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ことばの講座

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[1243]はぎのかぶ 投稿者:オヤジ

投稿日:2004年02月19日 (木) 12時11分

息子も「ごんぎつね」を習う年になりました(小学校4年の終り)宿題の「意味調べ」で「はぎのかぶ」というのがありまして…
原文は「すすきやはぎのかぶがみずにゆれている」みたいな文章です。辞書を引かせたのですが、愚息は「かぶ」を「蕪」とおもっていたり、「はぎ」は「マメ科ハギ属の総称」で分からないと言うし(そりゃ、分からない)。それで、植物図鑑を引っ張り出して絵を描かせようとしたら逃げた。
日本語に関して教師ヅラをしているのに、「ごんぎつね」の情景が教えられなくて、落ち込んだ。

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[1244]はぎのかぶ投稿者:むささびとびのしん
投稿日:2004年02月20日 (金) 11時53分
オヤジさん、こんにちは。
「ごんぎつね」は4年生でしたか。
「はぎのかぶ」の意味を調べるって、「株」が分かっても「萩」を知らないとイメージ沸きませんね。
坊ちゃんが「かぶ」を「蕪」と思ったのは1年生のときの「おおきなかぶ」の記憶があったのではないでしょうか。
「すすき」も、気が付かないまま過ごしてしまうことがあります。
生えているところにはたくさんあるんですが、ないところにはまったくありませんね。
情景を思い描くことって、なかなか困難な状況になってきましたね。

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[1245]投稿者:のびちゃん
投稿日:2004年02月21日 (土) 01時44分
オヤジさん、先生、お久しぶりです!

僕も小学4年生の頃(つまり10年前になります、懐かしいです)にごんぎつねを勉強しました。出身が愛知県で、ごんぎつねの作家の新美南吉もまた愛知出身ということもあり、彼の作品には思い入れが強いです。当時もごんぎつねを勉強したことをきっかけに彼の作品を何冊も読みました。
ちなみに愛知県半田市(新美氏の生家があります)に新美南吉記念館というところがあります。小学生の頃訪れたのですが、(記憶は曖昧ですが)ごんぎつねに関して色々な場面を再現したようなものがあり(きつねの人形など)、物語の情景がより詳細に頭に思い浮かべられたような思い出があります。
言葉の意味に関して、そのイメージが頭に思い浮かべられるような具体物であればより理解しやすいのですが、ごんぎつねに登場するようなモノに関しては現代ではなかなかお目にかかれないというような場合が多々ありますよね。僕自身もいわゆる「現代っ子」(といってもハタチですが)なので、やはり多く自然や伝統に接する機会が欲しいと思います。今の若者や子どもに不足しがちな「人間性」を取り戻す重要な要素もそのようなものではないかと思うときがあります。
そういった意味で、分からない言葉の意味を追求するという姿勢は大切なものですよね?僕自身もそのような知的好奇心を常に忘れないようにしたいと思っています。

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[1246]かあちゃん、ウナギ食べたい?投稿者:オヤジ
投稿日:2004年02月25日 (水) 11時44分
むささび先生、のびちゃん、オヤジのボヤキにおつきあいくださり、ありがとう存じます。
結局、植物図鑑を見ながら絵を描かせたのですが、「萩の株」の株がイメージできなかったようです。これは言葉の意味というより、モノについての知識で、実物を見て触って知るものですもんね。
それで、萩の株が水にもまれていたのは川が増水していたからで、増水していたので兵十(ひょうじゅう)は病気の母のためにウナギを採っていたのでした。
愚息は、その部分を読んで、風邪を引いてる女房に、「かあちゃん、ウナギ食べたい?」と尋ねました。それをはたで聞いて、「はぎのかぶ」が分からなくてもいいか、と親バカしました。

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[1650]うらあ投稿者:ててん
投稿日:2023年10月03日 (火) 11時11分
うらあ

[1598]新・ことばの路地裏 第376回 「遠心力」 投稿者:小矢野哲夫

投稿日:2014年06月12日 (木) 04時43分

遠心力

 最近、こんな表現を目にした。

 巨大与党に対抗しようと結集に動く野党にとって、集団的自衛権の行使をめぐる是非は遠心力になり得る。(2014年6月4日、http://www.asahi.com/articles/DA3S11171532.html

 かつて、この「新・ことばの路地裏」第202回(2011年2月17日)に「遠心力が強まる」と題して書いたことがある。この当時は、初めて目にする表現として紹介した。当時は、“遠心力”のようにカッコつきだったが、今回はカッコが外れている。この3年強の間に一般化したのだろうか。
 WEBを検索すると、次のような表現がヒットする。

 「今度は集団的自衛権という安全保障政策で党に強い遠心力がはたらく。」
 (http://digital.asahi.com/articles/DA3S11165025.html?_requesturl=articles%2FDA3S11165025.htmlamp;iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11165025)、
 「前閣僚の平野氏を離党させれば、民主党の遠心力はさらに加速するし」
 (http://kenuchka.paslog.jp/article/2638049.html)、
 「海江田執行部への遠心力は強まりをみせる一方だ。」
 (http://anago.2ch.net/test/read.cgi/wildplus/1375794149/)、
 「自民党も民主党も党内軋轢が深まり、遠心力が強まり、政界再編は避けられないのではないかと考える。」
 (http://www.nakajima-masaki.com/monthly/monthly28.html

 『デジタル大辞泉』に「(政界で首相、党代表などの)中心人物の人望が薄れ、周囲の人々が離れていく傾向をいう。『首相の―は強まる一方だ』」と記述されている。小型国語辞典を参照してみよう。
 『新明解国語辞典 第7版』(2012年)の「遠心力」の項は「円運動をする物体が、中心から遠ざかろうとする力。〔中心的な勢力から離れることを指向する意にも用いられる〕」と、カッコの中に注記する形で言及している。『岩波国語辞典(第7版)』(2009年)には言及がない。そして、最も新しい『三省堂国語辞典 第7版』(2014年)を見ると、遠心力の項にはこの用法への言及がない。ただ、求心力の項に2番目の意味として「〔政治的組織などで〕人を集める力。『派閥の─・─を失う』」と記述している。
 ところで、このたび初めて知ったことなのだが、長い間、遠心力の対義語は求心力だと信じていた。ところが、三省堂国語には1番目の意味として「〔理〕『向心力』の古い言い方。」と書いてあって驚いた。遠心力の対義語は向心力だと書いてあるのだ。
 岩波国語は遠心力の対義語を求心力とし、向心力の項は立てていない。新明解は遠心力の対義語に求心力と向心力を出し、求心力は「向心力」の旧称であり、向心力は「求心力」の改称だとしている。ついでに言えば、新明解の求心力には「その人が持っている多くの人びとの心をとらえ自分を中心とする世界に引き込むことのできる魅力(実力)」の意味を2番目に記述して遠心力と対応させている。
 どうしたことだろう。三省堂国語は、求心力において比ゆ的な意味を載せているのに、遠心力では新しい意味を載せていない。次回の改訂版ではぜひ、バランスをとって記述してほしいと願っている。
(2014年6月12日)

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[1649]遠心力が強まる投稿者:のだ
投稿日:2019年01月22日 (火) 20時20分
今日の朝日新聞夕刊にこの表現がありました。
初めて見るものであり、強い違和感があったのでネット検索したところ、本講座がヒットしました。以前からある用法なのですね。
勉强になりました。

[1346]「焼点」という訳語 投稿者:オヤジ

投稿日:2006年06月03日 (土) 17時55分

幕末に,大庭雪斎という蘭学者(1806〜1873)が訳した『民間格知問答』(1862〜65)という物理学の啓蒙書があります。「格知学」というのは物理学の意味の当時の語です。
その巻6に「焼点」という語が出てきて,説明に「光線が聚(あつま)り来(きた)る所の硝子(びいどろ)の一点なり」とあります。
原書がオランダ語ですから,この「焼点」は蘭語brandpuntの訳語ということになります。brandは動詞branden(燃える・燃やす)の抽象名詞です。puntは英語point独語Punktに当たる語です。そこで,brandを「焼」,puntを「点」と訳して組み合わせたものと思われます。
オランダ語からの訳語にはこういうタイプが多く,waterstof,zuurstofから「水素」「酸素」という訳語が作られたのが有名です(stofは英stuff=原料)。
「焼点」から「焦点」への歴史等は知りません。
オランダ語って,訳語を作るときに親切な語構成をしてたんだなあ,と思います。

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[1348]ありがとうございます。投稿者:むささびとびのしん
投稿日:2006年06月11日 (日) 05時27分
オヤジさん
「焼点」という訳語があったんですね。貴重な情報をありがとうございます。
「焼点」から「焦点」への変化は興味深いです。

大庭成喜さん
大庭雪斎はご先祖なんですね。

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[1385]どうも投稿者:大庭誠士
投稿日:2007年12月25日 (火) 12時16分
大庭成喜の兄の子供です。大庭雪斎氏の記事を見てびっくりしました。自分の先の功績がわかってとてもうれしいです。有難うございます。

