[36] Legend of rainbow |
- 鬼神 黒帝 - 2003年09月05日 (金) 16時37分
上の2話、サブタイトル書き忘れてた。 第一話 〜序章〜 ・ 第二話 〜悲しみと強さ〜 です。
第三話 〜旅〜 次の日の朝セレンたちはギルドにいた。 ココの換金方法はいたって簡単である。 モンスターには必ず心臓部に『コア』という石がある。 それを持っていけば、モンスターは必ず死んだといえるし、 その色・形は、モンスターによって様々なので判りやすいのだ。 紅龍の『コア』は、正六角体のような形で、真紅色をしていた。 「で、親父さん、いくらですか?」 セレンがカウンターの親父に尋ねる。 「聞かんでも手配書に書いてあるじゃろうが。1,000クロスじゃな。」 (この世界の通貨単位。1クロス約1,000円。 ちなみにこの世界の最小通貨単位はレイト。1クロス100レイト。) 「いや、だって換金するときに値段がつりあがっていた、 何て事もあるでしょう?」 「ほんの何百分の一の確立じゃい。あきらめろ。」 セレンはぶつぶつ言いながらギルドを出た。 「で?いくらだった?」 外で待っていたルアフが聞いた。 「1,000クロス。」 「やっぱりかぁ。ま、どの道ものすごい価格なんだからいいだろ。」 「まあな。」 セレンはやっぱりどことなく不満そうだ。 「ところでルアフ、唐突だが俺、旅に出るわ。」 「ホントに唐突になんやねん!!・・・・・・・・・何で?」 「いや、前々から旅をしようとは思っていたんだが、今回ので 旅に出るときの目標金額の、3,0000クロス貯まったからさ。」 「・・・・・・ものすごい値段をさらりと言うな。」 ルアフはしばし考えた後、 「あのさぁ、俺もついていって・・。」「ついていっていい?? 何て聞くなよ。」 またもや自分の台詞を先に言われたルアフはしばし固まった後、 「・・・・・・レイアも連れて行くから。よろしく。」 レイアとはルアフの妹のことだ。 「誰がいいといった!!それによけい悪いわ!!!」 「はぁ、わかってるよ。金は自分らの用意するって。」 「いや、そういう問題じゃなしに。」 「冒険に危険はつきものとか言う気か??あいにく、 俺もレイアも弱くはないぞ。 それとも俺ら兄妹がいるとうるさいからか?」 セレンはふうと息を吐いた後、 「そうじゃなくて(それもあるが)、 俺のためにお前の生き方を変えるなってことだよ。」 「コレは俺が決めたことだからいいんだよ。それに今回の旅の目的も大体わかる。 ・・・・『あの事件』の犯人であるあの男を捜すんだろ。」 セレンはしばし沈黙した後、 「勝手にしろ。」 とだけつぶやいて、家に帰っていった。
翌日、早朝にルアフと、あと一人うすいアメジストの長髪に、紫の瞳の少女が セレンの家の前にいた。 「なぁ、兄貴。セレンまだ?」 「遅いよな。・・・・・もしや!!」 ルアフは扉をこじ開けた。と、ルアフの予想通りセレンは ベッドで爆睡していた。 「起きんかい!!」 ルアフがベッドの近くで叫ぶと、高速でセレンの長刀がルアフのほほをかすめて、壁に刺さった。 ルアフが固まっていると、 「だめだよ、兄貴。こうしなきゃ。」 と、レイアがセレンの額に御札を貼った。そして、 「爆。」 と、言ったとたんに御札が爆発した。 一時たって、セレンがムクリと起き上がる。 「ほらね、兄貴。起きたでしょう??」 「あぁ、やり方としては賢明だろうな。 でも、後のことをもうちょっと考えたほうがいいかもな。」 その後に周辺住民に聞くとその日は赤い雨が降ったという。
「あと、2〜3kmで森の町フォレスだよ。」 地図を見ていたなぜか無傷のレイアが言った。 「そうか。着いたら旅の道具を買い込まないとな。」 顔面中ぼこぼこのルアフが言った。 「・・・・まず、病院に行ったほうがいいんじゃない?(見苦しいし)」 「・・・・・・そうする。(俺を盾にしやがったくせに)」 セレンはそのことを気にもとめずに歩いている。と、目の前に何かが現れた。 ジェル状の生命体。スライムだ。 「お。お決まりの最弱モンスターだ。」 ルアフが言った。 「と、言っても普通の人よりは強いでしょう?」 レイアが言う。 「スライムってカビやすいんだよな。」 セレンが全然関係のないことを言う。 「水につけとけよ。」 ルアフがそれに答える。と、どうのこうのしている間に レイアがちゃっちゃとかたづけた。 「コア出たけど、どうするの?」 「そんなもん換金できたもんじゃないだろ。」 セレンが言う。 「それもそうね。」 レイアが答えた。 「お、フォレスが見えてきたぞ!!」 まだ顔面中ぼこぼこのルアフが叫んだ。 目の前には広大な森が広がっていた。
続く
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