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(10) 小説『鳩と狼』 投稿者:郁 MAIL

モダンロマンスリクエストシリーズ 『鳩と狼』 キャサリーン・ウッディウィス作 株式会社サンリオ

■あらすじ■

時は、1066年。舞台はイングランド。
ヒロインのエイスリンは金髪が素晴らしい領主の娘で、彼女の父親は、ダーケンウォルドの土地を治めていた善良な領主だった。
そこへ、イギリスをわが国にしようとするウイリアム公の傭兵が降伏を迫ってきた。領主は話し合いに応じに出て行くが挑発され殺されてしまう。

エイスリンは敵に奴隷の身分に落とされ、傭兵の首領であるラグナーに犯されてしまった。ラグナー達への復讐を誓う彼女の前にラグナーの上官が現われた。
その人の名は「狼の生まれ変わり」の異名を持つウルフガーという名の騎士だった。
ウルフガーはラグナーからエイスリンを取り上げ、奴隷として自分の身の回りの世話をさせた。

敵同士という出会いだったが、ウルフガーーとエイスリンは惹かれあっていく。しかし、エイスリンには復讐という目的があり、またウルフガーはもともと身分のしっかりした家柄だったが、母親が不倫してできた私生児だったためずっと父親だと思っていた人に家から追い出された。その後、食べていくために傭兵になりウイリアン公に仕えるようになった。彼は自分を切り捨てた母親への不信感から『女』というものを信頼できない。エイスリンのことは大事だと思うけれど、自分のものだ。というわりには結婚には踏み切らない。

一方、エイスリンはお腹に子どもを身ごもるが父親が、ラグナーなのかウルフガーなのかがわからずに思い悩んでいた。
ウルフガーはお腹の大きくなっていく自分の姿に愛想をつかし、ましては父親のはっきりとしない子どもならば、自分は捨てられるかもしれない。彼女のその思いは日ごとに強くなり、ついに彼のもとから逃げ出してしまた。彼女の失踪を知りウルフガーは彼女を探し出し数日後にエイスリンと結婚式を挙げた。

皆に祝福され、子どもをも生まれ、戸惑いながらも父親らし態度を示すようになってきた夫にエイスリンは幸せを感じていた。そんな時に野党が領土に攻めてきてエイスリンと子どもは盗賊の首領に連れ去られた。その首領は彼女のよく知っている、そしてもっとも憎むべき人間だった。

ウルフガーは首領を追い詰め、岩山で対決した。

■感想■
『冬のバラ』の作者の作品です。こちらの作品のほうが早くかかれたようです。活劇風恋愛小説という感じで面白かったです。

『冬のばら』もそうでしたが、最初、絶望的なはじまり方なんですよね。で、いろいろな登場人物がでてきながら前巻の最後のほうには次、次って感じで読み進め、後巻に入ると一気に読み勧めてしまう。

本筋をすすめながら伏線でも話がすすみ、いろいろな糸が絡み合って最後にはそれがわかるという謎解きも味わえる内容です。

作者はこの話を書くにあたり、架空の人物であるウルフガーを実在の人物ウイリアム公の忠実な部下にしたてあげ、史実に残っている事件を見事にかみあわせました。

またこの作者の他の作品も探してみるつもりです。
生きのいい恋愛小説を読みたいとう方にこの作者の作品、オススメです。(笑)

かなり古い方のようで、いまのところネット検索してもこの作者は出てきませんでした。なので自分で書きました。


2004年07月24日 (土) 09時39分




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