前歯の治療は2月に終わった。歯抜けジジイも前歯がきれいに揃ったら若返った気分である。 先生はその勢いでオヤシラズ撤去の手術に持ち込みたかったようだが、そうはいかない。 2月・3月は年度末で仕事が山ほどある。 で、仕事が落ち着く4月下旬に手術することになった。 4月19日に入院。病院だからアルコールはもちろんの事だが、タバコも間食も禁止された。 全身麻酔するときに口から管を通して、肺に麻酔ガスを送るらしい。(口の中の手術だから鼻から通した) その管が声帯を通るため、タバコを吸っている人は後が辛いという。 また、麻酔がかかっている時は胃の内容物が逆流することもあるというので、術前から絶食である。(水も飲めない) 21日の昼から手術だそうで、19・20日はその準備期間だそうだ。 20日の朝に左手に点滴用のチューブを差し込まれた。(点滴をしなくても刺さったままである) 21日の朝、すべての下着を脱いでスッポンポンの身体に、手術着だけ身に付けて待機する。 やがてストレッチャーに乗せられ、手術室へ運ばれる。カミさんがずっと付き添ってくれていたが、手術室へ運ばれるのはやはりいい気分はしない。 手術室にはきれいな看護婦さんが二人待機していて、「手術のお手伝いをする○○と△△です」と紹介され、こまごまと説明を受けたがほとんど覚えていない。 鼻と口にマスクをあてられ、「すぐに眠くなりますよ」と言われたが、元来アマノジャクなので「眠ってたまるか!」と無意識に抵抗していた。(10秒くらいはがんばった^^) 「左手が熱く感じられますよ〜」と言われ、4、5秒後にホントに熱くなってフッと意識がなくなった。 手術は2時間余りで終わったらしい。気がついた時はナースセンター近くの個室に移されていた。 鼻には酸素マスクがされたままで、心電図をとるためのコードや点滴のチューブがくっついており、痛々しい感じである。 眼を開ければ看護婦さんとカミさんが覗き込んでいた。 「あっ、気がついたわ」「福井さん、わかりますか?」て聞かれるので、コクンとうなづいた。 「よかった〜。麻酔をかけていたら心臓が止まったらしいのよ!」とカミさんが言う。 血圧が急に下がったらしい。 そういえば、口の中よりも「みぞおち」がやたら痛い。 今までずうずうしさと強心臓で生きてきたが、麻酔ごときで止まるとは、案外軟弱な心臓であった。 しかし、この話はライブのMCで使えるな・・・と思いつつ、また眠りについた。(続く・・・?)
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