ココはガッシュと清麿が住んでいる『モチノキ町』。南米の『デボロ遺跡』での戦いが終わってから半年が過ぎようとした。
町では多くの市民や車が行き交い、雰囲気はかなり賑やかである。天気は雲一つも無くて、澄んだ『日本晴れ』であった。
南米の『デボロ遺跡』での戦いを終え、ガッシュ達は平和を満喫していた。
だが、この『平和』の中で、新たなる敵が現れようとしていた……。
―清麿の家―
ガッシュは、清麿の部屋でウマゴンと一緒に仲良く『TVゲーム』をしていた。
今プレイしているゲームは同類の『金色のガッシュベル!!激闘!最強の魔物達』という対戦アクションゲームである。
ガッシュは自分と同じよう『ガッシュ&清麿』のペア、ウマゴンはもちろん『ウマゴン&サンビーム』のペアを選んで『対戦』をしている。
だが二人は夢中でゲームをして熱く燃えていた!!
ガッシュ「よしっ清麿!ココはお前の出番ぞ!!」
ガッシュは自分からの操作を、パートナーである清麿に交代して動かした。
ウマゴン「メル…メルメル……!」
ウマゴンはちゃんとプレイしているのだが、自分の手が『蹄』であるせいかキチンと操作出来ない……。
お陰でウマゴンの方は、段々『不利』に陥った……。
ガッシュ「行くのだっ!ゲームの私ぃ!!」
ガッシュは、『有利』になっている状態で、ウマゴンに最大呪文『バオウ・ザケルガ』を放った!!
ウマゴン「メルメルッ!!」
ウマゴンは何とかして慌てながらめちゃくちゃ操作していたが、指が無いため器用に動かす事は出来ない……。
そして……。
ドガァァーーーン!!!
ウマゴンは、『バオウ・ザケルガ』の攻撃より、そのまま負けてしまった……。
自分を使って勝ったガッシュは喜んではしゃぐ!
ガッシュ「ハハハッまたまた私の勝ちなのだ♪」
これまでガッシュは、5勝無敗…ウマゴンは逆の『0勝5敗』とゲームが進んでいた。
ウマゴン「メルメル……。」
負けたウマゴンは、泣きながら落ち込んでいた。
だが、ベッドに横たわりながら本を読んでいる清麿がそれを見て、とんでもない事を口にした。
清麿「ハハハッウマゴンは『指』が無いからな…。その『コントローラ』を上手く使いこなすのは無理なんだよ。」
ウマゴンは泣くの止め、清麿の方に首を向き、怒りに満ち溢れる程鋭い目付きで睨み付けた。
ギラン…!
ウマゴン「メルッ…!!」
清麿「ゲッ!?」
ウマゴン「メルメルメェーーーッ!!!」
とうとう切れたウマゴンは、清麿に襲い掛かり『馬鹿力』で暴れまくった!!!
ドゴンバキッグシャッドゴッバキッズガッ!!!
清麿「ギャアアアーーーッ!!ウマゴン、いきなり何しやがるっ!?止め……ブベッ!!!」
だが清麿が何を言っても、ウマゴンはの耳には入らなかった……。
ウマゴンはそのまま清麿を殴り続ける!!
その中、乱闘から入り込んだガッシュが暴れているウマゴンを抑える。
ガッシュ「ウマゴンッ!!止めるのだ!!」
ウマゴン「メルメルゥーーッ!!!」
ウマゴンはジタバタ暴れている!!
清麿「……ピクピクッ……☆」
ウマゴンに殴られた清麿は、そのまま『失神』した……。
バタン……。
その時、ドアから清麿の母が顔を現した。
清麿の母「ガッシュちゃんとウマゴンちゃん!ティオちゃんが遊びに来たわよッ!」
ドアからティオが現れて、清麿の部屋に入る。
ティオ「ガッシュにウマゴン!こんにちわ。」
ガッシュ「ウヌッこんにちわなのだ、ティオ!」
ウマゴン「メルメル……♪」
さっきから怒っているウマゴンは、ティオの顔を見てスッカリ笑顔になった……。
ティオ「今日は恵の『ロケ撮影』なの。ずっと一人で暇だったから遊びに来ちゃった。ガッシュ…私も混ぜていい?」
ガッシュ「ウヌッ!良いのだ!!」
ティオ「一緒にゲームしましょ。あらっ?」
ティオは目の前に倒れている清麿を見る。
ティオ「ガッシュ…清麿どうしたの?顔スゴく腫れてるみたいだけど……?」
ガッシュ「まぁ別に気にしなくても良いのだ。いつもの事だから……。」
ティオ「あら…そう。おまけに泡吹いて倒れてるけど……。大丈夫かしら……?」
清麿の事を心配するティオ。
ガッシュ「大丈夫なのだ!!それより私とゲームで遊ぼうぞ!!」
ティオ「うん…そうね!」
ウマゴン「メルメルメェ〜ッ♪」
ガッシュとティオとウマゴンの三人は、そのままゲームに入って仲良く遊んだ。
だが清麿は、まだ気を失って倒れていたままだった……。
清麿「…………。」
―モチノキ町―
ココはモチノキ町。この町はかなり大きくて、いつも通り多くの人や車が賑やかに行き交っている。
キキィーーーッ……!
