

男は右の拳を俺達に殴りかかろうとした。


ガシッ


「!」
『往生際が悪いぞ』

キラザが男の拳を受け止め、背後にはハッサムが確保しようとしていた。

「今の暴力で思い出したぞ。血の毛の多いバウンティーハンターさんよ」

バウンティーハンター・・・日本語で訳せば賞金稼ぎという意味になる。つまりこいつは悪者だ。

「その通りだ。俺は賞金稼ぎのレン、悪いが消えうせてもらおう!!」
「!」

俺とサイは空から何かを感じるとすぐにレンから離れる。
次の瞬間に爆発が発生した。ギリギリに避けれたが、レンはいつの間にか上に浮遊している。ミュウツーがサイコキネシスで浮かしているのだ。

「・・・ミュウツーだと・・・!!」
「いつかまた会おう!」

ミュウツーはレンを連れてテレポートで消え去った。

「・・・サイ」
「ええ・・・大変なことになりますね」

俺は空を見上げた。

[643] 第41幕 レン対シンジ
佳奈美 - 2008年08月16日 (土) 16時35分

ジュウゴロウとサイと別れたレンはサトシとシンジを潰すためウォーティシティを歩き続けていた。
(期待トレーナーを大会前に潰し説けば優勝候補であるユウエイとカンテは赤子をひねるも同然だ、弱いものから先に潰す、それが俺のやり方でもあるものだ)
レンは心の中でそう思い続けた。
そしてレンから少し離れているところにシンジを発見した。
「カモ見つけたぜ」
レンは笑いながらシンジの元に向かった。

「大会は明後日か・・・特訓のいい期間になるな」
シンジは今日明日中にポケモン達をもっと鍛え上げようと思いながら言った。
「よう、お前か?トバリシティのシンジって言う奴は」
レンはすぐにシンジに話をかけてきた。
「・・・・・・だったら?」
シンジは突っかかるように言った。
「お前を大会に出させるわけにはいかん!俺がお前を潰すまでだ!!」
レンはミュウツーとドダイトスを繰り出して来た。
「ミュウツーははどうだん!ドダイトスはハードプランド!」
ミュウツーとドダイトスはシンジに向けて技を繰り出して来た。
「エレブー、まもる!」
シンジは素早くエレブーを繰り出しまもるを命じた。
エレブーのまもるでハードプランドとはどうだんをかわしきった。
「敏感だな・・・」
レンはシンジの戦術は素早いと褒めた。
「褒められても嬉しくない!」
シンジはレンのこの言葉に苛立ちを覚え、そしてドダイトスを繰り出して来た。
「エレブーはミュウツーにかみなり!ドダイトスはリーフストーム!」
エレブーとドダイトスは技を繰り出して来た。
「技の威力は合格・・・しかし俺のポケモンはその上を行く!!!」
レンはそう言うとミュウツーとドダイトスに技を命じた。
ミュウツーはドダイトスにじんつうりきを、ドダイトスはエレブーにウッドハンマーを繰り出して来た。
じんつうりきとウッドハンマーがエレブーとドダイトスに直撃し一撃で戦闘不能になった。
「なっ・・・!!!」
シンジはこの光景に驚きを隠せなかった。
「どうだ!俺のポケモンは強いだろ!!」
レンは見下すように言った。
「どうやったらあんなふうに育つんだ・・・」
シンジは自分よりも・・・シロナのガブリアスよりも強いレンのポケモンを見て悔しそうにしていた。
「おおっと、ポケモンはともかく『おまえ自身』を大会に出場させないようにしておかないとな」
レンはポケモンを戦闘不能にさせてバトル大会に出場させない体にしてもトレーナーが別のポケモンを繰り出すのなら同じだと判断し、ミュウツーとドダイトスをモンスターボールに戻した後、ギラティナを繰り出した。
「ギラティナ!奴の利き腕に向けてシャドークロー!!」
ギラティナはシャドークローを繰り出して来た。
「チッ!!!」
シンジはすぐに別のポケモンを繰り出そうとしたがギラティナのスピードの前では敵わずシャドークローがシンジの利き腕に直撃した。
「ぐわあっ!!!」
ギラティナの右爪には大量の返り血が迸った。
「ぐぐ・・・貴様・・・」
シンジは傷ついた右腕の止血をしながらレンを睨みつけた。
「これでお前はす大会に出られなくなったな、次はマサラタウンのサトシだ」
レンはこういい残すと、サトシを探し始めた。
「あいつ・・・以前・・・駄目だ・・・痛みで考えが・・・まとまらない」
シンジは以前に兄からとんでもない賞金稼ぎがいることを聞かれたことを思い出したが今は右腕の傷みによって何も考えられずにいた。

第41幕 完

[644] 第42幕 サトシ達のひととき
佳奈美 - 2008年08月17日 (日) 13時43分

同時刻・・・
ポケモンセンターでは、ヒカリの次のコンテストに備えてコンテストバトルの特訓が行われていた。
「ポッチャマ、回転しながらバブルこうせん!エテボースはダブルアタック!」
ポッチャマの回転のバブルこうせんが美しく見せ付け、エテボースはその中央に入ってダブルアタックを繰り出していた。
バブルこうせんがダブルアタックにより壊され、バブルこうせんのしずくがエテボースの尻尾に降り注がれた。
「凄く綺麗になってきているな、エテボースとポッチャマらしさも充分引き立てているし、技もシンプルでバランスも段々取れている」
タケシはあの時と比べるとポッチャマとエテボースの本当の綺麗さが引き立てていると言った。
「でも、折角いい技持っているんだし、人一倍派手にした方がいいんじゃないですか?」
ユヤはコンテストのことは全然知らなかったため、ヒカリにもっと派手にしたほうがいいとアドバイスした。
「シンプルで地味なことをコンテストにしたら観客も審査員達もすぐに愛想尽かしてしまうと思うんです、折角コーディネーターやっているんだし、もっと人一倍目立つようなことを・・・」
ユヤが目立つ技を見せ付けたらいいといったとき・・・
「ユヤさん、前にノゾミやミクリ様から教えられたげとポケモンコンテストは外見を見せ付けるんじゃなくって、あくまでもポケモンが主役な物なの、いくら人一倍派手に見せ付けてもただ綺麗に見せつけても駄目だって言う事がようやく分かったの」
ヒカリはヨスガのコンテストとズイのコンテストの敗北でコンテストの欠点がノゾミとミクリのおかげでようやく分かったといった。
「コンテストの主役は技は2番目!そしてポケモンが第一なの、ポケモンを徹底的に綺麗に引き出して、そのポケモンらしさを引き立たせなければならないことがやっと分かったのよ」
ヒカリは技よりもポケモンを引き立たせることが大事だってユヤに説明した。
「ポケモン第一、技が第二ですか・・・」
ユヤはヒカリの言葉を繰り返して言った。
「そういえばバトルもそうだよな、バトルの場合は、体力第一、技は第二、そしてポケモン第三だもんな」
カンテはポケモンバトルにおいては一番大切なのは体力だといった。
「そうですよね、体力が完全に消耗していたんじゃまともなバトルは出来ませんよね」
サトシはカンテの言葉に賛成していた。
「コーディネーターもトレーナーも第一とか第二とかあるんですね」
ユヤは改めてトレーナーがやるべきことを知った。
その時、ユウエイがここに戻ってきた。
「バトル大会明後日行われるんやって」
ユウエイはバトル大会の日にちを調べていたのだ。
「明後日か!よーし、明後日に備えてたっぷりと休息を取るぞ!!」
サトシは技の特訓はここまでにして今からピカチュウ達のために休息を取ることにした。
「しかも、今回のバトル大会の優勝品さ、進化の石詰め合わせセットだけやなくて、進化アイテム全品と、さらに莫大な賞金とアルミアのチャンピオンマスター資格権がもらえるんや!」
ユウエイのこの言葉にサトシ達は息を飲んだ。
「ば・・・莫大な賞金に進化アイテムセット絢爛・・・」
「さらに・・・アルミアにチャンピオンリーグマスターになれるだとー!!!」
カンテとサトシは大声で喚いた。
「やっぱりあれか?シロナさんとミクリさんがこの大会の特別ゲストとして呼ばれたからこんな豪華絢爛の賞金や商品を用意したって言うのか?」
タケシはユウエイに尋ねた。
「そう見たいやな、俺もようわからへんが・・・」
ユウエイは話を聞いただけで後のことは全く分からずにいた。
「この大会で優勝したらアルミアのチャンピオンになれる・・・一生に一度しかないチャンスだ!!」
カンテはいつもの冷静さを失い興奮していた。
「よーし!優勝ゲットして見せるぜ!!」
「ピピカチュウ!」
サトシとピカチュウもまた、張り切っていた。

第42幕 完

[645] 矛盾するセリフ&心理描写を
フリッカー - 2008年08月17日 (日) 18時16分

 どうも、フリッカーです。

 読んでて気になった所がいくつかありました。

 まず、ヒカリがユヤの事に関して言う時、「妹と同様に可愛がってくれたじゃない」とありますが、可愛がられた人間が「妹のように」って自分から言うのはちょっとおかしいと思います。あと、「同様に」という言葉も、10歳の少女が実際に発するような言葉ではありません。
 セリフを考える時は、発している人がどういう人か考えて、その人が言っても違和感のないようなセリフを考えてください。僕はヒカリの視点から小説を書いていますが、ヒカリは10歳の少女なので、言葉はなるべく難しい言葉を使わないように、ナチュラルな言葉になるように言葉を選んでいます。
 あと、セリフが小説の全てではありません。セリフに表れないキャラクターの細かい動きを書けるようになれば、もっといい文章になると思います。

 あと、セリフの後に「〜と言った」という説明が多く見られますが、この文章の内容はセリフからも読み取れるので、2重に説明していて「頭痛が痛い」のような重なり言葉みたいになっています。
 ここは単純に「〜は言った」と単純に書いた後、その人がその言葉を発した理由、いわゆる心理描写を書いてみたらいいと思います。キャラクターの個性を把握して、「この人はこんな状況になったらこう考えてこんな事を言うはずだ」と考えれば、自然とそのセリフを発した心理がわかるはずです。「〜は〜と考えていた」とか、「〜と思っていたからだ」とか書くだけでも、かなり変わってきます。
 単純に「誰かこうした」と書くだけでは、ただのト書きになってしまいます。ポケモンコンテスト同様、小説もキャラクターの個性を引き出す事が大事なのです。


 長々と説教みたいになってしまって失礼しました。少しでも佳奈美さんの文章力向上に繋がればいいと思っています。ストーリーは面白いと思っているので、もっと文章をうまく書けるようになれば、素晴らしい物語になると思います。
 いい文章を書こうと思っているなら、実際の小説をいろいろ読んでみる事をオススメします。表現技法など、学べる事はいっぱいあります。


 それでは。

[646] アドバイスありがとうございます
佳奈美 - 2008年08月17日 (日) 18時27分

フリッカーさん、アドバイスありがどうございます。
実と言うと私は、漫画ばかりで小説はサイトでしか読まない人間なので小説を書くレベルはほとんど素人という形になってしまうんですよね。
でも、これからはサイトの小説だけでなく、色んな小説を読んで小説を書く勉強をもっとしたいと思います。
アドバイスをしてくれて本当にありがとうございました。

追伸・14幕の部分、よく見てみたらあまりにも無理がありすぎましたので修正しました。

[647] 第43幕 レンの作戦
佳奈美 - 2008年08月18日 (月) 07時31分

「ヒカリ、特訓もいいがたまにはポッチャマ達を遊ばせてやったらどうだ?」
タケシの言葉にヒカリは前にミクリが言ったことを思い出した。
『ポケモンと一緒に遊ぶといいアイデアが生まれる』っと・・・
「そうね」
ヒカリは頷き、ミミロルとパチリスもモンスターボールから出した。
「ヒカリちゃん、ウォーティシティにふれあい広場が出来たの知っている?」
ユヤはポケモンとトレーナーと一緒に遊ばせることが出来るふれあい広場のことを話した。
ヒカリはこのことを知らなかったため、首を横に振った。
「ふれあい広場はポケモン達のストレスを解消してくれたり、トレーナーの気分転換をしてくれたりするいいところなんですよ、僕もガイドブックを見てふれあい広場のことを知ったぐらいですから」
ユヤは自分のリュックからウォーティシティに関する情報が入っているガイドブックを取り出してヒカリに見せた。
「へー、ふれあい広場って屋台も出るのね、しかも今はふれあい広場の花壇に咲いているひまわりが一番見所だね」
ヒカリ達はガイドブックを見て今日はふれあい広場でポケモン達を思いっきり遊ばせることにした。
「僕も行きますよ、道案内させてください」
ユヤとヒカリはふれあい広場に行くことにし、サトシ・タケシ・ユウエイ・カンテは滞在中に必要なものを買ってからふれあい広場に行くことにした。

「ポチャポチャ♪」
「ポチャポチャ♪」
ヒカリのポッチャマとユヤのポッチャマはすっかり友達になり、一緒に歩いていた。
「よかったですね、友達が出来て」
ユヤは自分のポッチャマに微笑みかけた。
「同じポッチャマ同士、気が合うみたいね」
ヒカリもまた、ユヤと同じく自分のポッチャマを見て微笑んだ。
「お前、マサラタウンのサトシとつるんでいる女だな」
ヒカリとユヤのほのぼのとした話に急に黒い服を身にまとった男がヒカリに話しかけてきた。
「えっ・・・ええっ」
ヒカリは軽く頷いた。
「俺はレン、人はバウンティーハンターと呼ばれている」
レンは自分の名を名乗った。
「ヒカリちゃん!こいつの相手をしちゃ駄目です!!こいつは賞金を手に入れるためならどんな手を使う悪者です!!」
ユヤはロケット団の元で働いていたため、他の悪人のことをよく調べていたためかレンのことをすぐに思い出した。
「ほう・・・俺のことを知っているガキがいたとはな・・・」
レンは見下すようにユヤに突っかかった。
「さ・・・サトシに何の用なの!」
ヒカリは睨みつけながら構えた。
「こいつを大会に出場させない体にするだけのことだ、さあ、まサラタウンのサトシは今どこにいる!」
レンがガン高い声を出しながらヒカリに近づいた。
「教えないわよ!サトシはこの大会を楽しみにしているんだから!!あんたの思い通りになんかさせない!」
ヒカリが力んで言うと同時にポッチャマがレンに向けてうずしおを繰り出して来た。
「ポーチャ!!」
うずしおがレンにぶつかりそうになったとき、レンはハイパーボールからミュウツーを繰り出した。
ミュウツーはじんつうりきでうずしおを真っ二つに引き裂いた。
「ヒカリちゃん!ミュウツーはどのポケモンよりも強いと言われるポケモンです!僕も加勢します!!」
ユヤはブニャットを繰り出した。
「だったらこっちも平等にもう一体出すか」
レンはゴウカザルを繰り出した。
「ポッチャマ、ゴウカザルにバブルこうせん!」
「ブニャット、ミュウツーに向けてひみつのちから!」
ポッチャマとブニャットはそれぞれの技を繰り出して来た。
「ポッチャマァァァ!!!」
ポッチャマの回転のバブルこうせんがゴウカザルに直撃しそうになったとき・・・
「ゴウカザル、ブラストバーン!ミュウツーはブラストバーンに向けてサイコキネシス!」
ゴウカザルがブラストバーンを繰り出し、そしてミュウツーがサイコキネシスでそれを操り始めた。
「「ええっ!!」」
ヒカリとユヤはこの光景に驚いていた。
「ミュウツー、ブラストバーンをこのガキにぶつけてやれ!!」
レンは高笑いしながら指示を出した。
ミュウツーはそれに従い、ブラストバーンをヒカリとユヤにぶつけた。
「きゃあああ!!」
「あああああ!!」
ポッチャマとブニャットは助けようとすぐに駆け寄ろうとしたがゴウカザルに阻まれた。
「ポーチャ!!ポチャポチャ!!」
ポッチャマがゴウカザルに文句を言った時、ゴウカザルはきあいだまをポッチャマに向けて繰り出した。
「ポチャー!!」
きあいだまがポッチャマに直撃しポッチャマは壁に強くぶつけられた。
ブニャットは毛を逆立ちながらゴウカザルに向けてきりさくを繰り出して来た。
ゴウカザルは自慢の素早さできりさくをかわし、ポッチャマと同様きあいだまを繰り出して来た。
そしてブニャットもポッチャマと同様壁にぶつけられた。
「二匹とも戦闘不能、トレーナーもブラストバーンで意識を失っている・・・」
レンはミュウツーとゴウカザルをモンスターボールに戻し、そしてユヤとヒカリに近づいた。
「こいつらはあいつをおびき出すいい餌だ」
レンは意識を失っているヒカリとユヤを抱え、この場を去った。

第43幕 完

[648] 第44幕 恐喝
佳奈美 - 2008年08月18日 (月) 18時58分

「きゃあ!」
「うわあ!」
ヒカリとユヤはレンの手によって人気のない倉庫に連れ込まれた。
2人のポケモンもいつの間にかモンスターボールに納められており、モンスターボールはレンのゲンガーがしっかりと見張る始末だった。
「どうしよう・・・これじゃ助けなんか呼べないわ・・・」
手足はロープにくくりつけられているだけでなくガムテープ、さらに手錠までしっかりと固定されていたため、逃げようにも逃げられないほどだった。
「一体何の真似なんですか!」
ユヤは抵抗して手足を自由にしようとしたが無駄な抵抗に過ぎなかった。
「痛い目に合いたくなかったらサトシの居場所を教えろ!!」
レンはナイフを持ってヒカリを脅した。
「誰があんたなんかに・・・あんたにサトシの居場所を教えるぐらいなら痛い目に合った方がマシよ!!」
ヒカリはどうしてもサトシに今回のバトルを楽しんでもらいたいため、サトシを危ない目に合わせたくなかった。
「そうか・・・遠慮なく懲らしめるまでだ!!」
レンはナイフを捨て、そして左足でヒカリの腹を思いっきり蹴飛ばした。
「きゃああ!!」
ヒカリは手足を固定されていたため、体が人形のように地面に叩きつけられた。
「ヒカリちゃん!!」
ユヤはヒカリを助けようとするがユヤ自身も手足を固定されていたため動けなかった。
ドスドスドスドス!!!
「おらおらおらおらーー!!!泣け!泣き喚け!!」
レンはヒカリの腹や足に徹底的に体重をかけて踵落としを始めた。
「痛い・・・痛いよ・・・」
ヒカリは必死でこらえていたがこんな風にされたのは初めてだったので目からは涙が溢れていた。
「辞めてください!女の子相手になんで酷いことをするんですか!!」
ユヤはこれ以上の状況に耐えられなくなり、レンに怒鳴った。
「だったらサトシの居場所を教えろ!そうすりゃ辞めてやらぁ!!」
ユヤはこの言葉に戸惑い始めた。
もしサトシの居場所を教えればヒカリはレンの暴力から救われる、しかし、教えればサトシが危ない目に合う・・・かといってヒカリをこのままほっとくわけには行かない!
「どうすれば・・・」
ユヤは混乱しながら考えていた。
「ユヤ・・・さん・・・」
ヒカリは声を振り絞ってユヤに話しかけた。
「ヒカリちゃん!!今助けるから!!」
ユヤは芋虫が動くようにレンに近づき始めた。
「この・・・雑魚がぁぁあ!!」
レンはぶち切れヒカリの腹に今までにないほど踏み始めた。
「ぎゃあああああああ!!!!」
「ほらほらほら!!!胃袋がぶっ潰れるぞ!!!」
ギリギリギリギリ!!!
レンは今にもヒカリの腹を潰しかねない状況だった。
「辞めてください!!お願いします・・・サトシ君の居場所を教えるから・・・ヒカリちゃんを・・・これ以上・・・泣かせないで下さい」
ユヤは泣きながら頭を下げた。
ユヤはヒカリを先に救うことにしたのだ。
「最初からこうすればいいんだよ!!」
レンはヒカリを解放した。
「ユヤさん・・・どうしてなの・・・」
ヒカリは弱りきった声でユヤにたずねた。
「これ以上君をこんな目に合わせるわけには行かなかったから・・・」
「・・・・・・ありがとう、助けてくれて」
今のヒカリにはユヤに礼を言うのが精一杯だった。
「フン!お前らは用なしだ!!ここでずっと仲良くすごすがいいさ!」
レンは高笑いするとミュウツーのテレポートでフレンドリーショップ付近まで向かった。
「ごめんね・・・サトシ君の居場所をあいつに教えちゃって・・・」
「いいのよ・・・強情張っていたあたしも悪かったし・・・それにサトシはこんなことでやられないトレーナーだから」
ヒカリはユヤに向けて軽く微笑んだ後、そして手足に固定されたロープをどうやって解くか考え始めた。

「買出しはこれでOK!」
フレンドリーショップからサトシ・タケシ・カンテ・ユウエイが大量の品物を抱えて出てきた。
「ヒカリとユヤさん、今頃はふれあい広場で遊んでいる頃だろうな、早く行こうぜ」
「ピカピカ!」
サトシはタケシ達に呼びかけたとき・・・
「マサラタウンのサトシだな」
サトシの背後からレンとミュウツーが姿を現した。

第44幕 完

[649] 第45幕 レンの目的
佳奈美 - 2008年08月19日 (火) 13時24分

サトシの前に現れたレンとミュウツー。
ミュウツーはいきなりはどうだんを撃ってきた。
ドーン!
「うわあ!」
「ピカ!」
サトシとピカチュウは地面に叩きつけられた。
「いきなり何するんだ!!」
「ピカチュウ!!」
サトシとピカチュウは立ち上がりながら文句を言った。
「大会の期待トレーナーを大会に出場させないようにするだけだ!」
レンは冷酷に言いながらミュウツーにじんつうりきを命じた。
「バトルの相手ならやってやるぜ!ピカチュウ、ボルテッカー!!」
「ピカチュウー!!ピカピカピカピカピッカ!!」
ピカチュウはミュウツーがじんつうりきを繰り出す前に自慢の素早さでボルテッカーを繰り出してきた。
「ギラティナ!!」
レンはさらにギラティナを繰り出した。
「2対1なんで卑怯やで!!」
ユウエイはレンの行動に文句を言うとサトシに加勢するためルカリオを繰り出した。
「ルカリオ、はっけい!」
ルカリオは波動の力も借りてミュウツーに向けてはっけいをぶつけようとした。
「ミュウツー、ルカリオにサイコキネシス!」
ミュウツーはサイコキネシスを繰り出して来た。
「ガウーーー!!!」
ルカリオにサイコキネシスは効果抜群だったため、ルカリオは戦闘不能になった。
「戻るんや!ルカリオ!」
ユウエイはすぐにルカリオをモンスターボールに戻した。
「あのミュウツー、凄いレベルだぞ!」
「ああっ、ミュウツーやギラティナは伝説のポケモン、ただでさえ強いポケモンがトレーナーの手によってさらに強くされたんじゃ俺達のポケモンが勝つことはほぼ不可能だ!」
タケシとカンテは2匹の伝説のポケモンにかつ手段はないと諦めかけていた。
「そんなの、やってみなくちゃ分からないぜ」
サトシはピカチュウを一度引っ込めて、ムクバードとグライオンを繰り出して来た。
「ミュウツー、サイコキネシス!ギラティナはシャドーダイブ!」
ミュウツーのサイコキネシスとギラティナのシャドーダイブがムクバートとグライオンに直撃した。
「ムクバード!グライオン!」
サトシは慌ててムクバードとグライオンをモンスターボールに戻した。
「ギラティナ!奴の利き腕にシャドークローだ!!」
ギラティナはレンの指示通りにサトシに向けてシャドークローを繰り出して来た。
「うわあああ!!」
サトシは逃げようとしたがいつの間にかミュウツーのサイコキネシスによって体を固定されていた。
「サトシ!!!」
タケシ達はサトシを助けるため、ポケモンを繰り出そうとしたが・・・
ザシュ!!!
一足遅く、サトシの右腕はギラティナによってズタズタに切られた。
「あが・・・」
「ピカピー!!!」
ピカチュウは心配そうにサトシの下に駆け寄った。
「タケシ、すぐに包帯と傷薬を!!」
カンテはハンカチで止血を始めた。
「貴様!!なんでこんなことをするんや!!」
ユウエイはレンに突っかかった。
「優勝して賞金を手に入れるためだ、この大会は優勝品は豪華絢爛と聞いてな、進化アイテムセット、莫大な賞金、そしてアルミアのチャンピオンリーグマスターの称号、バウンティーハンターである俺としては凄く欲しい物だらけだ!期待トレーナーは全て俺がバトルに出られない体にしてやった、後は優勝候補であるお前達を潰せば晴れて俺だけが不戦勝で終わる」
レンは高笑いしながらカンテとユウエイを見下した。
「こいつ!!トレーナー心が腐っているぜ!!」
「賞金目当てに大会に参加するとは・・・貴様、まともじゃない!!」
タケシとカンテが文句を言ってもレンは平然としていた。
「ようは勝てばいいんだよ、どんな手を使ってもな!」
レンはギラティナをモンスターボールに戻すとこの場から離れようとした。
「バウンティーハンターさんよ、バトルに必要なのは強いポケモンだけやない、ポケモンとトレーナーの信頼関係も必要なんや、それをよく覚えておくことやな」
ユウエイは去ろうとするレンに冷たくこの一言を残した。
「フン!!!優勝候補であるお前達は大会で徹底的に叩き潰してやる!」
レンはミュウツーにテレポートを命じ、この場から消えた。
「バウンティーハンターも出る大会・・・手ごわい相手になりそうだな」
「ピカ・・・」
サトシとピカチュウは力みながら呟くのが精一杯だった。

第45幕 完

[650] 第46幕 救世主
佳奈美 - 2008年08月19日 (火) 19時02分

「チッ・・・血が止まらない・・・」
シンジはあの後、一人で傷口を応急処置したが長袖の上に適当に持っていた有り合わせの布切れを巻いただけなので充分に止血は出来ずにいた。
「賞金稼ぎがこの大会に紛れ込むことになるとは・・・この大会、徹底的にあいつらを鍛えとかないとやばいな・・・」
出血しているにもかかわらず、シンジは利き腕にモンスターボールを構え、エレブーやドダイトス達を繰り出した。
「相変わらず頑張っていますね」
後ろからサイとジュウゴロウが現れた。
「・・・・・・バウンティーハンターにやられたのか?」
ジュウゴロウはシンジの右腕の傷を見ていた。
「・・・・・・ああっ」
シンジはジュウゴロウやサイには隠し切れないと判断したためすぐに白状した。
「充分に止血していないじゃないですか!待ってください、すぐに手当てを・・・」
サイはリュックから消毒液と人間用の傷薬と包帯を取り出し傷の手当てをし始めた。
『!!』
ジュウゴロウの傍らにいたキラザがなにかを感じ取った。
「どうした、キラザ」
ジュウゴロウはキラザの顔色が変わったのに気が付いた。
『誰かが助けを呼んでいる!そのうちの一人はお前もよく知っている奴だ!』
キラザはこう言うと、ジュウゴロウの元を離れた。
「キラザ!待て!!」
ジュウゴロウはここをサイに任せ、キラザの後を追った。

「駄目だ!全然解けないよ」
ユヤとヒカリは必死でレンの手によって縛られたロープとガムテープを解こうとしたが女の力とひ弱な体系をした男の力では到底無理だった。
「せめてポッチャマ達がモンスターボールから出てくれれば・・・」
ヒカリは今では無防備になっているモンスターボールを見ながら抵抗していた。
「サトシ君がやられる前に・・・早く本人に報告しないと・・・」
ユヤは一刻も早くレンがサトシを狙っていることを報告しないといけないと決心していたため、余計に抵抗しまくった。
その時、緑と白が特徴のポケモン、エルレイドが姿を現した。
「このエルレイド・・・まさか!!」
ヒカリはエルレイドがジュウゴロウのキラザだと分かった。
「大丈夫か!!」
キラザに続いてジュウゴロウもヒカリとユヤの前に現れた。
「ジュウゴロウさん!」
「待っていろ、すぐに助けてやる」
ジュウゴロウはヒカリに近づくと、キラザにサイコカッターを命じた。
キラザのサイコカッターはヒカリの自由を奪っていたロープとガムテープと手錠が抵抗なく切れた。
キラザはユヤにも同じことをした。
「「ありがとうございます」」
ヒカリとユヤは自由になるとすぐにキラザとジュウゴロウにお礼を言った。
「お前ら、まさかバウンティーハンターに拉致されたのか?」
ジュウゴロウはモンスターボールを回収しているヒカリとユヤにたずねた。
「はい・・・奴はサトシ君を大会に出られない体にするといって・・・」
「サトシはどこにいるのかってしつこく聞くんです、最初は教えなかったげと、酷い目に合わされて・・・この状況に絶えられなくなって・・・それで仕方なく言うしかなかったの」
ユヤとヒカリは一部始終をジュウゴロウに話した。
「あいつのやり方!絶対に許すわけにはいかん!!」
『同感だ!』
ジュウゴロウとキラザはついに堪忍袋の尾が切れ、レンを探すことにした。
「お前達はサトシと合流しろ!俺は奴を懲らしめるまでだ!」
ジュウゴロウはヒカリとユヤにサトシの元に行けと伝えた後、キラザを連れレンを探し始めた。
「変わったね・・・」
ヒカリはジュウゴロウが走り去るのを見送りながら呟いた。
「早くサトシ君の元に行きましょう!手遅れにならないうちに!」
「うん!」
ヒカリとユヤはサトシの元に急ぎ足で行った。
サトシが無事なのを信じて・・・

第46幕 完

[652] 第47幕 手立て
佳奈美 - 2008年08月22日 (金) 20時35分

ヒカリとユヤは急いでサトシの元に来たが既に時は遅く、サトシはレンにやられた後だった。
「ヒカリ!ユヤ!」
ユウエイは息を切らして呆然と立ちすくんでいる2人を見て驚いていた。
「ふれあい広場に行ったんじゃなかったのか?」
カンテの質問にヒカリとユヤは答えずにただ黙っていた。
「サトシ・・・」
「サトシ君・・・」
ヒカリとユヤは呟くのが精一杯だった。
「まずは2人を落ち着かせるのが先だ、詳しい話はその後でもいいだろ」
タケシの言葉にカンテとユウエイは軽く頷いた。

「んぐ・・・んぐ・・・」
サトシ達は公園のベンチに座り、まずはヒカリとユヤを落ち着かせるために『サイコソーダ』を飲ませた。
「どうや?落ち着いたか?」
ユウエイがこう言うと、2人は頷き一部始終を話し始めた。
「そうか・・・そんなことがあったのか」
「女2人にこんな卑劣な手段を使う何で・・・許せへん行為や!」
カンテとユウエイはヒカリとユヤを人質に取り、暴力を振るったレンに腹を立てていた。
「あの・・・よく間違われるんですが・・・僕は男です・・・」
ユヤはユウエイに今後間違えないで欲しいと注意した。
「悪い悪い・・・女と間違われるのは男として耐えられない屈辱やったな」
ユウエイは今まで自分も女と間違われていたため、ユヤの気持ちを充分に分かっていたため謝った。
「それはおいといて・・・強敵な賞金稼ぎも出るとなると俺達のポケモンを徹底的に体力温存とかさせとかなきゃならないな」
カンテは特訓よりもポケモンの体力温存が先決だと判断した。
「どうして特訓ではなく体力温存なんかを?」
サトシはカンテの質問の意味が分からずにいた。
「技や体を鍛えるよりも体力温存、これはトレーナーとしての基本だからだ、お前、学校に通っていた時それを教わらなかったのか?」
「あっ・・・あははは・・・」
サトシはこのことをすっかり忘れていたため、笑ってごまかすしかなかった。
「一生笑ってろ・・・」
カンテは怒る気力も失せていた。
「賞金稼ぎに注意しながらポケモン達を充分に休ませなきゃ、でないと大会の時に苦しい戦いになりかねんからな」
カンテの提案にサトシとユウエイは頷いた。

