■
自然を甘く見る愚 |
■
ゴエン(管理・責任者)
(287)投稿日:2003年08月08日 (金) 00時24分
メール
ウェブサイト
|
「消防の中止要請“無視”…34人孤立の花火大会主催者」(読売新聞) 5日の夜,多摩市の多摩川で行われた花火大会で,打ち上げのために中洲にいた花火師ら34人が川の増水で取り残され,ヘリコプターで救助される事態になりました。 この日,関東では内陸部や山間部を中心に広い範囲で激しい夕立があり,会場の多摩市や,多摩川の上流部も例外ではありませんでした。地元消防では,川の増水の危険に加え,花火の点火の配線に落雷した場合の危険も考慮して,再三にわたり中止を要請したにも拘わらず,主催者の多摩商工会議所は,会場付近の雨が小降りになったという実に浅はかな根拠で大会を強行。その結果,前述の通りの事態を招いて,1時間も経たずに中止になりました。
このニュースを聞いて思い出したのが,丁度4年前,神奈川県の丹沢山中で起きた事故です。キャンプに訪れた親子連れらが,地元の人達の再三の警告を無視して川の中洲,それも曲がった流れの外側にテントを張りました。そして翌朝,突然の大雨で増水した川に流され,13人が水死しました。 自分の判断だけでは動けず,大人を説得する力もない子供達はかわいそうですが,これで死んだ大人達は自業自得でしょう…なんて書くと「死者に鞭(むち)打つのか」と言い出す人がいたり,「行政の責任だ」という投書が当時の新聞に実際に載ったりもしましたけれど,こんな事故は,小学校水準の理科の知識と,自然を甘く見ない心掛けがあれば防げたと断言できるものです。
川に限らず海や山でも最近,安易な考えが招いた事故が増えています。しかし今回の花火大会での事故は定めし,会場設営や観客誘導,それに金銭といった面での負担を嫌がって大会を強行した,悪い意味での合理化の発想から生まれた人身軽視の判断の産物でしょう。主催者側の責任者は,何らかの刑事責任を問われてもいいのではないでしょうか。 |
|
|
|
|
■アウトドアガイド/N1-Max北斗
(288)投稿日 : 2003年08月11日 (月) 07時00分
メール
ウェブサイト
|
|
確かにこれは、ちょっと気をつければ未然に防げる事ですね・・・。自然の脅威は我々人間でも予想できない事が多い為、仰るとおり甘く見てはいけないと思います。
こちらでも春先になると、毎年決まった様に『山菜取りに出かけた人が行方不明になった』と言うニュースが流れます(特にクマですね・・・・)。また登山等が簡単に出来る様になった為、夏から秋にかけての(登山を含む)アウトドアスポーツで、自然の脅威を知らないまま行く人(主に内地からの観光客など)の事故が後を絶ちません。
そう言った事故を防ぐ為、こちらでは『北海道アウトドアガイド』と言う資格制度が誕生しました。ジャンルは山岳・登山関係の他、カヌー・ラフティングがあり、自然の脅威に対する安全対策からスポーツのマナー、それからサービスとなっています(ここの自然が絡む為、道独自の資格になっています)。民間資格ではこう言った制度は多くあると思いますが、行政のお墨付きとして誕生したのは恐らくこれが初めてではないでしょうか。
まだ昨年誕生したばかりのホヤホヤの資格ですが、今後資格取得者が増えるに伴って、今回の花火主催者の様にサービス重視の安易な考えのガイドが出て来ないかが心配です。 |
|
|
|
|
■自然を甘く見ない事を常識に…/ゴエン
(292)投稿日 : 2003年08月12日 (火) 23時46分
メール
ウェブサイト
|
|
N1-Max北斗さんから↑の様なレスを頂いた矢先,こんなニュースが流れましたね。(共に毎日新聞より) 幌尻岳:台風被害で29人下山できず 北海道 幌尻岳:豪雨で足止めの登山客全員を救出 北海道 日高山脈の最高峰・幌尻(ぽろしり)岳に登山した35人が,台風による予想外の大雨で中腹の山小屋に足留めされ,加えて大雨で登山道が崩落して下山できなくなってしまって,うち29人が自衛隊のヘリで救出されました。その間,食料が不足し,救助とは別に自衛隊が食料を空輸しています。 残り6人は大学生のパーティで,自力で下山したそうです。一方,29人中18人はツアー客でした。この点についてNHKのテレビニュースで識者の談話が流れていましたが,標高2000mを超える幌尻岳に自分で登ろうという人にはそれなりの心構えがあるが,ツアーの場合は商品上も余裕のない日程を組んでいるし,客も「連れってってもらう」感覚で,予備の食料を持って行かなかい傾向が強いというものでした。
商品としての採算性に振り回される旅行業者は勿論ですが,自然に入る機会が減った(登山ブームといっても,昔は日常生活で山に入る人だって珍しくなかった昔に比べれば…)事で,一般の人に心構えが自然と伝わる事も期待できなくなってきましたし,学校の体育教員などでさえ,そういう心得のない人がいておかしくない様に感じます。資格制度を全国に広めるだけでなく,普段の啓発活動などで一般の意識を高める必要もあるでしょう。 |
|