海晴(かいせい)
「 文知摺石」は、表面に様々な草を置き、その上に布を覆い掛け、丸く平らな石で擦ると凸凹の模様になって布に写る。 古代には、こうした模様の布が土地の特産品になっていたと云う。この乱れ模様から、千路に乱れる恋心が連想され、文知摺石では恋歌が多く詠われて歌枕となったと言う。 しかし、この石は本物ではなく、頻繁に尋ねにくる旅人に煩わしくなった村人が、近くにあった苔のついた大岩を「これが文知摺石だ」と偽って教えたに過ぎず、擦った模様などもついてはいないという。 現代でも各地で盛んに行われている「でっち上げ」観光源の元祖のようなものであろうか。 丘陵を活かした境内には観音堂や資料館、また入口には旅姿の芭蕉像も配されているが入園料が必要。
《 秋苑に 5トンあるぜの 声上がる 》 乱志
[1019]2009年02月22日 (日) 20時45分
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