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鐵太郎様
今晩は(^^)。今回の書評も興味深く拝読しました。
まず筆頭に上がるのが
『キスカ 海軍の栄光』ですね。
概略は常識程度には知っておりましたが、 米軍の宣伝ビラがまず、注目を引きますね。
アッツ島の「玉砕」の後に、こんなビラをばら撒くとは、 戦争とは「えげつない」モンだと思います。
私が知るビラって言えば、『皇国の守護者』7巻(中央公論社版)とか、『宮崎駿の雑想ノート』No.6「九州上空の重轟炸機」で撒かれた中国空軍のマーチン139W機の日本軍の非人道行為を訴えたビラ(1938年)ぐらいですね・・・。
戦争には非人道性を感じつつも、目を離せないのが「男の子」の性なんでしょうか?
でも、調べていくとキスカ島の撤退も鐵太郎様による書評以外にも色々と興味深いエピソードが出てきますね。
wikiで調べると「結果として、各艦は時間短縮のためにあの手この手のアイディアをひねり出し、なんとかやってのけます。」
このアイディアと思われる記述を観て、得心がいきます。成る程、こういう手段もありか!
また、以外にも神重徳大佐が軽巡「多摩」の艦長で「ぐずぐずしてたら時期を失います。」と第五艦隊司令部への進言。 この方、艦隊の「殴りこみ」を好んだ性向からか、「やっぱりね。」という所感も持ちましたが、これまた立派な進言。
ダンピールの悲劇を経験した木村司令も、また使用できる重油の残量、晴天下での敵機B−25の空襲を考えれば、濃霧を待たざるを得ないという、作戦の決行にギリギリの忍耐を重ねざるを得なかったのもまた、ご立派です。
あ、鐵太郎様はご存知かと思われるマメ知識ですが、このダンピールの悲劇で使用されたスキップボミングの爆弾は、信管が海上に叩きつけられても起爆せず、艦艇に命中したぐらいの衝撃で初めて起爆する(弾殻の厚さ含め)シロモノだったそうですね。日本軍では実用化できなかったとか・・・。
それでは木村司令も内心焦りつつも、慎重にならざるを得なかったかと・・・。
他にも、この作戦を成功させる為に電探を装備した日本海軍屈指の新鋭駆逐艦「島風」(2代目)も投入してるから、相当に気を使っていたんでしょうね。
また、この書籍で各乗組員が意気軒昂、気遣い、ユーモア感覚などを残しているようで、何となく良い雰囲気を感じます。
「ここで、海軍が意地を通します。なんとかしてキスカ島守備隊を撤退さようじゃないか。」
正に!!
・・・ところで、
「君たちは現在の事情と燃料の現状に対する認識が不足している。この旅の作戦が出来なかったらどうなるか判っているのか」
ところで↑上記の「旅」は「度」では(^^;)!?私も頻繁に誤字・脱字・乱脈をする常習犯ですが。
ま、それはともかくも負けが込み始めてる日本海軍には、この撤退作戦は「一服の清涼剤」になったと思います。
恐る恐る上陸した米軍が見たのは何匹かの犬と、「日本軍は軍医の悪戯で『ペスト患者収容所』と書かれた立て看板を兵舎前に」残していったので上陸した米軍がパニックになったと!!ちょっとしたイタズラ心かジョークと言うべきか、迷う置き土産にも笑いを誘われます。でも、犬でも一緒に撤退させてあげたかったとは、現代の価値観で生きる私の雑感でもありますが。
・・・鐵太郎様の仰るとおり、「日本海軍の栄光」かどうかは計りかねます。が、陸サンと仲が悪いはずの海軍が「意地を通」したのは、なかなか、どうして(^^)!!
『戦艦大和 復元プロジェクト』の読後感。
うーん。やはり日本の「物造り」は素晴らしい!! サイズだけ言っても全長26.3m、重量約30t? 重量だけでいけば米軍のM4シャーマン戦車クラスですね。
でも、注目すべきは鐵太郎様の記述どおり、ソコジャナイ。
他国なら金属の上に塗料を塗りかければ済むところ、 木製甲板を可能な限り再現、本物とまったく同じように施条(ライフリング)が施された主砲。(←そんなのどうやって刻んだろ?直接のモノ造りに携る事の無かった私には4.6cm口径の砲身内部に刻み込んでいくのが、想像を超えてます!)