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[1389]大庭雪斎と佐賀県立病院好生館投稿者:オヤジ
投稿日:2008年02月21日 (木) 12時30分
大庭雪斎の業績としては,大石良英らとともに,鍋島藩の蘭学に尽力した点が上げられますね。この蘭学寮は,今では佐賀県立病院好生館になっているようです(同病院Webページの「沿革」より)。

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[1494]投稿者:お願いがあります
投稿日:2012年12月10日 (月) 19時37分
以前書き込みをさせて頂きました、大庭と申します。
こちらのサイトの記事に敬意を払い、
本名で書き込みをさせて頂いたのですが、
その後、私の名前が別の方の書き込みに使われてしまっており、
大変困っております。
かなり昔の書き込みになりますが、
このお願いにお気づき頂けましたら、
下記の記事を削除して頂きたいのですが。
御連絡を頂くとしましたら、
この書き込みに記入させて頂きました、
メールアドレスまでお願い致します。
大変お手数をおかけ致しますが、
どうかよろしくお取り計らい下さいますようお願い申し上げます。
削除して頂きたい記事は、以下のものになります。
[1347]御礼投稿者:大庭成喜
投稿日:2006年06月06日 (火) 10時03分
私の先祖についてふれて下さって有難うございます。

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[1495][1347]御礼投稿者:むささびとびのしん
投稿日:2012年12月10日 (月) 21時09分
削除しました。

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[1648]投稿者:大庭弘二
投稿日:2018年05月08日 (火) 21時02分
大庭三郎景親の子孫です。大庭雪斎が眠る天徳寺の大庭一族に繋がる
縁で、明治維新を機に、「幕末を生きた大庭雪斎を」をレポートに
しています。合わせて平安時代からの「大庭姓の歴史」も平行して
書いています。全国の大庭さん、情報交換を希望します。

[1458]新・ことばの路地裏 第270回「芳しい」 投稿者:むささびとびのしん

投稿日:2012年05月31日 (木) 05時19分

第270回 芳しい
 「悩ましい」という形容詞の使い方に悩むことがある。自分自身は基本的に「官能が刺激されて心が乱れる」(広辞苑)という意味で理解している。実際にはこのほかに、明確に判断することに悩む様子、はっきりとは決めかねる様子といった意味で「悩ましい問題」「どのように解決したらよいのか悩ましい」のような使い方があることも知っているが、十分に使いこなせているとは言えない。
 これと似たような事情を「芳しい」という語に感じる。この語は自分自身、基本的に「いい匂いがするさま」という意味で理解もし、ときどき使っている。雅語的な響きを感じる語であるから、日欧的にしょっちゅう使っているわけではない。
 ところが、先日、こんな言い方を耳にした。

  東京電力・勝俣会長:「電話などでいろいろな照会がダイレクトに(当時の)菅総理、あるいは細野補佐官からあった。こうしたことは正直、あまり芳しいものではない」
  http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20120515-00000002-ann-soci

 この「芳しいものではない」というのは「好ましいものではない」と言い換えられるだろう。確かに、国語辞典には次のように記述されている。
  「(多く打消しの語を伴って用いる)好ましいもの、りっぱなものと認められるさま。『成績が―・くない』」(デジタル大辞泉))
 例文にも示してあるように、「芳しくない」と、ストレートに否定する表現はすっきりしていて分かりやすい。しかし、原文は持って回った言い方で、言質をとられないようにしているといった印象がある。それこそ芳しくない。発言が政治的な事柄に影響を及ぼす可能性があるだけに、慎重を期したのであろう。しかし、「正直」と断っているのだから、率直に言ったほうがよかった。
(2012年5月31日)

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[1647]言葉の使い方はモラルも考えるべき投稿者:もら
投稿日:2017年11月20日 (月) 15時11分
大昔は、辞書のようにどちらの意味をも認識する人もいたようですが、
「悩む」ことに使うと思っている人が大半だったようです。
むしろ、性的な意味に使うというのを知らない人が多かったとか。
また、国語の教師の人で、この「悩む」の意味さえ、官能に関わる
悩むである、と言っている人もいます。

辞書の編集者と、国語の専門家は違うんでしょうね?

それがアイドルの曲のようなもので官能的な意味で使うようになり、
一般的に官能的な意味で使う方が通例になったとのことです。

逆に、昔、通例で使っていた言葉が「悩む」の方で、
その後に通例で官能的な意味にも悩ましいが使われるようになって来た
状況は問題ないと思います。
人々の多くが性的な意味を認識してなかったのなら問題ありません。

問題は、今だと思います。
性的に、もしくはモラル的に不快に感じる人がいる言葉を、
「悩む」という意味で通例の言葉にするべきではありません。

また、かつて通例で使い方の性的な意味を知っている大人の男性は喜んで使ってるでしょう。
堂々とセクハラ出来る感じで。
それも不快ですし、問題です。

本来の言葉の意味もそうですが、通例で使う言葉は現実の言葉なので、
それを人々はもっと重要視すべきです。

[682]短歌と狂歌 投稿者:かずお

投稿日:2003年04月10日 (木) 10時12分

私は下手の横好きで狂歌をたしなみ、57577の同じ定型の
親しみやすさから短歌にも手を出して遊んでいます。
575の定型詩の俳句、川柳とは似ていますが、短い分だけ
入りやすいようで、難しい。趣味として遊ぶ分にはむしろ57577のやや長い定型にできるだけこだわり、そこへ言葉を当てはめるのがやや難しい短歌、狂歌のほうが面白い。
しかし短歌は俳句と異なり季語もなく広く題材を選べる
気安さはあります。しかし短歌、俳句はいずれも文学の一分野
として確立されています。
一方、狂歌は風刺、皮肉、滑稽、諧謔などをこめて江戸時代に
庶民の間に普及しましたが、いつの間にか衰退してしまいました。
新聞には短歌、俳句、川柳欄は見受けますが、狂歌欄は
見られません。これは短歌が自由に題材を選べることから
いつの間にか狂歌を吸収していったためではないかと
私は考えています。
したがっておかしみ、ユーモアのある短歌が
存在するということでしょう。
しかし文学性となると疑問なので、私みたいにネットで趣味的に、遊びとして狂歌を披露して遊ぶことになるわけです。
今日の質問は狂歌がなぜ廃れていったのかということです。
専門外かもしれませんがよろしく。

その昔和歌といいしがいつのまに狂歌道連れ短歌となりぬ
                      (かずお)

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[693]投稿者:むささびとびのしん
投稿日:2003年04月11日 (金) 14時18分
かずおさん、「狂歌がなぜ廃れていったのか」は、門外漢でもありますので、残念ながらお答えできません。すみません。

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[724]ありがとうございました投稿者:かずお
投稿日:2003年04月12日 (土) 15時24分
御好意に甘えて専門外のことまで聞いてすみません。
短歌の入門書で「和歌が短歌に姿を変えて、狂歌まで吸収しながら
発展していったのでしょう。」という記載を読みました。
それで充分です。

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[1646]狂歌も文学しかも気の薬になる投稿者:敬愚
投稿日:2017年10月08日 (日) 00時06分
狂歌は風刺、皮肉、滑稽、諧謔だけではない、立派の文学です。その特徴は自由自在の言葉あつかいや話題で内容が面白い。和歌のB面ながら遊び心と勇気のある人ならば、和歌の花になります。拙著をご参考になるかもしれない:9780997946307 古狂歌 ご笑納ください: 万葉集まで首狩に行ってきましたGill, Robin D $39
9780997946314 古狂歌 物に寄する恋: 託せば思ひも軽くなります Gill, Robin D $35
9780997946321 古狂歌 滑稽の蒸すまで: 鮑の貝も戸ざさぬ国を祝ふ  Gill, Robin D $33
9780997946338 古狂歌 気の薬のさんぷる袋: 「ご笑納ください」の大文字短縮版 Gill, Robin D $17

[634]日本語の文語と口語の使い分け 投稿者:かずお

投稿日:2003年04月07日 (月) 18時50分

文語と口語は文章の種類に応じて我々は書き分けています。
たとえば論文は文語で書きます。
しかし発表原稿は口語で書きます。
具体的には語尾を変えることによって
両者を使い分けることになります。文語では「・・・である。」、
口語では「・・・です。」「・・・であります。」となる。
私も昔理科系の大学の研究室にいたときに指導してくれた教官から
発表原稿は口語で書くようにと指導を受けた記憶があります。
ところが大学を出ると世間では発表時にも「・・である。」
・・・と思う。」のような文語で発表をしているのを見かけます。
とてもぶっきらぼうに聞こえます。
口語が聞きやすいですよと言ってあげると
逆に「これでどこが悪いのですか?」と食ってかかる方がいます。
私は今も発表原稿は口語で話すべきであると思っています。
このカキコも口語で書いたほうがいいと思います。
ただ口語と文語の使い分けが、語尾の差だけかは分りません。
しん先生 文語と口語の使い分けに関して御意見をください。

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[637]・・・であります投稿者:かずお
投稿日:2003年04月07日 (月) 19時26分
「・・・であります」は文語のミスでしょうか。
「・・・です。」が口語の言い方ですね。
ミス発信です。635、636は削除してください。