第47幕 完

[653] 第48幕 カンテの弟子
佳奈美 - 2008年08月23日 (土) 20時19分

本来なら買出しが終えた後、ふれあい広場に行こうと思ったが、サトシとヒカリとユヤがレンの手によって酷い目に合わされたので今日は外出を中止にしポケモンセンターに待機することにした。
「ごめんなさい・・・僕達がもっと早くサトシ君のところにきていればこんな目に合わずに済んだのに・・・」
ユヤはサトシの右腕の傷を見ながら涙を溜めてサトシに謝った。
「ユヤさんが悪いわけじゃないですよ、この傷なんで大会が始まればすぐに治りますよ」
サトシはユヤは悪くないと励ました。
「でも・・・もしサトシ君の命に関わることが合ったら・・・」
ユヤはさらにサトシに謝ろうとしたがサトシはそれをさえぎった。
「だから謝らなくてもいいって、何度も自分のせいにしたり謝罪を徹底的に繰り返す!ユヤさんの悪い癖ですよ」
サトシは自分がやったわけでもないのに自分のせいだと感じているユヤをきつく咎めた。
「サトシの言う通りや、お前はもう何も言うな!」
ルカリオの体力を回復し終えたユウエイがサトシ達のところに戻って来、そしてユウエイもサトシと同じ意見でユヤを叱った。
「・・・はい」
ユヤは頷いた。
「ところでジュウゴロウさんは一人でバウンティーハンターを倒しに要ったって本当か?ヒカリ!」
サトシはユヤをなだめた後、ヒカリに質問した。
「うん、私は危ないからと止めたんだけど聞いてくれなくて・・・」
「ジュウゴロウのことや、きっとバウンティーハンターをコテンパンにして帰ってくるって」
落ち込んでいるヒカリを見てユウエイは宥めた。
「そうだよ、ジュウゴロウさんは強いからな」
「ピカピカ」
サトシはジュウゴロウの強さを充分に知っていたため、保証すると言うのが精一杯だった。
「今のサトシ達は大会に備えてポケモン達の体力を回復させることとサトシ達自信の充電だ、今出来るのはそれしかない」
タケシはピカチュウ達にポケモンフーズをやりながら言った。
「ああっ・・・」
サトシはうつむいて頷いた。
「ところでカンテさんは?」
ヒカリはさっきからカンテがいないことに気が付いた。
「あいつなら部屋にいるで」
「俺、カンテさんにポケモンフーズを届けてくるよ」
ユウエイがカンテの居場所を教えるとサトシはテーブルにおいてあったポケモンフーズの缶を持って立ち上がった。
「ああっ、頼むよ、サトシ」
サトシが2階に上がろうとした時・・・
ガシャーン!!!
「な・・・なんや!!」
「窓ガラスが割れる音が聞こえましたよ!」
「カンテさん!!」
ユウエイ・ユヤ・サトシはガラスが割れる音が聞こえるとすぐに2階の宿泊室に駆け上った。

「ぐ・・・サボネア、ミサイルばり!エイパムはダブルアタック!」
「ヘルガー、かえんほうしゃ!スリーパーはねんりき!」
カンテはあの後、部屋に閉じ篭ってこれからのことを考えている時、サボネアのドレインパンチによって窓ガラスが割られ、そして平均よりも身長が低く薄紫色の髪が特徴の少年が部屋に入ってきた。
そして今、ダブルバトルをしていたがヘルガーのかえんほうしゃがサボネアに直撃し、スリーパーのサイコキネシスがエイパムに直撃した。
「一体何の真似だ!ガンマ!!」
カンテは少年のことを知っているらしく鋭い目つきで睨みつけた。
「うっ・・・うっ・・・出来ない!!俺には師匠を大会に出られない体にすることなんか出来ない!!」
ガンマと名乗る少年は泣き崩れ始めた。
「カンテさん!!!」
サトシ達が血相を抱えて部屋に入り込んだ。
「大丈夫ですか!」
ヒカリはカンテの側に駆け寄った。
「あれ?こいつ、お前の弟子のガンマとちゃうか?」
ユウエイは昔、カンテにたった一人の弟子がいると聞かされていたのですぐにカンテにたずねた。
「ああっ・・・一体どういうわけが俺を大会に出られない体にする気でいたようだ、しかし・・・」
カンテは泣いているガンマを見てこれ以上言葉が出なかった。
「とりあえず食堂に行きましょう、甘いものでも食べさせれば落ち着くはずです」
ユヤはガンマをさっきの自分達と同じように落ち着かせようといってきた。
「そうだな」
カンテはユヤの提案に賛成した。

第48幕 完

[654] 第49幕、懐かしきライバル
★ディオ★ - 2008年08月24日 (日) 11時57分

すいません!またしても新キャラです・・・

名前 イチノセ
出身地 サイユウシティ
職業 修羅堂(トレーナークラブ)
性別 男
年齢 27歳
手持ちポケモン
・レジロック【ストーンエッジ、じしん、ロックオン、でんじほう】
・エンテイ【かえんほうしゃ、アイアンテール、ストーンエッジ、ロッククライム】
・メタグロス【コメットパンチ、アームハンマー、かいりき、てっぺき】
・ゴルダック【たきのぼり、サイコキネシス、かわらわり、れいとうビーム】
・エレキブル【かみなりパンチ、クロスチョップ、じしん、れいとうパンチ】
・ダーテング【エナジーボール、あくのはどう、かわらわり、シザークロス】
経歴 バトルタワーで一目置かれている強豪チーム、『修羅堂』のリーダー。『大魔神』とはライバル関係で、激しい死闘を繰り広げていた。
特徴 赤の半袖の上に黒の長袖ジャケット。ズボンは茶色で長い。(顔つきなどは頭文字Dの舘智幸そのもの)
性格 意外と落ち着いているように見えるが、ときに怖いところも・・・
バトル戦術 知識を最大限まで生かした頭脳プレイが得意。多数の戦法を持ち、敵を追い詰めていく。
イメージ声優 中田和宏


【本編】


「どこだ・・・とこにいやがる!!」

あの後レンを追いかけ続けた俺だった。
・・・しかし、視界に入るものすべてを見回しても、その影はどこにも見当たらなかった。

「くそっ、どこへ消えたんだ!」
『狙いはサトシとシンジを戦えなくすること・・・このままじゃヤバいぜ』
「それだけじゃない、きっと他のトレーナーにも狙うはずだ。ユウエイやカンテにはな。だがやつの手がかりを見つけなきければ・・・」

必死に探しつつも、ある集団を横切った。そのとき、

「そこの君」
「!」

突然集団の1人が俺を呼び止めた。俺はその顔を見た瞬間に驚く。

「・・・修羅堂のイチノセ!」

俺はすぐに応えた。修羅堂とは昔、バトルタワーで俺達のライバル関係でもあったエリートチームである。そのリーダーが、イチノセだ。

「やはり見間違いがなかったな。大魔神の会長がここに来ているということは、どうやら交流試合ができそうで・・・」
「悪いが今それどころじゃない、急いでいるから・・・」
「まぁまて、」

イチノセはしつこくも俺を進めないようにする。

「君のその目を見れば、なにやら困ってるようだな」
「それがどうした?手遅れになる前に早くバウンティーハンターを倒してぇんだ」
「・・・・・・!」

イチノセはピンッと来た顔になる。

「それなら手を貸してやってもいいだろう。一時休戦というつもりで・・・」
「な、何いってんだよ!!テメーらと俺らはライバル同士だろ!?」

俺は焦りながらも否定した。

「バウンティーハンターなら、もしかすると狙ってくるはずだ。お前も、俺もな・・・」
「確かにそうだが、やつは先に優勝候補のやつを倒そうとしているんだ。そいつがやられたら、やつは不戦勝のまま・・・。しかもあいつはミュウツーまでも使う!」
「ふむ・・・」
「それに俺は1人で倒すつもりだ。お前らには・・・」

俺は肝心なところで黙り込んでしまった。それから5秒後・・・

「・・・分かった。今回だけだぞ」
「せいぜいこの事件がすっきりすればいいことだ」

取引が成立した。

「銀色の短髪に凛々しい顔つきが特徴だ。名はレンって言うぞ」
「そうか・・・」

イチノセは部員に顔を向ける。

「お前達、見かけたらすぐに知らせろ」
「承知」

一同は解散し、レンを探し始めた。

「・・・では、俺達も行くとしよう」
「ああ・・・」

俺はイチノセとともに行動を始めた。

[655] 第50幕 ガンマの後悔
佳奈美 - 2008年08月24日 (日) 13時29分

カンテの弟子、ガンマがカンテを大会に出られない体にしようとしたがどうしても師匠を倒すことが出来ずにいた。
そして一行は今、ポケモンセンターの食堂にいた。
「何故こんなことをしたんだ?」
カンテはやっと落ち着いたガンマに話しかけた。
「それは・・・レンさんに頼まれたから・・・」
ガンマの言葉にサトシ達は表情が強張った。
「レンって・・・あの賞金稼ぎのことか!」
カンテの言葉にガンマは軽く頷いた。
「俺・・・昔、師匠と別れたあと一人でトレーナー修行の旅をしていました、そしてブリーダーと言う職業に興味を持ってトレーナーとブリーダー、両方やることにしたんです、そしてポケモンリーグで高成績で納めたり、ブリーダーの人達のためのコンテストで準優勝を納めたりしていきました、でも、その時レンさんが俺の前に現れたんです、『ブリーダーもトレーナーも両方とも強くならないか』と・・・」
ガンマは途中で話を終わらせた。
「ブリーダーとトレーナーを両方やるなんで凄いね」
「ああっ」
ヒカリとサトシは二つのわらじを履いて活動しているガンマを尊敬していた。
「俺は師匠と同じくらい強くなりたいと思い、レンさんの元で働くことにしたんです、レンさんの言う事を何でも聞き、そしてトレーナーとしての勉強や、ブリーダーとしての勉強もやってきました・・・」
ガンマはため息をつきさらに話を続けた。
「でも・・・でも・・・俺には出来ない!!大切なことを教えてくれた師匠にこんなことは・・・こんなことは!!!」
ガンマはカンテを襲ったことに後悔をしており、声を出して泣き始めた。
「ガンマ、俺は別に気にしていない、お前が人の言う事を簡単に聞く人間だって言う事はよく知っている!悪いことだと分かったら今すぐ止めることだな」
カンテはガンマを叱らずにすぐにレンと手を切るように言った。
「はい・・・レンさんが悪い人だと知った以上、すぐにレンさんとは縁を切ります」
ガンマは涙を拭きながら宣言した。
「大会には絶対にレンも出てくる!クソ!!せめて右腕の傷がすぐに治せれば・・・」
サトシは右腕に巻かれている包帯を見て悔しそうにしていた。
「あの、大会までに傷を完治できる薬、ありますよ」
ガンマはポケットから小さい小瓶に入った塗り薬をサトシに渡した。
「これは・・・」
サトシは小瓶を開け、指で薬をすくった。
「これは『かいふくのくすり』です、体力を失ったポケモンにこの薬を使用すれば体力や状態異常は治せることは知っているでしょう、この薬は人間用の『かいふくのくすり』です」
ガンマはこの薬は自分がこしらえたと説明した。
「ありがとう」
サトシは礼を言うとすぐに包帯を外し、傷口に『かいふくのくすり』をすり込んだ。
「師匠、大会は苦しい戦いになりそうだけど頑張ってください、俺もレンの恐喝や脅しに負けずに頑張ります」
ガンマはレンと戦う決心をし、大会では師匠であるカンテを応援することにした。
「ああっ!これでこそ俺の弟子だ!」
カンテは強く頷いた。

第50幕 完

[656] 第51幕、宣戦布告
★ディオ★ - 2008年08月24日 (日) 15時49分

「・・・ホテルを探してもいないとはな。あいつは神出鬼没か!」
「そう遠くはいない。発見次第に連絡も来る」

すると、イチノセのポケギアが鳴り出した。

「・・・分かった。・・・広場にいるようだぞ」
「! よし、すぐにカタをつけてやるぜ!」

イチノセと共に広場へついた俺の前には、レンが待っていた。

「来たか・・・」
「あれほど隠れて自ら出てくるとはいい度胸だな。今度は容赦しないぞ」
「君、まさか自分だけで戦おうとしてないかい?」

イチノセの鋭い直感に睨まれた俺は、仕方なく黙り込んだ。

「・・・お前らになど興味はない」
「な、なに!何を言うんだ!」
「一回戦落ちであるお前や、見覚えのないトレーナーには興味がないと言ったんだ。バトルする暇も当然ない」
「相変わらずの我侭さで・・・」

イチノセは俺の怒りを静めつつも、レンをふざけてみた。

「どうせなら、大会で決めようかとしている」
「ヘッ!どうせトレーナーを邪魔させて不戦勝するつもりだ。あいつらの敵は俺・・・いや、俺達が取る!」
「いや、あいつは本気のつもりのようだ」
「何?」
「見てみろ。奴の後ろのオーラが強く感じる・・・想像以上に強いやつだ」

イチノセはレンのオーラを感じながらも、レンを見続けた。

「・・・さて、俺はそろそろ戻るとするか。じゃあな」

レンは振り返らずに手を振り、その場を去った。

「覚えてろよレン!絶対にお前を潰してやるからな!!」

姿が消える前に俺はありったけの怒りをぶち込んで、宣戦布告をした。

「・・・どうやら、俺達の他に相当なライバルが出現したようだな」
「・・・無論、お前らにも負けねぇつもりだ。相手がそう来るとしたら・・・」
「全力で行くのみ・・・か」

俺もそろそろ戻ろうとした。

「ところで、君のところの仲間が見当たらないのは気のせいかな?」
「ん?ああ・・・解散してな」
「なんと・・・解散したのか」
「ああ・・・んじゃ、予選でまた会おう」

俺はすぐにサイの元へと急いだ。

「解散しても、強さは衰えてないようだな・・・」

イチノセは確信していた。

[657] 第52幕 ポケモンセンターの方では・・・
佳奈美 - 2008年08月24日 (日) 18時05分

ジュウゴロウはいったん、イチノセと別れ、サイの元に戻ったがサイが何処にも見当たらなかった。
「シンジならともかくサイまでもいなくなるとは・・・」
ジュウゴロウは勝手に行動しているサイに呆れ、サイを探し始めた。

空を見るといつの間にか夕方になっており夜に活動する野生のポケモン達が一斉に動き始めていた。
ポケモンセンターの庭で景色を見ていたサトシ達は大会のことやレンのことをおいといてこの光景を見とれていた。
「ヤミカラス達が一斉に散歩を始めましたね」
ユヤは空を見上げて呟いた。
「君たちもここに来ていたんですね」
庭の入り口からサイ姿を現しサトシ達に話しかけてきた。
「サイさん!」
サトシは嬉しそうにしていた。
そのとき、サイは鋭い目つきでサトシを睨みつけた。
「・・・・・・サトシ、バウンティーハンターの被害にあっていませんか?」
「う・・・うん・・・」
サトシは頷いた。
「でも、ガンマが『かいふくのくすり』をくれたから大会には出られるようになったぜ」
サトシは完治した右腕を見ながら大会に出られると宣言した。
「凄い治療力ですね・・・」
サイは表向きは呆れていたが、心の中では『そんなに早く治るか!』と呟いていた。
「サイ、お前な、せっかくいい気分だって言うのにバウンティーハンターのレンのことを思い出させるなよな」
カンテは不機嫌にサイに文句を言った。
「すみません、実はシンジ君も被害にあってしまって・・・それでレンはサトシも狙うはずだろうと思って・・・」
サイはサトシのことを心配してここに来たのだ。
「シンジも被害に!」
サトシはサイのさっきの言葉に驚いていた。
「でも、シンジ君のほうは僕の方で治療したから、このまま腕を動かさずにいれば大会には出られるはずだよ」
サイはシンジの今の状況を説明した。
「そのシンジは今何処に?」
ガンマはシンジに『かいふくのくすり』を渡したかったのでシンジの居場所を尋ねた。
「ポケモンセンターの中にいますよ、ポケモンの体力を回復させるといって」
サイがこう言うと、ガンマはすぐにポケモンセンターの中に引き返した。
「サトシだけでなくシンジまでも狙われるとは・・・大会の間、犠牲者が出なければいいが・・・」
カンテは関係ないものまでも犠牲になるのだけは耐えられなかった。

ポケモンセンターの中では・・・
「どうだ?傷の具合は」
ガンマは最初はシンジが誰なのか分からなかったが、サイが付き添ってくれたお陰でシンジに会うことが出来た。
そしてサトシと同じ『かいふくのくすり』を渡し、そのついでにシンジのポケモンの健康チェックもした。
「お前も物好きだな、他人のことを心配するとはな・・・」
シンジはいつもの態度を取っていたが『かいふくのくすり』のおかげで右腕の痛みが完全に消えたので心の中ではガンマに感謝していた。
「随分疲れているみたいだな・・・大会まで休ませた方が身の為だよ」
ガンマはドダイトス達を見ていたが、ドダイトス達は体力だけでなく神経までも疲れていたためジョーイの手での回復は無理だった。
「特訓は暫く禁止と言う事ですね、シンジ君」
サイがこう言うとシンジは渋々頷いた。

第52幕 完

[659] 第53幕 過去の出来事
佳奈美 - 2008年08月27日 (水) 14時37分

暫くするとポケモンセンターからシロナとミクリが姿を現した。
「シロナさん、ミクリさん」
ポケモンセンターの庭から戻ってきたサトシ達は2人を見て呆然と立ちすくんでいた。
「きみ達に注意したいことがある」
ミクリのこの言葉にサトシ達は耳を傾けた。
『注意したいこと』とはレンのことだった。
「バウンティーハンターのレンは優勝賞金のためならどんな手も使う悪党だ、だから大会に参加する君たちには充分気をつけてもらいたい」
ミクリがこう言うと、ヒカリは既に自分とユヤとサトシが被害に合っているといった。
「・・・・・・手遅れだったか・・・」
ミクリは悔しそうに呟いた。
「ミクリ様、バウンティーハンターのレンにやけに詳しいですね」
「もしかして、昔バトルしたことがあるんですか?」
ヒカリとユヤはミクリに問いかけた。
「ああっ、まだ私がチャンピオンマスターの時に彼はポケモンリーグに出て優勝を納めた、そのときの彼はまともなバトルをしていた、だが私と戦った時から急変し、勝利のためならどんな手も使うトレーナーになってしまったんだ」
ミクリは過去の事をサトシ達に話した。
レンは昔はちゃんとしたトレーナーでポケモンリーグに出て優勝を納め、四天王にも勝ち続けたがミクリと戦って負けて以来、卑劣な手を使うようになったのだ。
「ミクリ様の過去にこんなことがあったなんで・・・」
「ポチャ・・・」
ヒカリとポッチャマはミクリの意外な過去を知った。
「それ以来大会の優勝賞金を根こそぎ奪うことから『バウンティーハンターのレン』と呼ばれるようになったのか」
サトシはようやくバウンティーハンターのことを理解できた。
「バウンティーハンターには気をつけろ・・・トレーナーデビューとして旅立つ前に兄貴からバウンティーハンターのことを聞かされたことがある」
サトシ達から少し離れたところでミクリの話を聞いたシンジは口を挟んだ。
「どうせくだらない戯言だと思って気にもしなかったが卑劣な手段を使うバウンティーハンターが実際にいたとは・・・」
シンジは昔、レイジからバウンティーハンターには充分注意しろと聞かされたがシンジ自身は戯言だと思い込み、それを無視したまま旅に出たことを思い出しながら言った。
「実際に被害にあったじゃないですか!明後日の大会、本当に大丈夫ですか?」
ユヤは心配そうにたずねた。
強敵のバウンティーハンターにやられるのかと思うと心配になってきたのだ。
「お前達に心配される言われはない」
シンジはこの一言を残すとこの場を後にした。
「酷い・・・心配しているって言うのに・・・」
ユヤはシンジの態度が気に入らずべそをかき始めた。
「ほっとけほっとけ、あいつの場合は無視するに限るって」
ユウエイは無責任そうに首を振った。
「レンはミュウツーとギラティナも使ってくるからな、慎重に対策も考えないと・・・」
カンテは腕を組みながらこれからのことを考え始めた。

第53幕 完

[662] 第54幕 ユヤの講義
佳奈美 - 2008年08月31日 (日) 13時59分

ポケモンセンターでは暫し沈黙が流れた。
ユヤは沈黙に耐え切られず、席を立った。
「ちょっと風に当たってきます・・・」
ユヤはポケモンセンターを出た。
「今日はもう遅いしすぐに戻るんだぞ」
カンテは外を見ながらユヤに忠告した。

(三銃士の人達といいバウンティーハンターといい、どうしてポケモンを使ってこんな悪いことをする人達がいるの?)
ユヤは空を見上げながらこのことを考えていた。
(僕も人のことは言えるほどじゃないげとこの人達はそれ以上だ・・・ポケモンは人間と同じように生きているのに・・・友達なのに・・・酷すぎるよ・・・)
空を見上げていたが考え続けるたびに耐え切れなくなり、視界を下に向けてしまった。
「よう!お前は昼間の奴だな」
男性がユヤに声をかけてきた。
(誰・・・)
ユヤは顔を上げて男性を見上げた。
銀色の髪に黒い服が特徴の男、レンだった。
「あっ・・・ああっ・・・」
ユヤはレンを見たとたん、急に昼間にあった恐怖を覚えこの場から逃げようとした。
「逃げるんじゃねえ!!」
レンはゲンガーを繰り出しさいみんじゅつを命じた。
「あああ!!!」
ユヤはさいみんじゅつで意識を失った。
「ちょっとお前にはやってもらいたいことがあるんでな」
レンは笑いながら意識を失ったユヤを持ち上げてこの場を去った。

「・・・ん」
暫くするとユヤは意識を取り戻した。
暗くて狭い部屋、かすかに埃っぽい匂い、見覚えのないところだった。
「気が付いたか」
暗闇の中からレンが姿を現した。
「お前をここに連れてきたのは他でもない、お前と会った大会の参加者の手持ちポケモンと使用技、当然知っているだろうな」
レンは刃物をユヤに向けて質問をし始めた。
「サトシとシンジがここまでしぶとい奴だったとは思っても見なかったからな、こうなれば大会で奴らを叩き潰すまでだ!」
レンはサトシとシンジの怪我が意外にも早く治ったことに腹を立てていた。
「そこでだ!やつらが大会に使うポケモンを全て俺に教えろ、当然奴らのポケモンが今使っている技と潜在能力値もだ!」
レンは刃物をユヤの首に押し当てた。
「誰が・・・誰が言うものですか!!!」
ユヤはキッとレンを睨みつけそして脇腹を両足で蹴飛ばした。
「がば!!!」
レンは地面に倒れ、ナイフは床に落ちた。
「こんなことをするなんで卑怯者以外なんでもありません!!あなたはやり方を間違っています!!トレーナーならこんなことをせずにポケモン達を信じて戦うものです!!」
ユヤは戦う相手のバトル戦術を教えるのは絶対に許せない行為だと固く思っていたので頑としてレンの質問には答えないことにした。
「このガキが!!!」
レンはユヤの顔を思いっきり殴った。
ユヤは歯を食いしばっていなかったため口の中が切れ血が溢れ出た。
「お前は俺の質問に素直に答えればいいんだよ!!殺されたくなかったらお前のダチのバトル戦術とポケモンの弱点を教えろ!!」
レンは逆上してユヤの胸倉を掴み掛かった。
「教えません!!!」
ユヤは頑として教えようとはしなかった。
「あなたは・・・あなたはトレーナーとしてやってはいけないことをやっているんです!こんなあなたは誰にも勝つことは出来ません!!!たとえ予選落ちしそうなトレーナーでも・・・あなたに負けるトレーナーは一人もいません!!!」
ユヤのこの言葉にレンはぶち切れギラティナを繰り出した。
「ギラティナ!シャドークローだ!!このガキを八つ裂きにしてころせぇぇぇぇ!!!」
ギラティナのシャドークローがユヤに降り注ごうとした。

第54幕 完

[663] 第55幕、ダブルコンビ
★ディオ★ - 2008年09月01日 (月) 18時50分

ガッ・・・!

ギラティナのシャドークローはユヤに当たる前に何かで塞がれてしまった。
レンは何が起きたのかを目で確かめてみると、ボーマンダが尻尾でうまく押し返している姿があった。

「・・・まさか・・・!」
「そのまさかだ」

狭い部屋から俺の姿が現れる。

「君は・・・あの時の」
「さっきの話は聞いたぜ。お前はつくづく卑怯者だな」
「・・・うるせぇっ!」

レンのは俺にギラティナのシャドークローを命じようとした。だが次の瞬間、レンは急に息を殺す。
キラザの刃に捕らえられたのだ。

「親がやられたら、ギラティナはさぞかし動揺するだろうに・・・」
「くそっ!」
『!』

レンは自力でキラザから抜け出した。その後に俺に向かってくる。素手で勝負する気だ。俺もそれに応えて構える。
最初にレンは右ストレートを繰り出す。速さもある拳だが、これを見切った俺はタイミングよく避けるとカウンターを仕掛ける。避けきれないレンは俺の拳を顔面から食らう。

「・・・喧嘩で負けたことないんでね」
「ちくしょう・・・こうなりゃお前等、生きて返さんぞぉぉっ!!」

ギラティナは急に姿を消した。シャドーダイブだ。

(次の瞬間に姿を現す技・・・機動性を踏まえながら現れるその場所は・・・・・・ここだ!)

俺は全速力で走り出した。次の瞬間にギラティナのシャドーダイブが降り注ぐが、その時には既に俺との距離は離れていた。

「何!?・・・ギラティナのシャドーダイブを避けただと・・・!?」
「あんな攻撃、まだまだ修行が足りないな」

俺は鼻で笑いながらもユヤの元へとたどり着いた。キラザとボーマンダも来る。

「ユヤ、今のお前は戦えるか?」
「は・・・はい・・・!」
「分かった。よし、あの時のことを思い出すんだ。俺と出会い、そして戦ったあの感覚を!」
「感覚?・・・あ、はい!」

思い出したユヤは、ポッチャマを繰り出す。

「ボーマンダ、ギラティナを目隠ししろ!」

ボーマンダはギラティナの目の前に近寄ると、俺達の視界をふさぎ始めた。

「何をしているギラティナ!そんな奴は振り払えるだろ!!」
「隙あり!」

行動できないギラティナはキラザのつじぎりに襲われた。

「ユヤ!」
「はい! ポッチャマ、うずしおです!」

ポッチャマは全力を込めたうずしおをキラザごとギラティナに当てた。キラザにはダメージが食らうと思いきや、渦をうまくコントロールしながら体を保った。

「決めるぞ!」
『おうよ!』

キラザは勢いよく渦の流れと同じ方向に回転を始めた。すると、うずしおの回転力は急に増加し始める。

「バカな!なぜこんなことが・・・!」
「友情だ」

パニックになるレンは俺の声を聞いた。

「友情は何倍にもの力が与えられる。弱き心をくじき、強き者に挑むその心、またの名は魂!!」
「僕達は、守るべきことの為にやるんです!これからもずっと・・・!」
「そしてこれが俺と・・・」
「僕の友情技です・・・!」

その掛け声とともに水は消え、ギラティナは地面に落とされた。戦闘不能である。

「・・・フッ、やるじゃないかユヤ」
「ジュウゴロウ君もです」

俺とユヤはハイタッチをした。

[664] 第56幕 思い出
佳奈美 - 2008年09月01日 (月) 20時08分

「クソ!!!大会の時にお前らを潰してやる!!!」
レンは戦闘不能になったギラティナをモンスターボールに戻し逃げるように去った。
「助けてくれてありがとうございます、ジュウゴロウ君」
ユヤはポッチャマをモンスターボールに戻した後、ジュウゴロウに礼を言った。
「なに、当然のことだ」
ジュウゴロウはキラザとボーマンダをモンスターボールに戻しこの場を後にした。
「皆さんが心配するから僕もそろそろ戻らないと・・・」
ユヤは外を見ると完全に真っ暗になっていることに気が付き、急ぎ足でポケモンセンターに戻った。

「遅いじゃないか、何やっていたんだ!」
ユヤがポケモンセンターから戻るとカンテは心配そうに出迎えた。
「ごめんなさい・・・」
ユヤはレンに酷い目に合わさせたことは口が裂けても言えなかった為、曖昧に言い訳をした。
理由は皆に心配をかけさせたくなかったからだ。
「まあいい、早く部屋に戻っておけ」
カンテはこういい残すと宿泊室に戻っていった。
ユヤは軽く頷き部屋に戻った。

自分の泊まる部屋に戻ったユヤは部屋にユウエイがいた。
「ユウエイさん・・・」
ユヤは別に驚きもしなかった。
「さっき何があったんや?」
ユウエイは口を開きユヤに問いかけた。
「・・・・・・」
ユヤは無言のままベッドに向かい座り込んだ。
「隠しても無駄や、出て行ったときと比べるとお前、凄く元気がないの分かる」
ユウエイはユヤの前に来て全て言えと突っかかってきた。
「・・・はぁ・・・」
ユウエイ相手にはこれ以上隠し切れないと確信したため、ユヤは一部始終を話した。
「レンの奴・・・こんな手も使うようになったとは・・・許せへんで!」
ユウエイは卑劣な手段を使ったレンに腹を立てていた。
「それでジュウゴロウがお前を助けたというわけやな」
ユヤは頷いた。
「もしジュウゴロウ君が助けてくれなかったら僕は殺されるところでしたよ」
ユヤは身震いしていた。
「まあ、無事でよかったで」
ユウエイはホッとして震えているユヤをなだめた。
「あの・・・やっと思い出したんです!」
ユヤは落ち着くとユウエイに話しかけた。
「何がや?」
ユウエイは戸惑っていた。
「前に言ったことです!僕とユウエイさん、昔どこかで会ったって言う話ですよ」
ユヤのこの言葉にユウエイは思い出したがユヤとはどこかで出会った記憶が全然思い出せずにいた。
「僕がまだロケット団に入る前の時です、僕はオーレ地方のポケモンリーグに出たことがあるんです、その時フーディンとミロカロスを連れているトレーナーと戦ったんです、その人は男性でしたげと凄く綺麗な顔立ちをしていました、丁度あなたと同じぐらいで・・・」
ユヤはかつてオーレ地方のポケモンリーグに出たことがあり、優勝は逃したもののいいバトルをしたため悔しいとは思うことはなかった。
その時に戦った相手に負けたことを思い出していた。
その相手はミロカロスとフーディンの2匹だけでユヤのポケモンを全て戦闘不能にさせてこのまま優勝を納めたのだ。
「でも・・・肝心の名前が思い出せないんです・・・」
ユヤはここまで思い出したがどうしても名前を思い出せずにいた。
「オーレ地方のポケモンリーグ・・・それって5年前の奴とちゃうか?」
ユウエイのこの言葉にユヤは大きく頷いた。
「奇遇やな、実と言うと俺もこのリーグに出ていたんや、当然優勝を納めたげとな」
ユウエイは笑顔で言った。
「あの時の優勝者・・・ユウエイさんだったの、僕と戦ったトレーナーって・・・ユウエイさんだったんですね」
ユヤは嬉しそうにしていた。
「あの時、お前みたいな敬語を使っておどおどしているトレーナーと当たって戦ったことがあったんやけど・・・それがお前やったとはな、全然気が付かへんかったで」
ユウエイもやっとユヤのことを思い出した。
「このとき、僕これが初めてのポケモンリーグデビューでしたから・・・」
ユヤは恥ずかしそうにしていた。
「そうそう、初めてのポケモンリーグは流石に俺も上がった程や」
ユウエイは自分が初めてポケモンリーグに出たことを思い出していた。
「ユウエイさんとはまだ戦いたいです」
ユヤのこの言葉にユウエイは強く頷いた。
「ええで!今度はフルバトルでやってやるで」
ユウエイはこういい残すと部屋を出て行った。

第56幕 完

[667] 第57幕 さらわれたガンマ
佳奈美 - 2008年09月04日 (木) 20時36分

翌日・・・
「結局あのまま寝てしまった・・・」
ユヤは自分の今の状況を見て呟いた。
パジャマに着替えずにそのままの格好で眠ってしまい、しかも毛布も何もかけていなかったからだ。
「皆さんもそろそろ起きているはずです・・・」
ユヤは皆がいるロビーに向かおうとしたとき・・・
ガシャーン!!!
下から大きな音が聞こえた。
「!!」
ユヤはすぐに下に向かった。

