| [99] わたしのゆめ。 |
- うにょ - 2004年04月11日 (日) 12時17分
「ねぇ！リボンは大きくなったら何になりたい？」
「…ぇ？」
アドがいきなり話をもちかけた。
アドとは、黒髪に赤い帽子をかぶっていていつも元気で
明るい少女。
「とくにないかなぁ･･」
苦笑いをしながら、リボンと呼ばれた
私は答えた。
夢なんて必要なのかなぁ？
そして、アドに聞き返してみた。
「アドちゃんは何になりたいの？」
少し笑っているように見えた。
「私は絵描きさんになりたいな」
・・・へぇ。。
アドは、絵が上手いから
きっとなれるよ。
でも私は・・
「リボンも夢をもてばきっと
楽しいと思うよ！」
「…うん。」
あまりいい返事はできなかった。
アドは優しく笑いかけてくれるが、
私には納得できなかった。
夢ってなんだろぅ…？
帰り道の途中、ふと頭の中にそんな気持ちがよぎった。
世間のみんなは夢をかなえるため
と言って騒いでいるが、どうも
理解できない。
私も夢をもてたら、何かいいことが
あるのかなぁ？
みんなに聞いてみよ。。
* * * * *
「なによぉ、みんなそろって…。」
リックも、クーも、カインにも
とっくに夢があった。。
「聞くんじゃなかったなぁ…。」
とぼとぼと、家路をいそぐ。
「…カービィはどうなんだろぅ…？」
そうだ！のんびりのカービィなら、
未来なんて考えてないよ！きっと！
やっぱり、まだ将来がきまっていない
仲間が欲しかった。
そこで、カービィの家に向かった。
* * * * *
「カぁービィ〜！！」
「あれぇ？リボン？
いらっしゃぁい」
仲には、ピンクでまんまるで
ボールみたいのが座っていた。
彼がカービィだ。
いろいろな世間話をし、早速
あの話をもちかけた。
「ねぇ、カービィには将来
何になるとかある？」
「うん！！」
…思っても見ない発言だった。
少し戸惑ったが、詳しく聞いてみることにした。
「何になりたいの？」
私は言葉に迷った。
「ボク、いい大人になりたい！」
満面の笑顔で答えられた。
…大人って‥。
生きてれば誰でもなれるじゃない…。
「それって、夢になるのかなぁ…？」
少し、言いにくそうに言った。
すると、少しムッとした感じで答えた。
「イイ大人ってのは、難しいんだよぉ！
だからボクは立派になりたいのぉ！」
…そうか…
誰でもなれそうな夢でも、
その中でも立派になれればいいんだ。
フッとリボンは笑った。
「ありがとう、カービィ」
カービィはきょとんとして、
こちらを見ていた。
その日、私は眠りにつくと、
夜の夢をみた。
すべてが真っ白に包まれているけど、
奥へ進もうとしている。
隣っで誰かと腕をくんで、2人で
歩いていた。
相手の顔を見ると、
ニッコリと笑っている。
…それにつられて
私も笑顔になった。
2人の足が止まる。
相手の顔が近づいてくる。
…だれ？
そこで夢から覚めた。
そして私はやっと分かった…。
思わず口にしてしまった。
「私、大きくなったら、
素敵なお嫁さんになりたい！」
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