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[642]投稿者:むささびとびのしん
投稿日:2003年04月08日 (火) 08時39分
かずおさん、おはようございます。
おっしゃっている「口語」「文語」は、それぞれ「音声言語・話し言葉」「文字言語・書き言葉」という意味ですね。
論文は、読むことw前提に書かれますよね。そうするとたいていのばあいは文章語で書かれます。ごく少数ですが、話し言葉で書く学者もいます。
書き言葉と話し言葉の差は文末だけではありません。
また書き言葉でも、公用文書と私的な手紙とでは差がありますね。
文末は、活用語の基本形で終わり、疑問の「か」以外は、終助詞を使いません。
文中の用語にも文章語専用のものもあれば、話し言葉にも使われる物もあります。
以上のことを文章語で書き換えてみると、以下のようになります。

書き言葉と話し言葉の差は文末だけではない。
また書き言葉でも、公用文書と私的な手紙とでは差がある。
文末は、活用語の基本形で終わり、疑問の「か」以外は、終助詞を使わない。
文中の用語にも文章語専用のものもあれば、話し言葉にも使われる物もある。

論文を口頭で発表するとき、文章語で書いたものを、文末部分を丁寧体に変えて読むことがありますが、それで完全になるわけではありません。文中の要素にも、書き言葉と話し言葉で違うばあいがあるからです。

○○ちゃん、ミョーニチ遊べる?
などとは言いませんね。

「……であります」は演説調のような響きを感じます。

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[645]話し言葉と書き言葉投稿者:かずお
投稿日:2003年04月08日 (火) 11時57分
国語学はやはり難しい。
簡単に口語、文語なんて口にしちゃあいけないようだ。
話し言葉(音声言語)と書き言葉(文章言語)というのか。
勉強になりました。
文末が「・・です。」なら口語、「・・・である。」なら文語
と思っていたのは素人の浅はかさ。
発表原稿の文末を「・・です。」「・・ます。」にしただけでは
文章語を丁寧語で言い換えただけですか。
>○○ちゃん、ミョーニチ遊べる?
「○○ちゃん、あした遊べる?」が口語ですか。
文末だけの問題ではないとは思っていましたが・・・。
しん先生 今日はすっきりなるほどと確かに納得しました。

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[650]三度エッチ投稿者:かずお
投稿日:2003年04月08日 (火) 18時00分
方言では人々はしばしば自分たちが
発声している通りに字を書くようだ。
東京の人は「鮭(さけ)」を「しゃけ」と発音するそうだ。
酒もやはり「しゃけ」と発音するのだろうか。
書くときも「しゃけ」と書くのだろうか?それとも発声だけか?
「し」と「ひ」の逆の発声もある。
浜松でも看板に「質(ひち)」と書いてあるのを見かける。
私の生まれ故郷新潟では「い」と「え」の発声が逆である。
「色鉛筆(えろいんぴつ)」となる。これも実話で私の亡き父の
手紙の中で見た覚えがある。「エロ淫筆」ではない。
これは新潟時代に経験した実話であるが
食堂のメニューに「サンドエッチ」と書いてあった。
もちろん「サンドイッチ」である。
「三度エッチ」ではない(笑)。
(このテーマもすでに取り上げ済みかな。)

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[651]投稿者:むささびとびのしん
投稿日:2003年04月08日 (火) 19時56分
かずおさん、こんばんは。
何かを議論しようとするとき、同じ用語を使っていても、内容が異なっていることがあります。
これではかみ合わないので、まずは、内容の確認から始めます。
もっとも、同じ用語なのに内容が異なるということ自体が奇妙ですよね。

学生が書いた原稿を、文末だけ替えて口頭発表する場面にときどき出合います。
まだ若いのでとやかく言いませんが、本人は気づいているだとうと思います。このようにして、話し言葉と書き言葉の差を自覚してくれているのだろうと想像しています。
実際に教壇に立つと、用意した原稿があまり意味を持ちません。
目の前にいる学生の、一人ひとりの顔を見ながら、それぞれの反応を見て話すことができるように、日々、努めています。

方言発音がそのまま表記につながるということはありますね。
奈良県や和歌山県、大阪府南部では、「ぜ」が「で」と発音される傾向があります。
耳で聞くと「かどくでんぶで」なのですが、意味は「家族全部で」なのです。
かつて奈良県の学生が教えてくれました。小学校の時、日記に「れいぞうこ」と書いたのに、担任の先生に「れいどうこ」と直されたのだそうです。
今ではこういうことも少なくなっているのだろうな、と思います。
鳥取県倉吉市で育ったのですが、「せ」「ぜ」が、千年前の発音を残しています。耳で聞くと「しぇ」「じぇ」と聞こえます。
「しぇんせえ」(先生)、「じぇんじぇん」(全然)のように。
でも、表記で発音通りに書くという人が同級生にいたということは記憶にないんですよ。
なんでだろう〜、なんでだろう〜?

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[652]投稿者:むささびとびのしん
投稿日:2003年04月08日 (火) 20時06分
かずおさん、忘れていました。
「しちや(質屋)」は大阪でも「ひちや」と言いますし、看板でも「ひち」と大書してあります。
中部地方あたりが分岐点でしょうか。
数を数えるときは
いち、にぃ、さん、しぃ、ごぉ、ろく、ひち、はち、くぅ(きゅう)、じゅう
と言うのに、カウントダウンでは、
じゅう、きゅう、はち、なな、ろく、ごぉ、よん、さん、にぃ、いち
となります。
「四」と「七」が異なるんです。
「八百屋お七」は「やおやおひち」です。
東京の話ですが、ワープロが出たことのことです。
市役所の職員だったか、「必要」を出そうとしてもいっこうに変換しない。
なんでだろう〜、なんでだろう〜? と、聞いてみると、
「しつよう」と入力したために「執拗」が執拗に出てきたとか。

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[1532]投稿者:かずみ
投稿日:2013年07月11日 (木) 00時02分
私は部活動で陸上部の長距離をしていて体力と忍耐力には自信があります。ですからどんな仕事でも耐えられます。

口語調あったらおしえてください

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[1645]文語と口語投稿者:小野吏功
投稿日:2017年08月29日 (火) 22時43分
現在、私たちが使っている言葉

[1615]新・ことばの路地裏 第394回「ばんなりまして」 投稿者:小矢野哲夫

投稿日:2014年10月16日 (木) 04時21分

第394回 ばんなりまして

 夜のあいさつとして、鳥取県倉吉市では「ばんなりまして」と言う。道で会った時や家を訪れたときに言う。筆者自身は聞いただけで、実際に使ったことはないと思う。大人のあいさつことばであった。50年前のこどもは「こんばんは」と言っていた。「ばんなりまして」は大人の領域のことばだという意識があった。
 夜のあいさつには全国でさまざまな形がある。宮城県仙台市に下宿していたときには「おばんです」「おばんでござりす」を聞いた。自分でも下宿の大家さんや銭湯の番台のおじさんや小さな雑貨屋のおばちゃんには「おばんです」を使った。郷に入っては郷に従えの気持ちであった。
 さて、このあいさつことばには、二つの特徴がある。一つは助詞の「に」が省かれていること。「ばんになりまして」とは言わない。もう一つは「なりました」と終止しないで、「なりまして」とテ形になる点である。
 「に」の省略については「ばん」の「ん」と「なりまして」の「な」にはさまれた「に」が、たぶん「ん」といっしょに融合したと考えられる。
 テ形終止については、倉吉方言ではよく使われる形である。「ありがとうございまして」「お世話になりまして」「お暑うございまして」など。さらにこのテ形には、感嘆の意を含む終助詞「なあ」が付いて「ありがとうございましてなあ」などとなる。テ形終止以外に「ありがとうございました」のような通常の終止の形もある。しかし、これには「なあ」が付きにくいと思われる。
 テ形終止の形は、ここで表現が終わるのではなく、あとに何かの表現が続く可能性を含んでいて、完全に終止しないという表現上の特徴もある。
 このようなテ形終止の用法も、大人が使用するものであり、50年前のこどもは使わなかった。倉吉を離れて50年近くになる。この間(かん)、大人として倉吉方言を使う機会がなかったので、「ばんなりまして」は使えない。
(2014年10月16日)

[1114]カッテとコオテ 投稿者:オヤジ

投稿日:2003年06月24日 (火) 16時22分

身近に関西の若い人がいないので教えてもらいたいのですが、
共通語ではカッテ(5段促音便)とカリテ(上一)で「買って」と「借りて」を区別し、上方ではコオテ(5段ウ音便)とカッテ(5段促音便)で区別すると25年ほど前に習いましたが、コオテ(ウ音便)をカッテと共通語に毒された促音便形で発音する不心得者はいないのでしょうか?

