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[324] 7分
空 - 2006年04月27日 (木) 01時23分

映画のワンシーンのように、唇がゆっくり離れた

やっと呼吸することを許された私は思い切り肩で息をして
下からその顔を睨みつけた、この不敗感
たった今さっきまで私の口を塞ぎ、舌をねじ込みぐちゃぐちゃにしていった男の顔だ。
 
「何のつもりかな 上田君」
「キス?」
「そういうのじゃなくて「好きだからじゃ理由になんない?」
「  順番てものがあると思うんだ」
「そっかごめんね」
誤りの言葉を並べられてみるが反省の色を微塵も感じない
その訳に当てはまるのは未だに私がコンクリートの冷たい壁に
かなり強い力で押さえつけられているから

さっき、たった5分程前までは只の友達同士だったのにこんな状況はおかしい 展開は読めた物の彼の行動が未だに読めない

「....上田君、私に恋人がいるの知ってる、よね」
「? うん」
「だったら「そいつとは別れて俺と付き合えば良いよ」
「あのね「将来性も顔もそいつより自信あるよ?
絶対俺の方が幸せにできると思うし...優良物件?」
「....]
「ね、お願い俺の物になって?」

どうしてこの人は交も自信たっぷりにそうゆう事いえたりするんだろ
でもバカな私にでもわかる彼の方が断然優良物件だって

「 私のことさ、いつから好きになったの?」
「ずぅっと前」「ずっと前?」
「うん、彼氏何て出来る前からずぅっと、で、最近になって
チャンスが巡ってきたからちょっと攻めてみたんだ」
「チャンス?」
あいにくだがそんな物私はあげた覚えもなければ作った覚えもなかった
「うん、最近あの男他の女の方に目がいってるから、お前が泣く前に奪ってやろうと思って」
「!...]

知ってるんだ、全部、確かに最近何となくそんな気がしてた
そして私自身も何となくそんな彼氏に対して熱が冷めかけていたことも
その熱が今目の前にいる男に移りかけている事も
きっと彼の計算のうちだろう
私も随分と分かりやすい人間になった物だと軽く冗談のように笑う

「上田君が私のこと理解してくれるのはわかった、
でもさそんな優良物件って他の誰かに買収とかされたりしないかな?」
「ん?大丈夫だよそんなこと」
「...飽きられて捨てられるかもしんな「それもない」

私の表情とは明らかに対比する彼の表情とどこから来るのかその自信
きっと彼は最終的に私にyesといわせる方法を何通りも用意している
初戦はその手の内のなか、私はそこで踊るしかないようだ

「...わかった考えてみる、だからとりあえず離して...?」
「ホント?嬉しいな、1週間、ううん一日もあれば考えるどころか
okださせる自信あるよ俺」
「....へぇ」

普通のそこらにいる男位ならとうてい無理な課題を
きっと彼はさらりと何事もなかったかの用にやってのけるんだろうな

「じゃぁ私の一日をあげるから、それ相応に楽しませてね?」
「勿論」
 そういうと私の顎をくい、とスプーンですくいとるように
長くて綺麗な指で持ち上げるとたった数分前まで重なっていた唇を
もう一度深く落とす
 あぁ落ちたな と、うっすらとしか起動していない
頭のどこかでそうぼんやりと 確信をもって思った
 














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