投稿者:バーディー
若い頃は、「トンデモ本」(とんでもない嘘か非科学的な常識外れの説を書いた本、超常現象やSF的なものが多い)が好きで、中高年には有名な五島勉の「ノストラダムスの大予言」(1999年7の月で世界は滅亡するとの予言集)などに耽っていました。 この様な「トンデモ本」ではありませんが、今、金融市場でちょっと話題になっているのは、「太陽黒点活動説」という説で、以下の様な内容です。
「太陽の黒点活動は、11年の周期があり、黒点が多くなると太陽活動が活発になり、黒点が少ない極小期は、太陽活動が不活発で磁場も弱くなる。1645〜1715年の70年間にわたり、黒点がほとんど観測されない「マウンダー極小期」と呼ばれる時期があった。 その時は、ロンドンのテムズ川が凍り付くなど極寒期になった(穀物は不作で飢饉となった)。太陽活動の低下により地球に到達する宇宙放射線量が増えることが確認されており、その結果、例えば雲の量が増え、天候不順の原因になるなど地球の様々な活動に影響が及ぶ可能性がある」との内容です。
日本では、嶋中雄二氏(著名エコノミスト)が同説を主張しており、「太陽黒点活動の周期により地球の天候を始め人々の心理面にも影響を与える。寒くなれば穀物が育たず、穀物価格の騰貴などに繋がる。恐慌の発生にもまた同様の周期がある」とのことです。
また、クレディ・スイスの白川チーフエコノミストは、昨年秋頃から国内外の顧客に向けに「太陽活動の活発さを示す黒点の数のサイクルが極小期に差しかかり、金融市場の大波乱が近い。直接的なメカニズムは未だ解明されていないものの、過去の世界的な金融市場ショックと太陽活動の極小期はピタリと符合する。極小期は約11年周期で訪れるが、前回は2008年で、リーマン・ショック時の世界的金融危機と一致。前々回は1996年でアジア通貨危機の、またその前は1986年でブラックマンデーの、それぞれ予兆となったと解釈できる」と警告していました。 これに対し、顧客の反応は区々だったそうですが、太陽活動を注視しているヘッジファンドなどのプロの投資家も存在するそうです。 「太陽黒点活動」と経済金融・社会との科学的な因果関係は不明で、この様なアノマリー(経験則)があるということは、相当前から一部で報道されていましたが、大半の人々は、本当とは思わず、今回の重大局面を迎えてしまいました。
「10年ひと昔」といいますが、人は通常、目先のことに囚われがちであり、地震・台風の様な自然災害を含め、先人の教訓を振り返りながら、「トンデモない意見」と思えても、時には本物である考え方を見抜ける様になりたいものです。
2020年04月03日 (金) 19時08分
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