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[1116]投稿者:むささびとびのしん
投稿日:2003年06月25日 (水) 16時57分
オヤジさん、こんにちは。
『国語学』第163集(平成2年)に
岸江信介さんの「「昭和」における大阪市方言の動態」があります。
〉コオテ(ウ音便)をカッテと共通語に毒された促音便形で発音する不心得者はいないのでしょうか?
たくさんいますよ(笑)
若い世代ではほとんどが不心得者だと思います。

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[1118]投稿者:オヤジ
投稿日:2003年06月27日 (金) 15時04分
しん先生、情報ありがとうございます。私はタ行・旧ハ行・ラ行を全促音便にする東京型よりも、ウ音便なら旧ハ行というルールのある上方方式がわかりやすくてよいと思っていたのですが...
学生時代、共通語に最も変えなかった(方言を誇りに思っていると見られた)大阪でさえそうとは...
年輩の方は、しぞお嘆きでしょうね。

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[1119]投稿者:のびちゃん
投稿日:2003年06月28日 (土) 14時17分
カッテとコオテの混同、関西での共通語化の大きな例の一つでしょうね!
でも、まだまだ関西は方言主流社会(方言専用社会という語を聞いたこともありますが)ですよね。関西以外、例えば僕の出身の愛知(名古屋)や東北の仙台近辺等ではかなりの勢いで共通語化が進んでいますし、お笑いなんかをはじめとして関西弁を耳にする機会はまだまだたくさんありますし(一般的に関西弁は受け入れられていますし)ある意味でうらやましいことですよ☆

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[1121]投稿者:むささびとびのしん
投稿日:2003年06月29日 (日) 19時29分
オヤジさん、のびちゃん、こんばんは。
ボクが大学1年生のとき、同級生の女性(姫路市出身)が「本を借った」と言ったときにはビックリしました。
「買う」は現在、「買った」も「買うた」も聞きますし、使いますが、「借った」を聞くにはどこに行ったらいいのでしょう? と思うくらい、聞かれなくなったと思います。

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[1122]投稿者:あのね
投稿日:2003年06月29日 (日) 20時39分
オヤジさん、のびちゃん 、はじめまして♪
切手の先生の笑顔、やっぱり素敵です!

大阪で生まれて、育った私は
「デパートで洋服コオテ(買って)きてん」
「隣で砂糖カリテ(借りて)きてんか」
カッテは使わなかったです。
文法の難しい事はわかりません・・・

関西弁が東京だけでなく全国で受け入れられている事は、私たち関西人にとって嬉しい事です。でも、どの地方の方言ももっと受け入れられると良いと思います。こうしてPCでたくさんのお友達ができて方言にも興味が湧くようになりました。
まずは「相手のことを知る」事が一番大事なのではないでしょうか。
そうすれば言葉だけでなく、偏見なども取り除かれると思います。
カッテとコオテの話題から外れてしまいましたが・・・

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[1123]投稿者:MIKAN
投稿日:2003年06月30日 (月) 00時31分
オヤジさん、のびちゃんさん、はじめまして。MIKANと申しますm(__)mむささび先生、あのねさん、こんばんは♪
アイコン使ってくださいましてありがとうございます(^-^)

「借って」はうちの母(京都出身60代)が使っています。
だから母が「カッテ」と言うと、それは「借りて」か「買って」か前後の話から推測しています。分からない時はどっちか聞きます。
今はほとんど聞かれませんね〜。

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[1124]投稿者:のびちゃん
投稿日:2003年06月30日 (月) 01時36分
みなさん、こんばんは☆

「借って」というコトバは初めて知りました!
方言は各地域の特産物のようなもので、面白いですよね♪僕も高校まで名古屋弁に囲まれた生活をしていましたが、大学生になって北陸弁に接したときは、毎日が新しいコトバの発見のような感じでした。2年目にしてようやく北陸弁の響きが耳慣れてきましたが・・。

ところで先生の新しいアイコン、とてもかわいいですね♪♪MIKANさんがお作りになったのですか?

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[1125]投稿者:MIKAN
投稿日:2003年06月30日 (月) 09時54分
皆様おはようございます。↑先生のアイコンちょっと大きくてスミマセンm(__)m
もう一つ作ってみましたのでペッタンします。

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[1126]投稿者:ばぁば
投稿日:2003年06月30日 (月) 10時16分
福井でーす。
私も「買って」は「コオテ」
「借りて」は「カリテ」ですが祖母は「カッテ」でした。
最近の若い人(うちの娘や息子)は「コオテ」とは言いません。福井弁もだんだん廃れてくるようで、寂しいです。

福井弁、ものすごいですよ。
上のレスでのびちゃんがおっしゃっているように(北陸のどこかはわかりませんが)、「新しい言語」のようです(爆)やや、大阪弁に近いですけど、イントネーションは完全に違いますし不思議なニュアンスのコトバがいろいろあります。うーん、書き出してお伝えしたいくらい〜。

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[1131]投稿者:のびちゃん
投稿日:2003年06月30日 (月) 21時50分
ばぁばさん初めまして☆

僕は現在金沢大2年ですが、福井弁も初めはすごい衝撃?でした!嶺南(福井の南部)の方言は割りと京都弁に近いものですが、嶺北(福井の北部)では日本でも数少ない無型アクセントの地域で、本当に高低アクセントが少なく一本調子のアクセントですよね!一見棒読みのようですが、とても平和的な印象で、穏やかで、僕の友人が福井弁を話しているのを聞くと個人的にはとても癒されるような感覚になります。

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[1132]投稿者:ばぁば
投稿日:2003年06月30日 (月) 23時24分
のびちゃんは金大生ですか。この春まで娘が金沢にいたのでしょっちゅう金沢に行っていました。(ん?待てよ、近所のゆりちゃんも今金大の2年だわ)
福井弁、ものすごいでしょ!?金沢弁とはまた違うのよね―。学生時代「言語」って授業があってその中で「九州南部」「東北北部」「福井」はアクセントがないいわゆるズーズー弁です、と聞いてショックだった(笑)
それに、若い方は使わないけど、私たちより上の世代が使う福井弁は多分意味不明だと思うわ〜。
「ものごい」「もつけない」「てきない」「きのどくな」「かわいやの」
名詞でいくと「べと」「ばい」「せど」・・・ああ、ここまで来ると私の世代でも田舎の人にしかわからないかも〜

でもね「文楽」のなんだったか忘れたけど、「かわいやの〜」というところがあって、そこの注釈に『不憫な』と書いてあって、もしや福井弁は正しい日本語なんじゃ!?と大きな勘違いをしたことがあります(爆)

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[1133]投稿者:のびちゃん
投稿日:2003年07月01日 (火) 01時57分
ばぁばさんへ

レスありがとうございました☆以前のここでの書き込みにも書いたことあるのですが僕は金大2年生で日本語学・日本語教育学・日本文化学を学ぶ教育学部生です。

「かわいやの〜」という表現(に限らず、ばぁばさんが提示された福井弁はほとんど)は初めて耳にしました!おそらくかつて(文楽が起こったころ)の共通語としての「かわいやの〜」という表現が福井地方にうつって、それが未だに(少なくともばぁばさんが使っていた時代)残っているのですね☆かつての中央語としての共通語の名残が現在の地方の方言に残っていることは多々ありますよね!

ちなみにばぁばさんは福井のどの辺にお住まいですか?僕が現在大学で最もお世話になっている先生のひとりは、武生高校・福井大出身ですよ。(年齢はばぁばさんよりほんの少し上でしょうか。)

僕と同世代の福井出身者はアクセントには福井弁が根強く残っていますが、福井弁特有の語彙を使って話す若者はさすがに少ないですねぇ。モーニング娘の高橋愛のような福井弁が今の福井の若者の福井弁の典型例のような気がします。(僕自身は名古屋出身なので詳しく福井弁を把握しているわけではありませんが)また色々教えてくださいね☆

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[1134]投稿者:ばぁば
投稿日:2003年07月01日 (火) 09時59分
のびちゃん、何だか福井にも詳しいですね〜。
私は今武生に勤務しています。
もともと武生を含む”丹南地区”の出身です。福井市へ嫁いで最近また丹南地区へ引っ越しました。

上に書いたことばは、最近では福井でもあんまり聞かれなくなってきました。特に福井市に住む友人は私より10歳年上ですが使いません。反対に丹南地区でお年寄りと住む20歳代の子は使います(笑)
私は「ものごい」「もつけない」などは日常でバンバン使っています。
これ意外と標準語で説明するの難しいんですよ〜。
「ものごい」は「物憂い」が近いかな。「もつけない」は「かわいそう・気の毒」という意味で「きのどくな」は感謝を表すことばなんです。「てきない」は「しんどい」3つの名詞に関しては、謎のままにしておきましょうか(笑)

のびちゃんには頑張って勉強していただいて、卒論で福井弁扱ってほしいわぁ〜^m^

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[1137]投稿者:むささびとびのしん
投稿日:2003年07月01日 (火) 17時07分
あのねさん、MIKANさん、のびちゃん、ばぁばさん、こんにちは。
ものすごいですね!

あのねさんは「借って」をお使いにならないんですね。
言葉についてはまず相手を知る。これ、大切なことですね。

MIKANさんはお母様が「借って」をお使いになるんですね。貴重なデータをありがとうございます。
路地裏郵便の切手もありがとうございます。
これで世界中に通用しますね。

のびちゃん
特産物には味わいがありますね。
異文化コミュニケーションみたいなところもありますね。

ばぁばさんのおばあさまは「借って」をお使いなんですね。
貴重なデータをありがとうございます。
福井をはじめ、石川、富山の北陸3県のイントネーションには一種のメロディを感じます。でも、それぞれに違いがあるんですね。
〉「ものごい」「もつけない」「てきない」「きのどくな」「かわいやの」
これ、完全にお手上げです。
「かわいい」は母(70歳代前半)が「かわいそう」の意味で使います。
〉「べと」「ばい」「せど」
「せど」は裏庭?