「ガンマはお前の元に戻るわけないだろうが!!」
ポケモンセンターのロビーではサトシ達が誰かに喚いていた。
ギラティナとレンがポケモンセンターに乗り込んでいた。
レンがここに来たのは、自分の元に働いているガンマがなかなか戻ってこないのを疑問に抱いていたため自分の方からガンマを連れ戻しに来たのだ。
「貴様!!裏切ったな!!」
レンはガンマを睨みつけて怒鳴った。
「サトシ君!皆さん!!」
ユヤは慌ててサトシ達の元に駆け寄った。
「ギラティナ、シャドーダイブ!」
ギラティナは姿を消した。
「シャドーダイブはギラティナの姿を隠してそして油断している相手に向けて攻撃してくる技だ!油断するな!!」
カンテの忠告もむなしくギラティナはシャドーダイブを繰り出し、シャドーダイブがピカチュウとポッチャマにクリーンヒットした。
「ピカチュウ!」
「ポッチャマ!」
サトシとヒカリはすぐにピカチュウとポッチャマの元に駆け寄った。
「レンさん・・・俺はあなたの元には戻らない!あなたのやっていることは間違っている行為だ!こんな奴の元で修行するなんでもう嫌だ!」
ガンマはきっぱりとレンの意見に反対した。
「なんだと!貴様!!俺に向かってこんな口の聞き方をするとは、誰のお陰でブリーダーの技術を見につけたと思っているんだ」
レンは口答えしたガンマに怒鳴った。
「それに関しては感謝している・・・でも卑劣な手を使って勝利を手にするあなたの行為は許せない行為だ!」
ガンマはブリーダー技術を見につけた件に関しては感謝していたが勝利のために不正を働いたりトレーナーを傷つけたり挙句の果てには関係ないトレーナーに暴力を振るう事に関しては別だった。
「俺は正しき行為をしているんだ!俺にとってのやり方でな!!」
レンは高笑いしていた。
「ポケモンセンターの出入り口だけでなく窓もギラティナのシャドークローでぶち壊しといて何が正しき行為だ!!!ジョーイさんの神聖なる区域を壊しおってからにー!!!」
タケシはポケモンセンターを滅茶苦茶にしたレンに腹を立てていた。
「ジョーイさんに代わって俺が成敗してやる!!!」
タケシはグレッグルとピンプクとウソッキーを繰り出して来た。
「待てタケシ!!!ギラティナに通常技は・・・」
カンテはタケシを止めようとしたがグレッグルのかわらわりとピンプクのはたくとウソッキーのすてみタックルがギラティナに向けようとした。
「効いていない!!!どうしてだ!!」
タケシはノーマル技・格闘技が全く効いていないギラティナを見て驚いていた。
「冷静になれ!ギラティナはゴーストタイプのポケモンだ、ノーマル技・格闘技は一切効かないポケモンなんだよ!!」
カンテの言葉にタケシはやっと思い出した。
「そうだった・・・」
タケシは悔しそうに呟いた。
「ガンマ、どうする俺の元に戻るか?それとも戻らないのか!この状況を見れば分かるだろ!!もしお前が『いいえ』を選択すればポケモンセンターはさらに潰れるぞ!こいつでな」
ギラティナはもう一度シャドークローを繰り出そうとしていた。
「・・・・・・・分かりました・・・戻ります・・・」
ガンマはとうとうこの状況に耐え切れずにレンに元に戻ることにした。
「ガンマ・・・」
カンテはガンマを止めようとした。
「師匠・・・ごめん、どうしても師匠を危ない目に合わせたくないんだ」
ガンマはカンテに謝罪するとレンに元に向かった。
「それでいい・・・」
レンはガンマと一緒にギラティナに乗り、この場から去った。
「クソ!!!」
サトシ達は今は悔しがるしかなかった。

「昨日、色々心配事があって全然眠れませんでしたね・・・」
ポケモンセンターから少し離れたホテルからはサイが出てきた。
「シンジ君、昨日ここよりももっと遠いホテルに泊まったみたいですげと一人で大丈夫かな、会長さんともあれから連絡取れないし・・・」
サイはポケギアを弄りながらポケモンセンターに向かおうとした時・・・
ギラティナが2人の人間乗せてどこかに向かうのを目撃した。
「ギラティナ!!!」
サイはすぐにギラティナを追いかけることにした。
(レンを倒さない限りバトル大会は無事に成功を収められない!!!どうしても僕は・・・僕は・・・)
サイはどうしてもシンジともう一度戦いたかったため卑劣な手を使うレンを野放しにするわけにはいかなかった。

第57幕 完

[668] 第58幕 ギラティナ対ケッキング
佳奈美 - 2008年09月06日 (土) 18時33分

ギラティナは今は使われていない空き家に止まった。
「おら、さっさと降りろ!」
レンはガンマを乱暴に降ろした。
「こいつらのケアをしっかりしておけ!」
レンはギラティナをモンスターボールに戻すとすぐに6つのモンスターボールをガンマに押し付けた。
「は・・・はい」
ガンマは指示通りに動きポケモン達のケアを始めようとした。
「そんな奴の言う事を聞く必要ありませんよ」
ガンマとレンは声の方に振り向いた。
サイとケッキングがいた。
「貴様はあの時の!!!」
レンは腹を立てそしてモンスターボールからギラティナを繰り出した。
「俺を付けやがって・・・どういうつもりだ!!!」
レンは喧嘩腰でサイに突っかかった。
「大会の目前に悪事を働くあなたを許せないだけですよ」
サイは壊れた笑顔でレンを見つめながら言った。
「この野郎が!!!大会に出られない体にしてやるまでだ!!!」
レンガ大声で喚くとギラティナはシャドークローを繰り出して来た。
「残念でしたね、ケッキングはノーマルタイプ、ゴーストタイプの技は一切効きませんよ」
サイの言うとおり、シャドークローがケッキングに直撃したがケッキングはノーダメージだった。
「はははははははは!!!馬鹿かお前は、お前のケッキングも俺のギラティナにダメージを与えることは出来ない、ギラティナはゴースト・飛行タイプのポケモンだからな、はーははははは!!!」
レンの言うとおり、サイのケッキングが使える攻撃技はじしんとギカインパクトのみだった。
「こいつでお前にとどめを刺してやる」
レンはさらにドダイトスを繰り出して来た。
「2対1なんで卑怯だよ!!」
ガンマは止めに入った。
「うるせーーー!!!俺のルールじゃアリなんだよ!!!」
レンは逆切れをしガンマを思いっきり蹴飛ばした。
「ガハ!!!」
レンはその反動で人形のように地面を大きく叩きつけられた。
「ドダイトスはケッキングにハードプラント!ギラティナはシャドーダイブでこいつを血祭りにしてやれ!!!」
ドダイトスのハードプラントがケッキングに直撃しケッキングは一撃で戦闘不能になった。
「ケッキング!!!」
サイはすぐにケッキングをモンスターボールに戻そうとしたがギラティナがシャドーダイブの効果でサイのそばに来、サイにシャドーダイブを直撃させようとした。
「!!!」
サイは逃げようにもギラティナのシャドーダイブの威圧感のせいで逃げられないほどだった。
「死ね!!!」
レンは冷たくサイの死を見守ろうとした時・・・
「エレブー、まもる!」
エレブーがサイをかばってまもるを繰り出した。
まもるがシャドーダイブを打ち砕きサイは無傷でいられた。
「エレブー・・・まさか!!!」
サイは後ろを振り返ると、シンジがいた。
「大丈夫ですか?」
シンジはサイの側に寄った。
「はい、ありがとうございます」
サイは礼を言いながらバシャーモを繰り出した。
「ちっ・・・邪魔が入ろうとも俺が負けるはずはねえ!!!」
レンガ怒鳴るとドダイトスはもう一度ハードプラントを繰り出し、ギラティナはシャドークローを繰り出して来た。
「バシャーモはドダイトスにスカイアッパー!」
バシャーモは素早さを生かしてドダイトスのハードプラントをかわしスカイアッパーをドダイトスに直撃させた。
「エレブー、かわしてかみなり!」
エレブーもまた、シャドークローをかわしてギラティナの翼に向けてかみなりをクリーンヒットさせた。
ドダイトスは戦闘不能になり、ギラティナは翼を動かせない状況になった。
「ちっ!!!」
レンは舌打ちをしながらギラティナとドダイトスをモンスターボールに戻した。
そして気を失っているガンマを人形のように引きずり、この場から去ろうとした。
「もう諦めるんですか?」
サイは逃げようとするレンに向かって冷たく言い放った。
「うるせー!!!お前らの命日は大会の時にしてやらぁ!!!」
レンは大声で宣言した。
「いるんですよね〜こういう自分勝手のトレーナーって」
サイは呆れながらバシャーモをモンスターボールに戻した。
「全く・・・もし俺が偶々ここを通りかかっていなかったら一体どうなっていたか・・・」
シンジはサイに少し文句を言った。
「本当にありがとう、シンジ君」
サイは改めてシンジに礼を言った。
「別にいいげとさ・・・いい加減、君付けで呼ぶの辞めてください、あいつらは呼び捨てで俺だけこういう呼ばれ方をすると気が変になりそうですよ」
シンジはこれから名前だけで呼べと忠告した。
「分かりました」
サイは軽く笑いながら従うことにした。

第58幕 完

[669] 第59幕 夜の出来事
佳奈美 - 2008年09月09日 (火) 19時21分

サトシ達はあの後、警察に行って事の成り行きを全て話した。
ジュンサーはすぐにガンマを保護しレンを恐喝・誘拐の容疑で逮捕すると言ったがジュンサー警官達も他の事件があって後回しになるとの事だった。
そして時は過ぎ、外は夜になった。
サトシ達は警察に戻った後ポケモンセンターの修理に取り掛かっていた。
「皆、後は私とラッキーで何とかするわ」
修理をしていたサトシ達に差し入れを持ってきたジョーイとラッキーはお礼を言い、残りはゆっくりと自分達で何とかすると言った。
「ジョーイさん、ジョーイさんがお怪我なくて本当によかったです!でも、これは自分達がちゃんとしていなかった証拠、最後まで自分達が責任を持って修理します!」
タケシはポケモンセンターをこんな風にしてしまったのは自分達のせいだと言い修理を続けた。
「別にタケシが壊したわけじゃないからこれ以上はいいって・・・」
カンテは呆れながら差し入れのサンドイッチを頬張った。
「まあいいじゃないですか、タケシ君がやるって言うからやらせておけば良い事ですよ」
ユヤは少し無責任そうに微笑みながら紙パックの牛乳を飲み干した。
「お前・・・ユウエイの性格が移ったんじゃないのか?」
カンテはユヤのさっきの態度を見て呆れていた。
「あははは・・・移りませんよ、風邪じゃないし・・・」
ユヤは苦笑いしていた。
「明日の大会は絶対にレンも出場する、でも・・・どんなに卑劣な手段を使おうとも俺は俺のやり方でバトルをするぜ」
サトシはモンスターボールを磨きながら明日のバトル大会の決意を改めて言った。
ピカチュウもモンスターボールに出ていたナエトル達もサトシと同じ気持ちでいた。
「明日に備えて今日ははよ寝らへんとな」
ユウエイはポケモンの健康チェックが終わったのを確認し終えるとすぐに宿泊室に戻って行った。
「そうだな・・・」
サトシも時計を見て頷きナエトル達をモンスターボールに戻し、すぐに寝る体制に入り始めた。
「あたし達もそろそろ寝よう」
「ポチャ・・・」
ヒカリはさっきからしきりに眠そうに目をこするポッチャマを見て席から立ち上がった。
「そうだな」
カンテとユヤもそろそろ寝ることにした。
「じゃあ、また明日な」
それぞれ挨拶を交わすと宿泊室に戻り始めた。
未だにポケモンセンターの修理をしているタケシを残して・・・

第59幕 完

[670] 第60幕、2人の闘志、爆発
★ディオ★ - 2008年09月10日 (水) 17時47分

あの後俺は、サイやミクリに行き先も言わずに森へこもった。三銃士がいたあの森である。
なぜこんなことをするのか、それは対修羅堂との備えである。おそらく修羅堂は新たな手を打ってる筈だ。そこでこちらは、新しい技を実につけて対抗しようと試みたのである。
その技の修行は、かなりの時間が経とうとしていた時・・・

「・・・で・・・できたっ!!」

大木が木っ端微塵に砕かれる姿を見て、俺とキラザは希望を手にしたかのような顔になる。

「あとは起爆剤となる力が必要だが、これなら修羅堂に勝てるぞ!」
『それにしても大胆な発想だな、ジュウゴロウ』

キラザが編み出した技を紹介しておこう。
キラザはサイコカッターを上空へあげたあと、ジャンプしてサイコカッターに追いつき、そのままとび蹴り態勢で足にサイコカッターをドッキングさせ、敵へ雷のごとく一直線に押し付けること。題して『サンダーキック』である。

「サイコカッターの効果とお前の脚力なら、この威力は半端ないはずだ。度肝抜くぜ」
『雷か・・・以前は風となっていたが、今度は雷の時代か』
「ああ、雷さ」

これで絶対に奴らに勝つ。そして、あのレンにもひれ伏せてやろうとした。



「・・・フッ、例えジュウゴロウがどんな手を使っても、この戦術は見切れまい」
「隠し玉という奴ですね、確かに彼でも無理でしょう」

修羅堂側では、明日に備えてのポケモンの調整や、状態を調べていた。
リーダーのイチノセは、今まで戦ってきた俺達大魔神のビデオテープを見ている。

「やつの癖は必ずあるはずだ。それさえ見切れば奴は只の腰抜け。レジロックが主力と見せかけ、本当はゴルダックとは知らずに・・・」

イチノセの戦術はこうだ。
伝説ポケモンはほとんどが主力になってくれると思わせているが、本当はゴルダックが主力としている。
なぜならゴルダックにはエスパー能力があるからだ。テレパシーで仲間に攻撃、防御、回避を命令する。言うなれば、ゴルダックはチームの司令塔だ。

「もう一度戦うことになるな、ジュウゴロウ・・・」

イチノセは不適な笑いをした。

[672] 第61幕 予選開始
佳奈美 - 2008年09月10日 (水) 18時15分

翌朝、ポケモンセンターでは大会の参加者達が集まっていた。
「前の大会みたいに予選でもするのかな・・・」
サトシは辺りを見回しながら呟いた。
「多分するだろ」
カンテはサトシの呟きが聞こえたらしくそう答えた時、バトル大会主催者が参加者の前に現れた。
「バトル大会参加者のトレーナー達、今日から2日間予選を開始する!予選のルールはポケモン1匹のみ使用、一発勝負だ!」
バトル大会は前回と同じく予選をすることになり、バトルのルールはポケモン1匹のみの一発勝負となった。
「そして予選通過をした8名は3対3のバトルトーナメントを実行する!」
トーナメントに通過できるのは8名でバトルのルールは3対3で先に2勝した方が勝者でファイナルではフルバトルで行われることになった。
「なお、ファイナルで優勝したトレーナーはこのまま優勝賞品を受け取ることは出来ない!」
主催者のこの言葉に参加者達は不満を買った。
「何だよそれ!」
「ケチる気か!」
参加者達が文句を言うと主催者はさらに話を続けた。
「ファイナルの優勝者はコンテストマスターのミクリとチャンピオンリーグマスターのシロナとの6対6の勝ち抜き戦をしなければならない!シロナに勝ったら優勝賞品とアルミアのチャンピオンリーグマスターの称号を授与する!!!」
ファイナルの優勝者はミクリとシロナと連続してバトルで勝たなければならず連続勝利を収めたら優勝賞品だけでなくチャンピオンリーグマスターの称号も得ることが出来る。
この話を聞いて最初は不満を買った参加者達も大興奮した。
滅多に戦えないコンテストマスターとチャンピオンリーグマスターとバトルが出来るだけではなく優勝したらアルミアのチャンピオンリーグマスターに上れる大変名誉な賞品も得られるからだ。
「よーし!!!チャンピオンにはなれなくてもシロナさんとミクリさんとバトルしてやるぜ!!!」
「ピカチュウ!!!」
サトシとピカチュウは興奮を抑えながら張り切りを見せた。
「チャンピオンは興味がわかないが優勝は狙って見せるまでだ」
カンテはチャンピオンリーグマスターになる気は毛頭なかったが優勝を狙っていたため少し興奮していた。
「よっしゃ!連続で優勝納めてやるまでや!」
以前のバトル大会で優勝したユウエイは連続で優勝を納める気でいた。
「チャンピオンリーグマスターか・・・狙ってみる価値はありそうだな」
別の場所で話を聞いていたシンジは優勝する気でいた。
「会長さんも何処かで話を聞いているみたいですし・・・僕も頑張りますか」
サイはさっきからジュウゴロウの姿が見えないのを疑問に抱いていたが開き直っていた。
いよいよ予選が始まろうとしていた。

第61幕 完

[673] 第62幕 予選通過条件
佳奈美 - 2008年09月10日 (水) 19時17分

大会のルールを聴き終えた参加者達は予選に使用するポケモンの登録を行い始めた。
「使用ポケモンはブイゼルですね」
受付員はサトシの使用ポケモンを名乗った。
「ごめんなピカチュウ、予選の方では応援の方を頼むよ」
サトシはピカチュウに謝った。
「ピカピカ」
ピカチュウは別に気にしていないという顔をして頷いた。
「それではこのカードを受け取ってください」
受付印はサトシに一枚のカードが渡された。
テレホンカードに似たカードで『炎』と大きく書かれていた。
「これ、なんですか?」
サトシはカードを見て質問した。
「これは予選通過に絶対に必要なカードです、このカードは『炎』『水』『草』『電』『鋼』『霊』『超』『闘』『悪』『風』『ノーマル』『氷』『竜』『岩』『地』『虫』と記されています、このカードそれぞれ1枚ずつ、計10枚集めたトレーナーは予選通過者として認められるのです、なお同じカードは予選通過条件には入らないので注意してくださいね」
このカードはバトルをするたびに賭けなければならず勝った者は負けた者のカードをゲットできるルールが付いていた。
その上、同じ文字が書かれているカードは予選通過条件には含まれなかった。
「要するに今もっている『炎』以外のカードを10枚集めればいいんだな」
サトシはこんなの楽勝じゃないかというかのようにカードを見つめていた。
「よし、頑張るぞブイゼル!」
サトシはモンスターボールからブイゼルを繰り出し、ブイゼルに一緒に頑張ろうといった。
「ブイブイー!!」
ブイゼルは久しぶりのバトルで張り切っていたため強く頷いた。

サトシが外に出て対戦者を探すと既に誰かが1勝した後を目撃した。
「すげえな、予選開始からまだ30分もたっていないのに・・・」
サトシは感心しながらその相手を見た。
「この大会、以前よりも手軽すぎて程々に嫌気がさす」
シンジだった。
シンジはエレブーで勝負を挑み僅か30分で相手を倒した後だった。
しかもカードは最初に持っていた『風』にさっきゲットした『水』合計で2枚持っていた。
シンジはこのまま相手を見下したままこの場を後にした。
「強すぎるぜ・・・あいつのポケモン、一体どんな風にしたらあんなに強く育てられるんだ」
シンジに負けたトレーナーは恨めしそうに足掻くのが精一杯だった。
「・・・・・・ぼやぼやしていられないぜ、早く対戦者を探すぞ!」
「ブイ!」
サトシはブイゼルにそう呼びかけるとブイゼルは頷いた。

第62幕 完

[674] 第63幕、ドサイドン、発進!
★ディオ★ - 2008年09月11日 (木) 16時24分

「勝者、ジュウゴロウ選手!」

審判の判定が下された。相手はガックシとした顔でカードを渡す。『悪』のカードだった。

「まず一枚目ゲット!」
『お前も本気だな』
「ああ、今こそこいつの力が問われるときだぜ。ドリルポケモン、ドサイドン!」

俺が予選に出していたポケモン、それはドサイドンであった。
こんなポケモンいたのだろうかと思うはずだが、ついでに説明しておこう。
それは技を編み出し、今夜は野宿にしようとしていたその直後だった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「キラザ、俺は今思っていた」
『何をだ?』
「・・・このサイドンをこいつで、真の姿へと変えようとしている」

俺が取り出した道具、それはプロテクターであった。
これをサイドンにもたせれば、進化してドサイドンになる。

「修羅堂だけじゃ意味がない。ユウエイのように、リオルをルカリオに進化させた。それなら、こいつだってやるべきだとな」
『・・・確かにな』

俺はサイドンを出す。

「今こそ使う!受け取れサイドン!」

思いっきりプロテクターをサイドンに投げると、サイドンはそれに応えて手に収める。
次の瞬間、サイドンは進化の光に包まれ、姿を変え始めた。
ドサイドンに進化した。

「・・・その鎧とパワーで、勝ちに行くぞ!」

俺が握手の手を前に出すと、ドサイドンは喜んで握手をしてくれた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「さて、まだまだこれからだ。ドサイドン、行くぞ」
『俺の分までやってくれよ』

キラザは大人しくボールへと戻り、次の相手を探す。



「レジロック、とどめだ」

レジロックの拳が、相手のポケモンに直撃する。

「勝者、イチノセ選手!」
「まず一枚・・・」

イチノセは『龍』のカードを手に入れる。

「あの男、すんげぇ強い・・・」
「化け物だ。あんなのがもし決勝で暴れたら・・・」

近くにいたトレーナーたちは、イチノセには近寄りたくないと思っていた。

「・・・逃げるつもりで?」
「ギクッ!」

イチノセは鋭い眼光でトレーナーを逃さなかった。


「シンジ君・・・いや、シンジは見当たらないみたいだね」

サイは少しがっかりした顔になる。だがこんなことしていたら情けない、速く探そうとしていたその時、トレーナーを発見する。しかも手にしていたカードは『炎』、サイは『水』カードを手にしているのでチャンスだった。

「サトシ君!」
「あ、サイさん!」

サトシはこっちに気づいてくれた。

「ブイゼルで行くんですね。僕はこれですよ!」

サイはボールを出した。バシャーモである。

「よし!水は炎に強いし、ブイゼル、サイさんとやるぞ!」
「それはどうかな?僕の本気、見せてあげるよ・・・」

早速審判に頼み、対決が始まった。

[675] 第64幕 水(ブイゼル)対炎(バシャーモ)
佳奈美 - 2008年09月11日 (木) 18時04分

サトシは貰った最初の『炎』サイは『水』のカードをかけてのバトルが始まろうとした。
「ブイゼル、君に決めた!」
サトシはブイゼルを・・・
「優秀は君だ!バシャーモ!」
サイはバシャーモを繰り出した。
「ブイゼル、みずてっぽう!」
「バシャーモ、かみなりパンチ!
ブイゼルのみずてっぽうとバシャーモのかみなりパンチが互角に決まった。
「負けるなブイゼル、アクアジェット!」
ブイゼルは先制攻撃が出来るアクアジェットをバシャーモの足に直撃させた。
「足を狙ったのが不幸の始まりですよ」
サイはこれを待っていたかのようにバシャーモにブレイズキックを命じた。
バシャーモは足元でアクアジェットを繰り出しているブイゼルに向けてブレイズキックを直撃させた。
「ブイーーー!!!」
ブイゼルは吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられた。
「ブイゼル、大丈夫か!」
サトシは心配そうに呼びかけた。
ブイゼルはふらつきながらも立ち上がった。
「よし!みずのはどう!」
ブイゼルはみずのはどうを繰り出し、バシャーモの顔面に直撃させた。
「バシャーモ!」
サイは体制を整えなおそうとしたが効果抜群だったためバシャーモは体勢を立て直せずにいた。
「もう一度みずのはどう!」
「ブブーイ!!!」
ブイゼルはもう一度みずのはどうをバシャーモの体に命中させた。
「バシャーモ、ブレイズキックで自身の体をかわすのです!」
バシャーモはブレイズキックの炎の力を利用して体を乾かし始めた。
「そうはさせないぜ!ブイゼル、とどめのアクアジェット!」
サトシの願いもむなしくブイゼルのアクアジェットがバシャーモに直撃する前にバシャーモは体を完全にかわしきってしまい、かみなりパンチを繰り出して来た。
ドカーン!!!
アクアジェットとかみなりパンチが互いを直撃してしまい、ブイゼルとバシャーモは戦闘不能になった。
「引き分け・・・」
「みたいですね・・・」
サトシとサイはこの光景を見て唖然としていた。
「引き分けの場合はどうなるのかな・・・」
サトシはカードを見て呟いた。
「確か引き分けの場合は互いの賭けていたカードは無効となってどっちもカードを手に入れることは出来ないみたいですよ」
サイはあらかじめ渡されたルールの情報を得ていたためサトシに説明した。
「まあいいか、次に賭けて見せるぜ!」
「ブブーイ!」
サトシは次は勝ってカードを入れる気でいた。
「サトシ、前は君のことを誤解していたみたいだったね、君はシンジと同じくらいに僕を楽しませる強いトレーナーだってことがよく分かったよ」
サイは前にサトシのバトルは全然楽しめないバトルだと言ったことがあった。
でも今回のことでサトシのバトルを充分認めたのだ。
「ありがとうございます、トーナメントでまた戦いましょう」
サトシは手を差し伸べた。
「うん、楽しみにしているよ」
サイはサトシと握手を交わした。
「じゃあ、俺はこれで・・・」
サトシはこう言うと、すぐに次の対戦者を探し始めた。
「僕も行きますか」
サイもまた、対戦者を探し始めた。

第64幕 完

[676] 第65幕 一番目の通過者
佳奈美 - 2008年09月13日 (土) 18時55分

予選が始まってから瞬く間に2時間が経過した。
「ルカリオ、はどうだん!」
ウォーティシティの中央部分にはユウエイが進化したばかりのルカリオでバトルをしている真っ最中だった。
「かわせ、ヒメグマ!」
エリートトレーナーはヒメグマにはどうだんをかわすように命じたがはどうだんは100%当たる技だったためかわすことは無意味だった。
はどうだんがヒメグマに直撃し、ヒメグマは戦闘不能になった。
「負けたか・・・いいバトルでしたよ」
エリートトレーナーは負けを認め、ユウエイに『闘』のカードを渡した。
「ありがとう、お前の分まで勝って来てやるで」
ユウエイはカードを受け取り、エリートトレーナーと握手を交わした。
「ユウエイ、なかなかやるじゃないか」
ユウエイのバトルを見ていたカンテがバトルを終えるとユウエイに話しかけた。
「よう、見とったんか」
ユウエイは嬉しそうにカンテの側に来た。
「順調に集まっているみたいだな、カード」
カンテは自分のカードをユウエイに見せた。
「互いに4枚ずつやな」
ユウエイの今の手持ちカードは『氷』『炎』『鋼』『電』
カンテは『水』『悪』『草』『風』だった。
「互いに後集めなければならないカードは6枚」
「今日中は無理でも明日の午前中までには何とか集まりそうやな」
カンテとユウエイは互いにまたファイナルで戦いたいと思っていたため、燃えていた。
「ファイナルで戦おう!」
「ああっ!」
2人は火花を散らし終えると、次の対戦者を探すべく別れた。

同時刻、トーナメント会場では・・・
「おらよ!カード10枚だ」
レンが受付員に予選通過条件のカードを見せた。
『炎』『氷』『電』『竜』『風』『地』『岩』『水』『草』『鋼』とそろっていた。
「わすが2時間で・・・」
受付員は驚いていたが正真証明のカードだったため非難することは出来なかった。
「分かりました、予選通過を認めます」
受付員の言葉にレンはにやりと笑い、この場を後にした。
(ギラティナのパワーでは予選通過者はコイキングをひねり潰すようなものだ)
レンは心の中でこう思っていた。

第65幕 完

[679] 第64幕、決戦、ジュウゴロウ対イチノセ
★ディオ★ - 2008年09月14日 (日) 11時51分

その頃・・・

「勝者、ジュウゴロウ選手!」
「おっしゃあっ!!」
「なんて奴だ・・・測定不可能だぞ!」

俺は修羅堂の一味を目撃し、カードを容赦なく獲りに挑み、ちょうど全滅させたところである。

「やはりリーダーしか止められないのか・・・」
「ハンッ!俺のドサイドンはイチノセにも、誰にも止められねぇぜ?」
「やれるものやらやってみろ・・・ってか」
「! イチノセ・・・」

リーダーのイチノセが俺の前に現れた。

「リーダー!そいつは既に9枚カードを持ってます!止めてください!」
「任せろ。俺も9枚になっているからな・・・」
「真剣勝負か・・・」

イチノセはレジロックを繰り出し、ドサイドンと睨み合った。
次の瞬間、両者はものすごいスピードで走り出し、激突した。
両者のパワーは互角か・・・と思いきや、ドサイドンのパワーがレジロックを押し切った。ドサイドンは隙を逃さずにレジロックにパンチを与え、レジロックは2、3歩後ろに下がる。

「フッ、やるな・・・ではニ撃目だ!」

またもやレジロックは突進した。

「迎え撃て!」

ドサイドンの目に迷いはない。真っ向勝負で再び激突した。
が・・・

「掛かったな、じしん」
「!?」

罠だと気づいた俺は、慌ててドサイドンを下がらせようとした。ドサイドンはじしんの衝撃でレジロックもろとも吹っ飛ばされる。
ドサイドンは仰向けのまま地面に落ちた。

「頑張るんだドサイドン!」
「レジロック、やれ」

レジロックはドサイドンの腹にボディプレス、さらには八つ裂きするかのように蛸殴りをする。

「まずい、限界が・・・」
「このままノックダウンにしてやろう!」

ラッシュがドサイドンの顔に当たりまくる。するとドサイドンは、体に力を入れて横へ180度反転した。レジロックは振り払われる。

「何!?」
「・・・決める!」

ドサイドンはレジロックに突進した。

「・・・だが遅かったな。体力はもう無い!じしんでトドメだ!」

レジロックは両腕を叩いてじしんを発生させる。

「・・・今だ!」

ドサイドンはタイミングよくジャンプし、じしんを避けた。

「何だと!?」
「倍で返すぞ!じしん!!」

じしん+じしんで半端ない威力となった攻撃がレジロックにぶつかった。

「み、見事だ・・・ジュウゴロウ・・・!」
「勝者、ジュウゴロウ選手!」
「敵将、討ち取ったりぃぃ――っ!!!」

10枚のカードが揃った。

[680] 第67幕 三番目の通過者
佳奈美 - 2008年09月14日 (日) 12時49分

予選開始から5時間経過・・・
「ブイゼル、とどめのアクアジェット!」
ブイゼルのアクアジェットがボーイスカウトのゴローンに直撃し、戦闘不能になった。
「これで俺のカードが全て失った・・・完敗だ!」
ボーイスカウトは最後の一枚のカードをサトシに渡した。
サトシはサイと別れた後、カードを5枚も集めたのだ。
『炎』『地』『草』『風』さっき手に入れた『電』のカードを持っていた。
「残り5枚か・・・まだ長いな」
サトシは少しため息をついた。
「ブイブイブーイ!!!」
ブイゼルはいつもにも増して張り切りをサトシに見せ付けた。
「まだバトルしたいのか?」
サトシはブイゼルに尋ねた。
ブイゼルは強く頷いた。
「よし!昼飯食ったらまだバトルだ!予選通過まで思う増分戦戦おうぜ!」
サトシはブイゼルの気持ちが充分に分かっていたので休憩後に再びバトルに取り掛かることにした。

「ハクリュー、ギカインパクト!」
別の場所ではカンテがからておうとバトルをしていた。
「ワンリキー、みきり!」
からておうのポケモン、ワンリキーはみきりでギカインパクトをかわした。
「ワンリキー、からてチョップ!」
ワンリキーはギカインパクトをみきりでかわし終えると、すぐにからてチョップを繰り出した。
「ハクリュー、ドラゴンダイブ!」
ハクリューもまた、からてチョップがくるのを見合わせてドラゴンダイブを繰り出した。
からてチョップとドラゴンダイブがぶつかり合ったがドラゴンダイブの方が威力が強かったため、ワンリキーは戦闘不能になった。
「負けた!!!」
からておうは悔しそうにしながらカンテに『悪』カードを渡した。
「いいバトルだったぜ」
カンテはこれを言うのはいつも忘れずにしていた。
「あっ・・・ああっ」
からておうは呆然としながらも返事を返した。
「これで6枚」
ユウエイと別れた後、カンテは『炎』『電』のカードを入れたのだ。
「後4枚・・・」
カンテはカードをしまうと次の対戦者を探し始めた。

「楽勝楽勝♪」
ユウエイはあの後、ルカリオと共に順調にカードを集めついに予選通過条件の枚数がそろった。
「予選通過カード集めました」
ユウエイは受付員にカードを渡した。
「『氷』『炎』『鋼』『電』『水』『岩』『地』『悪』『竜』『草』予選通過を認めます」
受付員はユウエイを予選通過者として認めた。
「俺の他にも予選通過している奴がおったんか」
ユウエイは壁の上に張られている紙を見ていた。
一番目はレン。
二番目はジュウゴロウ。
そしてユウエイが三番目だった。
「強いな・・・あいつら」
ユウエイは感心しながらポケモンセンターに向かった。

第67幕 完

[681] 第68幕 サイの過去(前編)
佳奈美 - 2008年09月14日 (日) 20時31分

予選開始から6時間経過・・・
「これで8枚・・・後2枚ですね」
サイはケッキングで予選を勝ち続けていた。
「会長さんも既に予選通過しているみたいですし・・・僕もくずくずしていられませんね」
サイは次の対戦者を探そうとした時・・・
「すげー、あのガキ、僅か6時間で予選通過だ!」
バトルを見ていた野次馬が驚く声を聞きつけ、サイはすぐにこの場に向かった。
そしてその場を見ると、既にカードを10枚集めたシンジを目撃した。
「多少時間が掛かったが・・・まあいい」
シンジはカードの枚数を数え終えると、エレブーをモンスターボールに戻しトーナメント会場に向かった。
「・・・・・・やっぱり似ている・・・あいつに・・・」
サイは去っていくシンジを見ながら過去のことを思い出していた。

―――――――――――――――――――――――――――――
2年前・・・
マグマ団幹部から足を洗いそしてジュウゴロウ率いる『大魔神』の一番部下に入って数日・・・
サイは暫く修行したいがためにジュウゴロウと別れ、トバリシティにやってきた。
不運にもトバリシティに着くと同時に雨が降り出した。
「雨か・・・傘、買っとけばよかったな・・・」
サイは呟きながらポケモンセンターまで走ったが途中で道に迷ってしまった。
「はぁ・・・初めての町だから迷った・・・」
サイは息を切らして呟いた時・・・
「どうしたんだ?」
紫色の長めの髪を一つに結わえ、オレンジ色の服と水色のエプロンが特徴の青年がサイに話しかけていた。
買い物帰りだろうか左手には買い物袋を下げていた。
「ああ・・・」
サイはため息を少しついてポケモンセンターの場所を尋ねた。
「ポケモンセンターだと、ここから先少し遠いよ」
青年がこう言うとサイはまた一つため息をついた。
体は雨のせいで冷え切っており、服や紙はずぶ濡れ状態だったため、サイは早く雨をしのげる場所に向かいたかった。
「暫くうちで休んでいく?」
青年は少し微笑んで家に誘った。
サイはこの際仕方ないかと言うかのように頷いた。
―――――――――――――――――――――――――――――

