先日　名古屋からお見えになられたお客様です。

三条に『駅前通りという地名は有りますか？』と尋ねられました。

三条市内に５つある駅周辺の何れにもそういった地名は有りません。

本人も調べて来られたらしく　力無く『そうですよね』と・・・

話に依れば　６０数年前　自分の父親が三条に住んでいて　その場所が『駅前通り』と言っていたと・・・いま６３歳の自分も三条で生まれたんだそうです。

当時　両親は駅前のパチンコ店に住み込みで働いており

６０年前に名古屋に引っ越したと聞いていたそうです。

その後　引越し先の名古屋で室戸台風に遭遇し　大変な思いをしたと聞かされていたとも言っていました。

両親はその後離婚し　父の手ひとつで育てられ　あまり父親とも話をして来なかった　今になって思えば　もっと話を聞いておけばよかったと・・・

幸いにして　ご本人には焦燥感や悲壮感は無く　明るく話してくれましたので　こちらも　相手に失礼かなとも思えるほどに突っ込んだ話も出来ました。

手がかりは『駅前のパチンコ店に住み込みで働いていた池田』という情報だけでした。

これだけはおそらく情報は寄せられないだろうと思うがFBで呼びかけてみると約束し　何も手がかりが見つからなくても気を落とすことなく自分の生まれた地の空気や風を感じることが出来ただけでも良かったと思って気をつけてお帰りくださいと　言葉を掛けるのが精一杯でした。

そのお客様が　どんな思いを抱いてこの地を訪れ　どんな思いをもって　また自分の生活に戻っていかれるやら・・・
自分史の一ページを　明るい色で彩られることを祈って止みません。

自分の生まれた地で　自分の好きな商売が出来る幸せをあらためて噛締めた一日でした。