のびちゃんとばぁばさん、馬が合いそうですね。

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[1146]投稿者:のびちゃん
投稿日:2003年07月01日 (火) 22時08分
ばぁばさんへ

名詞の意味、何とか調べてみようと思います!
ところで、ばぁばさんは武生出身なのですね。僕の大学の教授が武生高校出身、また同じコース(学科)の友人に二人武生高校出身の子がいます。金沢という土地柄、友人に福井の人が多いのこの1年半くらいで少しずつ福井について知るようになりました。が、まだまだ詳しくありません(涙)大学入学するまでは福井といえば東尋坊と九頭竜ダムに一度だけ行ったことがあるくらいでした!これからも福井について色々と教えてくださいね☆ちなみに上にも書いた福井大出身の教授が方言が専門の先生ですので方言に興味を持つようになりました!日本語学を中心に興味の範囲はかなり広いですので、この掲示板を見るのはとても楽しいです♪

先生へ
ばぁばさんをはじめ、この掲示板によって色んな人を知ったり色んな言葉の問題を考えるきっかけができます!先生と国語学会でお話しできたきっかけもここですし。ありがとうございます☆先生にもまたお会いしたいですし、この掲示板にいつも書き込みされてるみなさんとも一度会ってみたいなぁと思います☆夏休みにでも大阪旅行に行こうかな?

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[1147]投稿者:むささびとびのしん
投稿日:2003年07月08日 (火) 18時05分
のびちゃん、こんにちは。
大阪旅行を計画していらっしゃるんですね。
8月8日にオープン・キャンパスをしています。
ボクは日本語専攻のプレゼンをしますよ。

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[1148]投稿者:オヤジ
投稿日:2003年07月09日 (水) 12時15分
皆様、いろいろ情報をありがとうございました。岸江氏の論文とみなさまのレスで、「借って」が「借りて」になる方が先だったと、初めて教えられました。なんとなく、コオテがカッテになって、衝突が起きた結果、「借って」が「借りて」になるのかなと思い込んでいました。言語事実を見てから理屈を考えるべきであり、理屈を先ばらせてはいけないという、いつもの教訓になりました。
お礼に些細な情報を。『口語法別記』を見ると、旧ハ行と形容詞のウ音便は、大槻文彦の草案では両立でしたが、特別委員会で否定されたようです。

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[1162]投稿者:むささびとびのしん
投稿日:2003年07月18日 (金) 19時56分
オヤジさん、こんばんは。
〉旧ハ行と形容詞のウ音便は、大槻文彦の草案では両立でした
ということは、両方とも同じ程度に使用されていると認識していたのでしょうか。
現在では、どちらのウ音便も衰退していますね。

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[1180]投稿者:オヤジ
投稿日:2003年08月09日 (土) 11時05分
しん先生,おはようございます.
>両方とも同じ程度に使用されていると認識していたのでしょうか

論拠として出している地域の列挙からはそう読めますが,私は大槻の考えとして,武士に残る教養語としての上方語と〔東京の教育ある人の言葉〕を両立させたかったのではないかと疑っています.それと,文語との連続の問題もあると思っています.打ち消しの言い方は
〔ない〕と〔ん〕を両立させていますし.
大槻のこのたぐいの両立案をつぶして東式の言い方に統一した犯人は,上田万年とにらんでいます.
論文にできそうならばいつか書くかもしれません.

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[1643]2020年東京オリンピック・パラリンピックに備え資格取得へ向けて短期学習!(2年計画で獲得!)投稿者:通訳案内士 28年度国家試験対策講座
投稿日:2016年05月24日 (火) 09時15分
通訳案内士 28年度国家試験対策講座

授業内容:各科目過去問題&直近新聞記事を踏まえた問題演習にて実践的傾向と対策を探ります。併せて、各回訪日最新情報・最新数値等もご紹介致します。
6月17日(金)
@09:15 〜 10:45
入門講座/地理T
A11:00 〜 12:30
地理U
B13:30 〜 14:45
地理V
C15:00 〜 16:30
歴史T
6月18日(土)
D09:15 〜 10:45
歴史U
E11:00 〜 12:30
一般常識T
F13:30 〜 14:45
一般常識U
G15:00 〜 16:30
一般常識V
講師: 富山康夫
(ジャッツ関西【日本旅行グループ】大阪通訳派遣センター)
丛惠宇
( 日本资深专业导游 ; 高分考取国家级通訳案内士资格)

受講料(全8講):
¥29,800 (税別)【一般の方】
¥25,000 (税別)【学生の方】
(会場費・教科書代・資料代を含む)

时间: 6月17日,6月18日,09:15-17:00
場所: ジャッツ関西日進㌱11階会議室
(梅田・大阪駅から徒歩約5分,東梅田駅から徒歩約3分 -- 泉の広場 M14出口)

主催(申込先)     国際医旅協会
株式会社 Timing International Travel
日中运营部 担当:中野,王
E-mail:: jin0920jin0920@gmail.com
Mobile: 090-8658-3201 (中野); 090-8532-8668 (王)

[828]どう違うんでしょう?? 投稿者:alice

投稿日:2003年04月18日 (金) 23時54分

「頂く」と「戴く」の違いが判らないんです(〃´o`)=3 フゥ
ずっと書こうかどうか、悩んでました(=^w^)ぷぷっ!

漢字入力すると、変換候補とその意味が出ますよね!
それでもいまいち解りにくいんです!
私なりに調べたんですが・・・なんせザルのような知識なんで(^^ゞ

山のいただきは・・・「頂き」ですよね!
何かをしていただくのは・・・???両方出ますよね(^^ゞ

よろしくお願いします〜〜(^-^*)


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[834]私も知りた〜い♪投稿者:うさこ
投稿日:2003年04月19日 (土) 09時24分
しんさん aliceさん こんにちは〜♪

aliceさん、私も知りたいです。(^_^)v
私は個人的にはいつも「戴く」と書いています。
でも、みんなは「頂く」が多いです。
だって「頂戴します」っていうので、どっちでも良いのかな〜って考えたんです。
国語辞典を見ても「わかんないことば」がいっぱい!!(ふっ〜)
ちゃんとお勉強すれば良かったな〜♪
この頃は、わかんないと何でも「ひらがな」です。(-_-;)

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[835]私も・・・投稿者:さゆり
投稿日:2003年04月19日 (土) 09時30分
 先生、aliceさん、うさこさん、おはようございます!
私も「頂く」のほうを書きます。なんでかというと・・・字画が少ないからでした〜〜っ!(^^)いい加減なやつですみません・・・
本当はどうなのでしょう。私も知りたい!

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[840]投稿者:むささびとびのしん
投稿日:2003年04月19日 (土) 10時55分
aliceさん、うさこさん、さゆりさん、おはようございます。
「頂く」と「戴く」の使い分けですね。
うーーむ、難しいですね(笑)。
まず、基本があります。
「頂く」は常用漢字表にある漢字ですが、「戴く」はありません。
ですから、学校の教科書や新聞記事では基本的に使われません。
常用漢字表の漢字は全部で1945(だったかな?)あるんですが、一般の文章表現ではこの表が使用の目安になっています。

「戴」を使わざるを得ない言葉として「戴冠式」というのがあります。王様が初めて王冠をかぶる(頭に載せる)式ですね。
看護婦さん(当時)が看護学校を卒業して初めてナースキャップをかぶせてもらう式を、たしか「戴帽式」といったように思います(でも、あやふや)。

でも、「ちょうだいする」の時にもやむを得ず「頂戴する」と書きますね。手書きのとき、ちょっと間違って「頂載する」と書いてしまうことがあるかもしれませんね。「戴」と「載」はよく似ていますよね。
さゆりさんと同じように、画数が少ないほうを使っておいたほうがいいかもしれません。
小さい子は「チョーダイ」とは言っても、「頂戴」とは言わないですよね(笑

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[842]戴帽式投稿者:かずお
投稿日:2003年04月19日 (土) 12時47分
しん先生がおっしゃるとおり戴帽式(たいぼうしき)が正しい。
ただし手元の辞書〈広辞苑、大辞林、新明解国語辞典)にも載っていない。確かに医学界の業界用語かもしれないが、
一般的に認知されていないのかな。
医学大辞典(南山堂)にも載っていないのは
学問的事項でないから項目から漏れたのか。

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[843]戴帽式投稿者:むささびとびのしん
投稿日:2003年04月19日 (土) 15時58分
かずおさん、こんにちは。
「戴帽式」は看護学校の神聖な行事のようですね。
http://www.iwate-nurse.ac.jp/capping_ceremony/capping_ceremony.html
http://www.toda-ns.ac.jp/image/taibousikki.jpg

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[846]うわぁ〜〜そうなんですね!!投稿者:alice
投稿日:2003年04月19日 (土) 17時17分
常用漢字に有る、「頂く」を使う方が良いようですね!!
ありがとうございます(^-^*)

それより、凄いドジをしてました(〃´o`)=3 フゥ
段々老眼が進んでいるのも手伝って、おかしいなぁ〜と
思いつつしっかりと見ないでいたら、
「戴く」と「載く」は違う字なんですね(^^ゞ

二重のお勉強になりました(^^ゞ
むささび先生、みなさん、ありがとうございます!!