道路のバス停に、一台のタクシーが通り掛かり、そして止まった。
ガチャン……。
タクシーから二人の男が出て来た。一人目は、若者風の冬服で、もう一人は、玉ねぎのような人相をして、紳士的な身だしなみを整えてスーツを着ている。
タクシーから出た二人は、モチノキ町の光景を眺めている。
詩人「ココがモチノキ町か……。随分と賑やかだな、『J』。」
J「左様でございますね、『詩人』様……。我が『サイバー都市』よりかなり美しい町でござります。」
二人が語っていると、後ろに停まっているタクシーから運転手(大鉄)が首を突っ込んで、二人を注意し始めた。
大鉄「オイッおめぇら!『金』払わねぇで何してやがる!?『浦安』からずっと乗っといてまさか『ただ乗り』しようとは思ってねぇだろうな!?」
大鉄が注意すると、詩人はゆっくり後ろを向く。
詩人「うるさいな…。何の力も無い親父が気安く『溜め口』を言うんじゃないよ……。」
詩人は、ゆっくり手の平を構え、それをタクシーに向けた。
大鉄「な…何だ?」
大鉄は少し怯える……。
詩人はその態勢で『呪文』を唱えた!!
詩人「文字(ゴシック)真拳奥義!!『竜怒嵐凱』!!!」
ドガアァーーーン!!!
詩人の何かの攻撃により、タクシーはボロボロにぶっ壊された!!
大鉄「ヒイィィーーーーッ……バケモンだぁーー!!!」
大鉄はタクシーから抜け出し、そのまま逃げていった……。
詩人「どうだい?僕の『文字(ゴシック)真拳』に適う奴はいないだろう。」
詩人が自慢気に言うと、Jは少し小言を言う。
J「詩人様……。いくらなんでもそれはやり過ぎではございませんか?」
詩人「いいんだよ……あの親父が僕たち無敵の『電脳6頭騎士』だと知らず、偉そうな口を叩いたから『罰』を与えてやったんだ。」
J「ですが、余り『エネルギー』を無闇に無駄使いしゃいけませんよ。」
詩人「大丈夫だよ、一回使ったくらいで『エネルギー』の消費は少ない……。これから少し抑えておこうと思ってね。」
詩人とJはそのまま歩き出しながら『会話』を始めた。
J「ところで詩人様は、何ゆえこの町をお出かけになられたのですか?」
Jが『質問』を言うと、詩人はこう答える。
詩人「それは…噂によればこの町には、僕たちより『強い奴』が潜んでいるってよく言うからね……。」
J「その強い奴と言うと……?」
詩人「『ガッシュベル』だよ。あの『魔界』からこの『人間界』に放たれた『魔物の子供』の一人。そいつはまだ生き残ってて未だに強く鍛えてるらしいよ……。」
J「何故ココ(モチノキ町)に『強い奴』がいると存じたのですか?」
詩人「存じたかと言うと……僕の『書獄処刑場』の小部屋には『PC』が置いてあるからそれを使って『ネットワーク』でこの世界中を検索して、強い奴がいないか捜していたんだ。最近、『サイバー都市』から抜け出す囚人がいなくてね……お陰でウチの処刑場は誰一人来なくなってしまったんだ。このままだと体が鈍ってていけないからねぇ……。」
J「さすが詩人様!『文字(ゴシック)真拳』の他に『PC』を上手く使いこなすとは……。」
詩人「まぁ…別に自慢じゃないが……時々『ギガ』様や他の仲間に『メール』を送ったりするからね……。」
J「しかもこの場所には、ガッシュとやらの『気配』と『力』が感じません……。もっとくまなく町中から探さねばなりません……。」
詩人「そうだな……。J、しばらく『策』を練るタメに『喫茶店』に行こうか……。」
J「それは良い『提案』ですね。私も一緒に。」
二人は、歩いてそのまま『喫茶店』の方へ向かった。
―清麿の家―
一方ガッシュ達は、清麿の家でゲームを遊び終えた後、次は『バルカン300』を使うゲームをしていた。
カッカッ…。コッコッ……。
ガッシュ「ヌ…ヌゥ!」
ティオ「えいっ…えいっ!コノッ!」
ガッシュとティオは『バルカン』を持って、空き缶を蹴り合っていた。
真ん中にいるウマゴンはただ応援をしている。
ウマゴン「メルメル♪メルメルェ〜ッ♪」
だが、ガッシュの方のバルカンは、勢いが余ったせいか突然、右足の方が取れ始めた!!
