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(893) 【The road of hope〜希望の道〜】LEVEL.1 運命の子供 投稿者:長沢

「金色のガッシュ!!」オリジナル学園小説

【The road of hope(ザ・ロードオブホープ)〜希望の道〜】



第一章【魔界の同志】編

LEVEL.1 運命の子供

「…もうこんな時間なのか」

満月の夜、雲ひとつ無い闇の空。

学校の帰り道、戸井田 慎ノ介(といた しんのすけ)は腕時計を覗きながら顔をしかめた。
三分遅れの時計が示す時刻は、八時四十五―――四十八分。
人口密度の少ない町で、ここまで夜遅くである。さすがに、辺りには人気が無い。
放課時間が四時であるのに帰宅時間が遅いのは、卒業式準備担当としての仕事が原因だった。
一年生の慎ノ介が通う聖十輝(せいじゅっき)高等学校では、明日が卒業式だ。
そのおかげで今日は準備の最終段階。帰宅時間は随分遅い。

元は空色の、煤けたアーケードが設けられた商店街を自転車で駆けながら、ため息を漏らす。
暗闇に続く道先を、白い吐息が不気味に照らし上げる。
気が付けば、辺りは薄らと霧に包まれていた。
…今日も今日で、何て寒いんだ。

「基はと言えば、全部あいつのおかげだって言うのに…」

顔を刺す冷気と、その原因をつくった秋成(あきなり)の意見を思い出し、つい愚痴がこぼれる。
そもそも準備担当となってしまった理由は、旧友、朝尾(あさお)秋成にあった。
担当はあみだくじで決めるぞ、なんて突飛な意見を一言したあいつに。
まぁ、それに賛成した学級の皆もなんだけど。
大事な担当決めにくじなんか使うか、普通。それ以前に、今頃あみだくじって何なんだよ…

案の定、くじ運―――と言うか運勢とは無縁でいつも運の悪い慎ノ介は、こうして準備担当に任命された。
それにしても、黒板に書かれたあれほど巨大なあみだくじは初めて見た。制作者には尊敬してしまったほどだ。

……全く秋成(あいつ)には、憎たらしいやら、可笑しいやらで、つい笑ってしまう。

長かった冬も終わりを迎え、季節は春。
三月の中頃で雪は八割方溶けているのに、冬の寒さだけは未だ残っている。

活気はいまいちだがどこか都会を思わせる商店街も、しばらく進むと、
田舎風の水田が左方面に延々と広がる、貧相な一本道の続く風景へと姿を変えた。
不安定な小道の右隣に同じく続く線路が、田舎風のイメージを余計に連想させている。
線路を渡り、左に林の広がる道路に出る。
ここまで来ると、家に到着するまで数分もかからない。
家までの道のりを速く駆け抜けたい一心、立ちこぎをする。

―――――瞬間、何かが聞こえた気がした。

「……ん?」

思わず慎ノ介は、ブレーキに手をかけた。
聞いた事の無い微かな言葉を、慎ノ介の耳がぼんやりと捕らえる。
もしも幻聴で無いとすると……声が発せられたのは、林の奥。

興味本意で自転車を降り、耳を澄ましてみる。
……すると聞こえた。この耳で確かに、先程と同じ不可思議な言葉が。


だが今回は、それだけでは終わらなかった。
直後に聞いた声こそが、慎ノ介の耳を何よりも、深く貫くことになる。

「――!!」

先程と同じく、林の奥から聞こえた声。
耳を劈くような、悲痛を感じさせる悶絶の叫び……
まさしく、それは悲鳴だった。

悲鳴と同時に走った震えは、身体に電気が流れたかのような激しさだった。
若々しい声から察するに、今のは子供のもの。
さらに、悲鳴の前にぼんやり聞いた声は、大人の女性のものだった。
つまりは…

「…虐、待?」

口に出したものの、実感が湧かない。
一度として体感した事の無い恐怖に、混乱しているからだろうか。
そんな状態でも、これだけは分かる。
この奥で、確実にヤバイ事が起きているという事だけは。