水中映像や、その他写真の発掘など、仕事で言えば「段取り八部」といった資料集めと研鑽に感銘を覚えます。
しかも1年半の工期で、数億円の予算でここまでのものを仕上げるとは!!プロジェクトXは中々拝見できる機会は無かったのですが、この番組が続いていれば、特集(2時間ぐらい)の枠で収録してもらいたいものですね。
残っている設計図にだって、実物の同型艦『武蔵』で吉村氏が著された、主砲塔の設計図とも知らずに焼き捨てた少年技師の運命までも考えると、それだけの価値があると思います。
『ガス状生物ギズモ』について。 ほんの少しの雑感ですが、「剣と魔法」のファンタジーRPG代表的作品の「ドラゴンクエスト」(TRPGでなく日本製のコンピュータ・ゲームソフト)のモンスターとして雲状の姿で「ギズモ」が出現します。もっとも、窒息なんてさせないですが・・・。
今回の感想文はこんな所ですかね(^^;)。
ところで鐵太郎様の書評更新作業でオススメアイテムが有ります。
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%91%E3%83%BC/dp/4902756064/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1441871466&sr=8-1&keywords=%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%91%E3%83%BC
開いた文庫本を、そのページを固定しつつ、パソコンに文面を打ち込む事が容易になります。写真のとおり、1個で1商品として販売しているので、2個をセットとして購入すると書評文の引用が円滑になるかと・・・。
私はこの商品を購入して、これは値段相応の働きをしてくれる感触を得てます。重量感があるので、はさんだ本も揺れ動く事も無く、FRP製の部分も長持ちしそうな感触です。
これは書籍で無いので、取り立ててはお勧めを強いませんが、私個人としては現在、非常に役に立っている事をお知らせまで・・・。
ちなみに1個で『燃える戦列艦』を1冊丸ごと挟めます!!
・・・。また長文ですかね(^^;)!?
申し訳ありませんでした。 失礼しますm(__)m。
JerryFish |
[1240] JerryFish殿 どうもです。投稿者:鐵太郎@管理人
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投稿日:2015年09月12日 (土) 15時50分 |
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「キスカ」につきましてはね、気に入った部分だけを取り上げています。 第一水雷戦隊の逡巡による、と思われた最初の引き揚げのあと、その上部組織である第五艦隊は、連合艦隊司令部からの突き上げもあって、かなり神経が苛立っていたそうですね。第二回の突入の時、どうみたって「督戦」以外の何ものでもない五艦隊河瀬司令長官が座乗する「多摩」が、「援護」という名目で参加しています。目の前で、もし木村司令官が気に入らなければ頭越しに指揮を取るつもりだったんでしょうね。 こういう話は、カットしました。 それと、「多摩」艦長だった重徳大佐のことも。
評価はいろいろあるのですが、この神さんという人の行動は、「熟慮断行」ではなく「浅慮蛮行」の臭いがするのです。「断じて行えば鬼神も之を避く」という成句は時には正しいのですが、この方は第一次ソロモン海戦の成功以後、「ともかくやっちゃえばなんとかなる、なぜしないんだお前ら」という考えに凝り固まってしまったような気がします。 「いま突入すべきです! いまを逃してはなりません!」とは、現場にいない後の人が景気づけに言っているだけとしか思えません。むろん、長官に呼び出されて意見を聞かれたらそう答えるのが当然でしょうが、現場の判断ではない。 この言葉を持ってこの人の見識が高かったと判断できません。結果を見てその結果を予言した人をほめているようです。意味がない、と思う。
あ、それと最初にあげた「伝単」ですが、これはキスカ島から日本将兵が脱出したあとに配布されたものであるとどこかに書いてありました。確認していませんが、そうであれば余計にマヌケですが、歴史とはそんなものかもしれません。 |