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[848]「戴」と「載」投稿者:むささびとびのしん
投稿日:2003年04月19日 (土) 17時35分
alicaさん、こんにちは。
老眼だなんて、ちと早いんじゃないですか? ボクはれっきとした老眼でありますよ(笑9.
電話帳が読めません。
「戴」と「載」なんか、パソコンの画面上ではほとんど区別が付きませんね。
ひらがなの濁音と半濁音の区別もできませんでありますよ。

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[1641]『頂く』と『戴く』の違いに付いて投稿者:OHMY
投稿日:2016年02月07日 (日) 06時45分
同じ言葉ですが・・・
「頂く」は行為に対して使う言葉(用字)だと思います。
「戴く」は物品に対して使う言葉(用字)ではないでしょうか?
用字が曖昧なら、平仮名書きにした方が良いと愚考している・・・

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[1642]投稿者:むささびとしのしん
投稿日:2016年02月07日 (日) 07時47分
「戴」は常用漢字表にありますが、音読みだけが認められています。「いただく」という訓読みは常用漢字表外のよみという扱いです。
従って、常用漢字表の音訓に従えば、行為でも事物でも「いただく」は「頂く」と書くことになります。

[1639]ごぶさたしています 投稿者:河原道郎

投稿日:2015年09月27日 (日) 20時13分

補助動詞まくるを考えていて、先生のところまで来てしまいました。
懐かしかったので、マーキングしておきます。

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[1640]ようこそ。投稿者:小矢野哲夫
投稿日:2015年09月28日 (月) 05時17分
河原様
ようこそお立ち寄りくださいました。
現在この掲示板はほとんど動いていません。
半年振りです。

[1638]新・ことばの路地裏 第417回(最終回)言いさし文 投稿者:小矢野哲夫

投稿日:2015年03月26日 (木) 05時09分

言いさし文

 文は基本的に主語と述語からなる。述語は主語について述べる部分である。この基本原則が、話し言葉では成り立たない場合がある。述語だけが表現されたり、述語以外の主語や目的語などだけが表現されたりする。探し物をしていて「あった」と述語だけを言う。ポケットに手を入れて「あ、財布が」とつぶやいて、財布がないことを表す。消灯してほしいときに「電気を」と相手に告げる。述語だけの表現にくらべて、主語や目的語などだけの表現は言いさしているという印象が強い。発話の状況によって述語を補うことができるために言いさしの表現が成り立つのだと考えられる。
 テレビドラマ『出入り禁止(デキン)の女〜事件記者 クロガネ〜最終回スペシャル』(ABCテレビ 2015年2月26日放送)を見ていて言いさしの文がやたらと出てきて、わざとらしさを感じた。その一端を紹介する。(上向きの矢印(↑)は上昇調イントネーションを表し、下向きの矢印(↓)は下降調イントネーションを表す。【 】内に想定される述語を記した)

 不法侵入で警察に突き出しても↑【いいの?】
 (野口都に会えたか)会えました。でも、オーナーがおっしゃてる方かどうかは。【分かりませんでした】
 オーナー、その女性との詳しいいきさつを。【教えてください】
 (オーナーと何こそこそやってるの)オーナーの個人的な。【調査です】
 (何よ)直接オーナーから。【聞いてください】
 (一人だけスタンドプレーされた日にゃ)そんなつもりは。【ありません】
 デスクはデスクの仕事を。【してください】むやみに動かれるとかえって。【迷惑になります】(かえって何よ)

 これだけ抜き出しただけでは「やたらと」という印象は薄いかもしれないが、連続する約4分の間(3場面)に出てきているのである。言いさしの場合、表現の末尾の音声がだんだん小さくなるということもあるが、以上の例は、多少の弱化はあるものの、かなりはっきりと発音されている。このことが耳につく原因となって、やたらに、という印象を受けているのかもしれない。
 断定的な説明になっていないことが心残りである。

 8年間にわたって連載してきた「新・ことばの路地裏」も、定年退職を機にこの回までで。
(2015年3月26日)

[1637]新・ことばの路地裏 第416回 誇張表現 投稿者:小矢野哲夫

投稿日:2015年03月19日 (木) 05時07分

誇張表現

 切なる思いを表現するとき誇張した語句を使うことがある。「非常に」「極めて」「まったく」「全然」など程度強調の副詞はごく普通である。一工夫した表現は心に残るし、相手の心も揺さぶるだろう。
 尾崎紅葉『金色夜叉』の有名な文句を引用しよう。

 「吁《ああ》、宮《みい》さんかうして二人が一処に居るのも今夜ぎりだ。お前が僕の介抱をしてくれるのも今夜ぎり、僕がお前に物を言ふのも今夜ぎりだよ。一月の十七日、宮さん、善く覚えてお置き。来年の今月今夜は、貫一は何処《どこ》でこの月を見るのだか! 再来年《さらいねん》の今月今夜……十年後《のち》の今月今夜……一生を通して僕は今月今夜を忘れん、忘れるものか、死んでも僕は忘れんよ! 可いか、宮さん、一月の十七日だ。来年の今月今夜になつたならば、僕の涙で必ず月は曇らして見せるから、月が……月が……月が……曇つたらば、宮さん、貫一は何処かでお前を恨んで、今夜のやうに泣いてゐると思つてくれ」(青空文庫)

 「来年の今月今夜」「再来年の今月今夜」「十年後の今月今夜」「一生を通して僕は今月今夜を忘れん、忘れるものか、死んでも僕は忘れんよ!」

 「絶対忘れない」といっても概念は伝わる。しかし、間貫一の「今月今夜を忘れない」という切なる思いを伝える表現としては弱い。このような文学的表現は日常生活ではなかなかお目にかからない。
 こんな記事があった。

 大阪市を特別区に分割し、大阪府との間で役所機能を再編する大阪都構想の協定書議案が市議会に提案され、橋下徹市長(大阪維新の会代表)と野党が論戦した。共産市議が都構想を「百害あって一利なし」と切り捨てると、橋下氏もムッとした様子で「今の大阪府・市のほうが『一万害あって一利なし』だ」。
 http://www.sankei.com/west/news/150228/wst1502280015-n1.html,2015.2.28 11:00

 この中で橋下市長が使った「一万害あって一利なし」というのは、もちろん「百害あって一利なし」をもじったものである。橋下徹氏はこういった誇張表現を時折使う。2012年11月2日の報道で、大阪府知事選挙への出馬の可能性を問われたとき「2万パーセントありません」と答えた。これは結果的にウソであった。タレントの真鍋かおり氏が参院選への出馬の可能性を問われて、「2億パーセントありません」と答えたという。(2013年2月24日の報道) 橋下談話を踏まえたものと考えられるが、2万が一気に1万倍の2億に跳ね上がった。このような誇張表現にはどんな効果があるのだろう。あるいは、どれほどの効果があるのだろう。「200パーセント」とか「120パーセント」といった、従来も使われていた表現でも十分である。
 テレビドラマ『半沢直樹』で、「百倍返し」が決めぜりふであった。冠婚葬祭のときのお返しには相場が決まってないために、半返し、倍返し、三倍返しなど、どれを採用したらよいのか、毎回、悩むことになる。
 1万とか2億は誇大表現である。誇張表現には誇大表現のほかに、極小表現を使うこともある。「びた一文」「一銭たりとも」「ねずみ一匹」など。
 ドラマ『ロングバケーション』の中に次のような表現がある。

 「あと、安心して。私、年下には1ミリも興味ないから。あなた襲うなんてこと、ないないない」
 「ぼくも、年上には1ミクロンも興味ないですから」(第1回 葉山南と瀬名秀俊の会話)

 「百倍返し」や「1ミリも」「1ミクロンも」など、テレビドラマで使われた言葉は流行することがある。工夫した誇張表現も人口に膾炙するくらいに受け入れられるなら面白いが、事あるごとに誇張表現をすると、「またか」といった印象を持ってしまう。
(2015年3月19日)

