投稿日:2015年01月29日 (木) 04時23分
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20150129 あっだけ 鳥取県倉吉市の方言に「あっだけ」という表現がある。ウエブの辞書「ごんべの鳥取弁辞書」に3種類の用法について記述がある。かなりさび付いてしまったと感じられる自分自身のネイティブとしての感覚では、もう一つ、用法があるように思われる。「ごんべの鳥取弁辞書」の記述を筆者の用語で記述してみる。
あっだけ(1)指示代名詞「あれ」の促音形「あっ」+断定の助動詞「だ」+理由を表す接続助詞「け」 アクセント:低低高低 あいつはいっつもあっだけ(あいつはいつも{あんなふう/ああ/あれ}だから)
あっだけ(2)指示代名詞「あれ」の促音形「あっ」+限定を表す副助詞「だけ」 アクセント:低低低低 あっだけ注意しただけど(あれだけ注意したのだが)
あっだけ(3)動詞「ある」の促音便形「あっ」+断定の助動詞「だ」+理由を表す接続助詞「け」 アクセント:高低低低 いろんなやり方があっだけ(いろんなやり方があるんだから)
そして、第4の用法である。
あっだけ(4)動詞「ある」の促音便形「あっ」+限定を表す副助詞「だけ」 アクセント:高低低低、単独の場合は高低低高 倉庫にあっだけ持って来ていな(倉庫にあるだけ持って来てくれ) なんぼ持って行ったらええ? あっだけ。
以上のことから次のことがわかる。 倉吉方言では 指示代名詞「あれ」が「だ」「だけ」に続くとき、「あっ」と促音化する。 動詞「ある」が「だ」「だけ」に続くとき、促音便化する。 (1)指示代名詞「あれ」+「だ」+「け」低低高低 (2)指示代名詞「あれ」+「だけ」低低低低 (3)動詞「ある」+「だ」+「け」高低低低 (4)動詞「ある」+「だけ」高低低低、(単独では)高低低高
(3)と(4)が同じアクセントになることがあるが、文中で現れる位置が異なるので混同することはない。 (2015年1月29日) |
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