言葉の森へようこそ。
mente
夏の頃 暑い暑いと口にして 冷たい水を飲み干した 秋風が吹き抜けて 何もかもが セピア色の染まっていく 行き後れたトンボが戯れる 色あせた夏の思い出 一緒に取り残された 秋桜の花が咲く頃 あなたの街も秋一色
思い出の中の 秋の夕暮れ幼い弟や 母や父 そして祖父もいてみんな生き生きと働いていた僕が遊びまわった山や森や草の土手なんにも心配なんてなかった幼い日風の中 自転車を走らせて夕暮れの街を見下ろす丘の上いつの間にか草丈よりずっと背が伸びている僕がいた見上げれば 宵の明星 眼下には街のあかりがまたたく晩秋の風にコスモスが揺れる秋の丹波ぼんやりと見つめている僕の長い影風の中に故郷の匂いを求めて切なく立っているおとうさ〜ん 早く帰ろう寒くなったよ