[6] 夢と希望を・・・ |
- まんぷくカービィ - 2003年04月05日 (土) 15時05分
「ピクニックに行こう!」 はじまりは、ボクのこの一言からだった・・・。
「ピ・・ピクニックって、あれッスか?全員で山登ったりする・・」 「そうだよ!他に何があるんだよ!」 ボクの家に遊びに来ていた茶色い体をしていて、僕と同じ体系のようなキャラ・・『ワドルディ』があたりまえのことをボクに聞いた。 ・・他に何があるんだよぅ! ・・動揺からかもしれないけど。 「な、なんでそんないきなり・・・」 ワドルディと一緒に遊びに来ていた真っ赤リボンをつけ、背中に透き通るような羽が生えていて、赤い服に身を包んでいる妖精・・・『リボン』がくぐもった声で聞く。 理由といえばもちろん・・・ 「行きたくなったからだよ♪」 これしかないでしょう♪ あれ?赤いベレー帽をかぶり、筆とパレットが特徴的な女の子・・『アドレーヌ』・・通称アドちゃんがため息ついてる・・。 なんでだろ?ボク、変なこと言った? 「もう!いきなり言ったって、用意もなにもしてないじゃないの!」 あ・・そうだった。忘れてた。 ピクニックには、それ相応の用意がいるんだったね。 「・・そうだね。じゃあ、明日にしよ♪」 ・・それでもボクのピクニックに行きたいという気持ちは変わらなかった。 いきなりの思いつきなんだけどね。 「・・わかったわ。明日ね。じゃあ、どこに行くの?ピクニック」 アドちゃんが観念したかのように、ボクに言う。ボクはちょっとだけ、考えて・・・、 「え〜っとね・・。ヨーグルトヤードなんてどう?」 ヨーグルトヤード・・。プププランドで一番大きい山だ。 最近は避暑地として有名だが、今は春。季節が違う。 でも、ピクニックとしては最適だろう。 ボクは、そう思って口に出してみた。 「ヨーグルトヤードッスね・・。わかったッス!明日の朝8時に、ヨーグルトヤードに集合ッス!」 「わかりました。じゃあ、私は準備があるので・・」 ワドルディの言葉を聞き、すぐさまリボンちゃんは外へ出て行った。 「あ、私も。じゃあね、カー君」 「オイラも。カービィさん、さよならッス」 「じゃあね。明日遅れないでね」 ボクは、ドアから出て、手を振る。もちろん、別れの挨拶のために、だ。 さて、ボクも用意が必要だなぁ・・。 あれとこれとそれと・・・。 ・・楽しみだなぁ・・ピクニック。
朝・・すがすがしい朝である。昨日は用意のために、夜遅くまで起きていた。 だから、おきたのは・・8時半。 「ゲゲッ!?やばっ!」 ボクの頭に、警報サイレンがなった。行くべきじゃない!逃げるべきだ!と。 でも、ボクが提案したんだから、行かなくちゃ行けない! ・・ボクはそう決心して、荷物を持ち、外へ出て行った。 ・・なんでシリアス調なんだろう? ・・・ま、いいよね。そんなことは。
「カー君!遅いよ!後でゲンコツの刑だからね!」 ・・やっぱり、予想したとおりだった。 アドちゃんが、ぶち切れ寸前・・・。 やっぱ、来ない方がよかったかもしれない。 「カービィ!ピクニックするんなら、ちゃんとオレにも伝えろよな!」 「あれ?ジョー」 ナックルジョー・・。金髪碧眼。長いハチマキで髪の毛を頭にくくりつけている。ボクのヘルパーで、格闘家。 ものすごく強いんだ♪でも・・ 「ジョーも来るの?」 「ピクニックなんて、足腰鍛えるのに、ちょうどいいじゃねぇか!もちろん、いくぜ!」 ジョーはそういうと、ボクの目の前で、足の体操を始めた。いつのまにか、ジョーの手に持っているラジオから、『夏休みの体操』がかかっている。 ・・何も、今やらなくても・・。 「オレたちもいるぞ!」 ・・?ボクの後ろから声がする。 振り返ってみると・・・ 「あ、チュチュ、ナゴ、リック!」 「久しぶりナゴ。カービィ」 「へっへっへ〜」 「久しぶりね!カービィ様!」 紹介するよ! この、ハムスターみたいなのがリック!早い足と、筋肉がとりえだよ。でも、ネズミって言ったら切れるからね。注意してね。 そして、このネコみたいなのが、ナゴ!三段ジャンプが得意なんだ♪ そして、リボンちゃんみたいなリボンをつけていて、アメーバみたいなピンク色をしたのが、チュチュ! 皆、ボクの大切なお友達。ボクの守るべき物の一つだ。 実は、まだまだ、お友達がいるんだけどね。 「クーとピッチは用事でこれないとよ!」 「カインは、陸に上れないから、来ないナゴ」 クーは、フクロウで、とっても頭がいいんだ♪ ピッチは、小鳥さん。クーのことを尊敬してる、頑張りやさんだよ。 ・・でも、用事っていうの、なんだろう? ・・ま、いいや。 あ、カインは、マンボウだよ。海がカインの家なんだ♪ ・・それにしても、、人数がものすごく多くなっちゃったなぁ・・。 って言うか、なんでジョーたちがピクニックのこと知ってるんだろう・・? 「オイラが電話で伝えたんだッス!」 ・・・ま、いいや。ボクは荷物を持ち直し、山道を見据える。 結構、急な坂。でも、これぐらいがいいと僕は思う。 ・・じゃあ、出発!!