[1636]新・ことばの路地裏 第415回 鳥取県御国言葉ノ酒 中部 投稿者:小矢野哲夫

投稿日:2015年03月12日 (木) 04時31分

鳥取県御国言葉ノ酒 中部

 御国言葉ノ酒とは何か? ノ格の名詞と名詞との組み合わせは多義で、理解が難しい。御国言葉は方言のことだから、方言の酒? 鳥取県酒造組合が企画した、鳥取県の旧国名、因幡・伯耆の言葉を名前に付けた地酒である。地酒を愛する鳥取県民応援団を「鳥取飯酒」(藩主に掛けている)と称し、第3金曜日を地酒で乾杯する「三金交代」(参勤交代に掛けている)としゃれている。ポスターに「がいに旨い『鳥取の酒』を、まんぐるじゅうで飲んでごしないな。」と書いてある。「とっても美味しい『純米酒』を周りの人みんなで飲みませんか。」という意味だ。
 鳥取県を東部(因幡国)の千代(せんだい)藩、中部(伯耆国の東部)の天神藩、西部(伯耆国の西部)の日野藩に分け、それぞれの藩で造られる地酒にお国言葉で名前を付けた。「がいに」は西部、「まんぐるじゅう」は東部、「ごしないな」は中部の言葉としてある。
 選りすぐりの鳥取県方言が銘柄の名前になっていると思われる。(以上、既出)
 中部の天神藩は7銘柄ある。「すいたやに」「たばこしょいな」「きょーてー」「なんだいや」「よからぁで」「かっさま」「ごしないな」。これらの名称の語をすべて筆者は知っている。やはり生まれてから19年間過ごした土地だけのことはある。
 「すいたやに」(高低低高低)(好いたように、好きなように)は「おまいのすいたやにせいや」(お前の好きなようにしろ)と使う。「や」は「やう(様)」の開音の短呼形である。「やあ」と伸ばすこともある。
 「たばこしょいな」(低低低高低低)(一休みしようよ)。「な」は「や」にもなる。「なんだいや」(低低高低低)は主に男性が使用し、年配女性も使うことがあると思うが、若い女性は使わないのではないか。少し乱暴な響きがある。相手を咎めたり、出来した事態について驚きの気持ちを表す。女性なら「なんだいな」と丁寧に表現する。あるいは「なにい」(低高低)と言うか。助詞の「な」と「や」はじっくり考察してみる必要がある。
 「きょーてー」(高高高低)これは古語の「気疎(けうと)し」に由来すると聞いている。「きょーとい」とも言う。
 「よからぁで」(低低高低低)は「よいだろう」という意味で「良からう」(=良かろう)に助詞の「で」が付いたもの。(この「で」を説明するのはなかなか難しい)
 「かっさま」(低低低高)は「いかさま」が語源ではないかと考えているが断言はできない。驚いたりあきれたりしたときに発する感動詞である。
 「ごしないな」(低低高低低)は授受動詞(他者が自分にくれる動作を表す)「ごす」の敬語形「ごしなる」の命令形に働きかけの助詞「な」が付いたもの。「ないな」は動詞の連用形に付いて、勧誘、催促、命令、依頼などを表す。「食べないな」は口調によって勧誘になったり催促になったりする。
 以上は母方言だが日常的な使用から半世紀近く離れているので実感が薄れている。実感を取り戻せるだろうか。
(2015年3月12日)

[1635]新・ことばの路地裏 第414回 鳥取県御国言葉ノ酒 西部 投稿者:小矢野哲夫

投稿日:2015年03月05日 (木) 05時30分

鳥取県御国言葉ノ酒 西部

 御国言葉ノ酒とは何か? ノ格の名詞と名詞との組み合わせは多義で、理解が難しい。御国言葉は方言のことだから、方言の酒? 鳥取県酒造組合が企画した、鳥取県の旧国名、因幡・伯耆の言葉を名前に付けた地酒である。地酒を愛する鳥取県民応援団を「鳥取飯酒」(藩主に掛けている)と称し、第3金曜日を地酒で乾杯する「三金交代」(参勤交代に掛けている)としゃれている。ポスターに「がいに旨い『鳥取の酒』を、まんぐるじゅうで飲んでごしないな。」と書いてある。「とっても美味しい『純米酒』を周りの人みんなで飲みませんか。」という意味だ。
 鳥取県を東部(因幡国)の千代(せんだい)藩、中部(伯耆国の東部)の天神藩、西部(伯耆国の西部)の日野藩に分け、それぞれの藩で造られる地酒にお国言葉で名前を付けた。「がいに」は西部、「まんぐるじゅう」は東部、「ごしないな」は中部の言葉としてある。
 選りすぐりの鳥取県方言が銘柄の名前になっていると思われる。(以上、既出)
 鳥取県西部、日野藩の銘柄。「ばんじまして」「ええしこ」「がいな」「がんじょ」「あげ そげ どげ」の5銘柄。
 「がいな」と「がんじょ」は中部でも使う。「がいな」は大きいという意味で、愛媛県や香川県の方言にも「がいげな」「がいに」といった類似形式がある。毎年8月に米子市で行われる「米子がいな祭り」はこの方言を使っている。「がんじょ」は形容動詞で仕事に精が出る、よく働くといった意味である。頑丈と関係があると思われる。倉吉では「あの人はがんじょなけ」「あんたぁがんじょななあ」などのように使う。「ばんじまして」はこんばんはという夜の挨拶。「晩じる」という動詞の丁寧な連用形である。「ええしこ」は聞いた記憶がかすかにある。いい具合にという意味の副詞である。「あげ そげ どげ」は、あんな、そんな、、どんなに相当する指示語である。指示語の方言形は各地のものを比べてみると面白い。倉吉市では、連体詞が「あがな そがな どがな」で、副詞が「あがにい そがにい どがにい」である。愛媛県では「あがいな そがいな どがいな」「あがいに そがいに どがいに」が対応する。
(2015年3月5日)

[1634]新・ことばの路地裏 第413回 鳥取県御国言葉ノ酒 東部 投稿者:小矢野哲夫

投稿日:2015年02月26日 (木) 04時02分

鳥取県御国言葉ノ酒 東部

 御国言葉ノ酒とは何か? ノ格の名詞と名詞との組み合わせは多義で、理解が難しい。御国言葉は方言のことだから、方言の酒? 鳥取県酒造組合が企画した、鳥取県の旧国名、因幡・伯耆の言葉を名前に付けた地酒である。地酒を愛する鳥取県民応援団を「鳥取飯酒」(藩主に掛けている)と称し、第3金曜日を地酒で乾杯する「三金交代」(参勤交代に掛けている)としゃれている。ポスターに「がいに旨い『鳥取の酒』を、まんぐるじゅうで飲んでごしないな。」と書いてある。「とっても美味しい『純米酒』を周りの人みんなで飲みませんか。」という意味だ。
 鳥取県を東部(因幡国)の千代(せんだい)藩、中部(伯耆国の東部)の天神藩、西部(伯耆国の西部)の日野藩に分け、それぞれの藩で造られる地酒にお国言葉で名前を付けた。「がいに」は西部、「まんぐるじゅう」は東部、「ごしないな」は中部の言葉としてある。
 選りすぐりの鳥取県方言が銘柄の名前になっていると思われる。
 まずは、千代藩の銘柄を見てみよう。「まんぐるじゅう」「えらい」「あっとろしい」「しょうから」「がんじがんじ」の5銘柄。
 「えらい」(疲れた、体が苦しい)と「しょうから」(腕白、いたずら者)は中部でも使っていた。「えらい」は体の状態を表す形容詞だが、「偉い」と同音で、他県の人には自慢しているように誤解されることがある。「しょうから」は「性が辛い」ではないかと推測されるがどうだろう。「がんじがんじ」(よく噛む様子)は幼児語として知っている。中部の倉吉では「ようがんじがんじするだあぜ」(よく噛むんだよ)、「がんじがんじしないよ」(よく噛みなさいよ)のように使い、よく噛む様子を巧みに表現していると思う。
 「まんぐるじゅう」(周りのものみんな、そこらへん)と「あっとろしい」(びっくりした)は聞いたことがない。語源も推測できない。「あっとろしい」は「おっとろしい」(恐ろしい)と関係するのだろうか。単純に「お」が「あ」に変わった語形だろうか。
(2015年2月26日)

[1633]新・ことばの路地裏 第412回 タバコ(に)する 投稿者:小矢野哲夫

投稿日:2015年02月19日 (木) 04時48分

タバコ(に)する

 タバコは江戸時代に日本に持ち込まれ、栽培されるようになった。鳥取県中部の砂地でも栽培されていた。これを喫煙用にしたのは18世紀のころだと思われるが、「タバコ(に)する」という表現で、タバコを吸う(のむ)、一服する、一休みするというように意味が派生してきたようだ。
 鳥取県の方言に「タバコ(に)する」という表現がある。子どもでも使っていた。子どもが喫煙するわけはないから、一休みするという意味である。
 昼タバコという語もある。これは昼休みという意味だが、野良仕事の一休み。畦に座って握り飯を食べる、大人はキセルでタバコを吸うといった光景がふさわしい。
 筆者自身も子どものころ、タバコ(に)するという表現を使っていた(ように思う。遠い記憶)。大人に対しては丁寧な物言いの「ちょっとタバコしょいな」、同輩に対しては(若い女性は使わないと思う)「ちょっとタバコしょいや」と表現する。
 インターネットで検索していたら鳥取の方言ラベルの地酒「方言のお酒」がヒットした。その中に「たばこしょいな」があった。ほかには「かっさま」「すいたやに」「よからぁで」「なんだいや」。「鳥取県御国言葉ノ酒」というのもあった。「まんぐるじゅう」「がんじがんじ」「えらい」「ごしないな」「あっとろし」「ばんじまして」「あげ、そげ、どげ」「ええしこ」「がんじょ」「きょーてー」「しょうから」「がいな」。この中には知らない方言、知っているけど地域が異なっていて使わない方言がある。機会を改めて取り上げたい。
(2015年2月26日)