先程まで浅はかだった夜霧が、知らぬ間に一層の深みを増していた。
まるで見えないものが、慎ノ介を林の中へ誘(いざな)っているかのように。

―――この中で、何かが待ち受けている…

ごくん、と大きく息を呑み。
気が付けば、林の中へと足を踏み入れていた。



霧に身を隠した、不吉な林。
前方から、再び悲鳴が聞こえてきた。

「結構近い…」

好奇心に任せて来たものの、正直言ってかなり怖い。
もしも、本当に虐待か何かだったら、俺なんかで止められるだろうか。
やはり引き返して、全てを忘れてしまった方が無難なのではないだろうか。
でも、そうしたら子供が……

「くそっ、どうしたらいいんだ…!」

助けたいのに、進めない。
逃げたいのに、戻れない。
小さな悲痛も、ただ闇の中に紛れただけ。
ちっぽけな俺は、ただ闇の中で佇むだけ。

―――――そして俺には。
     結局、何も出来ない。

自分の無力さに、涙がこぼれる。
そんな慎ノ介を正気に戻したのは、再度聞こえた悲鳴だった。

「……いや」

やはり、今のは間違っていた。
苦しいのは俺ではない、子供の方だ。
それに今、子供を救えるのは俺以外には誰もいないんだ、何が何でも助けなければ。
だいたい、ここまで来て引き返すなんて、俺らしくない。

こぼれた涙を拭き、慎ノ介は道を突き進んだ。
実際、草木の生い茂る林に道なんて無い。あるような気がしただけだ。
子供は俺が助けるっていう、希望に満ちた一本道が。


一分も経たないうちに、空き地に辿り着いた。
空き地といっても、樹木が無理に倒されたことで出来た、粗い空間だ。
そこで慎ノ介が目の当たりにしたのは、実に異様な光景だった。

思った通り、一人の子供が暴行を受けていた。
うずくまっていて顔が見えない分、丸っこい藍色の髪が余計なほど目に映る。
酷く傷つけられた様子で、身体に纏う緑のマントは所々で破けていた。
そして、そんな事をした奴は…

慎ノ介の目に、二人の人物が飛び込んできた。
一人は男。なんとそいつは子供だった。
鋭く、冷めた目つきから感じた第一印象は、ただひたすらに悪。
それを強調させるように、目立たないが顔一面には灰色の十字架を画き、鋼の首飾りを提げている。
藍碧の暗いブレザーコートが、さらに悪を主張していた。
ただ、丁寧に留められた金属ボタンだけは、月光のない明るい闇中でも怪しく光っている。
背が高く、百六十センチ前後だと思う。がっちりとした腕を前に突き出して、掌を傷ついた子供に向けている。
…子供にしては、あまりにも堂々すぎる体格だ。
そのせいか、子供である事は確かだけど…別世界のヒトみたいな感じが漂っていた。

もう一人は女。だいたい二十代前半の大人だった。
服装に関しては至って普通だが、無駄なアクセサリーが目立つ。
赤ワイン色でロングヘアの髪も、今時の若者女性を連想させた。
見た限りでは普通の大人だけど、場違いな事に、
―――手には何やら、灰色の本を持っていた。

「何……だ、これは?」

細い樹木の影で、光景の異様さを呟いた。
想像とはまるで違う状況に、成す術も無く立ち尽くす。
あの少年は何者なのか、女の手に持つ本は一体何なのか…
駄目だ、状況がアンバランスすぎて解からない。

混乱する慎ノ介の頭をよそに、少年が静かに語り出した。

「しぶといな、そろそろ本を渡したらどうだ?
 パートナーもいないお前の負けは確実。そんなことも分からないか。
 …そうか、ならば渡すまで攻撃を続けるまでだ。さっさと魔界に帰るがいい」

…魔界?