「きゅ・・休憩にしましょ・・」 ・・アドちゃんが早くもリタイヤする。 ・・やっぱり、あの急な坂がいけなかったのかな? ボクはまだなんともないのに。 「だから、足腰を鍛えとけって言ったんだよ」 「なによ!女の子には足を鍛える必要なんてないの!ね、リボンちゃん」 「へ?わ、わたしには羽がありますので・・・」 「ま、お前ぐらいだな。この辺でリタイヤする奴といやぁ」 「・・ジョー、今なんて言った?わたし、許さないわよ」 あ〜、またケンカが始まりそうな雰囲気。 ジョーとアドちゃんはこのとおり仲が悪い。 でも、照れ隠しなのかもしれない・・。 っていうか、アドちゃん、まだ元気あるじゃない・・。 「お二人とも、仲が良いんッスね」 おお!?にらみあっている二人に、勇気あるワドルディが口をはさんだぞ! これは見ものだね! 「・・何が、仲が良いって?」 「ほら、ケンカするほど仲が良いって、よく言うじゃないッスか」 ワドルディは、手振り足ぶりをしながら言う。 あ〜、そんなことよく言うね。 二人とも、なぜか顔を赤らめている。 ・・二人とも、隠し事は出来ないタチなんだね♪ 「さ、カービィさま。あんなバカ夫婦なんかほっといて、行きましょ」 「え?」 チュチュがいきなりボクの手をつかんだ。それと同時に、アドちゃんとジョーがボクをにらむ。 ・・二人の目が、一瞬光ったような気がした。 「誰がバカ(だって・ですって)!?」
「おい、言わなくていいのか?」 ?リックさんがわたしに問いかけてきた。 ・・なんのことでしょう・・? 「あの・・なんのことですか?」 「・・リボンちゃん、カービィのこと、すきなんだろ?」 ・・図星だった。 まさか、リックさんにバレていたとは・・。 恥ずかしすぎて、わたしは手で顔をおさえ、うつむいた。 「で、でも、カービィさんには、チュチュさんが・・」 「実はな、チュチュも知ってるんだぜ?お前の本当の気持ち」 !?・・あの、チュチュさんが? 「お前に早く告白するためにこんなことしてるんだと、オレは思うぜ」 ・・でも、告白なんて、考えただけで、頭から湯気がでてしまいます・・。 ・・私は・・恥ずかしさのあまり・・・、 「か・・からかわないでください!!」 ・・言ってしまった・・。 「・・チェッ・・からかってるつもりはねぇんだけどな・・」 リックさんはそういうと、先に上がったカービィさんたちを追っていった。 ・・わたし、リックさんになんてことを・・。あんなに心配してくれてたのに・・・。 わたしは、リックさんに謝ることにした。
「お弁当ターイム!」 中腹ごろになると、カービィがいきなり振り返って、大声をあげた。 そんなに大声じゃなくても、聞こえてるっての。 「そろそろおなかすいたでしょ?ここ結構広いし、お弁当にしない?」 カービィが皆の方を向き、語りかけてくる。 ・・お前だけじゃねぇのか?おなかすいたなんて。 「ま、まぁ、おなかがすいたしね」 アドは早速シーツを敷き、弁当を取り出し始めた。 ・・すばやい奴だ。 しかも、シーツはクラッコ柄。・・趣味わりぃな。 「ジョー、お昼ご飯にしよ♪」 カービィが、眼をキラキラさせながら、オレに問いかけてきた。 ・・オレ、こんな眼によえぇんだよなぁ・・。 「・・そうするか。オレな、シーツもってくるの忘れたからカービィのとこに入れてもらうぞ」 「うん、いいよ」 オレの問いかけに、カービィはすぐさま答えを出してくれた。 皆で、ワイワイガヤガヤ話し合いながら、食べる昼食。 オレは、いつも一人で食べていた。一人暮らしなんだから、仕方が無いことだが。 だから、オレにはこの皆の話が、とても、うるさかった。 でも、それと同時に、気持ちが良い感じもした。 「・・ま、こんなのも、いいか」