「あの・・・」
サイが考えことをしている時、トレーナーが話をかけてきた。
「ん?」
サイは我に返り、振り向いた。
「大会の参加者ですよね、僕とバトルしてください」
トレーナーはバトルを申し込んだ。
「いいですよ」
サイはすぐにモンスターボールを構えて挑戦を受けた。

第68幕 完

[682] 第69幕 サイの過去(中編)
佳奈美 - 2008年09月15日 (月) 08時57分

「ケッキング、じしん!」
バトルが始まってから僅か5分足らずで相手のサンダースは戦闘不能になった。
「強すぎるよ!あのケッキング!!」
トレーナーは悔しそうにサンダースをモンスターボールに戻すとカードを渡した。
「どうも」
サイは『霊』と印されたカードを受け取ると最後の対戦者を探し始めた。
昔を思い出しながら・・・

―――――――――――――――――――――――――――――
青年の家に案内されたサイは風呂に入るように進められた。
最初は戸惑ったが青年の親切を受け取ることにした。
「暫くの間、君のポケモンは俺が面倒見るよ」
そしてサイは6つのモンスターボールを青年に渡した。
「お願いします・・・」
サイは軽く頭を下げるとすぐに風呂場に向かった。
「濡れた衣服類は乾燥機の中に入れてとってね、すぐにスイッチを入れるから」
青年がこう言うとサイは「分かりました」と離れたところから返事をした。
1時間後・・・
その間にはサイは既に風呂から上がっており、衣服類は乾燥機のおかげで完全に乾いていた。
雨も通り雨だったのが既にやんでいた。
「ふーん、サイは『大魔神』って言うポケモンクラブに入っているんだ」
サイは青年に『大魔神』のことを話した。
『大魔神』はバトルに勝ち続けるクラブだと言う事を説明したが青年はなぜかこういうルールのクラブには感心できずにいた。
「何も勝ち続けることだけがバトルじゃないんだと思うげとな・・・」
青年は暫くサイの話を黙って聞いていたがすぐに口を開いた。
「勝ち続ける事も大切だけどたまには負けるのも大切なんだと思うな、ポケモンやトレーナーがさらに強くなるのは勝った後じゃない、負けた後なんだ、その負けによって次はもっと強くなれる!そう思えば強くなれるんだと思うな」
青年は負けたことによって目標がさらに高まり、それが元で強くなれると説明した。
「そうかな・・・」
サイは疑り深くたずねた。
「俺とバトルしてみない?そうすれば理解できると思うよ」
青年はサイにバトルを申し込んだ。
「バトルか・・・いいですよ」
サイはその挑戦を受けることにした。
―――――――――――――――――――――――――――――

「そこの青年!」
サイが昔のことを思い出しながら対戦者を探している時、女トレーナーが話をかけてきた。
「互いにリーチを取っているって言う顔をしているわね、どう、あたしとバトルしてみない?」
女トレーナーはサイにバトルを申し込んできた。
「・・・いいですよ」
サイは寝ぼけている口調でバトルを受けた。
「あんた・・・寝ながら対戦者を探していたんじゃ・・・」
女トレーナーはサイを見て呆れていた。
「いいえ、そんなことはありませんよ」
サイは首を振りながらモンスターボールを構えた。
「本当に大丈夫かな・・・こいつ」
女トレーナーは呆れつつもビーダルを繰り出して来た。
「ビーダル・・・」
サイはビーダルを見るとまた昔のことを思い出し始めた。

―――――――――――――――――――――――――――――
2人は庭に出て、サイはバトルのルールを尋ねた。
「バトルのルールは3対3、そのうち2勝したほうが勝ちと言うのは?」
青年はバトルのルールを決め、サイにたずねた。
「いいですよ」
サイは承知した。
「行け!ビーダル!!」
青年はビーダルを繰り出した。
「優秀は君だ!ムウマージ!!」
サイはムウマージを繰り出した。
「ビーダル、あくび!」
ビーダルはあくびを繰り出した。
あくびがムウマージに直撃しムウマージは眠そうな表情をし始めた。
「ムウマージ、おにび!」
ムウマージは眠さをこらえながらおにびを繰り出して来た。
「ビダー!」
おにびがビーダルに直撃し、ビーダルは火傷症状になった。
「これで毎ターン火傷のダメージを受けるだけではなく素早さも下がります」
サイは火傷症状を説明した。
「でも、状態異常になっているのはお互いじゃないか」
青年の言うとおり、ムウマージも眠り症状になっていた。
「火傷は眠りと違って攻撃は出来る、ビーダル、シャドークロー!」
ビーダルは火傷のダメージを受けたがシャドークローをムウマージに直撃させた。
「ゴーストタイプのムウマージはゴーストタイプの技には効果抜群!」
青年の言うとおり、ムウマージは大ダメージを受けてしまったがその弾みで目が覚めた。
「随分早いな・・・」
青年は眠り症状の回復が早いことに驚いていた。
「でも・・・それでこそやりがいのあるバトルだ!ビーダル、もう一度シャドークロー!」
ビーダルがシャドークローを繰り出そうとした時、サイはムウマージにマジカルリーフを命じた。
マジカルリーフがビーダルに直撃した。
「ビーダルはノーマル・水タイプのポケモン、マジカルリーフはビーダルにとって効果抜群!」
サイが静かに説明すると同時にビーダルは戦闘不能になった。
「よくやったな、ビーダル」
青年はビーダルをモンスターボールに戻し、モンスターボール越しにビーダルを褒めた。
「ムウマージ、戻って」
サイもムウマージをモンスターボールに戻した、
―――――――――――――――――――――――――――――

「ちょっとあんた!!!やる気あんの!!!」
女トレーナーの大声でサイはやっと我に返った。
「バトル中なのにボケーっとしちゃってさ!これでもポケモントレーナーな訳?」
女トレーナーはさっきからボーっとしているサイに腹を立てていた。
「あっ、すみません」
サイは我に返り、ケッキングを繰り出した。
「ビーダル、いかりのまえば!」
ビーダルは相手の体力を半分削るいかりのまえばを繰り出して来た。
「ケッキング、まもる!」
ケッキングはまもるでいかりのまえばを回避した。
「ケッキング、ギカインパクト!」
ケッキングは凄い威力のギカインパクトを繰り出して来た。
ギカインパクトがビーダルに直撃した。
「ビーダル!!!」
ビーダルは戦闘不能になった。
「とぼけているように見えるげと・・・こいつ強すぎる・・・」
女トレーナーは悔しそうにしながらビーダルをモンスターボールに戻し、カードをサイに渡した。
「どうも・・・」
これでサイも10枚揃え終えた。
「会場に行くか・・・」
サイはこの場を後にしトーナメント会場に向かった。

第69幕 完

[683] 第70幕 サイの過去(後編)
佳奈美 - 2008年09月15日 (月) 09時29分

トーナメント会場に付いたサイはすぐに予選通過条件のカードを見せた。
「あなたが5人目の通過者です」
受付員がこう言うとサイは軽く頷いた。
そして会場の中にある喫茶店で水分補給をすることにした。
そこでもまた、昔のことを思い出していた・・・

―――――――――――――――――――――――――――――
「次はこいつだ!マルノーム!!」
青年はマルノームを繰り出して来た。
「優秀は君だ!キングドラ!!」
サイはキングドラを繰り出した。
「キングドラ、オクタンほう!」
キングドラはオクタンほうを連発で繰り出しマルノームに直撃させたがマルノームの体は柔らかいがためにほぼノーダメージに近かった。
「マルノーム、たくわえる!」
マルノームは何かをたくわえ始めた。
そのせいで体も少し大きく膨らんだ。
「キングドラ、タネマシンガン!」
キングドラはオクタンほうと同じく連発でタネマシンガンを繰り出し、マルノームに直撃させたがマルノームはたくわえるの効果で防御を上げられており最初と同じくほぼダメージを与えることは無意味に近い状態だった。
「マルノーム、もう一度たくわえる!」
マルノームは2回目のたくわえるを繰り出した。
体もさっきよりかは大きくなっていた。
「キングドラ、れいとうビーム!」
キングドラはれいとうビームを繰り出そうとしたがマルノームは今度はまもるでれいとうビームを回避した。
「残念だったね、俺のマルノームはここらへんにいるマルノームとはちょっと違うのさ」
青年が自慢げに言うと、はきだすを命じた。
いいまで蓄えていたエネルギーが技となり、キングドラに直撃した。
「一撃で・・・」
サイはキングドラが一撃で戦闘不能になってしまい唖然としていた。
「こんなに楽しいバトルをする人間は会長さん以外にもいるとは・・・」
サイはジュウゴロウ以外のトレーナーとバトルするのはつまらないとほざいていたか今は違っていた。
こんなにワクワクしたり興奮したりするバトルは実に久しぶりだった。
「彼方、本当に最高のトレーナーですよ!」
サイはいつものクールさを忘れてトレーナーになりたての頃にやった初バトルのことを思い出していた。
「そうか、俺も楽しいよ」
青年はサイに応えた
「最後のバトルの相手はこいつだ!」
青年はムクホークを繰り出した。
「ムクホークか、こっちはエースポケモンを繰り出す!!」
サイはケッキングを繰り出してきた。
「ムクホーク、つばめがえし!」
ムクホークは素早さを上げられていたため素早くつばめがえしを繰り出した。
つばめがえしは必ず命中する技でケッキングはかわせずに直撃を食らってしまった。
「ケッキング、ほのおのパンチ!」
ケッキングは負けないと言わんばかりのほのおのパンチを繰り出して来た。
「空を高く飛び上がれ!」
ムクホークは指示通りに空を高く飛び上がりほのおのパンチをかわしきった。
「このままブレイブバード!」
ムクホークは急降下しながらブレイブバードを繰り出して来た。
「ケッキング、カウンター!」
ケッキングはブレイブバードが来るとすぐにカウンターで威力を倍返しにした。
「ムクホーク!!」
ムクホークは戦闘不能にはなっていなかった。
「ムクホーク、はねやすめ!」
ムクホークははねやすめの効果で体力を回復した。
ケッキングは反撃したかったが特性のなまけの効果で反撃が出来なかった。
「ムクホーク、もう一度ブレイブバード!」
ムクホークはもう一度空を高く飛び上がり、さっきと同じくブレイブバードを繰り出して来た。
今度はブレイブバードがケッキングに直撃した。
「ケッキング、ギカインパクト!」
ケッキングはやっと動けるようになりギカインパクトをムクホークに向けた。
「ムクホーク、つばめがえし!」
ムクホークもつばめがえしを繰り出して来た。
つばめがえしとギカインパクトが互いに直撃した。
「「!!」」
2人が互いのポケモンを見るとムクホークもケッキングも戦闘不能になっていた。
「引き分けか・・・」
青年は疲れたかのようにため息をついた。
「本当に楽しいバトルでしたよ」
サイはケッキングをモンスターボールに戻すと青年に手を差し伸べた。
青年もまた、ムクホークをモンスターボールに戻すと、サイと握手を交わした。
「決着はまた今度ですね」
サイの言葉に青年は強く頷いた。
「ああっ」
「ところで・・・彼方の名前、まだ聞いていませんでしたね」
サイはやっと青年に名前を聞いていないことを思い出した。
「僕も教えたんですから彼方も名前を教えてください」
青年はサイに名前を教えた。
「俺はレイジ、元々ポケモントレーナーだったげと今は育て屋をしているんだ、また機会があったらここにおいでよ、歓迎するよ」
レイジはもうすっかりサイとは友達でいた。
「ええっ、その時はまたバトルしましょう」
サイはこう言うとレイジに別れの挨拶をしてこの家を後にした。
またバトルが出来るのを信じて・・・
―――――――――――――――――――――――――――――

「サイ!」
サイは誰かに呼ばれているのに気が付いた。
「会長さん」
ジュウゴロウだった。
傍らにはキラザもいた。
「さっきから呼んでいるのに何ボーっとしていたんだ!!」
ジュウゴロウはサイを叱り飛ばした。
「すみません、昔のことを思い出していて・・・」
サイはトバリシティでの出来事をジュウゴロウに話した。
「どうりでお前、あの時は嬉しそうな表情していたわけか」
ジュウゴロウはやっとあの時、サイがトバリシティから帰ってきたとき、少し嬉しそうな表情をしていた理由が分かった。
「そういやあいつもトバリ出身だったな」
ジュウゴロウはふとシンジのことを思い出していた。
「割と外見が似ていますからね、レイジとシンジ」
サイは笑いながら言った。
実はサイはシンジがレイジの弟だって言う事は全然知らなかった。
「笑っている暇があったら俺の特訓に付き合え!」
ジュウゴロウはそう言うとキラザをつれて外に出た。
「はいはい・・・」
サイは立ち上がり、ジュウゴロウの後についた。

第70幕 完

[684] 第71幕 そろった予選通過者と非公式コンテスト
佳奈美 - 2008年09月16日 (火) 19時18分

予選開始から10時間経過・・・
外もすっかり暗くなっていた。
「マサラタウンのサトシ君、ノモセシティのカンテ君、共に予選通過を認めます」
受付員はサトシとカンテのカードを数え、そして2人を予選通過を認めた。
「ありがとうございます・・・」
「ギリギリセーフだったぜ・・・まさか他の奴らが既に予選通過して、残りが2人と聞いた時はあせったぜ・・・」
サトシとカンテは自分のペースでカードを集めて行ったが1時間前に予選通過出来る参加者は残り2人だと聞いて慌ててカードを集めたため、サトシとカンテは体の力は完全に抜け切っており、ブイゼルとハクリューは立ち上がれないほどだった。
「ブイゼル、ありがとうな、ここまで戦ってくれて」
「ハクリュー、ファイナルまでゆっくり休んでいてくれ」
サトシとカンテは自分のポケモン達にお礼を言うとモンスターボールに戻し、ポケモンセンターに向かった。

別の場所では・・・
「予選通過者は・・・ジュウゴロウ、サイ、イチノセ、シンジ、ユウエイ、カンテ、サトシ、そして俺か・・・」
レンは予選通過者の発表をネットで見ながらニヤニヤしていた。
「あの・・・」
両足には1個ずつにボーリング玉ぐらいある重りを付けられたガンマがレンのモンスターボールを持ってここに来た。
「ポケモンのケア・・・終わりました・・・」
レンはすぐにモンスターボールを受け取った。
「ご苦労」
レンはそう言うと、ガンマが逃げないように二重にも三重にも両手両足に手錠や鎖をつけ、子供一人は入れるぐらいの大きさの檻に閉じ込めた。
「俺が戻ってくるまで大人しくしているんだな!」
レンは檻の鍵をポケットにしまうとすぐにトーナメント会場に向かった。
(助けて・・・師匠!)
今のガンマはこう思うしかなかった・・・

トーナメント会場・宿泊室では・・・
「非公式のポケモンコンテストが行われるの!」
「ポチャ!!」
いきなりの話にヒカリは驚いていた。
「そうなんですよ、一日にして予選通過者が決まったから余分に時間が空いたんです、トーナメント戦は明後日の朝に行われるって言っていたから明日はポケモンコンテストを行うってミクリさんから聞いたんです」
ユヤはこの情報を偶々通りかかったミクリから聞いたのだ。
本当は予選は二日かけて行われるはずだったが一日にして予選通過者が決まってしまったので時間が大幅にあいてしまったのだ。
本来なら明日にでもトーナメント戦を行いたいが主催者はどんなに早く予選通過者が決まってもトーナメント戦は明後日の朝に行うと言って聞かなかったため、非公式のポケモンコンテストを行うことに決まったのだ。
「あたし、出るわ、カンナギタウンのコンテストの練習にも丁度いいし」
ヒカリは張り切っていた。
「俺も出てみようかな、いっぺんやってみたかったんや」
ユウエイもまた、コンテスト未経験だったため、出ることにした。
「あの・・・僕も出たいけど・・・」
ユヤもまた、ヒカリのコンテストの活躍を知っていたため、その影響で少しばかりコンテストに興味を持っていた。
「じゃあ、皆で出よう」
「ポチャポチャ」
ヒカリの提案にユヤとユウエイは賛成した。
「そうと決まったらミクリのところに行って申し込みや」
ユウエイは張り切りながら部屋を後にした。
「待ってくださいよ、ユウエイさん」
ユヤとヒカリもユウエイに続いてミクリの元に向かった。

第71幕 完

[689] 第72幕、意外な事実
★ディオ★ - 2008年09月17日 (水) 14時15分

俺とサイは無事に予選を通過し、今は特訓をしていた。

「カウンターだけじゃなく、背後対策にじしんまでも使うとは・・・腕を上げたな」

ケッキングの実力を改めてみた俺は、背後からの攻めを狙った。背後ならカウンターは受けない・・・と思いきや、全体攻撃であるじしんで、背後に回ったキラザを確保、これでは背後も狙えなくなったのである。

「まだまだこれからです!」
「それはどうかな?やるぞ!」

サイはまさかの顔で反応する。必殺技で決めようかと思っていた。
だがサイには違和感を感じていた。なぜなら、フォームがいつもより違うからである。
サイコカッターを上に放ったかと思うと、キラザはそれを追いかけるようにジャンプした。
キラザの左足がサイコカッターに向けて勢いよく突き出した。サイコカッターが足に合体すると、そのまま雷のようにケッキングへ落下する。

「は、速い・・・!」

サイがそういった瞬間にケッキングはキックを受け、吹っ飛ばされてしまう。

「これがキラザの新必殺技『サンダーキック』だ!」
「・・・すごい・・・すごすぎますよ会長さん」

先ほどの威力にサイは唖然としていた。

「会長さんは、僕よりさらにその上にいたんですね」
「そういうことだな。まぁ、いい特訓になった・・・それとだがサイ」
「なんですか?」

俺は彼の耳を貸した。

「この大会には、俺達のライバルである修羅堂が参戦している。雑魚は倒したが、リーダーのイチノセが予選を通過したらしい」
「あのイチノセさんですか?」
「ああ・・・そこで、お前には奴のデータを取ってきてくれないか?偵察が得意なお前なら行けるかと・・・」
「・・・任せてください」

サイは早速偵察に向かった。

「・・・さて、これからどうするか・・・」
「ジュウゴロウ君!」

突然誰かの声が聞こえた。

「・・・ミクリ!」

ミクリが嬉しいニュースを用意してそうな顔でやってきた。

「予選通過できたみたいだね。時間が余ったことで、ここだけの話なんだが・・・非公式のコンテストを開催しようと思ってね。参加してみる気はあるかい?」
「・・・勿論だ」

早速ミクリについていき、コンテストにエントリーすることにした。
すると・・・

「ジュウゴロウ!」
「! お前等!」

なんとユウエイ達までもやってきた。

「珍しいなぁ、ジュウゴロウがコンテストに参加なんて・・・」
「俺を誰だと思ってんだ?こう見えてコーディネーターなんだぞ?」
「え〜っ!?」

サトシとヒカリは意外だと驚いた。

「ジュウゴロウさんって、いろいろと挑戦するんですね・・・」
「・・・そういえば、ミクリカップに優勝した人物の話を聞いたことがあるが、確か・・・」
「それって、あたしのことですか?」
「そうだよ!君もコーディネーターだとは気づかなかったよ。これが俺の実績」

俺はリボンを彼らに見せた。

「すげー、もう4つなんて・・・」
「マスターランクに挑戦中なんだが、あのコーディネーターはめっちゃ強くてな・・・アヤコって言ってたが」
「ママと戦ったの!?」
「へぇ〜、君の親が・・・意外だな」


その過去は数ヶ月前だった。
新人コンテストに挑んだ俺は、トップコーディネーターであるアヤコと出会った覚えがあった。
もちろん、最強ときたらこちらも黙ってはおられないと、真っ向から挑んだが・・・

「すげぇな・・・ミクリ以外にも、鮮やかさのある奴がいたとは」

勝負は判定負けだった。
バトルでは互角だった。しかし、それに差の違いがあった。
相手は無駄な動きがないのである。
全力で戦っていたが、その力みとの差を比べれば、天と地の差であった。


「コーディネーターというのは、バトルでもすばらしい演技をしてくれるということをアヤコは俺に分からせてくれたぜ」
「それよりも、その時はあたしのママがお世話になりました」

ヒカリはお辞儀をした。確かに彼女は俺と戦ったトップコーディネーターなのだから、これくらいはしないといけなかった。

「・・・それよりも参加するんだろ?もし戦いたいとしたら、その娘であるヒカリ、お前とも一度戦ってみたい。じゃあな」

俺はすぐにここから後にした。

[690] 第73幕 華麗なるパフォーマンス
佳奈美 - 2008年09月17日 (水) 19時04分

翌日、明日トーナメント戦が行われるトーナメント会場ではポケモンコンテストに出る人でいっぱいだった。
応援席ではサトシとタケシとカンテが座っていた。
「ユウエイも参加するとは・・・あいつ、『暇』『退屈』と言う言葉嫌いだからな」
カンテは苦笑いしていた。
「何事も経験だからな、きっとユウエイさんはバトルスタイルで魅せてくるだろ」
タケシはユウエイのバトル戦術は前の大会の時にたっぷり見ていたためそう読み取っていた。

控え室では・・・
「う〜・・・緊張するな〜」
初めてのコンテストに出るユヤは緊張していた。
ユヤの服は女性でも着られる淡い水色のタキシードを身に纏っていた。
「緊張するなんで情けへんで、常にマイペースに行かへんとこれから先付いて行かれへんで」
ユウエイは緊張しているユヤをなだめた。
「ユウエイさんも初めてのコンテストだって言うのにいつもと変わらない調子ですね」
ユヤはユウエイには神経がないんじゃないかと思っていたがあえて口には出さずにいた。
ユウエイの服は薄い茶色の服に緑色のロングコートを身に纏っており、左腕には青くて極細い鎖が付いているリストバンドを嵌めていた。
(ユウエイさんのコンテスト用の服って・・・いつも着ている服と変わらないように見えるのは私だけかな・・・)
やっと身支度が終わってここに来たヒカリがユウエイの服を見て呆れていた。
ヒカリの服はいつも着ているコンテスト用のドレスにいつものポニーテールをしていたが今回はドレスの方にはいつも付いている赤いリボンの代わりに赤い星の飾りをつけておりポニーテールの方にはいつものゴムではなくピンクのリボンでひとつに結わえていた。

「それではポケモンコンテスト非公式大会を始める、まず一次審査はパフォーマンスステージを行います!この一次審査を通過できるのは4名です」
町長がコンテストのルールを説明し終えると、トップバッターが最初に演技を見せ始めたが外見ばかりこだわっているパフォーマンスだった。
パフォーマンスは続いていったがどれもこれも外見・技ばかり目立ちすぎていたため審査員を勤めているミクリは完全に不機嫌になっていた。
「続いて今回初めてのコンテストとなるフタバタウンのユヤさん、どうぞ!」
ユヤがステージに立つと応援席ではどよめきが起こった。
「可愛いーーー」
「綺麗だ〜」
「すげえ美人だぜ!」
大部分の人達はユヤが男だって言う事は全然知らずにただユヤの美しさに見とれるばかりだった。
「あ・・・あ・・・」
ユヤはボールカプセルにセットしたポケモンを繰り出そうとしたが完全に上がってしまったためどうしても出来ずにいた。
「ユヤさん、大丈夫ですか?」
町長は心配そうにユヤに尋ねた。
「は・・・はい・・・」
ユヤは頷き、深呼吸を始めた。
そして落ち着きを取り戻した。
「行かせて貰います!」
ユヤはいつもの調子に戻り、ポッチャマを繰り出した。
ピンクのバブルからピンク色のポッチャマが可愛らしく繰り出されて・・・
「ポッチャマ、ドリルくちばし!」
ポッチャマはドリルくちばしを繰り出しそして地面につつき始めた。
軽くつつきながら回転を効かせてステップ!
そしてまた同じようにつつきながらジャンプを繰り出す。
この姿が凄く愛くるしく見え、応援席から「可愛い〜」「すげえ」とどよめきが聞こえていた。
そしてこれを見たミクリも大満足の表情をうかめていた。
「なんと言う愛らしい!愛くるしい!たった一つの技だけでポッチャマの可愛さをアピールするなんで、実に素晴らしい!!!」
ミクリはミクリカップの時と同じようにユヤのポッチャマを褒めたてた。
ポッチャマのパフォーマンスが終わると応援席からは大拍手が送られた。

「続きましてミクリカップ優勝者でもあり、将来期待できるコーディネーター、ヒカリさんです!」
ヒカリはボールカプセルにセットしたモンスターボールを持ってステージから現れた。
「エテボース、チャームアップ!」
ヒカリはエテボースを繰り出した。
小さめの青いハートがたくさん散らしなからエテボースが繰り出された。
「エテボース、スピードスター!」
エテボースは多すぎず少なすぎずのスピードスターを繰り出して来た。
「きあいパンチ!」
そしてきあいパンチでスピードスターを壊しエテボースの自慢の尻尾が金色に輝き始めた。
「ダブルアタック!」
フニッシュはダブルアタックで2本の尻尾で大きな手拍子を打ち金色にまとわりついた光をステージに降り注いだ。
「決まった!!」
ヒカリが力んで呟くと、応援席からアンコールが始まった。
「実にいい!エテボースの特徴が凄く生かされている!フニッシュも上出来だ!」
ミクリはユヤと同じくヒカリのエテボースを褒めたてた。

「続いては各ポケモンリーグや大会で優勝を納めている最強トレーナー、カンナギタウンのユウエイさんです!」
ユウエイは張り切ってステージに立ち、そしてピジョットを繰り出した。
白い羽を紙吹雪のように大量に散らしながらピジョットが空高く繰り出された。
「ピジョット、はねやすめ!」
ピジョットは急降下してはねやすめを繰り出した。
はねやすめをするピジョットはただ何もせずにじっとしていたがその光景はまるでバトル前に神経を集中させるように見えていた。
「今や!ゴットバード!!!」
ピジョットはユウエイの合図と共にはねやすめをやめ、空に向けてゴットバードを繰り出して来た。
ピジョットはゴットバードを地面に向けて突撃させた。
そして何事にもなかったかのように翼を休めていた。
「すげーーーー」
応援席からは拍手が送られた。
「ピジョットのはねやすめのかっこよさ!そしてゴットバードの迫力、実に素晴らしい!!」
ミクリはユウエイのピジョットを褒めたてた。
そしてユウエイの次に他の参加者もパフォーマンスを初めて行ったがまたもや最初と同じく外見・技ばかり目立ちすぎていた。
そしていよいよ最後の一人となった。
「最後のエントリー、最近名が売れるようになったコーディネーター、ジュウゴロウさんどうぞ!」

第73幕 完

[691] 第74幕 突破者
佳奈美 - 2008年09月18日 (木) 21時09分

ジュウゴロウがステージに立ち、ボールカプセルにセットしたモンスターボールからアルフィーを繰り出して来た。
小さいバブルから華麗にアルフィーが姿を現した。
「アルフィー、アクアリング!」
アルフィーはアクアリングを繰り出し、アクアリングの光を利用して体の美しさを引きたてた。
「ハイドロポンブ!」
そしてアクアリングを繰り出しながら迫力のあるハイドロポンプを空中に向けて発射した。
ハイドロポンプの水が雨のように降り注ぎアルフィーの体はアクアリングと水の影響で最大に艶やかに見せ付けた。
「素晴らしい!!!」
応援席はアルフィーの美しさに見とれてしまい、演技が終わると大拍手が送られた。
「これにて1次審査は終了いたします、結果発表は5分後に行います」

5分がたち、1次審査を突破した参加者の名が上げられた。
一位はジュウゴロウ
二位はヒカリ
三位はユヤ
四位はユウエイ
と決まった。
「やった!」
控え室で結果発表を見たヒカリは嬉しそうにしていた。
「最下位か・・・まあええか」
ユウエイは最下位でも通過できたので別に気にも留めなかった。
そして二次審査のコンテストバトルの組み合わせは1回目はジュウゴロウ対ユヤ、2回目はヒカリ対ユウエイと決まった。
「あの時は負けたけど今度は負けませんからね」
ヒカリは張り切ってユウエイに宣言した。
「バトルは俺の得意分野や、お前には悪いが一発でKOしてやるまでや!」
ユウエイはコンテストバトル未経験者なので普通のバトルのようにやれば楽勝だと思っていた。

そして二次審査のコンテストバトルが始まった。
ステージではすでにジュウゴロウとユヤが立っていた。
「よ・・・よろしくお願いします」
ユヤは頭を軽く下げた。
「では、制限時間5分、コンテストバトル開始!」
町長が宣言すると、ジュウゴロウはキラザを、ユヤはブニャットを繰り出した。
青い雷と共にかっこよく現れるキラザ、青い星をたくさん降り注いでたくましく現れるブニャット。
2人のバトルが今始まろうとしていた。

第74幕 完

[694] 第75幕 コンテストバトル ユヤ対ジュウゴロウ
佳奈美 - 2008年09月20日 (土) 10時41分

「キラザ、かわらわり!」
キラザは軽やかな動きでブニャットのそばに来てかわらわりを繰り出そうとした。
「ブニャット、めざめるパワー!」
ブニャットはかわらわりを繰り出して来たキラザに向けてめざめるパワーを発動した。
めざめるパワーが回転しながらキラザに直撃した。
ジュウゴロウのポイントが少し減った。
「今度はリーフブレードだ!」
キラザはジャンプして回転しながらリーフブレードを繰り出して来た。
「ブニャット、ひみつのちから!」
ブニャットはひみつのちからを繰り出してきたがキラザは回転しながらのリーフブレードをやめずにいた。
「もらった!」
ユヤはこれで自分の勝ちだと思い込んだとき、キラザはリーフブレードでひみつのちからの光をかき消した。
ユヤのポイントが大幅に削れた。
「そんな・・・」
ユヤは唖然していた。
「回転しながらのリーフブレードはただ相手ポケモンに当てさせるためじゃねえ、相手のポケモンの特殊技をかき消すことが目的だ!」
キラザの回転のリーフブレードは相手にダメージを与えると同時に相手の特殊技・・・たとえばさっきのひみつのちからやふぶき、かえんほうしゃといった特殊技をかき消すための物だった。
「これが・・・見せるバトルなんで・・・」
ユヤは少しばかりコンテストバトルを甘く見すぎていた。
「キラザ、ブニャットに向けてかわらわり!」
キラザはジャンプしてもう一度かわらわりを繰り出して来た。
かわらわりがブニャットに頭に直撃してしまい、ブニャットはバトルオフとなった。
「バトルオフ!ファイナルを進出したのはジュウゴロウ選手だ!」
町長が宣言すると応援席からは歓声が上げられた。
「負けた・・・ありがとうブニャット」
ユヤはブニャットを褒めながらモンスターボールに戻した。

第75幕 完

[695] 第76幕 コンテストバトル ユウエイ対ヒカリ
佳奈美 - 2008年09月20日 (土) 20時56分

2回戦はヒカリとユウエイのコンテストバトル。
2人は既にステージに立ち、ボールカプセルにセットしたモンスターボールを構えていた。
「それでは制限時間5分、開始!」
カウントが進むと、ユウエイとヒカリはモンスターボールからポケモンを繰り出して来た。
ヒカリはミミロル、ユウエイはリーシャン。
ミミロルはピンクのハートが散らばる中から可愛らしく姿を現し、リーシャンは黄色い大量の音符から姿を現した。
「ミミロル、ピヨピヨパンチ!」
ミミロルはジャンプしながらピヨピヨパンチを繰り出して来た。
「リーシャン、ねんりきでミミロルを宙に浮かすんや!」
リーシャンはねんりきを発動してミミロルを空中に浮かせた。
ヒカリのポイントが少し減った。
「ミミロル、慌てないで、空中に向けてれいとうビーム!」
ミミロルは空中にら浮かれて慌てていたがヒカリの言葉に落ち着きを取り戻し、空中に向けてれいとうビームを発射した。
「何処をも狙っているんや」
空中に向けてれいとうビームを発射しているミミロルを見てユウエイは呆れていた。
天井はれいとうビームで氷柱状態がびっしりと付いていた。
「そしてもう一度れいとうビーム!」
ミミロルはもう一度れいとうビームを発射した。
今度は氷柱を根元から壊し始めた。
氷柱がリーシャンがいるステージに降り注いだ。
「シャリーン!!!」
氷柱がリーシャンに直撃してしまい、リーシャンはねんりきを解除した。
ミミロルは自由になって回転しながら地面に降り、ユウエイのポイントは4分の1削られた。
「れいとうビームにこんな使い方があったとは・・・」
ユウエイは思わぬれいとうビームの使い方に驚いていた。
「ミミロル、リーシャンに向けてとびはねる!」
ミミロルは高くジャンプしてとびはねるを繰り出そうとした。
「そうはいかへんで!」
ユウエイはとびはねるを繰り出そうとするミミロルを見てすぐにリーシャンにおんがえしを命じた。
ミミロルはおんがえしをたやすくかわしながらとびはねるをリーシャンにクリーンヒットさせた。
「リーシャン!!!」
リーシャンは戦闘不能になっていた。
「ここでバトルオフ!ファイナル進出者はヒカリさんです!」

