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[192] (小説)「伝説のオウガバトル 第五巻」  -序文-
Hiro - 2006年09月29日 (金) 00時34分

序文 「ファーザータイム」
(BGM: 「Fortune teller」 伝説のオウガバトル全曲集−All Sounds ofOgreBattle−データム・ポリスター DPCX-5003 音量は小さ目。電子音を感じないクリアな音が良い)

 
 扉を開けると、薄暗い部屋だった。広さは10畳ほどだろうか。部屋自体は真四角に近い。奥の壁一面に本棚がある。暗くて良く見えないが、びっしりと本が並んでいるようだ。L字の本棚に囲まれた、部屋の奥側に木の机があった。単純な作りの机だ。その机の上にランプがあった。しかしそれはよく見ると砂時計であった。砂が光を出している。ボウッと光る机の上には地図と本が一冊広げてあった。そして脇の椅子に、男が腰掛けていた。髭のたくわえから、老人と分かるのだが、体格はがっしりしている。深い緑の法衣を着ているのだが、部屋の暗さからか、みすぼらしくも見える。
「やあ、来られましたな。」
その老人は座ったまま離れたところから挨拶をした。
「私はウォーレン。」
少し歩み寄ったが、表情をよくみることができない。
「そうそう、これを、読んで。」
ウォーレンと名乗った老人は立ち上がって背を向けた。背は高い。立てかけてある棒を取った。棒ではない、鎌だ。鎌の刃の先で本棚の上の方にある本を引っ掛けて取った。机の近くまで歩み寄ると、ウォーレンはまた椅子に腰掛けた。今度は顔が良く見えた。目がくっきりしている。老練の雰囲気が細見の顔立ちに重みを与えていた。
「これをどうぞ。」
ウォーレンが片手で本を差し出したので、そのまま受け取った。濃い茶色の革表紙、タイトルには黒い活字で焼印のように「オウガバトル 第5巻」と書いてあった。座りなおしたウォーレンはじっとこちらをみて何か言おうとしたが、その時この部屋に入ってきた時の扉が開けられる音がした。子供、髪のぺっタリした10歳前後の男の子が顔を半開きの扉から覗かせていた。
「ウォーレン!」
その子は嬉しそうに部屋に入ってきた。そして何か訝しげな視線を、横を通りながら少しこちらに送った後、ウォーレンの側まで急いで歩き来た。
「僕、もう読みました!」
男の子はオウガバトル第五巻と書かれた本と良く似た本を、差し出した。
「続きはどうなるのですか!」
彼はその本の続きが読みたいようだった。身を乗り出さんばかりに、老人に美しい視線を送っていた。
「一冊ずつしか借りられないのだよ。」
老人は男の子と対照的に落ち着いて、和やかな声を出した。
「分かっています。また一冊借りて、読み終わったら返しに来ます。」
男の子は、続きを早く読みたくてたまらなそうで、丁寧な言葉使いだが、まるで駄々っ子のようだ。
「よしよし、待ちなさい。いや、これだ。」
老人は机の上の本を、ボンと閉じて男の子に片手で差し出した。男の子は確めるように表紙を見て喜んだ。
「これにも僕の事が書いてあるのですか!」
「書いてあるとも。読んでごらんなさい。」
老人はあやす様に、柔らかい声で答えた。男の子は喜んで、両手に持った本を眺めた。
「ありがとうございます!読んでまた、返しに来ます。」
老人はその言葉を背もたれに体を預けながら聞いて満足げに頷いた。男の子は本を小脇に抱えて振り返りまた扉のほうに歩いた、横を通り過ぎる時に訝しげな視線を送って。ウォーレンに見送られて、男の子は部屋を出て行った。彼が出てから、しばらくの沈黙があった。

「あなた。」
ウォーレンは扉に向けていた目をこちらに送って呼びかけた。まだ少し距離がある。

「あなたは、彼を知る事となります。」
言っている事の意味が分からない。老人のくっきりした瞳に見つめられているのが不思議だった。ただ受け取った本を持って暗い部屋に立っているだけだ。
「あなたは、私の机の上に、何を見ますか?」
ウォーレンは尋ねてきた。少し机の上を見る。
「世界地図。」
それが、この部屋で発した最初の一言だった。
「人により、ここに様々なものを見る。手に入るべき運命。」
老人は手のひらで机を抑えた。
「ワールド!あなたにこのカードを差し上げよう。」
老人はカードを差し出した。それは占いで使うタロットカードだった。下にワールドと書いてある。ウォーレンは微笑んだ。

「ありがとうございます。」
そのカードを受け取った。
「どうぞ、栞に使えるでしょう。」
ウォーレンは本を読むことを薦めるように顎を2,3回動かした。興味が湧いたので、革表紙を開いて開けて見た。内表紙には、遠くから見た、城塞のような絵が書いてある。霧が明けていく前の景色の様にぼんやりした絵だ。そして前書きのような言葉が太字で書かれてあった。


古の昔、
力こそがすべてであり
鋼の教えと
やみを司る魔が支配する
ゼテギネアと呼ばれる
時代があった

(BGM: 「GRANDREPEAT/Overture Neo−Overture」 Ogre−GrandRepeat−データム・ポリスター DPCX-5081 曲はオープニングに使用の範囲のみ。城塞の白黒の絵が霧が明ける様にはっきりとなる。色付け。前書きの文字。)



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