角川書店
■あらすじ■
フランスの田舎町に一組の親子が越してきた。その田舎町は雰囲気も暗く地味な町なので、その親子はとても目立つ存在だった。
母親のヴィアンヌは、チョコレートショップを開店し、町の人々の好みのチョコレートを次々にあてて周囲を驚かした。彼女の母親は魔女みたいな人だった。常に占いをし、住処をもたずに各地を転々とした生活だった。
ヴィアンヌもまた、娘のアヌークを連れて、田舎町に流れ着いたのだった。
教会の前でチョコレートショップを営むことに神父のレノーは不快感をいだいていた。住民達に贅沢は慎むようにと教えているのに、チョコレートは住民を誘惑する。
いつしか町の住民はレノー派とヴィアンヌの派とに分かれ、チュコレートフェスティバルの直前に決着がついた。
■感想■
ヴィアンヌ親子が謎めいた感じでした。舞台は現在のフランスの片田舎なのに、蝋燭やランプといった昔ながらのものが似合いそうな雰囲気をかもし出していました。
ヴィアンヌには、人の望んでいるものがわかるという不思議な力があります。それから予知もできます。
ヴィアンヌの母親も、魔女めいていました。常にタロット占いで次に行く土地を決めていました。そして、娘アヌークにも魔法めいた力が備わっていました。
ヴィアンヌとジプシーの青年ルーとの一夜限りの愛は切なかった。ルーはヴィアンヌの親友の想い人で三角関係はありえない。ヴィアンヌは予知である事実を知ります。
レノー神父の苦悩が結構楽しめました。チョコレートが食べたいのなら少しくらい食べてもよかったのに・・・。
お話のテンポは良いと思いました。
暗い村の雰囲気が明るくなっていくのがいいですね。
モノクロに色がついていくみたいでした。
チョコレートが食べたくなるような話でした。