控え室に戻ったヒカリとユウエイは既にここに来ているサトシ達と会った。
「惜しかったな、ユウエイ」
カンテはすぐにユウエイを慰めた。
「全くやな・・・コンテストバトルを甘く見ていたで・・・やっぱり俺にはコーディネーターの素質はない見たいやな」
ユウエイは今回の経験によって自分はトレーナーとしてのバトルが一番合っていることだとよく分かった。
「ヒカリ、ファイナルの相手はジュウゴロウさんだな」
サトシがこう言うと、ヒカリは頷いた。
「確かにジュウゴロウさんのエルレイドは強い、でもあたしは負けない!」
ヒカリは力んでいた。
「じゃあ、俺らは応援席で応援しているからな、頑張れよヒカリ」
ユウエイの言葉にヒカリはまた頷き、お礼を言った。
いよいよファイナルが始まろうとしていた。

第76幕 完

[696] 第77幕 ファイナルバトル ヒカリ対ジュウゴロウ
佳奈美 - 2008年09月21日 (日) 11時55分

暫くの休憩が終わり、いよいよファイナルが行われようとしていた。
ステージではヒカリとジュウゴロウが立っていた。
「ヒカリ、お前のコンテストバトル見せてもらうぞ!」
ジュウゴロウは以前、コンテストのマスタークラスでアヤコとコンテストバトルをしたことがあったためヒカリのコンテストバトルに興味を抱いていた。
「はい!」
ヒカリは頷いた。
「では、バトル開始!」
カウントが進むと、ヒカリはミミロルを、ジュウゴロウはキラザを繰り出した。
さっきと同じシールを張っていたため、ミミロルとキラザは同じようにモンスターボールから出てきた。
「キラザ、かわらわり!」
キラザはかわらわりを繰り出して来た。
「ミミロル、ギリギリまでひきつけて!」
ミミロルは暫く動かずにキラザが近くに来るのを待っていた。
そしてキラザがすぐそばに来るとミミロルは回転しながらかわらわりをかわした。
ジュウゴロウのポイントが少し減った。
「なかなかやるな」
ジュウゴロウはニヤリと笑うとキラザにサイコカッターを命じた。
キラザは高く飛び上がりサイコカッターを目にもとまらないスピードで繰り出して来た。
「これは・・・ミミロル、とびはねるでかわして!」
ヒカリはキラザの構えを見てすぐにミミロルにとびはねるを命じた。
ミミロルは高くジャンプしてキラザのサイコカッターをかわした。
そのかわし方によりジュウゴロウのポイントも大幅に削った。
「キラザの『大旋風』をこんなかわし方をするとは・・・魅せてくれるぜ!」
さっきのサイコカッターはキラザ特有の『大旋風』だった。
サイコカッターを空中で目にも止まらぬスピードで繰り出す、以前のバトル大会でジュウゴロウと当たったトレーナーは苦戦するほどの技なのだ。
「そしてとびはねるがエルレイドにクリーンヒットする!」
ヒカリの言うとおり、ミミロルはキラザに向けてとびはねるを繰り出そうとした。
「キラザ、リーフブレードで受け止めろ!」
キラザはすぐにリーフブレードを繰り出し、ミミロルのとびはねるを受け止めた。
ヒカリのポイントが少し削られた。
「このままリーフブレードで切り裂け!」
キラザはこのままリーフブレードを繰り出した。
「ミミー!!!」
ミミロルに大ダメージを与えたことによってヒカリのポイントが大幅に削られた。
「ミミロル、れいとうビーム!」
「キラザ、つじきり!」
れいとうビームとつじきりがぶつかり合い2人のポイントは互角に削られた。
「ピヨピヨパンチ!」
「かわらわりで受け止めろ!」
ミミロルは可愛らしくジャンプしながらピヨピヨパンチを繰り出そうとしたがキラザのかわらわりによってミミロルの耳の動きを封じられた。
「ミミロル!」
ヒカリのポイントがまた削られた。
「とどめのリーフブレード!」
キラザがリーフブレードを繰り出そうとした時、ヒカリはミミロルにれいとうビームを命じた。
キラザはリーフブレードを繰り出す前にミミロルのれいとうビームが顔面に直撃してしまった。
ジュウゴロウのポイントが削られた時、タイムアップのブザーが鳴った。
「ファイナルの優勝者は、ヒカリさんだ!」
ポイントを見ると少しの差でヒカリの方が多かったためヒカリが優勝を納めた。
「やったやったー、ありがとうミミロル」
「ミミ」
ヒカリは嬉しそうにし、ミミロルはすぐにヒカリに飛びついた。
「流石はアヤコの娘だけの事はあるな」
ジュウゴロウはヒカリのコンテストバトルの強さはアヤコと同じだと改めて思った。
「凄いぜヒカリ!」
「ピカチュウ!」
応援席で見ていたサトシ達も嬉しそうにヒカリを祝福した。
「ミクリカップで優勝して以来、凄く絶好調になってきているな、ヒカリは」
タケシもまたヒカリの急の成長を嬉しそうにしていた。

「それではヒカリさんに優勝賞品の『まろやかポフィン』100個を進呈します」
町長はヒカリにポフィンケースの中に入っている『まろやかポフィン』を渡した。
「ありがとうございます」
ヒカリはポフィンケースを受け取った。
「ヒカリ、いいコンテストだったよ、カンナギタウンのコンテストでもこの調子で頑張るんだよ」
ミクリはヒカリをこれからも応援すると宣言した。
「はい、ありがとうございます、ミクリ様」
ヒカリは深々とお辞儀をした。
非公式のポケモンコンテストがヒカリの優勝で幕を下ろした。

第77幕 完

[697] 第78幕 コンテストの後・・・
佳奈美 - 2008年09月22日 (月) 18時26分

非公式のコンテストが終わり、サトシ達はポケモンセンターに戻っていた。
「ミミロル、エテボース、今日は本当にありがとう」
ヒカリはポッチャマ達にさっき渡された『まろやかポフィン』をあげていた。
ポッチャマ、ミミロル、パチリス、エテボースには『まろやかポフィン』を小さい皿いっぱいに、ウリムーには大きな皿に山盛りいっぱい入れた。
「ヒカリのウリムー・・・凄い食べっぷりだな・・・」
カンテはウリムーの食欲を見て唖然としていた。
「ええっ、おかげで『まろやかポフィン』が全部なくなったわ」
ヒカリは空になったポフィンケースを振っていた。
「自分で作ることは出来へんのか?」
ユウエイはヒカリにたずねた。
「『まろやかポフィン』は全種類の木の実をバランスよく調合して作らないといけないのよ、しかもこの調合は凄く難しくてトップコーディネーターでも作るのは難しいって昔ママが言ってた」
ヒカリは本当はポッチャマ達のために自分の手で『まろやかポフィン』を作りたかったが自分では到底無理だと思いため息をついた。
「ポフィンでも適当に木の実を入れてもええと言う訳には行かへんやな」
ため息をついているヒカリを見てユウエイはコーディネーターの凄さを改めて思い知った。
「でも、ユウエイさんは『しぶいポフィン』だけは作れるって以前言っていたじゃないですか」
ヒカリは以前ユウエイが言ったことを思い出していた。
「ああっ、ポフィンを作るのは大して苦手でもないげとな・・・やっぱり俺はコンテストに出場するよりもジムに挑戦する方が合っているで」
ユウエイはため息交じりで言うのが精一杯だった。

第78幕 完

[698] 第79幕 トーナメント戦の組み合わせ
佳奈美 - 2008年09月23日 (火) 10時53分

その夜・・・
サトシ達はホテルに戻って来たがホテルのロビーには明日のトーナメント戦の組み合わせが公表されていた。
「組み合わせが決まったみたいだな」
サトシとカンテとユウエイはすぐにその場に向かった。
ヒカリ達も後をついて行った。
組み合わせの発表に目を通すと・・・
1回戦はユウエイ対カンテ
2回戦はシンジ対サイ
3回戦はサトシ対レン
4回戦はジュウゴロウ対イチノセ
・・・っと決まっていた。
「なんやて!!!」
「嘘だろ・・・」
ユウエイとカンテはトーナメント初戦でいきなり戦うことになるとは思わなかったため、驚きを隠せなかった。
「カンテさん、ユウエイさん、もしかしてファイナル以外で2人が戦うのは・・・」
ヒカリは2人がファイナル以外で戦ったことはないのかと聞いてみたところ、ヒカリの推測通り、カンテとユウエイはファイナル以外でぶつかり合うのは初めてだった。
「でも・・・こういうのも悪くあらへんな」
「ああっ・・・明日が楽しみだ」
ユウエイとカンテは初戦でいきなり戦うことになったと決まった時は戸惑っていたがすぐに冷静さを取り戻し、正々堂々とぶつかりあう事にした。

ジュウゴロウとサイの方では・・・
「トーナメント戦ではイチノセとのバトルか・・・悪くないな」
ジュウゴロウはネットでトーナメント戦の組み合わせを知り、キラザと共に見ていた。
『ああっ』
キラザもジュウゴロウと同じ意見だった。
「会長さん」
サイがジュウゴロウの元に現れ、明日のトーナメント戦の組み合わせを報告しようとしたがジュウゴロウはネットで既に知っていたため報告はやめにした。
「サイ、お前も相手にとっては不足なしの奴が当たってよかったじゃないか」
ジュウゴロウがこう言うと、サイは頷いた。
「ええっ、あの時は引き分け、アマチュアバトルでしたが今度は絶対に決着をつけます!」
サイはどうしてもシンジとのバトルを決着付けたかったためいつもにも増して張り切りを見せた。

第79幕 完

[699] 第80幕 それぞれの思い
佳奈美 - 2008年09月23日 (火) 20時27分

翌日・・・
トーナメント会場では既に応援席は超満員になっていた。
ヒカリとタケシとユヤは一番見えやすいところに座っていた。
「それにしても随分お客さん来ていますね」
ユヤは応援席はもう満員だって言うのにそれでも構わずに床に座り込んだり、出入り口付近に立っている人達を見て唖然としていた。
「このバトル大会はアルミアのチャンピオンを賭けたバトルでもあるからな、きっとここに集まった人達は誰かチャンピオンになれるのか気になってしょうがないだろ」
タケシはピンプクを抱いており、唖然としているユヤに説明した。
「プクプク♪」
ピンプクの方はヒカリに貰った小さいボンボンが白くて丸い形をしていたため嬉しそうにしていた。
傍らにはウソッキーとグレッグルもいた。
ヒカリもチアガールの服を着込み7色に染めたボンボンを持ってサトシとカンテとユウエイの応援を張り切っていた。
ポッチャマ、ミミロル、パチリス、エテボースにもチアガールの服を着せて同じボンボンを持たせており、ウリムーはそのまま応援する気でいた。
「さあ行くわよ!!絶対にサトシとカンテさんとユウエイさんにはいいバトルをして貰わなくちゃね」
ヒカリはボンボンを振り回しながら張り切っていた。
「ポチャー!」
「ミミー!」
「チパー!」
「エポー!」
「ウリー!」
ポッチャマ達も大いに張り切っていた。
「ウソウソー!」
「プクリー!」
ウソッキーとピンプクもポッチャマ達の傍らに来、応援する気満々でいた。
「あれ?グレッグルは応援しないの?」
ユヤはウソッキーとピンプクがポッチャマ達の前に来たにもかかわらずグレッグルだけがタケシの側から離れないことに気がついた。
「あいつはあいつなりの応援の仕方があるんだよ」
タケシはグレッグルの今の考えを知っていたためグレッグルの頭を撫でながらユヤに説明した。
「ふ〜ん・・・」

会場のバトルフィールドに集まった通過者は主催者が来るのを待っていた。
そして主催者が姿を現した。
「予選通過者諸君!!苦難を乗り越えよくここまで昇ってきた!!この実力を認めてやろう」
主催者が指を鳴らすと4人の助手達が大きな箱を2人がかりで二つ持って来、1人の助手が金色の額縁を持ってきた。
「トーナメント戦を勝ち抜き、ファイナルで優勝を納めたトレーナーは、賞金と進化アイテムとアルミアのチャンピオンリーグマスターの称号を授ける!」
右側の箱には大金がぎっしり、左側の箱には全種類の進化アイテムが箱いっぱいに、さらに額縁の中にある紙は正真正銘のチャンピオンリーグマスター資格書だった。
資格書には名前の書くところは空欄になっていた。
優勝者はこの空欄に名前を書き込むことが出来るようになっていた。
(凄すぎるで・・・)
ユウエイは大量の優勝賞品に驚いていた。
(優勝したら人生ばら色じゃないか・・・)
カンテは話が上手すぎると言わんばかりに呆れていた。
(なかなか楽しめそうだな・・・)
ジュウゴロウは賞品や賞金は二の次にしてバトルのことばかり考えていた。
(何処からこんなお金があるんだが・・・)
サイはこの賞品や賞金をどこに手に入れたのかを知りたかっていた。
(ヘッ・・・上等の賞品グッズじゃねえか!)
レンは豪華絢爛の賞品を何がなんとしても自分の物にしたかった。
(あ〜あ・・・しょうもないものばかり・・・)
イチノセはくだらないという顔をしていた。
(アイテムも金も俺にとっては必要ない、俺が欲しいのは資格書だけだ!)
シンジは金もアイテムも目にくれずに資格書ばかり見ていた。
(よーし!)
サトシはジュウゴロウと同じく優勝品は二の次にしてバトルを楽しむことにした。
「ただし!前にも言ったどおり、優勝してもこのまま優勝賞金を受け取れません!コンテストマスターのミクリと、チャンピオンマスターのシロナとバトルをして勝ってから初めてこの賞品を授与出来、アルミアのチャンピオンの称号を得るのです!!」
主催者はこの言葉を付け加えた後、トーナメント開始を宣言した。
「それでは、第1試合は30分後に行う!!」

第80幕 完

[700] 第81幕 トーナメント戦 カンテ対ユウエイ(前編)
佳奈美 - 2008年09月24日 (水) 21時02分

トーナメント開始まで10分前を切った。
「なあ・・・」
ユウエイがミロカロスとフーディンとビーダルの健康チェックをしながらカンテに話しかけた。
「ん?」
カンテもまた、リーフィアとグレイシアとスリーパーの身だしなみを整えていたがユウエイが話をかけてきたため少し手を止めた。
「ガンマのこと、気になっているんとちゃうか?」
いきなりのユウエイの言葉にカンテは表情を変えた。
「ああっ・・・でも、どうして分かった」
やっと口を開いたカンテはユウエイに問いかけた。
「伊達に10年の付き合いや、すぐに分かる」
ユウエイは呆れていた。
「俺達に隠し事は無理か・・・どうしても気になってな・・・」
カンテはガンマがレンに連れさらわれた後、ガンマの安否を何をするにしてもずっと頭から離れずにいた。
「心配せーへんでも大丈夫や」
ユウエイはうなだれているカンテを元気付けた。
「あいつはお前の弟子、お前が唯一認めた相棒やないか、その相棒がレンの元から逃げるのを諦めるわけないやろ、今頃は突破口を探しているはずや」
ユウエイの言葉にカンテは少し元気が出てきた。
「・・・そうだよな・・・あいつ、頭脳はいいほうだからな」
カンテは頷いた。
「バトルのときは余計なことを考えずにポケモンと心を一つにして戦う!お前はいつもこう言っていたやないか」
ユウエイはポケモン達をモンスターボールに戻しながらカンテの口癖を真似た。
「ああっ!そうだよな」
やっとカンテも元気が出、ガンマの無事を信じトーナメント戦は真剣に取り組むことにした。

10分後・・・
「さあいよいよトーナメント戦を開始する!!ポケモンの数は3対3、先に2勝したほうが準決勝戦に進出できます!!」
審判が迫力のある声でトーナメント戦のルールを説明すると応援席からも歓声が上がった。
「それではまず第一試合、ノモセシティのカンテ選手とカンナギタウンのユウエイ選手だ!!互いは以前のバトル大会のファイナルで死闘を繰り広げたトレーナー!!今回はいきなりのトーナメント戦では一体どのようなバトルを見せてくれるでしょう!!それではバトルスタート!!!」
審判がバトル開始宣言をすると、カンテとユウエイは互いのモンスターボールからポケモンを繰り出してきた。
「大地を揺るがせ!リーフィア!!」
「ビーダル、出番や!」
カンテはリーフィアを、ユウエイはビーダルを繰り出して来た。
「リーフィア、にほんばれ!」
リーフィアはにほんばれでフィールドを明るく照らした。
「続けてソーラービーム!」
リーフィアは素早くソーラービームを繰り出した。
にほんばれを利用してのソーラービームは早く撃てる所が威力も倍になっていた。
「前よりも鍛えられているな」
ユウエイはリーフィアが以前のバトル大会よりも素早さととくこうが上がっているのに気が付いた。
「あの後デンガン山で修行をし続けたからな、それがこの結果だ!!」
リーフィアのソーラービームがビーダルに直撃しそうになった時・・・
「ビーダル、ころがるでかわすんや!」
ビーダルは間一髪ころがるでソーラービームをかわしきった。
「このままリーフィアに当てるんや!」
そしてそのままころがるを続けてリーフィアに直撃した。
「リーフィア、エナジーボール!」
リーフィアは立ち上がり、すぐにエナジーボールを放った。
「ビーダル、シャドーボール!」
ビーダルはころがるを止め、そしてシャドーボールを繰り出した。
エナジーボールとシャドーボールが互いにぶつかったがビーダルの方が戦闘不能になった。
「水タイプのビーダルには草タイプの技は効果抜群・・・1回戦は俺の負けやな」
ユウエイは少し悔しそうにしながらビーダルをモンスターボールに戻した。
「よくやったな、リーフィア、ありがとう」
カンテはリーフィアにお礼を言ってモンスターボールに戻した。
「次はこいつや!」
ユウエイはミロカロスを繰り出した。
「頼むぞ!スリーパー!!」
カンテはスリーパーを繰り出した。

第81幕 完

[701] 第82幕 トーナメント戦 カンテ対ユウエイ(後編)
佳奈美 - 2008年09月24日 (水) 21時30分

「スリーパー、きあいパンチ!」
スリーパーは素早くきあいパンチをミロカロスに直撃させた。
「ミロカロス、アクアリングで回復や!」
ミロカロスはアクアリングで体力を回復し始めた。
そしてきあいパンチのダメージを何事にもなかったかのように癒した。
「ミロカロス、みずのはどう!」
ミロカロスはすかさずみずのはどうで反撃に出た。
「スリーパー、さいみんじゅつ!」
スリーパーはすぐにさいみんじゅつでみずのはどうを放とうとするミロカロスを眠らせた。
「でもミロカロスには特性のふしぎなうろこがあるんやで、状態異常の時は防御は1.5倍上がるんや!」
ユウエイはミロカロスの特性を説明したがカンテはそんなことは計算に入っていた。
「確かにミロカロスの特性は厄介なもの、しかしダメージは絶対に与えられないわけじゃないぜ!」
カンテは眠っているミロカロスの隙を狙ってスリーパーにゆめくいを命じた。
ゆめくいのエネルギーがミロカロスに直撃した。
「そしてねんりき!」
続けてねんりきも繰り出して来た。
ねんりきがミロカロスに直撃すると同時にミロカロスは目を覚ました。
「起きるの早いな・・・」
カンテは悔しそうに呟いた。
「ミロカロス、反撃や!」
ミロカロスはふぶきを繰り出して来た。
「ふぶきは当たる確率が低い、かわすんだ!」
スリーパーはすぐにふぶきをかわした。
「ふぶきは囮や!みずのはどうを確実に当てさせるためのな!」
スリーパーはふぶきを完全によけたため安心した表情になっていたがミロカロスはすぐにみずのはどうを繰り出して来た。
「よけろスリーパー!!!」
カンテの願いも虚しくみずのはどうはスリーパーに直撃してしまいスリーパーは戦闘不能になった。
「・・・よくやったな、スリーパー」
カンテは軽くため息をつくとすぐにスリーパーをモンスターボールに戻した。
「ようやったなミロカロス」
ユウエイはミロカロスの胴体を撫でながら褒めた。
「最後のバトルはこいつでいくで!」
ユウエイはミロカロスをモンスターボールに戻すとフーディンを繰り出した。
「俺は最後まで諦めない!!絶対に!!」
カンテはグレイシアを繰り出した。
「フーディン、ねんりき!」
「グレイシア、れいとうビーム!
フーディンはねんりきを繰り出しグレイシアはれいとうビームを繰り出して来た。
その時、グレイシアのれいとうビームがフーディンのねんりきで受け止めた。
「なっ・・・!!」
カンテはこの光景に驚きを隠せなかった。
「このまま壊すんや!」
フーディンはユウエイの指示通りにれいとうビームを壊した。
「じんつうりき!」
フーディンは姿を消しそしてグレイシアの前にいきなり姿を現し、じんつうりきを発動させた。
「グレイシア!!!」
カンテはすぐにグレイシアにあられを命じた。
グレイシアはもがきながらあられを繰り出した。
そしてあられの影響でフーディンに少しダメージを与えその弾みでグレイシアはじんつうりきから解放された。
「しもうた!!グレイシアはゆきがくれと言う特性がある、命中率が低くなる厄介な特性やからな・・・」
ユウエイはいつもこの特性には苦戦しっぱなしだったため、ため息を少しついた。
「でも・・・ここが面白いんやな」
ユウエイはこの対策を考え始めた。
「グレイシア、ふぶき!」
グレイシアは霧の中から姿を現しふぶきを繰り出して来た。
「テレポートでかわすんや!」
フーディンはすかさずテレポートで姿を消し、ふぶきをかわした。
「姿が見えている今がチャンスや!!サイコキネシス!」
フーディンは姿を現しグレイシアにサイコキネシスを放った。
サイコキネシスが直撃し、グレイシアは一撃で戦闘不能になった。
「そこまで!!トーナメント1回戦はユウエイ選手の勝ちだ!!」
審判が判定を下すと応援席からも歓声が上がった、
「グレイシアがゆきがくれをするのは技を繰り出さない時、技を繰り出す時はどうしても姿を見せなくちゃならなくなる、その欠点を僅かの時間で気が付くとは・・・やっぱりお前の一番のライバルはお前だけだな」
カンテはユウエイをライバルとしてますます認めて行った。

第82幕 完

[702] 第83幕 トーナメント戦 シンジ対サイ(前編)
佳奈美 - 2008年09月26日 (金) 21時04分

1回戦はユウエイの勝利で幕を下ろし、次はいよいよ2回戦が行われようとしていた。
2回戦の対戦者はすでにバトルフィールドに立っていた。
「あの時のバトルの約束がこんな形が行われることになるとは・・・しかも早い段階に・・・」
サイはあの時の言葉を思い出していた。
『・・・また会えたら、今度は友達としてバトルしてくれませんか?』
あの時はシンジは一言も言い返さずにその場を去ったがシンジ自身はサイをトレーナーとして認めており、この言葉を忘れてはいなかった。
「今度は引き分けなしで蹴りをつけてやる」
シンジがこう言うとこれが合図かのように審判がバトル開始宣言をした。
「優秀は君だ!ピカチュウ!!」
サイはピカチュウを繰り出した。
「マニューラ、バトルスタンバイ!」
シンジはマニューラを繰り出した。
「ピカチュウ、10万ボルト!」
ピカチュウから先に動き、10万ボルトを繰り出した。
「マニューラ、みきり!」
マニューラは10万ボルトが接近してくると同時にみきりで完全に10万ボルトをかわした。
「れいとうビーム!」
そしてすぐにれいとうビームをピカチュウに直撃させた。
「甘いですね!」
サイはなぜが笑っていた。
そのとき、れいとうビームを当てたピカチュウが消えた。
そして、ピカチュウはマニューラの背後から姿を現した。
「なっ!!!」
シンジは驚きを隠せなかった。
「ちきゅうなげ!」
ピカチュウはマニューラを掴み、そしてちきゅうなげを繰り出した。
「マニュー!!!」
ちきゅうなげが見事に決まり、マニューラは戦闘不能になった。
「れいとうビームを直撃する前にみがわりを発動させていたのか・・・」
さっきピカチュウにれいとうビームを当てたのはピカチュウ自身ではなくピカチュウの技、みがわりだった。
そしてみがわりのピカチュウが消えると同時にピカチュウはマニューラの背後を取り格闘タイプの技、ちきゅうなげを繰り出したのだ。
マニューラは悪・氷タイプのポケモン、格闘タイプの技には弱かったためすぐに戦闘不能になった。
「1回戦は僕の勝ちですね」
サイは嬉しそうにし、ピカチュウをモンスターボールに戻した。
「・・・まあ、相手が相手だ、こんなもんだろ」
シンジはいつもの態度でマニューラをモンスターボールに戻した。
「次はこのポケモンです!」
サイはリザードンを繰り出した。
「ドンカラス、バトルスタンバイ!」
シンジはドンカラスを繰り出した。

第83幕 完

[703] 第84幕 トーナメント戦 シンジ対サイ(後編)
佳奈美 - 2008年09月27日 (土) 10時10分

「リザードン、空を高く飛び上がるのです!」
リザードンは翼を動かし、空中戦に持ち込んだ。
「ドンカラス、リザードンの後を追いかけろ!」
ドンカラスもまた空中戦に持ち込んだ。
「かえんほうしゃ!」
リザードンはドンカラスの翼に向けてかえんほうしゃを繰り出した。
「くろいきり!」
ドンカラスはくろいきりでかえんほうしゃをかわしきった。
「シャドーボール!」
そしてそのままシャドーボールをリザードンの顔面にぶつけた。
「グォォォ!!!」
リザードンはひるみ、空中から落ちそうになった。
「ひるまないで下さい!りゅうのはどう!!」
リザードンは何とか空中に再び飛び上がり、りゅうのはどうを繰り出して来た。
「かわしてゴットバード!」
ドンカラスは翼らへんが少しりゅうのはどうでかすったもののこのままゴットバードをリザードンに直撃させた。
「リザードン!!!」
サイは慌ててリザードンに体制を整えなおそうとしたがドンカラスは続けてシャドーボールをリザードンに命中させた。
ズシーン!!!
リザードンが地面に衝突し戦闘不能になった。
「2回戦は僕の負けですね・・・」
サイはうなだれながらリザードンをモンスターボールに戻した。
「最後のポケモンはこれです!」
サイは十八番のケッキングを繰り出した。
「やはり最後の相手はこいつか・・・」
シンジは最後のポケモンはドダイトスを繰り出した。
「互いのエースポケモン、どっちが勝ってもおかしくはないほどですね」
サイは軽く笑いながらケッキングにじしんを命じた。
じしんがドダイトスに直撃したがドダイトスは地面タイプも合わせ持っていたのでダメージは薄かった。
「リーフストーム!」
そしてそのまま反撃に出た。
リーフストームがケッキングに直撃した。
「続けてハードプラント!」
そしてケッキングの特性・なまけのため、反撃が出来ないケッキングの隙を突いてハードプラントを放った。
「でも・・・僕のケッキングは桁外れの防御を持っている、一撃で戦闘不能には出来ませんよ」
サイの言うとおり、ケッキングはあれほどドダイトスの最強技を受けたにもかかわらず戦闘不能にはなっていなかった。
「ケッキング、ほのおのパンチ!」
動けるようになったケッキングはすぐにほのおのパンチを繰り出し、反撃に出た。
ほのおのパンチがドダイトスの背中に直撃したがドダイトスはハードプラントの影響のため反撃が出来ずにいた。
「とどめのギカインパクト!」
ケッキングはギカインパクトでドダイトスにとどめを刺した。
「僕の勝ちですね」
サイは戦闘不能になったドダイトスを見て言った。
「勝者、サイ選手!」
審判は判定を下した。
「いいバトルだったよ」
サイは改めてシンジのバトルを認めていた。
「俺に勝てたのなら準決勝も勝ち進むことですね」
シンジはいつもの態度を取っていたが本当は少し悔しそうにしていた。
サイはこれをすぐに読み取りこう言った。
「世の中には完全無欠の力を持つポケモンやトレーナーはいないんですよ、確か前に会った人がこう言っていましたよ『勝ち続ける事も大切だけどたまには負けるのも大切なんだと思うな、ポケモンやトレーナーがさらに強くなるのは勝った後じゃない、負けた後なんだ、その負けによって次はもっと強くなれる!』っと・・・」
シンジはこの言葉を聞いて少し表情を変えたがすぐに開き直ったかのような態度を取った。
「この言葉なら前、故郷に帰ったとき兄貴から聞かされた!誰がどんなことを言おうとも俺は俺のやり方で強くなる、次こそは必ず勝つまでだ!」
シンジはこの場を去ろうとした。
「次のバトル、見ないんですか?」
サイはシンジを呼びかけた。
シンジは止まり「最後まで見る!」といい残し、バトルフィールドを後にした。

第84幕 完

[705] 第85幕 トーナメント戦 サトシ対レン(前編)
佳奈美 - 2008年09月29日 (月) 18時48分

「次はいよいよサトシのバトルね」
ヒカリは1回戦のカンテとユウエイを応援し、2回戦はただ黙ってバトルを見ていたが3回戦でサトシのバトルが始まると同時にまたボンボンを持って応援の体制に入った。
「ん?」
ヒカリを見て軽く微笑んでいたユヤが突然グレッグルがどこかに行くのを目撃した。
「あっ・・・どこに行くんですか、グレッグル」
ユヤは慌てて追いかけた。

「ンーンー」
グレッグルは控え室に向かう通路をぶらぶら歩いていたが、控え室の出入り口前においてあるゴミ箱をじっと眺め始めた。
「ンーンー」
このゴミ箱は鏡のように自分の姿が移るように出来ていたため、グレッグルは暫く自分の姿をじっと眺めていた。
ユヤはやっとグレッグルを見つけた。
「駄目だよ、タケシ君の許可なしにどこでも行っちゃ」
ユヤはグレッグルを叱った後、グレッグルを抱き上げようとしたがグレッグルは抵抗し始めた。
「グエーグエー!!」
「こら、暴れないで下さい」
ユヤは必死でグレッグルをなだめたがふと偶然ゴミ箱の中を見てしまった。
「あれ・・・」
ユヤは抵抗するグレッグルを床に置き、ゴミ箱を漁り始めた。
「これは・・・」
見つけたのは薬品が少しばかり残っている注射器3本だった。
「調べなきゃ・・・」
ユヤは携帯していたミニ実験セットを懐から取りだし、薬品の成分を調べ始めた。

「ではこれにより3回戦を開始する!対戦者はマサラタウンのサトシ選手とシオンタウンのレン選手だ!」
サトシとレンは既にバトルフィールドに立っていた。
審判がバトル宣言をすると、2人はモンスターボールを構えた。
「ヒコザル、君に決めた!」
サトシはヒコザルを繰り出した。
「行け!ゴウカザル!!」
レンはヒコザルの最終進化系・ゴウカザルを繰り出した。
「ヒコザル、かえんほうしゃ!」
ヒコザルはかえんほうしゃをゴウカザルに目掛けてぶつけてきた。
「ゴウカザル、こっちもかえんほうしゃだ!」
ゴウカザルもかえんほうしゃをヒコザルに向けて繰り出した。
ヒコザルのかえんほうしゃとゴウカザルのかえんほうしゃがぶつかり合ったがヒコザルのかえんほうしゃの方が威力が弱かったため、ゴウカザルのかえんほうしゃによってヒコザルのかえんほうしゃがかき消され、ヒコザルに直撃した。
「ヒコー!」
ヒコザルは地面に叩きつけられた。
「ヒコザル、大丈夫か!」
サトシは心配そうに呼びかけた。
「ヒコ!」
ヒコザルは頷いた。
「よし、あなをほる!」
ヒコザルはすぐにあなをほって姿を隠した。
「ゴウカザル、ヒコザルの掘った穴に向けてブラストバーン!!」
ゴウカザルは穴の中に手を突っ込んでブラストバーンをバトルフィールドの中、全面にぶつけた。
ドカーン!!!
ドカーン!!!
大噴火が起こったかのようにバトルフィールドは壊れていき、炎がマグマのように噴出した。
「ヒコォォォーーー!!!」
あなをほるで姿を隠してチャンスを狙おうとしていたヒコザルがブラストバーンをまともに浴びてしまい大ダメージを負った。
その上に凸凹になったバトルフィールドに思いっきり叩きつけられ、ヒコザルは起き上がれないほどに陥った。
「ヒコザル!!!」
サトシはヒコザルを呼びかけたがヒコザルは戦闘不能のレベルを超えていた。
意識を失っていた・・・
「ヒコザル、ヒコザルーー!!!」
「ピカー!!!」
サトシはすぐにヒコザルの元に駆け寄りヒコザルを抱き上げた。

