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名前 |
MUTUMI
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題名 |
182 |
内容 |
「一息入れると、ほっとするな」 紙コップを傾け、中に入っているコーヒーを眺めながら一矢が呟く。 実は密かに、星間中央警察との会談に疲れていたらしい。プレッシャーごときに動じる一矢ではなかったが、それなりに居心地が悪かったようだ。 「しかしさー。有益な情報って少ないよな」 ハア、と大きく溜め息を吐き出し、どうしたものかと虚空を睨む。 「これから先、どうします?」 「取り敢えず、ヒュードラに居るあいつを訪ねてみるよ。何か掴んでいるかも知れないし」 「細い糸ですね」 「まあな。でも時々、こっちが吃驚するような情報を仕入れて来るから、案外馬鹿に出来ないんだぞ」 そんな風に庇う発言をしつつ、一矢は何かを思い出したのか、クスクスと笑い出した。 「どうかしましたか?」 「いや前にさ、今度来る時は手土産ぐらい持って来い!とか言ってたからさ。何がいいかなと思って。カメ屋のお煎餅なんかどうだろう?」 「……お好きにどうぞ。というか、どこまで買いに行くつもりですか?」 一矢ご指定のカメ屋のお煎餅は、ディアーナ星系には売っていない。買うつもりならば、銀河団を越えなければならない。たかが手土産でそれはないだろうと、ボブは少々頭を抱えた。 |
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[217] 2007/02/14/(Wed) 20:59:53 |
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