「はぁ・・・この同じような日々の繰り返し・・・退屈だ・・・」
「翔〜〜!休みだからっていつまでも家でゴロゴロしてないでどっか遊びに行きなさい!掃除のジャマよ!バカ息子!」
「そこまで言うなよ〜!休みは休むためにあるから休みなんだよ!」
「わけわかんないこと言ってないで!ホラ、掃除のジャマジャマ〜」
「・・・行ってきます・・・・
と言っても何処も行くとこ無いし・・・お!啓太かな?お〜〜い!」
「はぁ・・・はぁ・・・翔!ちょっと来てくれ!誰か倒れてるんだ!」
「誰かって誰が?」
「この辺じゃ見かけないな。小学生の低学年くらいか。
・・・普通に会話してる場合じゃねぇ!かなり衰弱してる!」
「お・・・おう。」
「なんか体中火傷してるじゃん!病院つれていったほうが・・・」
「う〜ん・・・やめてくれって言ってたんだよなぁ・・・」
「とりあえず啓太の家運ぶか。俺んとこは母さんギャーギャーうるさいし・・・」
「おう。じゃあ、俺は大事そうに持ってる本を運ぶから翔はその子抱えて走ってきてくれ。じゃあそういうことで。」
「オイ!勝手に話進めんなよ!無視するな!おい、啓太!待たんかコラァ!」
「・・・ヘルン、誰かが連れて行ったぞ?」
「チッ、やはりあの時強力な呪文で確実に本を燃やすべきだったな・・・まぁ、パートナーもいないあいつを倒すことなどたやすい・・・・」
「ゴメン、さっきは悪かった。謝る。まぁそう怖い顔すんなよ。」
「・・・・まぁいい。とりあえず氷水で火傷が軽い部分は冷やすか・・・」
「おし、入れてくるわ。」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「!!?」
「いってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
「・・・・?ここは・・・どこ?」
「・・・?ここは・・・どこ?・・・じゃなぁぁぁぁぁぁい!!!びっくりして蛇口に思いっきり頭ぶつけたじゃないかぁぁ!!」
「アハハハハハハハハハハッ!!ハッハハハハハハ!!」
「お前もバカにするなぁ!」
「・・・・クスッ・・・」
「聞こえてるぞ!?」
「ぁ・・・そうだ!俺の本は!?群青色の本!」
「アッハッハッハハハハハ・・・腹痛ぇ・・・・・・本ってこれ・・・」
「ん?光る本って面白い仕掛けだなぁ。」
「まさか・・・その本、読めるのか!?」
「っと・・・第一の術、ウィロン・・・・何だこりゃ?」
「・・・思わぬ所で本の使い手に会ったな・・・・・俺はライル。お前、名前は?」
「俺は翔、前田、翔だ。何?本の使い手?」
「・・・・・・」
バタッ
「おい、大丈夫かぁ〜?」
「気失っただけだろ。ゆっくり寝かせといて・・・」
「その必要はない。そいつは俺が今すぐ魔界に帰す。」
「誰だ!?」
「俺はクロウ。魔界の王となる魔物だ。大人しくその本を渡せ。貴様も痛い目に遭いたいか?」
(・・・・カラス?カラスが王?だめだ。春は変質者が増える。変な着ぐるみ着て人んちの窓に堂々と腰掛けてる。警察に通報しようか。)
「・・・お前、信じてないだろ。いいだろう。俺の力を見せてやる。ヘルン、やるぞ。まずはこいつらを痛めつける。ライルの本はその後でいいだろう?」
「チッ、しゃあねぇな。」
(?ライルが持ってた本と同じ・・・)
「フレイド!」