食べ終わった人から、シーツを荷物につめこんでいく。 食べ終えたオイラも、シーツをせっせせっせとシーツをリュックの中に入れたッス。 「じゃあ、出発するよ〜!」 カービィさんの声が聞こえるッス。 オイラは、何か忘れ物はないかと、あたりを見回したッス。すると・・ 「なんッスかねぇ?これ」 ちょっと大きめの石に、レバーがあるッス・・。 ・・これを見たら、なんか動かしてみたくなってくるッス。 ・・悲しい性って奴ッスね。 「どうしたナゴ?」 ナゴさんが、オイラの傍らに来て、声をかけてくれたッス。 ・・ちょっとうれしいッス。 「あの、レバーが気になるッス?」 「・・・カービィ!!」 うう・・ナゴさんがいきなり大声をあげたので、ちょっと耳が痛いッス。 すると、カービィさんがすぐに降りてきてくれたッス。 「どうしたの?ナゴ」 「こんなところにレバーがあるナゴ」 「レバー?」 チュチュさんが、レバーをジロッと見据えると、オイラの前にたち、レバーを握ると、ガコンっとやってしまったッス。 ・・動かして、いいんッスかねぇ・・? 「こんなのはね、動かしてみるものなのよ。・・・?」 チュチュさんが全員の目の前で語っていると、オイラたちの立っているところが揺れ始めたッス。 地震ッスか? でも・・このオイラたちが立っているところだけが揺れているような感じがするッス。 「な・・なんだこのゆれ!?」 さすがのアドさんやジョーさんでも驚いてるッス。 ま、ここにいる全員が驚いてるッスけど。 すると・・・ パカッと、オイラたちがたっているところに大穴が開いたッス。 ・・って、ヤバイじゃないッスか! 「うわああぁぁ!!」 ・・全員この穴へ吸い寄せられるように、落ちていったッス。 ・・ここからがオイラたちの本当の冒険の始まりッス・・。
「もう、ゼロさまは人使いが荒いのサ」 「まったくだ」 「そうだな。いきなり、『予算が尽きたので、金を稼いで来い!』だもんな」 ボクはマルク。ゼロ様の部下なのサ。 ボクの右隣にいる、ダサいサングラスをつけていて、漆黒のマントを羽織っているのは、ナイトメア! 左隣の、マントをつけていて剣を持ち、黒髪ボサボサなのが、ダークマターなのサ! 二人とも、ボクの仲間なのサ! ま、二人ともボクの力にはかなわないのサ。 「・・で、どうするんだ?」 「・・バイトでもするのサ?」 「よせ。わたしは悪夢だぞ。悪夢がどうやってバイトをするというのだ」 「・・それもそうサね・・」 ボクはそうつぶやくと、ため息をついたのサ。 他の奴等も、ため息をつきたいようなのサ。 「ん?」 ダークマターが下をみて、そうつぶやいたのは、ヨーグルトヤードの上空を飛んでいたときだったのサ。 「あれ、カービィたちじゃないか?」 「そうなのサ?」 ボクは下を向いてつぶやく。ボクはカービィという奴をみたことがなかったため、興味がわいたのサ。 カービィとかいう奴の正体は・・ピンクボールだったのサ・・。 しかも、カービィたちは一点に集中されているのサ。 「ちょうどいいな。カービィたちを殺せば、ゼロ様に許してもらえるだろう」 ボクの隣にいたナイトメアが、方向転換して、カービィたちのほうへ向き直ったのサ。 そして・・・ 「ん?なんか様子が変なのサ・・」 ボクが声を上げると、カービィたちの足元にパカッと大きな穴が出来たのサ。 もちろん、カービィたちはまっ逆さまに落ちていったのサ。 その後、穴は閉じていったのサ。 「な?なぜだ?せっかくの獲物が・・」 ダークマターは、ボクの隣を追い抜き、地面に降り立ったのサ。 「たしか、ここらへんだったな。奴等が集まっていたのは」 ナイトメアもボクの隣に降り立つと、言ったのサ。 ・・? なんなのサ?レバー? 「お?マルク、何か見つけたか?」 「レバー?・・動かしてみろ。マルク」 ボクは、ナイトメアの言うとおりに、レバーを動かしてみた。 すると、ボクの足元に、落とし穴ができ、翼を出す暇も無く、ボクたちは穴に吸い込まれていったのサ・・。
続く
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