「唱えろ、池田」
「えぇ…」

とたんに、池田と呼ばれた女の持つ本が光を放ち始めた。
そして…

「ガロン!」

林の外で耳にした不可解な言葉を、池田が叫ぶ。
その声が木霊する中で、瞬時に慎ノ介は考えた。
悲鳴は大概、この言葉の後に聞こえた。何か起きるならこの後に違いない、と。
咄嗟に少年を見ると、未だに腕を突き出す構えをとっていた。

―――――と、次の瞬間。その掌から灰色のモノが飛び出した。

見るからに凶悪な形状のそれは、短い棘を生やす巨大な金棒。
左右に細かく揺れながら、子供に向かい襲い掛かる。
何故掌から出現したか疑問だったが、あんなものが直撃したら…

「くそっ!」

考えるより速く、身体が動いていた。
隠れていた樹木から瞬時に飛び出し、横から少年に飛び掛る。

「な…!?」

驚き顔の少年の肩を掴み、そのまま地面に押さえつける。
おかげで金棒は的を外し、樹木を乱暴に薙ぎ倒すだけだった。
その様子を見て安心した慎ノ介は立ち上がり、子供の方へ駆け寄った。
大丈夫か、と声をかけて初めて、子供が顔を上げた。

悪徳な少年とは違う、穢れの無い青の瞳をしている。
普段はりんりんとしているであろう大きな目は、今は流した涙で赤くなっていた。
チビでかわいい丸顔と丸っこい蒼髪が妙に合っていて、とても愛嬌が持てる。
ただ、血で滲んだずたずたのマントや、涙でぐしゃぐしゃの顔は恐怖を物語っていた。

「…あな、たは?」

泣きじゃくりながらも、随分丁寧な口調で話しかけてきた。

「俺はお前を助けに来たんだ。今までよく頑張ったな、怖かったろ?」

こくん、と小さく頷き、泣きながら慎ノ介に飛び付いてきた。
慎ノ介はその身体を優しく抱いて、続けた。

「うん、もう大丈夫だよ。俺が何とかするから、安心してろ!」

子供を勇気付けるように言い聞かせ、慎ノ介はゆっくりと立ち上がる。

「グロース、あいつ何者なの」
「知らない。だがどうやら、敵と看做して正解らしい」

二人の声もほとんど耳に入らない。
慎ノ介は、激怒していたから。

「お前等…子供いじめも、少し度が過ぎないか?」

怒りに満ちた表情で、けれど静かに語り出す慎ノ介。
それを少年、グロースが嘲った。

「何だ、何も知らない無力な部外者が、俺に説教でもするつもりか」

慎ノ介の出現には、もう驚く風もない。
反省の色一つ見えない余裕の表情に、慎ノ介は声を荒げた。

「調子に乗るなよ…この子がどれだけ苦しんでいるか、分からないのか」
「そんなのは知らない。俺の命令に背くからだ」

その一言で完全に、キレた。
目の前の悪を殴り飛ばそうと、強く拳を握り地面を蹴る。
罪悪感も無しに、弱い者を甚振りやがって。こういう奴等を俺は許せない。
―――怒りで真っ白になった慎ノ介の頭では、向けられた掌の意味を理解できなかった。

「ガロン」

拳を振り上げる慎ノ介の腹部に、疾風の如く飛ぶ金棒。
ただひたすらに突撃を思考していた慎ノ介には、それを防ぐ術は無かった。

「――ぐあぁぁ…うぅ…」

金棒は危なげに揺れながら、掌に吸い込まれていく。
それに直撃した慎ノ介は地面を転がり、弱々しく呻いた。
吐血は無いが、まともに息が出来ない。

「今のでも威力はかなり抑えた方よ。
 それでこの様じゃあ、どうやってあの子を助けるつもりなのかしら」

池田の嘲りを、慎ノ介はただ聞いていた。
荒々しかった呼吸が、少し落ち着いてきた。

「無理だとわかったらさっさと消えなさい。今なら見逃してあげるわ。
 何も知らない奴が無駄に関わって来るんじゃないわよ」
「言ってろ…どうせ俺がいなくなったら、またこの子に手を出すつもりだろ」

痛みと怒りに耐えながらも、ゆっくり立ち上がる。
その反抗的な態度にグロースが舌打つのが聞こえた。

「それに、さっきから何なんだ。
 魔界やら変な金棒やら、光る本やら…」

慎ノ介の脚につんつんと、何かが当たる。
見ると子供が、一冊の本を手に持ち慎ノ介を見上げていた。
砂時計のようなものが表紙に画かれたその本は―――池田の持つ本と同じものだった。
ただ、色は違っていた。よどんだ水色で、縁から中部に近付くにつれ、色が濃くなっている。
表紙の真ん中には、浅い十字の切り傷がある。見た事も無い変な字も書いてある。

