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[1598]新・ことばの路地裏 第376回 「遠心力」 投稿者:小矢野哲夫

投稿日:2014年06月12日 (木) 04時43分

遠心力

 最近、こんな表現を目にした。

 巨大与党に対抗しようと結集に動く野党にとって、集団的自衛権の行使をめぐる是非は遠心力になり得る。(2014年6月4日、http://www.asahi.com/articles/DA3S11171532.html

 かつて、この「新・ことばの路地裏」第202回(2011年2月17日)に「遠心力が強まる」と題して書いたことがある。この当時は、初めて目にする表現として紹介した。当時は、“遠心力”のようにカッコつきだったが、今回はカッコが外れている。この3年強の間に一般化したのだろうか。
 WEBを検索すると、次のような表現がヒットする。

 「今度は集団的自衛権という安全保障政策で党に強い遠心力がはたらく。」
 (http://digital.asahi.com/articles/DA3S11165025.html?_requesturl=articles%2FDA3S11165025.htmlamp;iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11165025)、
 「前閣僚の平野氏を離党させれば、民主党の遠心力はさらに加速するし」
 (http://kenuchka.paslog.jp/article/2638049.html)、
 「海江田執行部への遠心力は強まりをみせる一方だ。」
 (http://anago.2ch.net/test/read.cgi/wildplus/1375794149/)、
 「自民党も民主党も党内軋轢が深まり、遠心力が強まり、政界再編は避けられないのではないかと考える。」
 (http://www.nakajima-masaki.com/monthly/monthly28.html

 『デジタル大辞泉』に「(政界で首相、党代表などの)中心人物の人望が薄れ、周囲の人々が離れていく傾向をいう。『首相の―は強まる一方だ』」と記述されている。小型国語辞典を参照してみよう。
 『新明解国語辞典 第7版』(2012年)の「遠心力」の項は「円運動をする物体が、中心から遠ざかろうとする力。〔中心的な勢力から離れることを指向する意にも用いられる〕」と、カッコの中に注記する形で言及している。『岩波国語辞典(第7版)』(2009年)には言及がない。そして、最も新しい『三省堂国語辞典 第7版』(2014年)を見ると、遠心力の項にはこの用法への言及がない。ただ、求心力の項に2番目の意味として「〔政治的組織などで〕人を集める力。『派閥の─・─を失う』」と記述している。
 ところで、このたび初めて知ったことなのだが、長い間、遠心力の対義語は求心力だと信じていた。ところが、三省堂国語には1番目の意味として「〔理〕『向心力』の古い言い方。」と書いてあって驚いた。遠心力の対義語は向心力だと書いてあるのだ。
 岩波国語は遠心力の対義語を求心力とし、向心力の項は立てていない。新明解は遠心力の対義語に求心力と向心力を出し、求心力は「向心力」の旧称であり、向心力は「求心力」の改称だとしている。ついでに言えば、新明解の求心力には「その人が持っている多くの人びとの心をとらえ自分を中心とする世界に引き込むことのできる魅力(実力)」の意味を2番目に記述して遠心力と対応させている。
 どうしたことだろう。三省堂国語は、求心力において比ゆ的な意味を載せているのに、遠心力では新しい意味を載せていない。次回の改訂版ではぜひ、バランスをとって記述してほしいと願っている。
(2014年6月12日)

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[1649]遠心力が強まる投稿者:のだ
投稿日:2019年01月22日 (火) 20時20分
今日の朝日新聞夕刊にこの表現がありました。
初めて見るものであり、強い違和感があったのでネット検索したところ、本講座がヒットしました。以前からある用法なのですね。
勉强になりました。



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