「どう言う事なの・・・普通のバトルだって言うのにヒコザルが意識を失うなんで・・・」
「ポチャ・・・」
応援席でサトシを応援していたヒカリはこの光景を見て呆然としていた。
「あのゴウカザルのブラストバーン、半端じゃないぞ、バトルフィールドをこんな風にするとは・・・」
タケシもまた、ブラストバーンの威力に驚きを隠せないほどだった。

ヒコザルはすぐに担架に乗せられ、ポケモンセンターに運ばれて行った。
サトシはバトルを放棄してヒコザルに付き添うかバトルを続行するが散々悩んだが折角ここまで戦ってくれたヒコザルのためにバトルを放棄するわけには行かないと思い、バトルを続行する決心をした。
「次は・・・ナエトル、君に決めた!」
サトシはナエトルを繰り出した。
「ドダイトス!!」
レンはドダイトスを繰り出した。
シンジのドダイトスと違って全身が濃い紫色をしていた。
(ドダイトスは攻撃やとくこうは強いが動きが鈍い、スピードで決めてやるぜ!)
サトシはスピードで勝負をすることを選びナエトルにはっぱカッターを命じた。
ナエトルは自身の素早さを生かしてはっぱカッターをドダイトスに直撃させた。
「無駄だ!!ドダイトス、ウッドハンマー!」
ドダイトスはウッドハンマーをゴウカザル戦で出来た凸凹フィールドに目掛けた。
ナエトルはその弾みで素早さを押さえつけられ、歩けなくなった。
「ドダイトス、リーフストーム!」
そして動きを封じられているナエトルに向けてリーフストームを繰り出した。
「ナウーーー!!!」
リーフストームがナエトルに直撃した。
「ナエトル、大丈夫か!」
サトシはナエトルを呼びかけた。
「ナウ!」
ナエトルは頷いた。
「ナエトル、エナジーボール!」
ナエトルはエナジーボールを繰り出した。
エナジーボールがドダイトスに直撃したが戦闘不能には陥っていなかった。
「ドダイトス、ハードプラント!」
ドダイトスはハードプラントを繰り出して来た。
地面に向けてのハードプラントは盛り上がった岩を砕きながら近づいてきた。
「ナエトル、ギリギリまで引きつけろ!」
ナエトルはこのまま動かずにハードプラントが来るのを待っていた。
「今だ、かわせ!」
サトシの合図とともにナエトルはハードプラントを回転しながらかわした。
「最大パワーでエナジーボール!」
そしてドダイトスの後ろに目掛けてエナジーボールを発射した。
「ドダー!!!」
エナジーボールが見事に決まり、ドダイトスは戦闘不能になった。
「そんなバカな!!!」
レンは驚きを隠せなかった。
「クソ!あれがまだ不完全だったのか」
レンは悔しそうに呟きながらドダイトスをモンスターボールに戻した。
「よくやったな、ナエトル」
「ナウ〜」
サトシはナエトルを褒めるとモンスターボールに戻した。
「ゆっくり休んでな」
サトシは最後のポケモンはピカチュウを繰り出した。
「頼むぞ、ピカチュウ!」
「ピカ!」
ピカチュウは大きく頷き、バトルフィールドに立った。
「俺の最後のポケモンはこいつだ!」
レンはミュウツーを繰り出した。

第85幕 完

[706] 第86幕 トーナメント戦 サトシ対レン(後編)
佳奈美 - 2008年09月29日 (月) 20時48分

「ついに出たか・・・ミュウツー」
サトシはグッとミュウツーを見た。
ミュウツーはポケモンの中でも一番強い、攻略の手立ては弱点以外ないと言ってもいい過ぎないほどだった。
「やるしかない!!」
サトシはそう思い、ピカチュウにでんこうせっかを命じた。
「ミュウツー、はどうだん!」
ミュウツーはでんこうせっかを繰り出しているピカチュウに向けてはどうだんを繰り出した。
「ピカー!」
はどうだんがピカチュウに直撃し、でんこうせっかは不発で終わった。
「ピカチュウ、ミュウツーから離れるんだ!そしてこのまま10万ボルトだ!」
ピカチュウはミュウツーから離れ、10万ボルトを繰り出した。
10万ボルトがミュウツーにクリーンヒットしそうになったとき・・・
「ミュウツー、じんつうりきで10万ボルトを打ち砕け!」
ミュウツーが10万ボルトを打ち砕き、そしてそのままピカチュウに向けてじんつうりきを続けた。
「ピカァー!!!」
ピカチュウは空中に浮かびじんつうりきで苦しそうにもがいた。
「このままじんつうりきを続けろ!」
ミュウツーはさっきよりも強いじんつうりきを繰り出した。
「チュウ〜〜〜〜・・・」
ピカチュウはもがき続けたがどんどん抵抗を失いかけた。
「ピカチュウ!!!」
サトシはピカチュウのこの光景を見て大声でピカチュウを呼んだ。
「ピカピ・・・」
ピカチュウは最後の力を振り絞ってかみなりを繰り出した。
「ピィカァーーーチュウーーーー!!!」
かみなりがミュウツーに直撃し、ピカチュウは自由の身となった。
「ピッカ!」
ピカチュウは多少ダメージを受けたもののまだ戦う気でいた。
「ミュウツー、もう一度じんつうりきだ!」
ミュウツーはもう一度じんつうりきを繰り出そうとしたがかみなりの影響でミュウツーは麻痺症状になっていた。
「体がしびれて技が出せないだと!」
レンは驚きを隠せなかった。
「ピカチュウ!ボルテッカー!!!」
ピカチュウはボルテッカーを繰り出して来た。
「ピカチュウ!ピカピカピカピカピッカー!!!」
ボルテッカーがミュウツーに直撃し、ミュウツーは戦闘不能になった。
「勝者、サトシ選手!」
審判が判定を下した。
「やったぜピカチュウ!」
サトシはピカチュウを褒めた。
「ピカピー!」
ピカチュウは嬉しそうにサトシに飛びついた。
「ありがとう、ありがとうなピカチュウ」
サトシはピカチュウをしっかりと抱きしめ、背中を撫でまくった。
「このバトルは俺の勝ちのはずだー!!!」
レンは地面を踏み鳴らして大声で怒鳴った。
「なんだと!」
「往生際が悪すぎるで!」
トーナメント進出者専用の特等席でバトルを見ていたカンテとユウエイは文句を言い始めた。
「そもそも俺は俺のポケモンに『ある物』を使わせた!俺が負けるはずないだろうが!」
レンは傲慢な態度で問いかけた。
「あなたの言うある物って・・・これのことですか」
そのとき、バトルフィールドからユヤが姿を現した。
手にはさっきの注射器3本を持って・・・
「これを何処で見つけたんだ!」
レンはユヤに突っかかった。
「控え室のゴミ箱に、捨ててあったんですよ、ドーピング剤を仕込んだ注射器がね」
ユヤの言葉に応援席からは「反則じゃないか!」「卑怯者!」とピークが始まった。
「ドーピング剤だと!」
「もしそうやったら違法行為やないか!」
カンテとユウエイも、ドーピングと聞いて大立腹していた。
「このガキ、どうしてこいつがドーピング剤だと分かったんだ!この薬は誰にも分からないようにしているはずだ!!」
レンはユヤに胸倉をつかみ暴力を振るおうとした。
「こんなの、僕の手に掛かればすぐに分かることですよ、それにポケモンセンターに行って彼方の使ったポケモンを徹底的に調べればドーピング反応が出ます!ドーピングは反応は出ないと言う事はまずないんですよ」
ユヤはレンの勉強不足だと言い、からかうかのような態度で言った。
「このこと、シロナさん達に報告しました、それに警察にもね」
ユヤが笑顔で言うと、ようやく重大な用事を終わらせたジュンサー達がここに乗り込んできた。
「シオンタウンのレン!彼方を恐喝・誘拐および違法薬品使用の容疑で逮捕します!」
ジュンサーはレンに手錠をかけた。
「クソ・・・薬品に関してはぜってーにばれないと思っていたのに・・・」
レンは完全に諦め、そのまま連行された。
「カンテ君、ガンマ君ならここに乗り込む前に保護したわ、今病院で安静しているところよ」
ジュンサーはカンテの側に来て、ガンマは無事だと報告した。
「ありがとうございます、ジュンサーさん」
カンテは深々とジュンサーにお辞儀をした。
「それにしても彼方、凄いね、ドーピングを短時間で見破るなんで、ドーピングは鑑識でも2時間は掛かるわよ」
ジュンサーはユヤの鑑定に驚いていた。
「いえ・・・そんな・・・」
ユヤは照れていたがドーピングを短時間で破る技術を身につけた理由は絶対に話そうとはしなかった。
その技術を身につけたのはロケット団に入って三銃士に徹底的にしごかれたためなのだ。
「では・・・騒動があったが30分後に第4試合を行う!」

第86幕 完

[707] 第87幕 休憩の合間に・・・
佳奈美 - 2008年09月29日 (月) 21時04分

30分の休憩を利用してサトシ、タケシ、ヒカリ、ユヤはポケモンセンターに向かった。
病室ではヒコザルが治療を終えて眠っていた。
「ヒコザル・・・」
サトシは優しくヒコザルをなでた。
「それにしてもユヤさん凄いね、名探偵みたい」
ヒカリはさっきのユヤの行動に興奮していた。
「名探偵は大げさだよ、ヒカリちゃん、ドーピングは使用してそのまま暫くするとポケモン達は本来の力を半減して行ってしまうんだよ、いくら最初はいつもより強くても時間が経てば力は半減以下に陥って最悪の場合死んでしまう恐ろしいものだってあるんだよ」
「それでミュウツーはピカチュウのボルテッカーで一撃で戦闘不能になったのか・・・」
ユヤの説明を聞いてサトシは頷いた。
「だからドーピングは違法の薬として扱われるのよ」
ジョーイがヒコザルの健康をチェックするためにここに来たがその前にユヤの話を聞いたためこう付け加えた。
「どんな理由があってもポケモンにドーピング、改造をするなんで絶対に許せない行為ですよ、ポケモンは生きているんです、僕達人間と同じく・・・」
ユヤは改めて決心した。
二度と犯罪には手を染めないと・・・
「ヒコザルはもう大丈夫よ、でも、念の為に今日はここを泊まらせるといいわ」
ジョーイはヒコザルの健康チェックを済ませた。
「ありがとうございます」
サトシはジョーイの忠告に従うことにした。
「ジョーイさん!自分も貴女の恋の健康チェックをしてください!」
タケシはまたいつものようにジョーイにメロメロになって話しかけた。
バス!!
そしてグレッグルのどくづきを食らってしまった。
「しびれびれ〜」
タケシはこのまま倒れグレッグルはタケシを引っ張ってどこかに連れて行った。
「グレッグルのおかげかな・・・」
ユヤはグレッグルを見て呟いた。
「えっ・・・」
サトシとヒカリはこの意味が分からなかった。
「もし、グレッグルが勝手にタケシ君の元から離れずにいたらレンの違法の薬の件に関しては分からずじまいになるところでしたよ」
ユヤはグレッグルが勝手にどこかに行ったためにレンの更なる犯罪行為が明らかになったんだと思っていた。

病院では・・・
カンテとユウエイがベッドに寝ているガンマを見ていた。
「ん・・・」
ガンマが意識を取り戻した。
「あっ・・・師匠・・・」
ガンマはカンテを見るとすぐに涙を流した。
「よかった・・・本当によかった・・・諦めなくて・・・何度も何度も死んでしまいたいと思っていた・・・でも・・・死ななくてよかった・・・また会えたね・・・師匠に・・・」
ガンマは泣きじゃくっていた。
「かわいそうに・・・よほど怖い目にあったんやな・・・」
ユウエイはガンマに同情していた。
「ガンマ、ごめんな、早く助けてやれなくて・・・」
カンテはガンマの手を握り締めた。
「もうお前を辛い目に合わせないからな・・・ガンマ」
カンテはガンマを二度とこんな目に合わせないと固く決心した。

第87幕 完

[708] 第88幕、トーナメント戦 ジュウゴロウ対イチノセ(前編)
★ディオ★ - 2008年09月30日 (火) 17時52分

「ほぉ・・・サトシがレンを倒しやがるとはな。俺達もサイに続いていかなきゃいけないな」

ゲート前にて俺は言った。
もうすぐ俺のライバルとの全面対決が始まろうとした。

「さぁ行くぜ!」


「それでは4回戦を開始する!対戦者はトキワシティのジュウゴロウ選手とサイユウシティのイチノセ選手だ!」

颯爽と登場した俺の後に、イチノセが闇から姿を現す。

「ようやくお前と本気が出せるときが来たようだな」
「そういうお前も予選落ちせずにご無事で・・・」
「まぁいいさ、本題に入るとしよう。お前のデータの一部は予選で確かに取った。言うなれば、今のお前は既に攻略済みってわけだ」

イチノセは腹黒いような顔で俺に言い出した。さらにこんなことも・・・

「もし俺がお前に勝ったとしても・・・俺はこの大会を棄権する」
「何?」

意外だった。

「俺は〔最強〕だけしか挑まない。この意味ならお前は分かるはずだろう・・・」
「・・・俺か・・・!」
「そう、お前と戦うことが真の目的で参加した」

観客はざわついていた。

「ジュウゴロウにしか戦わない奴なんてナメとるやろ」
ユウエイは特に気に食わなかった。

「所詮、チャンピオンマスターやコンテストマスターが俺の相手にすれば形無しさ・・・おっと、言い過ぎたかな?」
「いや、あんたにしては正しい答えだ。・・・しかしな」

俺はイチノセを睨んだ。

「俺が認めたダチまで関わらせる真似は許さねぇぞ」
「フフフフ・・・あおいな、お前の結末は既に負けているということが分からないようだから、証明してやろう」
「望むところだ。・・・行くぞ!」

両者はボールを投げる。ギャラドスとレジロックだ。

「行け!アクアテールだ!」

赤い尻尾から水が現れ、レジロックの急所に狙いを定めて攻撃した。しかし、レジロックが両手で構えた瞬間・・・

「でんじほう」
「!?」

直撃寸前にギャラドスの尻尾から電気が流れて感電。あっという間に倒れてしまった。

「くっ・・・驚いたな、てんじほうを用意してたとは」
「用意だと?言った筈だぞ、お前は既に負けてると・・・証明してやると!」
「やれるものならな!次はお前だ!」
「こいつでも出しておくか・・・」

2体目はロズレイドとエンテイ。不利な相性だ。

「かえんほうしゃ」

エンテイの口から炎が吐かれる。当たったら一撃だな。

「右に避けつつ接近しろ!」

ロズレイドは右へ走りながら上手く近づこうと試みた。
と、その時、エンテイはかえんほうしゃをやめる。

「先回りしてストーンエッジ」
「!」

俺とロズレイドは危険を感じ、右移動をやめて突撃をする。
上手い判断で完璧にかわし、一気に近づいた。もらった!と思った。
筈だった。

「アイアンテール」

エンテイはハッタリを仕掛けてたのだ。まんまと引っ掛かったロズレイドはアイアンテールの餌食にされる。

(終わったな・・・)

イチノセはそう言った。が・・・

「まだまだぁっ!」
「!? 何だと!?」

直撃を受けた瞬間、ロズレイドはツタを延ばしてエンテイの尻尾を捕らえていた。
ロズレイドは技とは違って、ツタを操る能力を持つのだ。

「お前・・・まさか!」
「ロズレイドにあれだけくらわせたんだ。お返しだ!」

ロズレイドはアイアンテールの衝撃を利用してエンテイを引っ張り、壁へ叩き付け、さらに自らの体当たりで大ダメージを与えた。

(バカな・・・ゴルダックのエスパーでも読めなかっただと?)
「動揺してるようだな。最後は大将と行くぜ、お前の・・・本当の主力でな!!」

[709] 第89幕、トーナメント戦 ジュウゴロウ対イチノセ(後編)
★ディオ★ - 2008年09月30日 (火) 18時35分

「最後は大将と行くぜ、お前の・・・本当の主力でな!!」
「!?」

イチノセは顔を上げた。

「お前のトリックは分かった。エンテイがかえんほうしゃをトレーナーの指示無くやめたこと・・・伝説ポケモンは知能があるが、そこまで天才とは限らないことが何よりの証拠、違うか?」

俺はイチノセに質問した。

「・・・流石だな。エンテイの戦いの時に俺の戦術を見破るとは。そうなれば俺も黙ってはいられない。行け、ゴルダック!」

イチノセのボールからゴルダックが現れた。
もう引くことは無い思って、俺はキラザを出す。

「行くぜ!これが最後だ!」
「互いのエスパーの内、どっちが上かを見せてもらおう・・・!」

両者は互いに突っ込み、格闘が始まった。
キラザが避けて反撃と思ったら、ゴルダックが受け止める。
攻めも守りも、両者は隙が無い。

「(ならば一か八か・・・)リーフブレード!」
「愚かな!」

ゴルダックの額が光りだした瞬間、リーフブレードを発動している腕が動かなくなった。サイコキネシスだ。

「失せろ!」

ゴルダックは勢いをつけてキラザを弾き飛ばした。

「れいとうビームでトドメを刺せ!」

イチノセは駄目押しでゴルダックにトドメを命じた。
その時、イチノセに隙がでたと俺は判断する。

「キラザ!」
『!』

サイコカッターを上に突き上げ、勢いよくジャンプした。

「な、何の真似だ!!」
「見ての通りさ。キラザの新必殺技をな!!」

チャンスを逃すものかと、ついに〔あの技〕を使うときが来た。

「くらえ!サンダーキック!!」
『うおおおおっ!!』

サイコカッターがキラザの左足に併合した瞬間、光がキラザの左足に籠められ、目標のゴルダックに向かって飛び蹴りをする。

ドカァァァンッ!!

ゴルダックは最高の蹴りを受けて吹っ飛ばされてしまい、戦闘不能になる。

「そこまで!勝者、ジュウゴロウ選手!」
「この勝負は、俺の勝ちだ!!」

キラザは勝利の舞として、血振りをする。
武士は斬った後に刀に付いた血を振って払うこと、それが血振りである。

「・・・フッ、こうでなきゃ俺はスッキリしないわけか・・・認めてやる」
「ライバル相手なら、今までよりも燃えてくる感じがするぜ」
「そうかもしれない・・・それじゃあな」

イチノセは手を振って立ち去った。

『やったな、相棒』

キラザが話しかけてきた。

「・・・ああ、やったぜ相棒」

お互いに握手をした。

[710] 第90幕 準決勝 ユウエイ対サイ(前編)
佳奈美 - 2008年09月30日 (火) 19時35分

トーナメント戦が終わり1時間の休憩に入った。
準決勝の組み合わせは1回戦はユウエイとサイ、2回戦はサトシとジュウゴロウと決まった。
「次は君とのバトルですか・・・楽しみになってきましたね」
サイはユウエイとのバトルを楽しみにしていたため嬉しそうにしていた。
「ふ〜ん・・・そうか、それはよかったやないか」
ユウエイは退屈そうに欠伸をしながらこの場を後にした。
「余裕持っている態度でいられるのも今のうちですよ」
サイは真剣に言ったがユウエイは聞く耳も持たなかった。
「お前との本格的のバトル、初めてだな」
ジュウゴロウは次の対戦相手がサトシと決まった時、あの時のバトルを思い出していた。
あの時はカンテとのダブルバトルだったがサトシと本格的にやりあえるのはこれが初めてだった。
「はい、俺と俺のポケモン達の持てる力を全て出して戦います!」
サトシは大いに張り切っていた。

1時間の休憩はあっという間に終わり準決勝に入った。
バトルフィールドではユウエイとサイが立っていた。
「それでは準決勝に入る、1回戦はカンナギタウンのユウエイ選手とトキワシティのサイ選手のバトルです!」
審判がバトル宣言をした。
「優秀は君だ!ハッサム!!」
サイはハッサムを繰り出した。
「ルカリオ、出番や!」
ユウエイはルカリオを繰り出した。
「ルカリオ、はどうだん!」
ルカリオははどうだんを繰り出した。
ハッサムはかわそうとしたがはどうだんは必ず命中する技だったためハッサムははどうだんを食らってしまった。
「よっしゃ!効果抜群や!」
鋼タイプも持っているハッサムは格闘タイプの技には弱かったためダメージは大きかった。
「ハッサム、反撃しますよ!シザークロス!」
ハッサムはシザークロスをルカリオに向けて繰り出してきたがルカリオはたやすくかわした。
「はっけい!」
そしてそのまま波動の力を借りてのはっけいをハッサムにぶつけた。
「ハッサム!!!」
サイはハッサムに技を支持しようとしたが・・・
「とどめのはどうだん!」
ルカリオはすぐにはどうだんでとどめを刺した。
「ああっ!」
ハッサムはルカリオに反撃する間もなく戦闘不能になった。
「軽い軽い♪」
ユウエイは絶好調のそぶりを見せた。
(強すぎます・・・一見無責任な態度、調子の乗りすぎに見えますがなぜがバトルは手を抜いていない・・・それ所がバトルをするたびにポケモンも彼自身も強くなって行っている・・・)
サイはユウエイの特別な隠された能力に驚きを隠せなかった。
(これが・・・彼の隠された力、本当のバトル戦術なんじゃ・・・)
サイは深刻に考えていた。
「次はこいつで行くで!」
ユウエイはルカリオをモンスターボールに戻し、ビーダルを繰り出した。
「僕はこいつで行きます!」
サイは考えるのはバトルが終わった後にしてニョロボンを繰り出した。

第90幕 完

[711] 第91幕 準決勝 ユウエイ対サイ(後編)
佳奈美 - 2008年09月30日 (火) 19時48分

「ニョロボン、たきのぼり!」
ニョロボンはすぐに動き、たきのぼりを繰り出して来た。
「ビーダル、ニョロボンのたきのぼりに登るんや!」
ビーダルはニョロボンの繰り出されたたきのぼりに登り始めた。
「ええっ!!!ビーダルって泳げるんですか!」
応援席で見ていたユヤは驚きを隠せなかった。
「ビーダルはビッパと違って水タイプも加わっているんだ、ビーダルは歩く時はのろいが泳ぐ時はヒンバスと互角に泳ぐことが出来るといわれているポケモンなんだ」
タケシはビーダルは泳ぎが得意なポケモンだとユヤに説明した。
「あっ・・・そうか」
ユヤはようやく理解出来た。
「頑張って!!ユウエイさん」
ヒカリは精一杯ユウエイを応援した。

ビーダルはニョロボンのたきのぼりを登り終えて、ニョロボンの前に近づいた。
「ビーダル、めざめるパワー!」
ビーダルはこのままめざめるパワーを繰り出して来た。
「ニョロボン、たきのぼりをこのままビーダルにぶつけるんです!」
サイとニョロボンは最初はビーダルが自分のたきのぼりを利用して近づいたことに驚きを隠せなかったがすぐに反撃に出、ニョロボンはこのままたきのぼりをビーダルに直撃させた。
「ビダー!!!」
たきのぼりはビーダルに直撃したのはよかったがそれと同時にめざめるパワーがニョロボンに直撃してしまった。
「互いにダメージを受けましたね」
サイはこう呟くと、すぐにニョロボンにれいとうパンチを命じた。
「ビーダル、シャドーボール!」
ビーダルはシャドーボールを繰り出した。
シャドーボールがニョロボンに直撃しそうになったとき、ニョロボンはれいとうパンチでシャドーボールを壊し、このままビーダルにれいとうパンチを直撃させた。
「ビーダル、諦めたらあかん!ころがるや!!」
ビーダルは立ち上がり、ころがるを繰り出して来た。
「ニョロボン、かわしてちきゅうなげ・・・」
サイはすぐにニョロボンに技を命じたがころがるのスピードが速すぎたためころがるがこのままニョロボンに直撃した。
「よっしゃ!このまま続けるんや!!」
ビーダルは言われるがままにころがるを続けた。
ニョロボンは逃げる間もなくころがるを再び直撃した。
「ニョロボン!!!」
サイは叫んだがニョロボンはこのまま戦闘不能になった。
「勝者、ユウエイ選手!」
審判が判定を下した。
「カンナギタウンのユウエイ・・・彼は一体、どんな風にしてこんな力をポケモンと共に身につけているんだ・・・」
サイは未だにこの答えが分からずにいた。
「やったで、ようやったな、ビーダル、ファイナル進出決定や!」
「ビダ♪」
ユウエイとビーダルはファイナル進出決定と決まって嬉しそうにしていた。
「この答えは・・・いつか見つかりますか・・・」
サイは軽く笑いながらニョロボンをモンスターボールに戻しこの場を後にした。

第91幕 完

[714] 第92幕 準決勝 サトシ対ジュウゴロウ(前編)
佳奈美 - 2008年10月04日 (土) 13時20分

準決勝の1回戦はユウエイの勝利で幕を下ろし、間もなく2回戦が行われようとしていた。
サトシとジュウゴロウは既にバトルフィールドに立っていた。
「それでは準決勝2回戦、マサラタウンのサトシ選手とトキワシティのジュウゴロウ選手のバトルを開始する!」
審判はバトル宣言をしたとき、サトシはブイゼルを繰り出し、ジュウゴロウはドサイドンを繰り出した。
「相性が悪いって言うのに・・・どういうつもりだ」
応援席で見ていたカンテはジュウゴロウがわざと相性の悪いドサイドンを繰り出したことに驚いていた。
「ドサイドンの特性は電気技を全て回避するひらいしんと、効果抜群のダメージを軽減するハードロックや、確かにハードロックがあったとしてもこれは短期戦の場合のみの有効活用や」
ユウエイは効果抜群の技を受けてもダメージを半減するハードロックがあっても長期戦に入れば無意味だと判断していた。
「ブイゼル、一気に決めるぞ、アクアジェット!」
ブイゼルは先制攻撃に突撃してきた。
アクアジェットがドサイドンに直撃したが特性のハードロックのおかげで効果抜群のダメージを半減に抑えた。
「なに!」
サトシはダメージをほとんどと言っていいほど受けていないドサイドンに驚きを隠せなかった。
「ドサイドンの特性で効果抜群の技はダメージを半減に押さえる!今度はこっちから行くぞ!」
ジュウゴロウはドサイドンにストーンエッジを命じた。
ドサイドンの体の周りからは大量の尖った石が現れ、そしてこのままブイゼルにぶつけ始めた。
「ブイー!!!」
効果は今ひとつなもののブイゼルは少しひるんだ。
「続けてメガホーン!」
そしてドサイドンは地面を踏み鳴らしながらブイゼルに近づき、このままメガホーンを繰り出して来た。
「ブイィーー!」
メガホーンがブイゼルのお腹に直撃し、そしてドサイドンはこのままブイゼルを空中に投げ飛ばした。
「ブイゼル、アクアジェット!」
ブイゼルは転落しそうになったがアクアジェットを繰り出して来た。
「ドサイドン、ブレイククロー!」
ドサイドンは自分に目掛けてアクアジェットを繰り出そうとするブイゼルに向けてブレイククローで受け止めた。
「このまま行け!!!」
そしてブレイククローがアクアジェットごとブイゼルを引き裂いた。
「ブイーーー!!!」
ブイゼルはこの一撃で戦闘不能になった。
「ブイゼル、よくやったな、ゆっくり休んでいてくれ」
サトシは優しくブイゼルを励まし、モンスターボールに戻した。
(ジュウゴロウさん・・・以前のバトル大会ではトーナメント戦でシンジに敗れたものの、あの後でシロナさんに勝ち、そして俺達と別れて暫くの間にとてつもなく強くなっている!)
サトシはジュウゴロウがあのバトル大会の時と比べると遥かに強くなっていることに気づいた。
(でも・・・俺だってトバリジムでは引き分けに持ち込み、ノモセシティでは完全勝利を収めた!怠けずにポケモン達とともに鍛えてきたし互いを励ましてきた!ここで負けてたまるものか!!!)
サトシは今までのバトルの経験を生かしてこのバトルを挑むことにした。
「頼んだぞ、ムクバード!」
サトシは2番手はムクバードを繰り出した。
「アルフィー!」
ジュウゴロウはミロカロスのアルフィーを繰り出した。
「アルフィー、りゅうのはどう!」
アルフィーはりゅうのはどうを放ってきた。
「ムクバード、かわせ!」
ムクバードはりゅうのはどうを危機一髪でかわしきった。
「ムクバード、このままつばめがえし!」
つばめがえしがアルフィーに直撃した。
「アルフィー、ひるむな!れいとうビーム!」
れいとうビームがムクバードに直撃しそうになったとき・・・
「ムクバード、回転しながらかわせ!」
ムクバードはトーナメント戦でのナエトルと同じように回転しながられいとうビームをかわした。
「ブレイブバード!」
ムクバードはこのままブレイブバードを突っ込んだ。
ブレイブバードがアルフィーの急所に直撃し、一撃で戦闘不能になった。
「なかなかやるな、このムクバード」
ジュウゴロウはムクバードのブレイブバードを褒めた。
「ありがとうございます」
サトシはジュウゴロウに礼をいい、ムクバードを褒めた。

「あのブレイブバード・・・レイジのムクホークのブレイブバードと同じ動きだ!レイジに会って教えてもらったんだね、このブレイブバード」
応援席の立ち見の席で見ていたサイはサトシのムクバードの動きがレイジのムクホークのブレイブバードと同じ動きだとすぐに分かった。
「会長さんも強いけどブレイブバードを身につけたサトシのムクバードも凄いよ」

「サトシ、これで1対1になったな、次の相手はこいつだ!」
ジュウゴロウはキラザを繰り出した。
「頼んだぞピカチュウ!」
「ピッカチュウ!」
サトシは当然ピカチュウを繰り出した。
ピカチュウも大いに張り切っていた。
準決勝のラストバトルが今始まろうとしていた。

第92幕 完

[715] 第93幕 準決勝 サトシ対ジュウゴロウ(後編)
佳奈美 - 2008年10月04日 (土) 19時26分

サトシの場にはピカチュウ、ジュウゴロウの場にはキラザが繰り出された。
そしてキラザのほうから先に動き出した。
「キラザ、かわらわり!」
キラザがピカチュウに向けてかわらわりを繰り出そうとした時・・・
「ピカチュウ、アイアンテールで受け止めるんだ!」
ピカチュウのアイアンテールがキラザのかわらわりを受け止め、そしてこのままアイアンテールをキラザの右腕に直撃させた。
「キラザ、つじぎり!」
キラザは右腕が痛むものの、こらえてつじぎりを繰り出した。
つじぎりがピカチュウに直撃した。
「ピカチュウ、大丈夫か!」
サトシは心配そうにピカチュウを見た。
「ピカ!」
ピカチュウは立ち上がり、強く頷いた。
「よーし!10万ボルト!!」
「ピィカーチュー!!!」
ピカチュウの10万ボルトが四方八方に向けて繰り出された。
キラザは逃げ場を失いこのまま一番大きい10万ボルトに直撃してしまった。
「キラザ『あの技』を使え!!」
ジュウゴロウはキラザに『サンダーキック』を使うように言った。
「ピカチュウ、あの構えはきっといつかの『あれ』だ!」
サトシは『大旋風』が来るに違いないと思い込み、ピカチュウに気をつけろと忠告した。
ピカチュウは頷き、構えた。
そしてキラザは自分の右足にサイコカッターを直撃させ、右足にパワーをため始めた。
「キラザ、『サンダーキック』だ!」
そしてジュウゴロウの合図とともに『サンダーキック』をピカチュウの背中に向けて放った。
「ピカァァァーーー!!!」
「ピカチュウ!!!」
サトシとピカチュウはてっきり『大旋風』が来ると思い込んでいたが『サンダーキック』を使って来たのは予想外だったため驚きを隠せなかった。
ピカチュウはもはや立ち上がれない状況になっていた。
「とどめのリーフブレード!」
そしてこのままキラザのリーフブレードを食らい、ピカチュウは戦闘不能になった。
「そこまで!勝者、ジュウゴロウ選手!!」
審判が判定を下した。
「よく頑張ったな、ピカチュウ」
サトシはピカチュウを抱きかかえた。
「ピカチュ・・・」
ピカチュウは弱々しい声で鳴いた。
「いいバトルだったぞ、サトシ」
ジュウゴロウは手を差し伸べた。
「はい、ありがとうございます、ファイナル頑張ってください」
サトシはジュウゴロウの手を握り、握手を交わした。

「やっぱりあいつのエルレイドは使えるな」
サイとは反対方向の応援席の立ち見の席でバトルを見ていたシンジは、キラザの強さを改めて思い知った。
「以前の風よりも早いサイコカッター、そして今度はサイコカッターのパワーを利用してのかみなりキック、あのエルレイドは何か隠された能力を持っているな」
シンジはキラザの強さはタマゴ技や通常のエルレイドとは違った能力を持っていると判断していた。
「シンジ!」
そこにサイが現れた。
「明日のファイナル、楽しみですね」
サイの言葉にシンジは頷いた。
「ねえ、シンジはレイジと戦ったことありますか?」
サイのいきなりの言葉にシンジは呆然としていた。
それにも構わずサイはレイジと会ったことを全て打ち明けた。
「それって・・・以前言った話のことですか?」
シンジはやっと我に返り、サイに質問てきた。
「そうそう、きみとよく似ている雰囲気を持った青年のことですよ、あの時もマンホールの中で話したじゃないですか」
サイは笑顔であのときのことを思い出しながら言った。
「そういえばそんなことも言ったな・・・」
シンジはやっと思い出した。
「レイジって本当にいい人だったな、バトルを終えた後、すぐに友達になりましたよ、君にも会わせてやりたかったな〜」
サイがしみじみと昔を思い出しているときシンジは口を挟んだ。
「言っときますげと・・・レイジって言う人は俺の兄貴です」