バキッ…。
ガッシュ「あっ…!」
右足が飛んでガッシュが動揺している隙に、ティオは前の空き缶を強く蹴った。
ティオ「頂きぃ〜♪」
ゲシッ!
ティオの『バルンルン』の蹴った空き缶は、30点の空き缶に方にぶつかって高得点を取った。
カンッ!!
ティオ「やった!」
ティオが喜んで言うと、ガッシュは悔しそうに言った……。
ガッシュ「また負けたのだ……。」
ウマゴン「メルメル……。」
ウマゴンはガッシュと同様落ち込み始める。
だがそれを見た清麿は、ティオを感心そうに言う。
清麿「ティオ…お前は強いなぁ……。5回もガッシュに勝っちまうなんてよ……。」
ティオはある事を思い出した……。
ティオ「あっ思い出した…!ガッシュに清麿!そしてウマゴン!今から恵の『ロケ』を見に行きましょう!」
ガッシュ「ウヌッ!そうだのぉ…。いつまでもウチの中で遊んでばかりでは体が鈍ってしまうのだ…!ウマゴンも勿論行くよのぉ?」
ウマゴン「メルメル。」
清麿「恵さんか……。たまには皆でそれを見に行くのも悪く無いな……。」
ティオ「そうね。皆で行きましょう。」
ガッシュ「ところでティオ…。『ロケ地』は一体何処なのだ?」
ガッシュがティオに問い詰めると、ある場所の事を説明した。
ティオ「それは私達の遊び場『モチノキ公園』よ!そこで『恋愛ドラマ』の撮影を行ってるのよ!」
ガッシュ「『公園』か…!今日は『なおみ』ちゃん『遊園地』に行ってて幸いいない事だし……よぉし、そこで出発なのだ!!」
ティオ「うんっ!みんなで行きましょう!!」
ガッシュ達「オオーーーッ!!!」
ガッシュ達は、ティオの意見に賛成し、そのまま『モチノキ公園』の方へ向かった。
―モチノキ町 喫茶店―
その頃、詩人とJは『モチノキ町』の喫茶店に入って会議を始めていた…。
詩人は『クリームソーダ』、Jは『ブラックコーヒー』を注文している。
詩人「どうだい…J?何かガッシュの『力』と『気配』を感じたかい?」
J「いえ…全く御座いません。おそらく彼は何かの『能力』によって『気配』を消しているかもしれません……。」
詩人「可笑しいな……。『ネット』の情報によれば、確かココなのに……。」
J「それは当然ですが、何か『科学的』な効力によってそうなっておるかもしれません……。少しは気長に待つのが『得策』でしょう……。」
詩人「でも……僕の『文字(ゴシック)真拳』から逃れる者は誰一人もいないよ……。例え長い年月を掛けて、地球の反対側に逃げても、偶然強者に必ず出会う『運命』なんだから。」
J「それならば、私の『黒太陽真拳』も逃れる『愚者』など存じません。」
詩人「それを言うなら決まりだね!」
二人の会話が『交渉成立』した後、詩人は、『ハードボイルド風』にテーブルにお金を置いてそのまま店を出て行った。
カラーン……。
店員「ありがとうございました。またお越し下さいませ。」
店から出て行った二人は、歩きながら会話を始める。
詩人「J…僕は向こうの方を探すよ。君はあっちの方を探してくれ……。」
J「畏まりました。」
詩人とJは、道を別々の方へ行き、バラバラに別れて行動に出た……。
歩いてる詩人は、懐からガッシュの顔写真を取り出し、それを見て不気味な笑みを浮かべた。
詩人(フフフッ…ガッシュくん、君の『命』と『魔本』は我が『電脳6頭騎士』の総長『詩人』が奪うからね……それまでは『覚悟』してね♪)
果たしてこの二人は一体何者なのであろうか!?
そして…この街に訪れた二人の『目的』とは一体……!?
LEVEL1 終わり