「えーと、何?」
「あの…この本、読んでみてください」

慎ノ介にも、池田の持つ本が何なのかが気になっていた。
素直に本を受け取り、中を覗いてみる。
表紙と同じような、奇天烈な文字が大量に並んであった。

「これは……ん、あれ…?」

文字の並ぶ中に一つだけ、七色に光る部分を見つけた。
見ると何故だか、その部分だけを読む事が出来た。
文字には、特に見覚えは無い。なのに書いてある事が分かるのだ。

―――第一の術・アクラス=\――

「本か……どうせ、お前には読めないだろう?」

不意に、グロースが言った。どうやら、読めないと思い込んでいるらしい。

「面倒だ。池田、次で本を奪う」

とたんに、池田の持つ本が輝き始めた。
やはり、この呪文を読む事で、この子も何かを出すのだろうか。
子供は立ち上がって腕を突き出し、慎ノ介に笑い掛けていた。
―――後は、俺が読めるか読めないか…

「ガロン!!」

勝ち誇った不気味な笑みを浮かべて、呪文を放つグロース。
迫り来る金棒を前に、精一杯呪文を叫んだ。

「俺だって読めるんだよー!
 第一の術、アクラス!!!」

慎ノ介の横で、子供の腕が微かに震えた。
その直後、予想通り掌から何かか飛び出した。

「――な、にぃ!?」

グロースが動揺した声を上げる。
飛び出した何かの正体は、水の塊だった。
弾丸にそっくりの形状で、金棒向けて直進していく。
金棒とぶつかり合うと弾はあっけなく弾け―――突然、爆発を起こした。

「なっ!!」

爆発の勢いで金棒は吹き飛び、後方の樹木へ激突する。
その衝撃に樹木が折れ、グロースを下敷きに倒れた。

「グロース!」

慌てて駆け寄る池田。
そんな中、慎ノ介は心底驚いてその場に立ちつくしていた。
今考えれば、どれもこれも凄いことだ。
本の呪文を唱えたら、本当に水の弾を出したぞ?
グロースって奴も、池田の呪文で手から金棒を出してたし…
あまりに非常識すぎる体験に、身体が震え出す。
どうして今まで、あんなに平気でいられたんだろう?

「あ、あの…」

子供がおずおずと声をかけてきた。

「私、アジェル・パークといいます。
 助けてくれて、ありがとうございます」

そして一礼する。
こちらからも自己紹介するべきだと、慎ノ介は思った。

「どうってこと無いよ。俺は戸井田慎ノ介。
 それじゃあ、今から家に来てもらえるかな。ほら、傷だらけだし」

グロースを下敷きにした樹木が、動いた。
そこからグロースの呻き声が聞こえる。
長居はしていられない。

「さぁ、行こうか。俺が背負ってやるよ」

そして慎ノ介は、様々な謎を抱えたままアジェルを連れて家へと向かった。


星空に光る月光さえ遮る、深い霧の降りる夜。
不思議な子供との出会いは、俺に幸と不幸のどちらを運んでくれるのだろうか。





LEVEL.2へ続く


あとがき
どうだったでしょうか。つまらない事を書き過ぎましたが、最後まで読んで頂きありがとう御座います。
僕はこの駄文作者、小説家を目指す長沢です。
友達からガッシュの小説を書かないかと誘われたので、四作の小説を掛け持っているにもかかわらず、
この小説を極適当に書く事になりました(オイ
僕は小説に時間をかけるタイプで、四作掛け持ちでもあるので、一話の製作に相当時間がかかります。
ついでにこの小説には自分と友達をゲストとして登場させます。主人公もリアルの友人の一人です。
この小説【The road of hope】ですが、略すと【ロドホプ】です。使ってみてくださ〜い♪(ぇ

読んでみての感想等があればぜひとも教えて下さい。とても励みになります。
後は変なところがあれば教えてもらえると嬉しいです。
第一章はLEVEL.14位まで続けるつもりです(こちらの予定により変更等もありますが)
それでは、LEVEL.2もぜひぜひ、読んでください。


2005年03月27日 (日) 00時29分




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