第93幕 完

[716] 第94幕 消えたユヤ
佳奈美 - 2008年10月06日 (月) 15時58分

トーナメント戦と準決勝が終わり、残るはファイナルとチャンピオン戦となった。
そして今、サトシ達はポケモンセンターでポケモン達の体力を回復をしていた。
「明日はいよいよファイナルか・・・楽しみになってきたで」
ポケモンの体力の回復をし終えたユウエイは明日のファイナルのことを考えていた。
「お前・・・浮かれすぎだ」
カンテは呆れながらユウエイに突っ込んだ。
「ユウエイさんの強さの秘訣ってこれかもしれないな」
タケシはユウエイが何故ここまで強いのかがようやく分かった。
「こいつの強さの秘訣?」
カンテはタケシに問いかけた。
「ユウエイさんの強さの秘訣は勝ち負けにこだわらないことだ、負けてもこれを引きずることなく前向きにバトルを続けている、これが強さの秘訣だと俺は思うな」
タケシは勝負以前に『勝ち負けにこだわらない』のがユウエイがどんどん強くなっていく秘訣だと思っていたためそれを口に出して言った。
「そういえばあいつ・・・負けた時、悔しがるところ見たことないな」
カンテはユウエイが負けても悔しがる顔を見たことがないことを思い出した。
ホテルに戻ってチアガールの服から普段着に着替え終えたヒカリとポッチャマ達がポケモンセンターに戻ってきた。
「ヒカリ、応援ありがとうな」
サトシはすぐにヒカリの所に来て応援してくれたことに関してお礼を言ったがヒカリは辺りを見回し始めた。
「どうしたんだ?」
サトシはヒカリに尋ねた。
「ユヤさん、ポケモンセンターに来ていない?」
「いいや、来ていないが・・・」
サトシは辺りを見回したがユヤの姿はどこにもいなかった。
「おかしいな・・・あたしとユヤさんはホテルまで一緒だったのよ、ユヤさんは暫く自室で休憩を取っていたけど、あたしが着替え終わって部屋から出ようとするとユヤさんは『先にポケモンセンターに行っときます』と言い残してホテルから出たのよ、ホテルからポケモンセンターまではほぼ一本道であたしはポケモンセンターに行く途中にユヤさんとは会ってもいないのよ」
ヒカリとユヤはポケモンセンターに行く前にサトシ達とは別行動を取り、ホテルに一度戻った。
ヒカリは個室でチアガールの衣装から普段着に着替え、ユヤはその隣の個室で暫しの休憩に入ったがユヤは先にポケモンセンターに行くとヒカリに言い残してホテルを後にした。
ホテルからポケモンセンターの道は店もほとんどなくほとんど一本道だったため、ユヤがホテルから出て5分足らずにホテルから出てきたヒカリはユヤに追いつくはずだったがユヤの姿は何処にも見当たらず、ヒカリは先にポケモンセンターに行ったのかと思い込んだ。
しかし、ユヤはポケモンセンターには来ていなかった・・・
「どう言う事なの・・・」
ヒカリは恐ろしくなってきた。
「まさか・・・誰かに連れさらわれたんじゃ・・・」
ヒカリはそれしか考えられないと思い込んだ。
「落ち着けって、まずはこの町全体を探し回るんだ!」
カンテはヒカリを落ち着かせてからユヤを探すことにした。
サトシ達もカンテの意見に賛成した。

三銃士が乗っ取った森の中にある倉庫では・・・
「離して下さい!」
両手に手錠、首には首輪と頑丈な鎖が繋げられているユヤがいた。
「僕はもう犯罪行為はしないって決めたんです!!僕をこんな風にしてもあなたの言う通りには絶対にしませんからね!!」
ユヤの目の前にはあの三銃士を育て上げ、ユヤがまだ下っ端だった頃、ユヤに徹底的な科学を叩き込んだ女幹部が立っていた。
「あなたを改造する必要あるみたいね、後1時間足らずであの男がここに来る頃よ」
長い黒髪をなびかせて特注品のロケット団の服を着込んだ女幹部は笑っていた。
「あの男って・・・まさかカドマツじゃ・・・」
ユヤは恐ろしくなり始めた。
「当たり、でも、あなたのところに来る前にあの人は用事があると言っていたわ、何をするかは分からないげと、あなたを改造するのはまず間違いないわね」
女幹部は見下しながら説明した。
「・・・・・・酷いですよ・・・ヒーリングさん・・・」
ユヤは自分が改造されることが恐ろしくなり泣き崩れた。
「酷いで結構」
ヒーリングと名乗る女幹部はユヤの泣き崩れた姿を見ながら笑い続けた。

第94幕 完

[717] 第95幕、狙われたジュウゴロウ
★ディオ★ - 2008年10月07日 (火) 17時04分

誰だ・・・私を呼んだのは・・・


「_____、私だ・・・お前を呼んだ主だ」


男はその者をみて言う。
その者は鎧を纏い、漆黒の槍を持つ。


お前がか・・・お前は私に何か望みを下しにきたのか・・・?


「その通りだ。お前に望みを言う・・・」


・・・ならば望みを言え。叶えようぞ・・・


男は望みを鎧に下した。


「・・・奴の血を取れ。______の体に宿す、鬼の血をだ・・・!!」


・・・望みは聞いたぞ。


鎧は勝手に動き出し、行動を始めた。




「・・・っ!?」

俺はベッドから起き上がった。

「・・・何奴だ。誰かが俺を求めてる・・・」
「会長さん」

突然扉からサイが入ってきた。
・・・と次の瞬間、サイの姿がフッと消えてしまった。ただの幻だった。

「・・・どうかしてるのかよ・・・」


チヲヨコセ・・・


「!?」


チヲヨコスンダ・・・


ガシャアンッ!!


突然槍が窓ガラスをぶっ壊した。
ふと見れば、いつの間にか鎧を着けた者がいる。

「誰なんだテメーは!?」
「血を遣せ・・・!」

奴の手にしてる槍が急俺に向かって伸びてきた。
間一髪かわしたが、あんなのに刺されたら死ぬだろうな・・・

「その槍と鎧・・・まさかお前は幽霊の中で一番恐ろしい怨霊、『ダークネス』か!?」
「左様、お前の血をもらう」

ダークネスは槍を振り回した。

「くそっ・・・キラザらはまだ回復中、ポケモンは無いなら・・・!」

もう逃げるしかない。
俺はすぐに走り出した。

「逃がさん!」

ダークネスは不敵な笑いをあげながら追いかけた。
人を兎に角巻き込ませない場所といったら・・・あの森しかない!
俺は目標に向けて全力疾走だった。が・・・

「!?」
「あ、ジュウゴロウさん!」

なんとサトシ達と合流、最悪の事態になってしまう。

「見つけたぞ!」
「!?」

ズブッ!

「ぐぅっ・・・!!!」

槍が腹に刺さった。

[718] 第96幕 包まれた恐怖
佳奈美 - 2008年10月07日 (火) 18時51分

「きゃあああああ!!!」
ジュウゴロウが何者かに指されたのを目撃したサトシ達は息を飲み、ヒカリは大きな悲鳴を上げた。
「警察と救急車だ、俺とユウエイはこいつを捕まえる!!!」
カンテとユウエイはすぐに逃げるダークネスの後を追いかけ、タケシはカンテかに借りたポケギアで救急車と警察に報告し、サトシは悲鳴を上げているヒカリを落ち着かせ始めた。
「ヒカリ、落ち着け!」
「ピカピカ!」
サトシとピカチュウは気が動転しているヒカリを何とか落ち着かせようとした。
「落ち着けないわよ・・・人が・・・刺されたのよ!!!」
ヒカリは人が刺されるところを直接見るのが始めてだったらしくとても落ち着いて入られない状況だった。
「急所は外れてはいるが出血が酷すぎる!このまま出血が長引けば命は危ないぞ!!」
タケシはありったけの手持ちのハンカチや布切れやタオルで止血を試みたが血が止まる気配は感じられなかった。
「ああっ!!!」
カンテを探しにここまで来たガンマはこの状況を見て息を呑んだ。
そしてすぐにこの場に向かった。
「大丈夫ですか!!!」
ガンマの声にサトシ達はすぐに振り向いた。
「ガンマ、どうしてここに・・・」
サトシが質問をしようとするとガンマはそれを止めた。
「質問は後回しです!まずは止血をすることだけを考えないと、ここは僕に任せてください!」
ガンマはモンスターボールからロゼリアを繰り出した。
「ロゼリア、ガンマ、このポケモンを持っていたのか?」
サトシはガンマがロゼリアを持っていたことに驚きを隠せなかった。
「さっき捕まえたんですよ、ロゼリア、リフレッシュ!」
ロゼリアはリフレッシュを繰り出した。
そしてリフレッシュでジュウゴロウの出血は何とか止まった。
「でも・・・リフレッシュは『どく』『まひ』『やけど』症状を治す技、止血は一時的なものです」
リフレッシュで止血はしたと一瞬安心したがガンマの言葉にまたサトシとタケシは不安そうにしていた。
「ポチャ・・・」
やっと落ち着きを取り戻したヒカリはポッチャマを抱っこして何とか精神を落ち着かせようと試みた。
「どうしてなの・・・どうしてユヤさんがいなくなりジュウゴロウさんまでもこんな目に会わなきゃ・・・」
ヒカリは泣きそうな声で呟いた。
「何かに取り付かれているとしか考えられないな・・・」
ガンマの言葉にサトシとタケシとヒカリは表情をこわばらせた。
♪ピーポーピーポー
暫くの沈黙がこの音で引き裂かれた。
ようやく救急車とパトカーが来たのだ。
ジュウゴロウは急いで救急車に乗せられて病院に連れて行かれた。
サトシ達はいきさつを全てジュンサー達に話した。
恐怖がまだ取り除かれないまま・・・

第96幕 完

[719] 第97幕 キラザの報告
佳奈美 - 2008年10月09日 (木) 20時44分

今日の戦いが終わった後、シンジはサイに無理矢理(?)つき合わされた。
「まさか兄弟だったとは・・・どうりで似ていると思ったよ」
サイは明るく笑いながら改めてレイジとシンジは似ているなと確認していた。
「似るのは当たり前ですよ・・・兄弟なんだから・・・」
シンジは不機嫌そうにぼやいた。
「でも、性格は180度違いますね、レイジの方はまるでサトシと意気投合しそうな雰囲気でしたし、なおかつ僕とのバトルでもバトルを楽しそうにやっていましたよ」
サイは性格は全然違うとあたらめて感づいていた。
「兄貴にはあいつとサイさんとは合うだろうな」
シンジは付き合いきれんと言わんばかりにこの場から去ろうとした。
その時、エルレイドがヤミカラス10匹に追いかけられるのを目撃した。
「大変だ!」
サイはすぐにピカチュウを繰り出した。
「ピカチュウ、10万ボルト!!」
ピカチュウは10万ボルトを繰り出し、ヤミカラスに直撃させた。
「ヤミャーーー!!!」
ヤミカラス達は怯え、すぐに引き返した。
「大丈夫ですか?」
サイはエルレイドを抱え起こした。
エルレイドの手には以前使われていた翻訳機が握られていた。
「まさか・・・」
サイは慌てて翻訳機を耳に当てた。
『ようやく会えたぜ・・・』
このエルレイドはキラザだった。
『ジュウゴロウが・・・大変な目にあった・・・』
キラザはジュウゴロウがダークネスと名乗る奴に襲われたことをサイに報告した。
「それで・・・会長さんは?」
サイはジュウゴロウの安否を心配していた。
『サトシ達のおかげで今は病院で手当てを受けている、俺は俺自身の超能力でジュウゴロウのピンチを知った、そこでお前を捜したと言う事だ』
キラザは自分自身の能力でジュウゴロウのピンチを知ってしまい、ジュウゴロウを助ける前にサイに報告したのだ。
「分かりました、僕は会長さんの所に行きます、あなたも来てください」
サイは状況が飲み込めたらしくすぐにジュウゴロウの元に行くといった。
「シンジはどうするんですか?」
サイはシンジに話しかけてきた。
「・・・俺に振るな、俺はもうお前らとは協力はしない」
シンジはこの一言を残すとこの場を去った。
「相変わらず素直じゃないですね・・・」
サイは呆れながらもすぐにキラザとともに病院に向かった。

第97幕 完

[720] 第98幕 タイラント再び
佳奈美 - 2008年10月11日 (土) 18時47分

カンテとユウエイはあの後、ダークネスを追いかけ続けたがいつの間にか森の奥に入り込んでしまい、ダークネスを見失ってしまった。
「見失ったか・・・」
カンテは悔しそうに呟いた。
「ピジョット!!」
ユウエイはピジョットで空からダークネスを探すことにした。
「頼んだで!」
「ピジョー!!!」
ピジョットが空高く飛び上がるのを確認すると再び奥に進み始めた。
「ダークネスって一体誰だって言うんだ!なんでジュウゴロウを・・・まるでジュウゴロウに恨みを買っているかのように刺しやがって・・・」
カンテが愚痴をこぼしているとき、ポケモンレンジャーの服を着こなした青年が2人の前に現れた。
肩にはシェイミが乗っていた。
「ミー」
シェイミは嬉しそうにカンテとユウエイに挨拶を交わした。
「またお前らか・・・」
この声は紛れもなくトップレンジャーのタイラントだった。
「タイラントさん、何であんたがここにおるんや!」
ユウエイは驚きを隠せなかった。
「ミッションを与えられたまでだ!三銃士が支配していた森の中でまた再び怪しい人物がこの森に乗り込んでいるとユニオンから報告が入った、それで俺は再びここに戻ってきた!!」
タイラントはあの後、ハジメとダズルとともにアルミアのユニオンに戻り、三銃士の事件の後片付けをしていたが、急にかつて三銃士が乗っ取った森にまた事件が起こったと言う知らせが入ったのだ。
今回はタイラントがその調査をすることになったのだ。
「実は森でジュウゴロウと名乗るトレーナーが怪しい奴に刺されたんです!」
カンテはこれまでのいきさつを全て話した。
「人を刺す正体不明の輩か・・・お前らの話から推測するとダークネスと名乗る奴だ、誰かは知らんがオカルトマニア向けの物を作り上げるとは・・・」
タイラントはダークネスは誰かに造られた物だと判断した。
「誰かに造られたものやと!」
ユウエイはタイラントの言ったことに驚きを隠せなかった。
「これを見ろ!!」
タイラントは一枚の新聞を渡した。
「これは・・・」
カンテとユウエイはこの新聞の見出しを見た。
『原因不明の現象起こる!!○月×日、ズイタウン付近の町で原因不明の現象が起こった。第一・黒いレックウザと巨大リザードンが病院の庭で大暴れをする事件。第二・レジギガスが町の道を壊し木を全て引き抜いた挙句、白いメダグロスが人をさらっていく事件。第三・いきなり表れた人工的のバリアー。第四・人工的に作られた霧。第五・凶暴化した野生のポケモン。第六・マンホールに群がるゾンビ軍団。今だに原因はつかめずにいるが全ては人の手によって造られたものだと先週判断した、ロケット団幹部の研究員と名乗る犯人は未だに捕まってはいない。現在、警察とポケモンレンジャーも全力で捜査している』
カンテとユウエイはこの見出しを見て息をするのを忘れるほどだった。
「これ・・・俺達が前に目撃した事件じゃないか・・・」
「なに!!!」
カンテの言葉にタイラントは2人を問いただした。
「お前らの知っている範囲だけでいい、全てを教えてくれ!俺達はこの情報でしか知らないんだ!」
タイラントの持っていた新聞はアルミアで発行したもので詳しいことはあまり書かれていなかったためこの真実を知りだかっていた。
「分かりました・・・実と言うと俺もあの後気になってこの事件に関する新聞や雑誌は片っ端から手に入れて保存しているんです、リュックはポケモンセンターにおいて来ています」
カンテがこう言うと、タイラントは『ポケモンセンターに向かうぞ』と言い、森の出口を目指した。
「なあ、ダークネスと名乗る奴もそうやげと、ユヤも探さへんと・・・」
ユウエイはユヤのことを思い出し、ユヤも探そうとしたがピジョットはダークネスを探すために今は不在だった。
「ユヤのことなら心配するな!」
タイラントは目に付けたポッポとオニスズメを見、そしてバトナージ・スタイラーを構えた。
「キャプチャーで俺の下部と化せ!!」
タイラントはポッポとオニスズメをキャプチャした。
「お前達は行方しれずの少年を探せ!」
タイラントの命令にポッポとオニスズメは頷き、すぐにユヤを探し始めた。
「下部って・・・レンジャーの言う事か・・・」
カンテとユウエイはこのことに関して呆れていた。
「急ぐぞ!」
タイラントは急ぎ足で森を抜け始めた。
「はいはい・・・」
カンテとユウエイも後を続いた。

第98幕 完

[721] 第99幕 それぞれの思い
佳奈美 - 2008年10月12日 (日) 20時33分

(あれから何時間たったんでしょうか・・・)
ユヤが監禁されてから1時間が経過していた。
ユヤは意識が失いかけていた。
普通、いくら監禁されているとは言えども1時間では意識を失うことはまずないが倉庫は窓もなく完全に閉め切っており、ユヤの頭上にはヒーリングのモルフォンのねむりごなが少しずつ降り注がれていた。
(量が少なくても・・・効き目は徐々に現れていく・・・モルフォンのねむりごなをこんな風に調整することが出来るなんで・・・改造ポケモンに・・・間違い・・・)
ユヤはこのまま意識を失い、深い眠りに落ちて行った。

ポケモンセンターでは・・・
「これだ、タイラントさんが探している情報がたくさん入っているものは」
カンテはリュックから分厚いファイルを取り出し、タイラントに差し出した。
ファイルは以前合った事件のことが記されており、新聞や雑誌から切抜きされてファイルに閉じていた。
タイラントはファイルに目を通していた。
「やっぱりアルミアの新聞と同じことが書かれているだけだな・・・」
タイラントは悔しそうにファイルを力任せに閉じた。
「この事件は町のイメージダウンを恐れて詳しいことは書かれていないといったほうが打倒だな」
カンテの言葉にユウエイは質問して来た。
「どう言う事や?」
「つまり、事件のことに関しては警察に報告しているが新聞記者や雑誌記者には詳しいことは報告してはいないと言う事だ、いくら知らなかったとは言えども町をこんな風にされたんじゃこれから先、この町に立ち寄るトレーナーやコーディネーターはもちろん、一般人も絶対に寄り付かなくなるからな」
カンテは分かりやすく説明した。
「町のイメージダウンを恐れて詳しい情報は世間には公表されていないと言う事か・・・」
タイラントはファイルをカンテに返した。
「真実を俺達が暴く、今回の事件、そして前回の事件を全て解決するまでだ!!そしてこの事件を起こした奴を徹底的に叩きのめしてやる!!!」
タイラントはこう言うとすぐにシェイミと共にポケモンセンターを後にした。
「タイラントさん!俺達も行きます!!」
「俺もや!!!」
カンテとユウエイはタイラントの後を追いかけた。
「フッ・・・以前邪魔をするなと言ったはずだがお前達は事件の重要参考人として認めよう」
タイラントはカンテとユウエイを連れて行くことにした。

病院では・・・
「会長さん!!!無理ですって!!!医者からも絶対安静って言われたじゃないですか!!!」
『本当に無茶する奴だぜ』
サイとキラザは意識を取り戻したジュウゴロウを必死で止めた。
「馬鹿者が!!!ダークネスは間違いなくバカ親父が造った物!俺を殺そうとしたところを見ればまず間違いない!最初は本当に死神がいたと思い込んだが冷静に考えると現代科学に幽霊や死神なんかいるはずない!!!」
ジュウゴロウは最初は戸惑ったが意識を取り戻してから、暫くの間冷静に考え、『死神』は存在しないと言う事を思い出した。
推測だがカドマツがこの町に居ることを判断したため、すぐにカドマツを探そうとしたが医者からは数日間絶対安静と言われたため今、サイとキラザに止められていた。
「ええい!!!うるさい!!!」
ジュウゴロウはサイとキラザを突き飛ばし病院を出て行き、カドマツを探し始めた。
「会長さん!!!」
『たっく・・・』
サイとキラザはとうとう諦め、ジュウゴロウについて行く事にした。

警察署では、サトシとヒカリとタケシとガンマが取調べを受けていたがさっき終わったところだった。
「これはもはや殺人未遂ね」
ジュンサーは犯人逮捕の全力をかけて捜査することにした。
「死神の格好をして人を刺すなんで・・・一体どういうつもりなのかしらね・・・」
ジュンサーはぼやきながら調べ室に戻って行った。
「タケシ、俺達はどうする?」
サトシはタケシに問いかけた。
「病院に行こうか、ジュウゴロウさんのことが気になるし・・・」
タケシはジュウゴロウの安否を心配していたため、病院で様子を見ると言い出した。
「僕は師匠を探さないと、きっと師匠、今頃殺人未遂の犯人を追いかけているところですから」
ガンマはカンテを探すことにした。
「じゃあ、二手に別れよう、俺とヒカリは病院に行ってジュウゴロウさんの安否を確かめる、サトシとガンマはカンテさんとユウエイさんを探してきてくれ、分からないことがあっても1時間後にポケモンセンターに戻ろう」
タケシの提案にサトシ達は賛成し、二手に分かれた。

第99幕 完

[722] 第100幕、邪気
★ディオ★ - 2008年10月13日 (月) 10時59分

病院から勝手に飛び出た俺のあとをサイとキラザは付いて行く。

「ぐっ・・・ハァ・・・ハァ・・・・・・!」

勿論俺の体の状況も悪いために動くのも大変だ。心配そうに思いながらも、相変わらず無茶する者だとサイは思っていたが・・・

『・・・なぁ。ジュウゴロウの様子がだんだん怪しくなってないか?』
「・・・やはり無茶だったかもしれないですね」
「何言ってんだ・・・俺は・・・」

その瞬間に声を出す気力が無くなった。いや、跪いて動けなくなったのだ。

「会長さん、しっか・・・」

立たせようとしたサイは息を殺した。体がだんだん黒くなり始めているのだ。

『ど、どうなってやがるんだ!?』

キラザもこの光景を見て驚いた。そこへタケシとヒカリがやってくる。

「タケシさんにヒカリちゃん!」
「ジュウゴロウさん! なんだか体が・・・」

2人の反応もキラザと同じように驚いた。そうしてる内にも、俺の息も荒くなり、どんどんと侵食されていく。
その時、

「ちょっと失礼・・・」
「! 貴方は・・・」
「・・・イチ・・・ノセ・・・!」

イチノセとその連れだった。背中にはなんと刀も手にしているし、数珠も持っている。

「・・・これは酷いな・・・彼をどこか安静できる場所に運んでくれないか?」
「それならあそこに」

サイは近くにあったベンチに俺を座らせた。

「お前達」
「ハッ!」

連れはすぐさま俺の周りに立ち、念仏を唱え始めた。
すると足元が魔法陣みたいに光り輝きだすと、俺の体内から突然黒い球体が現れた。
みんなは勿論驚く。

「邪気よ、消えうせろ!!」

イチノセは刀を抜いて球体を斬りつけた。球体は悲鳴を上げながら空へ消えていった。
その直後には、俺を侵食していた様子もすっかり無くなっていた。

「もう大丈夫だぞ」
「・・・助かったのか・・・」

体の具合も嘘みたいに良くなった。傷の痛みは少々あるが、安定できている。

「僕はもうどうなってしまうかと思いましたよ・・・」
「しかし、貴方達は一体・・・?」

タケシ達にはまだ顔を良く覚えてなさそうだ。

「・・・俺達は彼、ジュウゴロウのライバルでもあり、祈祷師ですよ」
「! ちょっと待ってくれイチノセ!お前そんなこともしてたのか!?」

俺の耳に確かに聞こえた「祈祷師」の言葉、てっきりライバル関係のリーダーかと思っていたからだ。

「元はダークネスの邪気を感じて辿っていたが、その前にお前が取りつかれたことを知ってここへ来た。お前はどうやら幽霊なんぞは信じないようだな」
「ハナっからな。だがあんたがそんなことできるということは・・・」
「奴は本物の幽霊だ」

みんなは息を呑んで事実を知った。するとイチノセは・・・

「だがお前も不思議に感じるな・・・」
「何?」

イチノセは何か関心のある顔になる。

「・・・ダークネスで何か心当たりはあるか?」
「んなもん、バカ親父の命令で・・・ん?血・・・」
「それだ!」

イチノセは目を光らせて指を指した。

「ジュウゴロウよく聞け。ある古文書では、珍しく鬼の血を引き継ぐものが生まれることがある。それは鬼の使いとも呼ばれるわけだ。そしてその鬼の子孫として生きているのがジュウゴロウ、お前なんだ!」
「俺が・・・鬼!?」

みんなは呆然するだろうが、特に俺はそれ以上だった。

「おそらくダークネスは、お前の血を使って力を増すつもりなのだろう。そして何より・・・そこにいる者が奴を目覚めさせたわけだ。ロケット団研究者、カドマツよ!!」

イチノセが後ろに指を指した時には、人の姿があった。

「ンフフフフッ・・・その通り。そして久しぶりだな、息子よ」
「・・・親父・・・!!」

さらにはダークネスも姿を現した。だがなんか様子が違う、鎧には邪気が・・・

[723] 第101幕 ユヤの裏切り
佳奈美 - 2008年10月13日 (月) 14時25分

また森の奥に戻ってきたタイラントとカンテとユウエイ。
「ピジョット!!」
森の奥に着くと同時に羽を休めていたピジョットが見えた。
「どうや、何が分かったか?」
ユウエイはピジョットの羽を撫でながら言った。
「ピジョー!!」
ピジョットは翼を大きく広げさっきユウエイたちが来た道を指した。
「よし、案内してくれへんか?」
ピジョットは頷き、再び空を高く飛び上がった。
その時、タイラントがキャプチャしてユヤの捜査をしていたオニスズメとポッポもタイラントの元に戻ってきた。
「何が分かったのか!」
タイラントはポッポとオニスズメに問いただした。
ポッポとオニスズメは互いに先に進んだところを指した。
「もっと森の奥にユヤがいると言う事か・・・」
カンテはそう読み取った。
「よし!俺とユウエイはピジョットについて行く!お前はポッポたちについて行け!ユヤを救出したらすぐに俺達の元に来い!」
タイラントの言葉にカンテは強く頷いた。

(・・・・・・)
ユヤは意識を取り戻した。
座らされて手足をロープで固定されていたが今は固いベッドに眠らされていた。
両手を針金で固定されて・・・
「気が付いたわね」
ヒーリングがユヤに近づいた。
「お願いします・・・僕を改造するのは辞めてください・・・帰して下さい・・・」
ユヤは必死で抵抗したがねむりごながまだ残っていたため、抵抗が弱々しかった。
「お願いできないことね、あんたの知識は幹部の中でもトップに輝くものだし、三銃士も認められるほどの技術も持っているからね、三銃士はもう必要ないとしてあんただけはどうしても私達の元に戻ってきてもらわないと困るんだよ!」
ヒーリングの笑い声とともにユヤの目からは涙があふれ出た。
「酷い・・・僕はあなた達の玩具なんかじゃありません・・・僕はもう決めたんです・・・犯罪には手を染めないと・・・」
ユヤはグッとヒーリングを睨みつけた。
「でも、あんたにはあたし達の元に戻らなければならないのよ、見てご覧なさい、この状況を」
ヒーリングは地図を取り出した。
「こ・・・これは・・・」
ユヤは地図を見た。
フォーティシティの地図であり、ウォーティシティから出入りする周りには人工的に造られたバリアーが張られており、誰も逃げられないように爆弾も仕掛けられていた。
さらに次の町に進む森・・・かつて三銃士が乗っ取っていた森もバリアーと爆弾によって封鎖されていた。
地図には爆弾とバリアーが張られている目印が付いていたため、ユヤにもすぐに分かった。
「オーホホホホ!!!どう、分かった?この町は既に我らロケット団が乗っ取ったのよ!」
ヒーリングは高笑いした。
「あなた達・・・まともじゃありません!!!」
ユヤは改めて思った。
ロケット団最高幹部のやり方は酷すぎると・・・
「あなたが私達の元に戻るって言うのなら爆弾だけは解除してあげる」
ヒーリングは爆弾解除のスイッチを握っていた。
「・・・・・・分かりました・・・お願いしますから・・・関係ない人を巻き込むのだけは辞めてください・・・」
ユヤはとうとうロケット団に戻ることにした。
関係ない人間を自分勝手の理由で犠牲にならないためにはこうするしか他に方法はないと判断したからだ。
「改造する手間も省けたわね」
ヒーリングは爆弾解除のスイッチを押し、爆弾を全て解除した。
(・・・・・・ごめんなさい・・・皆さん・・・ごめんなさい・・・タイラントさん・・・)
ユヤは泣きながらここにいない人物のことを思い出しながら謝罪を繰り返した。

第101幕 完

[724] 第102幕 堕天使と呼ばれる女
佳奈美 - 2008年10月13日 (月) 18時15分

次の町に行く森の道では・・・
「なんなんだ!!!このバリアーは!」
次の町に向かうシンジが立ち往生していた。
「以前のバリアーと同じつくりか・・・」
シンジはバリアーを叩き、以前のバリアーと同じ作りだと判断した後、エレブーを繰り出した。
「エレブー、かわらわり!」
エレブーのかわらわりがバリアーを壊したと思えばまた再生した。
「やはり前と同じつくりか・・・チッ・・・」
シンジは舌打ちをし、空を見上げると以前と同じく空にも白くて深い霧が曇っていた。
「以前と同じじゃないか・・・」
シンジが腹を立てているところに・・・
「シンジさぁん!!!」
「シンジ!!!」
ガンマとサトシがここに向かってきた。
「あの・・・師匠とユウエイさん、知りませんか?」
ガンマはシンジにカンテとユウエイを見なかったと聞いてきた。
「知らないな!」
シンジはいつものようにそっけない態度を取ってこの場から去ろうとしたとき・・・
ガサガサ・・・
茂みから大量のタネボーが出てきた。
しかも、このタネボー達は全身真っ黒に染まっていた。
「うわあ!タネボー!!」
サトシは驚いた。
「いっけぇ!ロゼリア!!」
ガンマはロゼリアを繰り出した。
「くさぶえ!」
ロゼリアの綺麗なくさぶえの音色が聞こえ始めた。
「よし!くさぶえは相手を眠らせる効果を持っている・・・って!!!」
サトシは眠らせれば安心だと思ったとき、タネボー達は眠り症状になっていなかった。
「どうして眠らないんですか!」
ガンマも驚きを隠せなかった。
「改造ポケモンと見て間違いないな・・・」
シンジはブーバーを繰り出した。
「ブーバー、かえんほうしゃ!」
かえんほうしゃがタネボー達についているサーモグラフィを壊した。
「もう一度かえんほうしゃだ!」
サーモグラフィを壊すともう一度ブーバーのかえんほうしゃがタネボー達に直撃した。
タネボー達はブーバーが恐ろしくなりすぐに逃げ出した。
「・・・改造の元であるサーモグラフィを壊しても元に戻らないなんで・・・」
ガンマはこの状況を怖がっていた。
「これがカドマツが造った改造ポケモンよ、このポケモン達はたとえサーモグラフィを破壊されようとも、二度と元の姿に戻ることは出来ない」
森の茂みから黒い長髪と特注品のロケット団の衣装を来た女性が立っていた。
「お前はロケット団の仲間か!」
サトシは女性に向かって怒鳴った。
「そうよ、私はカドマツの右腕の幹部、ヒーリング!私も人間の改造は得意じゃないげとポケモンの改造は1分もあればすぐに出来るわ」
ヒーリングはサーモグラフィと特殊な機械を持ち、そして側にいたアリアドスを改造し始めた。
「アリアドスの体が!!!」
ガンマはアリアドスの体が濃い灰色に変化したことに気が付いた。
「アリアドス、こいつらにくものす!」
アリアドスは1分足らずで改造終了という形になり、ヒーリングの言うとおりにくものすを繰り出した。
「ブーバー、かえんほうしゃ!」
シンジはブーバーにかえんほうしゃを命じた。
ブーバーのかえんほうしゃがアリアドスに直撃しそうになったとき・・・
「手出しするんじゃないわよ!!!」
ヒーリングはスターミーを繰り出した。
茶色の体に宝石は黒く染まっているスターミーだった。
「ハイドロポンプ!」
今までに見たこともない凄い威力のハイドロポンプがブーバーに直撃し、ブーバーは一撃で戦闘不能になった。
「チッ・・・」
シンジはすぐにブーバーをモンスターボールに戻した。
くものすがサトシ達を囲み、逃げられないようにした。
「ああっ!!」
「しまった!!」
「クッ・・・」
ガンマとサトシとシンジは糸を切ろうと思い、それぞれのポケモンを繰り出そうとした。
「スターミー、スピードスター!」
スターミーはスピードスターをサトシ達のモンスターボールに目掛けて発射した。
「モンスターボールが!!!」
ガンマはエイパムを繰り出そうとしたがモンスターボールのスイッチがさっきのスピードスターによって壊されてしまった。
「チッ・・・」
シンジもまたガンマと同じくモンスターボールのスイッチが全て壊れさていた。
「ピカチュウ、アイアンテールで糸を切ってくれ!」
サトシもモンスターボールのスイッチを壊されていたため、唯一サトシ達とは反対方向で糸に捕らわれていないピカチュウにアイアンテールを命じた。
「助けるんじゃないわよ!」
ヒーリングはピカチュウの尻尾を思いっきり踏み、アイアンテールを封じた。
「ピカァーー!!!」
ピカチュウは痛みによってアイアンテール所が電気技も使えない状況になった。
「このピカチュウは実験ねずみとしてもらっておくわ」
ヒーリングはピカチュウの尻尾をわしつかみにして持ち上げた。
「ピカピー!!!」
ピカチュウは助けを求めた。
「ピカチュウ!!!」
サトシもまた、必死でくものすから逃れようとしたが無駄な足掻きにしかならなかった。
「オーホホホホホホホホ!この電気ねずみの改造が楽しみになってきたわ」
ヒーリングはピカチュウをこのまま連れて行った。
「ピカチュウ・・・」
サトシは呟くのがやっとだった。