[1632]新・ことばの路地裏 第411回「何人たりとも」「何人も」 投稿者:小矢野哲夫

投稿日:2015年02月12日 (木) 04時19分

第411回 「何人たりとも」「何人も」

 「たりとも」は基本的に「一円」「一度」「一日」といった最小値を表す語について、それにかかわる事態の成立を否定する表現である。「国会会議録」を検索していて気が付いた。この原則的な表現とは異なるものが少なからずヒットしたのである。それは「何人たりとも」で、第1回の国会から現在(平成27年1月30日)までに59例を数えた。決して多くない数である。
 留学生に日本語を教えていたとき、「何人」の読み方を話題にすることがあった。人数を表す「なんにん」と、国籍を表す「なにじん」とがあると説明した。「何人」にはほかにも読み方がある。「なにびと」「なんびと」「なんぴと」で、自分自身は「なんぴと」と理解している。多く「何人も」の形で「いかなる人も」「すべての人は」という意味を表す。
 日本国憲法に「何人も」が18例使われている。「その賠償を求めることができる」(第17条)、「自由を有する」(第21条)、「裁判を受ける権利を奪われない」(第32条)など、すべて文の主語である。
 「国会会議録」では「何人も」の形が膨大にヒットする。しかし、その半数近くは「なんにん」の例であり、「なんぴと」の例は最近の200例中約66%であった。「何人たりとも」に比べると圧倒的に多い。
 「何人たりとも」の使用例は基本的に否定文で使われる。「何人も」で置き換えても差し支えないものがほとんどである。ならば「何人も」と言えば済むのだが、否定を強調する意味合いが強く働いている。
 「これを否定することは何人たりともできないだろうと思います。」(第112回、衆議院予算委員会公聴会、昭和63年2月16日)
 「できない」は59例中10例を数える。
 肯定文でも使われる。
 「これは何人たりとも意見を述べることは日本国憲法が保障しているわけで」(第159回、衆議院文部科学委員会、平成16年5月18日)
 面白い例としては「何人も」と「何人たりとも」が共存しているものがある。「何人も」を「何人たりとも」と言い換えているのである。
 「この法律に書いてありますように、『何人も』とあるのでありますから、何人たりとも特殊な政治的目的をもって教壇を蹂躙しようとするようなことをする者があればそれを取締る、こういうのでありますから」(第19回、衆議院文部・労働委員会連合審査会、昭和29年3月17日)
 さらに面白いものとして、「何人といえども」という発言を受けて「何人たりともとは何事です。」と非難する例がある。(第10回、衆議院水産委員会、昭和26年5月28日)
 「何人たりとも」は「何人も」と言えば足りるところを、強調する気持ちで使われた少数例である。
(2015年2月12日)

[1631]新・ことばの路地裏 第410回 一円たりとも 投稿者:小矢野哲夫

投稿日:2015年02月05日 (木) 04時44分

一円たりとも

 ウエブの記事を読んでいて違和感を覚える表現に出合った。

 「おふくろは、入院後も連載の執筆活動など、仕事は続けていました。入院前に収録したものがオンエアされることもありましたし、ギャラの発生する仕事はやっていたんです。それなのに、入院した昨年7月以降、おふくろの口座には1円たりとも入金されていなかったんです」(2015年01月15日 07:11 NEWSポストセブン)
 http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=125&id=3226320

 この記事の「1円たりとも」が述語とマッチしていないと感じた。「1円も」と表現すれば足りるケースである。「たりとも」を使うときには、「たとえ……であっても」といった仮定のニュアンスが伴っているだろう。さらに否定的な表現となじみやすい。「1円たりとも入金しない」という表現ならば安定する。
 「たりとも」の用例を集めてみた。
 「国会会議録(平成22年1月30日から平成27年1月30日までの間)」から202例を集めた。
 「国会会議録」では「一円」「一時」「一度」などのようにほとんどが「一(いち、いっ、ひと)」の付く表現である。最小の数を示してそれを事態の成立を否定する。他に、一ミリ、一秒、一件、一瞬、一歩、一名、一銭、一粒、一時、一寸、一滴、いっとき、一分一秒、一字一句、一ベクレル、一頭、ひととき、一行、一視聴者、一ドル、一年度、一ピース、一文、一兵、一平米、一枚、一物、一文言、一戸、一校、一体、一点、一つ。特別なものに「かけらたりとも」というのがあった。
 用例数の多い事例は「一円」48件、「一度」21件、「一日」20件、「一人」13件で、上位4形式で全体の50%を占めている。
 「1円」の例では「無駄にしない」といった述語が17例ある。これ以外はたいていが他動詞による表現である。冒頭の違和感を覚えた表現は「入金されていなかった」という受身の形で結果を表現している。「1円たりとも入金しない(しなかった)」のように表現すれば落ち着くけれども文意が変わる。当該事例は「たりとも」を使わず「1円も」を使って全否定をすれば足りる表現だと考えられる。
(2015年2月5日)

[1630]新・ことばの路地裏 第409回 あっだけ 投稿者:小矢野哲夫

投稿日:2015年01月29日 (木) 04時23分

20150129 あっだけ
 鳥取県倉吉市の方言に「あっだけ」という表現がある。ウエブの辞書「ごんべの鳥取弁辞書」に3種類の用法について記述がある。かなりさび付いてしまったと感じられる自分自身のネイティブとしての感覚では、もう一つ、用法があるように思われる。「ごんべの鳥取弁辞書」の記述を筆者の用語で記述してみる。

 あっだけ(1)指示代名詞「あれ」の促音形「あっ」+断定の助動詞「だ」+理由を表す接続助詞「け」 アクセント:低低高低
  あいつはいっつもあっだけ(あいつはいつも{あんなふう/ああ/あれ}だから)

 あっだけ(2)指示代名詞「あれ」の促音形「あっ」+限定を表す副助詞「だけ」 アクセント:低低低低
  あっだけ注意しただけど(あれだけ注意したのだが)

 あっだけ(3)動詞「ある」の促音便形「あっ」+断定の助動詞「だ」+理由を表す接続助詞「け」 アクセント:高低低低
 いろんなやり方があっだけ(いろんなやり方があるんだから)

 そして、第4の用法である。

 あっだけ(4)動詞「ある」の促音便形「あっ」+限定を表す副助詞「だけ」 アクセント:高低低低、単独の場合は高低低高
  倉庫にあっだけ持って来ていな(倉庫にあるだけ持って来てくれ)
  なんぼ持って行ったらええ? あっだけ。

 以上のことから次のことがわかる。
倉吉方言では
指示代名詞「あれ」が「だ」「だけ」に続くとき、「あっ」と促音化する。
動詞「ある」が「だ」「だけ」に続くとき、促音便化する。
(1)指示代名詞「あれ」+「だ」+「け」低低高低
(2)指示代名詞「あれ」+「だけ」低低低低
(3)動詞「ある」+「だ」+「け」高低低低
(4)動詞「ある」+「だけ」高低低低、(単独では)高低低高

 (3)と(4)が同じアクセントになることがあるが、文中で現れる位置が異なるので混同することはない。
(2015年1月29日)

[1629]新・ことばの路地裏 第408回 孫育 投稿者:小矢野哲夫

投稿日:2015年01月22日 (木) 04時50分

孫育

 知育、徳育、体育、美育、愛育、生育、成育、共育、教育、療育、養育、食育、飼育、慈育、発育、肥育、扶育、傅育、覆育、撫育、保育、訓育、薫育。後項要素が「育」となる熟語はほとんど音読みである。
 そこへ、新たに「孫育」という語が加わった。音読みで「そんいく」とはならない。「まごいく」と読む。孫を育てることである。漢字を使った熟語の構成の観点からすると、目的語と他動詞が一語になるとき、「読書」(書を読む)のように他動詞+目的語名詞という形式をとるものが多い。漢語が基になっているのである。しかし、「孫育」は訓読みと音読みが合わさった湯桶読みとなっており、かつ、目的語が前に来て動詞があとに来るという、漢語の決まりには合わない、日本語の構文の語順を反映している。
 「育児」にならって「育孫」として「いくそん」なる語を新しく作ることも、理屈の上では可能である。しかし、「いくそん」と耳で聞いて孫を育てるという意味を連想するのはかなり難しい。「まごいく」なら、「まご」をどうにかするのだろうという当たりをつけることができる。
 ところで、わざわざ「孫育」という語を作らなくても、「孫育て」という語がある。公益社団法人日本助産師会が主催する「楽しい子育て・孫育て講座」というものがあり、NPO 法人孫育て・ニッポンという団体もある。従来の子育ての主体(親)と対象(子)が変わり、祖父母が孫を育てるという事態が顕著になってきているようだ。
 個人的には「孫育」より「孫育て」のほうが、用語の上では素直でいいと思っている。しかし、どちらの用語もまだ頻繁に口をついて出てくるようにはなっていないと感じられる。どちらが定着するのだろうか。
(2015年1月22日)


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