第102幕 完

[725] 第103幕 ヒーリングの卑劣な手段
佳奈美 - 2008年10月13日 (月) 20時37分

町に戻り、ピジョットを頼りにダークネスを探すユウエイとタイラント。
そこに、ダークネスと思われる人物とカドマツがジュウゴロウ達と接触しているのを目撃した。
「いたで!!!」
ユウエイとタイラントはすぐに現場に駆けつけた。
「駄目!ユウエイさん、タイラントさん」
ヒカリはユウエイとタイラントに近づいちゃ駄目と慌てて2人を止めた。
「どういうつもりだ!」
タイラントは聞き返した。
「あれ・・・」
ヒカリはカドマツの傍らにいるものに指を指した。
ダークネスが怪しい邪気を出していた。
「なんやあれ!」
ユウエイは驚きを隠せなかった。
「あたし達・・・この邪気のせいで動けないの・・・」
「ポチャ・・・」
ヒカリ達はダークネスに発している邪気のせいで動けずにいた。
「このバカ親父が!何処までダチを苦しめれば気が済むんだ!狙いは俺だろうが!ダチは関係ない!!」
ジュウゴロウはヒカリ達を解放しろと怒鳴ったがカドマツは無視した。
「チッ・・・」
タイラントは舌打ちをした。
「ミィー・・・」
シェイミは心配そうにタイラントを見た。
「心配するな・・・俺はトップレンジャー、こんなオカルトマニアの幻惑なんかに惑わされたりはしない!」
タイラントはすぐにバトナージ・スタイラーを発動させた。
「キャプチャーで我下部と化せ!」
側にいたゴーリキーをキャプチャした。
「ゴーリキー、みやぶる!」
タイラントはゴーリキーにみやぶるを命じた。
「幻影を全てうち砕け!!!」
タイラントの合図と共にゴーリキーのみやぶるがダークネスに効いた。
ダークネスの正体は改造されたゲンガーだった。
右手には槍を持っており、兜と死神をモチーフとした衣装も着せられていた。
「フフ・・・フハハハハハ、ハーハハハハハハハハハ!!!俺にこんなまやかしは通用しない!!ゴーリキー、全てを蹴散らせ!きあいだま!」
ゴーリキーのきあいだまがゲンガーに直撃し、ゲンガーは戦闘不能になった。
「俺の幻想を打ち破るとは・・・お前はただのトップレンジャーじゃないな」
カドマツはタイラントの実力を褒めた。
「悪人であるお前に褒められても嬉しくない!!!むしろ腹が立つ行為だ!!!貴様を徹底的に叩きのめしてやる!!!」
タイラントはシェイミを『スカイフォルム』にさせようと『グラシデアのはな』を懐から出そうとした時・・・
シュバ!!!
「ぐわああーー!!!」
タイラントの右腕がスピードスターによって切り刻まれた。
「タイラントさん!!!」
ヒカリとタケシがタイラントの側に駆け寄った。
「ヒーリング、こっちの用は済んだのか?」
カドマツはスピードスターを繰り出した本人に話しかけた。
「一応ね・・・」
ヒーリングの傍らにはスターミーがおり、右手には尻尾を力任せにつかんでいるサトシのピカチュウがいた。
「ピカチュウ!」
ヒカリはピカチュウを見て驚いていた。
「ピ・・・ピィカ・・・」
ピカチュウは弱々しい声で助けを求めた。
「やっぱりお前ら、まともじゃねえ!!!」
ジュウゴロウはキッとカドマツとヒーリングを睨みつけた。
「ダークネスのトリックを見破ったことは褒めてあげるわ、トップレンジャーさん、でも、あんたの出番はこれでおしまいよ!」
ヒーリングはカッと見開いて、懐からナイフを取り出した。
そして心臓近くに目掛けてタイラントを突き出した。
「グワあああああああああああーーーーーーーー!!!」
血が大量に迸った。
「タイラントさん!!!!!!」
タケシはすぐに止血を始めた。
「僕も手伝います!!!」
サイもまた、タケシの手助けをした。
「なんと言うひどいことを・・・」
ヒカリはこの光景を見て怯えてしまいこのまま気を失った。
「卑怯やで!!!このクソババア!!!」
ユウエイは極悪な手を使ったヒーリングに怒鳴った。
「よくもクソババアって言ったわね!!!このガキが!!!後でたっぷりと後悔させてあげるわ!!!」
ヒーリングはこの言葉によほど頭に来たらしくユウエイを徹底的にぶちのめすと決心した。
「ヒーリング、一度引き上げるぞ、ダークネスのトリックが破れた以上、こいつらを惑わすのは少し困難になった」
カドマツはダークネスがやられた以上、一度戻って新たに作戦を考えるのがいいと判断した。
「そうね・・・」
ヒーリングもまた、カドマツの意見に賛成した。
「次会った時はお前達の最後だ!」
カドマツとヒーリングはエスパーポケモンのテレポートにより、この場から去った。
「待て・・・バカ・・・親父・・・」
ジュウゴロウは出血が多すぎたため、完全に体力を失ってしまいこのまま倒れこんだ。
「会長さん!!!」
サイはタケシと共にタイラントの応急処置をしていたがジュウゴロウが意識を失うとすぐにその場に駆けつけた。
「今救急車呼んだで!!!すぐ来る!!!」
ユウエイはタイラントが刺された後、すぐに救急車を手配したのだ。
「今はタイラントさんとジュウゴロウさんの治療と意識を失ったヒカリを何とかしないとな・・・」
タケシは呟いた。
「ああっ・・・そうやな・・・」
ユウエイもタケシと同じ意見だった。

第103幕 完

[726] 第104幕 脱出と記憶喪失
佳奈美 - 2008年10月14日 (火) 08時29分

「駄目だ!!!全然切れねえ」
サトシ達はあの後、アリアドスのくものすを切ろうとしたが引き千切ろうとすれは手がベトベトしてしまった。
「この糸、すげえネバネバしているぜ!」
サトシは手袋にこびりついた糸を必死で落とし始めた。
「シンジさん、あなたも手伝ってくださいよ」
ガンマはさっきから糸が切れるのを待っているシンジに助けを求めた。
「断る!関係ない俺まで巻き込みやがって・・・」
シンジは不機嫌に断った。
「ほっとけよ、ああいう奴だからさ・・・それよりもこの糸を切って早くピカチュウを助けなきゃー!!!」
サトシは力任せに糸をつかみ無理矢理引っ張ろうとしたがさっきと同じく手袋や指の先に糸のネバネバがこびり付いてしまった。
「学習能力はないのか、お前は」
2度も同じ繰り返しのサトシを見てシンジは呆れていた。
「うるさい!こういうのならお前が何とかしろ!!!」
サトシはとうとう逆切れをしてしまった。
「別人のように切れている・・・」
ガンマはそっと呟いた。
「お前ら・・・何喧嘩しているんだ」
外から聞き覚えのある声が聞こえた。
「カンテさん!!!」
「師匠!!!」
カンテとタイラントがキャプチャしたポッポとオニスズメだった。
「説明している暇はないんです!」
「ロケット団が俺達をこんな風にしたんです、早く助けてください!」
ガンマとサトシはこの糸を切ってくれとカンテに頼んだ。
「分かった、この糸は刃物で切ったり手でちぎったりしても無意味なものだ、ここは燃やすしかない!」
カンテはヘルガーを繰り出し、かえんほうしゃを命じた。
かえんほうしゃが厄介な糸を全て燃やし尽くした。
「助かった!」
「ありがとうございます、師匠」
サトシとガンマはすぐにカンテに礼を言った。
「一体何があったんだ?」
カンテは2人に問いかけた。
サトシとガンマは一部始終を話した。
「そんなことがあったのか・・・」
一部始終を聞いたカンテは表情を曇らせた。
「実と言うとこっちも大変なことが起こっているみたいなんだ、さっきからユウエイからの連絡もないし、ユヤがまだ見つからないんだ」
カンテはユヤの捜索を任せられていたがユヤが未だに見つからないことに少し苛立ちを感じていた。
「ユウエイの方も気がかりだがあいつのことは大丈夫と信じている・・・」
カンテがこう言った時、ポケギアが鳴った。
「ユウエイか、何が分かったことでもあったのか!」
間違いなくユウエイからの電話だった。
『分かったところやない!ここにサトシはおらへんのか!!』
ユウエイの声は凄く慌てていた。
「今さっき合流したところだ、何があったのか?」
カンテは話を続けようとした時、信じられない言葉が飛び出した。
『ヒカリが・・・ヒカリが俺達のことを知らない所が今まで自分が何をしてきたことも知らないと言うんや!!!』
ユウエイの言葉にカンテやサトシ達は驚きを隠せなかった。
「ユウエイさん、それ、本当ですか!」
サトシはカンテのポケギアをひったくり、ユウエイに問いかけた。
『大至急来てくれ!話はそれからや!』
「分かりました!」
サトシはポケギアのスイッチを切るとすぐに病院に向かった。
「サトシ、待ってください!」
ガンマは慌ててサトシを追いかけた。
「シンジ、お前も来い!このまま先に進んでも無意味だ!」
カンテの言うとおり、シンジもモンスターボールを壊されていたためポケモンが繰り出せない状況だった。
シンジは従うしか他になかったため、カンテに付いて行く事にした。

病院に着いたサトシ達はこのまままっすぐヒカリがいる病室に入り込んだ。
「ヒカリ!!!」
サトシはヒカリを呼びかけた。
「誰・・・あなたは誰?」
いつもならサトシを見ると嬉しそうに「サトシ」と呼ぶか今のヒカリはサトシのことを初対面の人間に見えていた。
「ヒカリ・・・」
サトシはショックを隠せなかった。
「さっきからずっとこればかりなんだ・・・俺達のことはおろか自分の名前や出身地や自分のポケモン達、そして今までゲットしたリボンのことも思い出せずにいるんだ」
タケシは苦しそうに言うのが精一杯だった。
「医者はなんと言ったんだ?」
カンテはタケシに問いただした。
「ショックから来る記憶喪失だって・・・一時的なのか永久的なのかは今のところ分からないそうだ・・・」
記憶喪失と聞いてサトシは息をするのを忘れそうなほどだった。
「原因は?」
カンテはさらに話を続けた。
「原因は恐らくタイラントさんが目の前で刺されたのを見たためだと思うな、タイラントさんが刺される前にジュウゴロウさんも目の前で刺されたのを目撃したがそのときのヒカリはまだ記憶を失っていなかった、今回は人が刺された後にヒカリはショックで気を失った、原因はそれしか考えられない」
タケシは心当たりを全て話した。
ジュウゴロウが刺された時はヒカリは気は失わなかったが気は動転した、しかしその後サトシとポッチャマによって落ち着きを取り戻し普通どおりに過ごした。
しかし、タイラントが刺された時はヒカリはショックと恐怖のあまり意識を失った、意識を取りもどかすと同時に自分の記憶が全てなくなっていた。
「人が続けて刺されたのを目の前で目撃したんだ、嫌でも記憶を失うものだ・・・」
カンテは悲しそうな声で呟いた。
「ところで、タイラントさんとジュウゴロウはどうしている?」
カンテはタイラントとジュウゴロウの安否を確かめようとした。
「タイラントさんは何とか一命を取り留めたが1ヶ月以上は絶対安静でジュウゴロウさんは3週間は絶対安静だと医者に言われたんだ」
タケシはタイラントとジュウゴロウの今の状況を説明した。
そのとき、病室からドアが開く音がした。
サイが息を切らしていた。
「皆さん・・・か・・・会長さんが・・・」
サイは息を途切れ途切れに問いかけた。
「まさかジュウゴロウの奴!」
「一人でカドマツの決着を付けに行ったんか!」
カンテとユウエイはそれしかないと判断した。
「お・・・恐らくだと思います・・・」
サイは床に座って息を整えた。
「すぐにジュウゴロウを連れ戻さへんと!」
ユウエイ達はすぐにジュウゴロウを探すことにした。
「サトシとガンマはポケモンセンターに行ってモンスターボールを修理してもらえ、タケシはヒカリの方を頼む」
サトシとガンマはモンスターボールを修理するためにポケモンセンターに向かい、タケシはヒカリを付き添うことにし、カンテとユウエイとサイは先にジュウゴロウを探すことにした。

ポケモンセンターでは・・・
「「ジョーイさん、お願いします」」
サトシとガンマは走ってここに来たため息を切らしながらモンスターボールを全てジョーイに預けた。
「あなた達もモンスターボールを壊されたの」
ジョーイは驚いていた。
「シンジさん、あの後すぐに師匠と別れたんだった・・・きっとその時にここに寄ったに違いない」
ガンマは病院では姿を見せなかったシンジを思い出していた。
「あの、黒っぽい服を着て紫髪のトレーナー、ここに来ていませんでしたか?」
ガンマはジョーイに尋ねた。
「ええっ、来ていたわよ、モンスターボールが壊されたから修理をしてあげたわ、修理が終わるとすぐにポケモンセンターから出て行ったわよ、どこに行ったのかまでは分からないわ」
「そうですか・・・」
ガンマは少しうなだれた。
「では、ボールは今から修理しますね、それからサトシ君、ヒコザルはもうすっかりよくなりましたよ」
ジョーイはヒコザルの入ったモンスターボールをサトシに渡した。
「ありがとうございます」
サトシはそれを受け取った。
(この戦い・・・今までに味わったことのない残酷感を味わいそうになるな・・・)
ガンマはこれから始まろうとする戦いは誰かが犠牲になりそうな気がしてならなかった。

第104幕 完

[727] 第105幕 ロケット団幹部・ユヤ
佳奈美 - 2008年10月14日 (火) 19時15分

ユヤを監禁していた倉庫に戻ったカドマツとヒーリングはこれからのことを考えていた。
「ダークネスの『本体』を見破るとはさすが、トップレンジャー」
カドマツは細長い筒を見ていた。
筒の中には黒い霧がもやもやとしていた。
「しかし、ダークネスの『本体』はこの『邪気』とは計算外だったな、次のダークネスの本体を探すまでだ!今度はもっと頑丈で丈夫な奴をよ・・・」
なんと、ダークネスの正体はゲンガーだと思っていたがダークネスの本当の姿はこの黒い霧に見える『邪気』そのものだった。
「『邪気』には弱点はない!みやぶるも通用しない!今度こそ成功を収めてやるまでだ!!!」
カドマツは高笑いをし続けた。
「ねえ、あの子、ロケット団に戻ってきたわよ」
ヒーリングは影に控えているユヤを指した。
ユヤは以前着ていたロケット団幹部の服を着ていた。
「あの・・・」
ユヤはためらいながら姿を現した。
「三銃士の右腕の女か・・・いや、男だったな」
カドマツはユヤに近づきじっと見た。
「ジュウゴロウのポケモンを全て回収しろ!」
カドマツはいきなりユヤに命令してきた。
「そ・・・そんな・・・そんなの犯罪行為です!」
ユヤは否定した。
そのとき、カドマツはユヤを思いっきり殴りつけた。
「グワ!!!」
ユヤは地面に倒れこんだ。
「お前は俺達の言う事を聞いていればいいんだ!もし命令にそむく利ならこの町を住民ごと木っ端微塵にしてやってもいいんだぜ」
カドマツは笑いながら脅した。
「・・・分かりました・・・」
ユヤは応じるしかなかった。

「会長さん!!!」
「ジュウゴロウ、どこにいるんや!!!」
「本当にどこに行ったんだ、あいつは!」
サイとユウエイとカンテは森の中でジュウゴロウの捜索を続けていた。
ガサガサ・・・
茂みから人の気配が感じられた。
「誰だ!」
カンテが近づくと人の気配の正体はジュウゴロウだった。
「お前かよ!!!」
ユウエイは大声で怒鳴った。
「会長さん、絶対安静って言われたばかりじゃないですか!」
サイはジュウゴロウを病院に連れ戻そうとした。
「馬鹿者が!!!バカ親父を倒すまでは絶対に安静はしないって決めているんだ!!!」
ジュウゴロウはサイを振り払い、先に進もうとした。
「相変わらず無茶をする人ですね、ジュウゴロウ君」
ジュウゴロウ達の前に現れたのはロケット団幹部の服を着ているユヤの姿だった。
「ユヤ、お前無事やったんか、よかったで」
ユウエイは嬉しそうにユヤに近づいた。
「ブニャット、きりさく!」
ユヤは冷酷にブニャットを繰り出し、きりさくを命じた。
「うわあ!」
怪我はしなかったもののユウエイの右袖の服は切り落とされた。
「何するんや!!」
ユウエイはいきなり攻撃を仕掛けたユヤに怒鳴った。
「用があるのはユウエイさんじゃありません・・・ジュウゴロウ君、君に用があるのです!」
ユヤは更にポッチャマとハピナスを繰り出し、ジュウゴロウに向けて攻撃を仕掛けた。
「ケッキング、まもるで会長さんを守るのです!」
サイはすぐにケッキングを繰り出し、ジュウゴロウをまもるで守った。
「どういうつもりだ!ユヤ!!」
カンテはこの状況を見て怒鳴った。
「僕はロケット団幹部で三銃士の右腕として働いてきた男です、やっと気が付いたんです・・・僕があなた達のところにいるべき人間ではないと・・・」
ユヤは悲しそうに言ったがなぜがしきりに目から涙が溢れていた。
「だから・・・だから・・・僕は・・・ジュウゴロウ君、ロケット団を裏切ったあなたを倒します!」
ユヤはポッチャマ達にジュウゴロウに向けて技を命じた。

第105幕 完

[728] 第106幕、覚醒する力
★ディオ★ - 2008年10月15日 (水) 12時26分

バチィィィンッ!!

「ぐああぁっ!!」

とうとう耐え切れなくなったケッキングと一緒に俺は吹っ飛ばされてしまった。

「会長さん!」
「ブニャット、きりさく!」

ユヤはもう容赦ないような顔でブニャットにトドメを命じた。

(ちきしょう・・・・・・ちきしょうがぁぁっ!!)


カッ!!


突然ブニャットの目の前に光が飛び出た。みんなは目を開けていられずに瞑る。
光が消えたかと思うと、キラザ達が俺の前で姿を現していた。

「ジュウゴロウのポケモンが守ってくれたのか・・・」

ユウエイは一安心したと思った次の瞬間、

「! ジュウゴロウさんが・・・!」
「・・・ォォォォォォォォォォ・・・!!」

俺は堪忍袋の緒が切れたかのように気迫を発していると、両手に突然「鬼」と書かれた文字が現れる。
その直後になんと、キラザ達の体に赤い光が現れる。顔も以前とは違って凶暴的になる。
次の瞬間、キラザ達は電光石火のごとくにユヤのポケモンをあっという間に全滅させた。

「ユヤさんのポケモンが一瞬で・・・!」
「どうしたんだジュウゴロウ!?」

サトシは食いつけないようなスピードに驚き、カンテは我を忘れている俺に向かって叫んだ。
するとキラザ達の赤い光は消え、俺の手に書いてあった文字も消えると、みんなその場で倒れてしまった。

「ジュウゴロウ!」
「会長さん!」

ユウエイとサイは俺に近づいた。その時、

「ギャォォォォォッ!!」

突然地面からボスゴドラが出現した。だがそれは肉眼で見るものではない。
全身が骨だらけ、赤い眼光に鋭い牙、そして体中にあふれる・・・邪気を纏っているボスゴドラだ。

「な、なんやあのボスゴドラ!?」

ボスゴドラはいきなり火炎放射を放つ。しかし、それは紫色の不気味な炎、邪気と一緒に吐かれているのだ。みんなはあわてて端っこへと移動し、炎を避けた。
するとボスゴドラは気絶してるキラザを目にすると、近寄って素手で掴み、そのままもと来た穴の中へと引きずって去っていってしまった。

[729] 第107幕 恐怖感
佳奈美 - 2008年10月15日 (水) 18時36分

病院では・・・
「これがヒカリが初めてゲットしたリボンだ、一次審査ではパチリス、二次審査ではポッチャマを使ったんだ、そしてファイナルではヒカリの幼馴染のケンゴと悔いのないバトルをしたんじゃないか」
タケシはヒカリのリボンケースのリボンを取り出して、初めてゲットした『ソノオリボン』を見せた。
「初めてゲットしたリボン・・・」
ヒカリはオレンジ色に輝くリボンを手に取り、じっと眺めた。
「そしてこれが最近ゲットしたリボン、大きいポケモンコンテスト、ミクリカップでハルカのグレイシアとポッチャマとのコンテストバトルで僅かの差で勝利をつかんだ、完全復活の証のリボンだ」
タケシは続けて水色に輝く『アクアリボン』も見せた。
「アクアリボン・・・」
続けてヒカリはアクアリボンも手に取った。
「アクアリボンをゲットするまでは苦難や困難を続いていたみたいだがコーディネーターを辞めなくてよかったといっていたじゃないか」
タケシはその後もコンテストの話を続けた。
「ごめんなさい・・・コンテストのことは少しばかり思い出せたげと後は全然思い出せないの・・・」
ヒカリはコンテストで優勝したことはようやく思い出したがそれ以降のことは全く思い出せずにいた。
(記憶喪失は無理に記憶を取り戻すのは禁物・・・ここまでか)
タケシはこれぐらいにしとこうと思った。
「まあ・・・あせることはないさ、ゆっくりと思い出していくがいい」
タケシはヒカリを宥めた。
「うん・・・」
ヒカリは軽く頷いた。

「凄い威力のボスゴドラやったな・・・」
ボスゴドラの今までに見たこともない迫力と殺気、そして技を目撃したユウエイ達は未だに唖然としていた。
「ようやくユウエイさん達に追いついたかと思えば・・・」
「一体全体・・・どう言う事になっているんですか・・・」
サトシとガンマはポケモンセンターでモンスターボールの修理が終えた後、すぐにカンテ達が向かったと思われる森に向かった。
そして予想通りにカンテ達はここにいたが、ボスゴドラの技をぎりぎりに当たりそうになった。
「サトシ、ガンマ、怪我は?」
カンテは2人に気づきすぐにそばに来た。
「大丈夫です」
「師匠は?」
サトシはカンテの言葉に頷き、ガンマはカンテのことを心配していた。
「俺のほうは大丈夫だ、それにしても、ユヤは何をやっているって言うんだ!」
カンテはすぐにユヤの所に来てユヤを叱った。
「ごめんなさい・・・ごめんなさい!!!」
ユヤは必死で頭を下げて謝っていた。
「実は・・・」
ユヤは一部始終を泣きながら話した。
「カドマツの奴!!!」
ユウエイは脅され、恐喝したカドマツに徹底的に腹を立てた。
「僕だって・・・こんなことはやりたくなかったんです・・・でも・・・あいつらが言う事を聞かなければ人間ごとこの町を破壊するぞって脅したんです・・・それで・・・僕は応じるしかなくて・・・」
ユヤは啜り泣きをしてひたすら謝罪を繰り返した。
「もういい、これ以上何も言うな、お前は悪くないから」
カンテはユヤを励ました。
「恐らくエルレイドを奪うためにユヤを使うたに違いないで」
ユウエイはユヤを利用してジュウゴロウを襲わせ、その隙を狙ってさっきのボスゴドラでキラザを奪う作戦に出たと推測していた。
「推測じゃない・・・これはもはやれっきとした完全犯罪だ」
カンテはキラザ達を奪われた時に、一つ目のビジネスは終了したと確信した。
「次は明らかに会長さんの命ですね・・・」
サイは二番目のビジネスはジュウゴロウの命を狙うことだと読み取った。
「恐らくな・・・サトシのピカチュウを奪った理由はまだ分からないが二番目はこう考えるべきだな」
カンテの言葉にサイは頷いた。
「まずはジュウゴロウを病院に・・・」
ユウエイはジュウゴロウを絶対にカドマツと戦わせないと思い、ジュウゴロウを病院に連れ戻そうとしたがジュウゴロウは既にいなくなっていた。
「会長さん!!!」
サイは慌て、再びジュウゴロウを探し始めた。
「君達は一度病院に戻ってください!僕は、会長さんを見つけたらすぐに戻ります!」
サイの言葉にユウエイ達はただ「分かった」と言うしかなかった・・・

第107幕 完

[732] 第108幕 ガブリアス・ドダイトス対ボスゴドラ
佳奈美 - 2008年10月17日 (金) 20時59分

「やっぱりここも無理か・・・」
シンジはあの後、ポケモンセンターから去った後、脱出方法を探していたがどうしても出入り口や出られそうな道は全てバリアーで封鎖されていた。
「俺に何の恨みがあるって言うんだ・・・前回といい今回といい・・・カンテさん達と会う度に俺まで巻き込まれてしまう・・・祟られているって言うのか?」
シンジはカンテやユウエイと会うたびに自分には関係ない事件に巻き込まれていると思い込んでいた。
「今後からはカンテさん等とは関わらない方がいいみたいだな・・・」
シンジは固く決心し、脱出方法を探そうとした時、黒いオーラに包まれたボスゴドラが森の中を歩いているのを目撃した。
「ボスゴドラは生息地不明のポケモン、なんでこんなところにいるんだ?」
シンジは不振に抱いていた時、ボスゴドラの右手には傷ついたキラザがいた。
「あのエルレイド!まさか!!!」
シンジはキラザを見て驚いていた。
「ちっ・・・世話の焼けることに巻き込みやがって!!!」
シンジは文句を言うと、ボスゴドラの前に来、ドダイトスを繰り出した。
「リーフストーム!」
リーフストームがボスゴドラに直撃しそうになった時、ボスゴドラは黒い霧に包まれると同時にリーフストームが体をすり抜けた。
「なっ!!!」
シンジはボスゴドラを見て驚いていた。
「ボスゴドラはゴーストタイプじゃないはずだ!それにたとえゴーストタイプであってもリーフストームは当たるはず・・・どう言う事だ!!!」
シンジが驚いている時、ボスゴドラはれいとうビームを繰り出して来た。
「まずい!!」
れいとうビームがドダイトスに直撃しそうになった時・・・
「ガブリアス、ドラゴンクロー!」
ガブリアスがドダイトスをかばいドラゴンクローでれいとうビームをかき消した。
「シンジ君、大丈夫!!」
シロナとガブリアスだった。
「シロナさん!」
シンジは意外な人物に助けられて驚いていた。
「ガブリアス、ボスゴドラにギカインパクト!」
ガブリアスは十八番の技・ギカインパクトを繰り出した。
「待て!このボスゴドラは!!!」
シンジはボスゴドラのことをシロナに説明しようとしたがもう遅く、ギカインパクトがボスゴドラに直撃した。
案の定、ドダイトスのリーフストームと同じく、ギカインパクトをすり抜けた。
「えっ!!!」
シロナはこの光景に驚きを隠せなかった。
「ミカルゲやヤミラミも弱点はないが『みやぶる』を使えば格闘タイプですぐにやられるが・・・俺の手持ちにはみやぶるを使えるポケモンはいない・・・」
シンジの手持ちではみやぶるを使えるポケモンは1匹もいなかったため悔しそうにするのが精一杯だった。
「私のポケモンはこの子が使えるわ!ルカリオ!!」
シロナはルカリオを繰り出した。
「みやぶる!」
ルカリオはみやぶるを使い始めた。
するとダークネスの『邪気』が取り払われた。
ダークネスの『邪気』はすぐにどこかに行ってしまったが2人には気づかなかった。
「今よ、ガブリアス、ドラゴンダイブ!」
「ドダイトス、ハードプラント!」
ガブリアスとドダイトスの技がボスゴドラクリーンヒットした。
ボスゴドラは倒れ、キラザは地面に落ちそうになったところをガブリアスがキラザを拾った。
「このエルレイドは間違いないわね・・・」
シロナは間違いなくジュウゴロウのキラザだと分かった。
「やはりな・・・あのエルレイドには何か使えそうな勘が感じられた、このエルレイドはあいつのポケモンに違いないな」
シンジはトレーナーとしての勘でキラザはジュウゴロウのポケモンだとすぐに分かったため、仕方ないものの助けようと思ったのだ。
「シンジ君はここで何をしていたの?」
シロナはシンジに問いかけた。
シンジは軽くため息をつき、この町を出る方法を探していると説明した。
「バリアーを破壊するかわらわりでも壊せなかった、以前の造り方と見て間違いないと俺は思います」
バリアーの説明をし終えると、シロナもバリアーの側に来た。
「ガブリアス、かわらわり!」
そしてガブリアスでバリアーを壊す実験に入った。
ガブリアスのかわらわりでバリアーを壊したと思えばまた再生した。
「やってもやっても再生し続ける・・・脱出は不可能ね」
シロナは諦めたかのようにため息をつき、ガブリアスをモンスターボールに戻した。
「まずはエルレイドをポケモンセンターにつれて回復させないと・・・」
シロナはぐったりと気を失っているキラザを抱いた。
「シンジ君も私と付き合って、一人だけじゃとても困難よ、今回の事件は」
シロナは一人だけじゃこの事件は解決できないと言った。
シンジはこの言葉を聞いて以前の言葉を思い出した。
以前も同じような事件があり、人と協力するのが嫌いなシンジは一人でこの状況を解決しようとしたことがあった。
しかし、ある男の言葉によって仕方なく協力するという形になった。
『世の中には一人だけでは解決できない事だってあるんですよ、だからお願いします、あなたの力も必要なんです』
シンジは少し悩んだがとうとう観念したかのようなため息をついた。
「・・・分かりました」
シンジは頷き、シロナと共に行動をすることに決めた。
そうするしか次の町に行く方法が見つからないと思ったからだ。

「ボスゴドラも無理だったか・・・」
カドマツは戻ってきたダークネスの『邪気』を見て悔しそうにした。
「次はどのポケモンで行くべきか・・・」
カドマツが悩んでいるところにヒーリングがやってきた。
「カドマツ、お客さんが近づいているわよ」
ヒーリングの言葉どおり、ここに誰かが来る気配を感じた。
「息子だな・・・」
カドマツはニヤリと笑い、そしてレックウザの入っているマスターボールを構えた。

第108幕 完

[739]
★ディオ★ - 2008年10月28日 (火) 19時43分

長い間大変お待たせしました。早速貼り付けます。

【名前】カドマツ
【性別】男
【年齢】45歳
【性格】前回同様
【外見】前回同様
【手持ち】
・改造レックウザ【99式ゲキメツ】(★)
ドラゴンクロー、アイアンテール、かみなり、はかいこうせん
・改造メタグロス【46式テッコン】(★)
コメットパンチ、メタルクロー、ストーンエッジ、しねんのずつき
・怨念ニドキング
だいちのちから、いわなだれ、シャドークロー、つのドリル
・怨念プテラ
ストーンエッジ、つばめがえし、ドラゴンクロー、ほえる
・怨念アーマルド
シザークロス、がんせきふうじ、かわらわり、アイアンテール
・怨念ライボルト
10まんボルト、かみくだく、アイアンテール、こおりのキバ
【経歴】前回同様
【バトルの仕方】前回同様
【備考】前回同様。
今回は邪気に取り付かれているポケモン『怨念ポケモン』をつれての任務を遂行。怨念ポケモンの技は全て邪気が込められている。
因みに怨念ポケモンは全て、元はカドマツ自身のポケモンである。
怨念ポケモンは月光を浴びると透明になるが、太陽を浴びると邪気はポケモンの心の中へ入る。


今回はお話は乗せれません(ごめんなさい)



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