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連載小説『ディアーナの罠』

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名前 MUTUMI
題名 お知らせ
内容 本編の方に通常業務4をアップ。
こちらの続きはもう少しお待ち下さい。
すんません。
[286] 2008/01/28/(Mon) 22:54:48

名前 MUTUMI
題名 252
内容 「それはなんというか……」
 御愁傷様ですと小声で付け加え、話を戻す。
「追跡出来るのはよくわかりましたが、一矢がやってくれるんですか?」
「えー、ヤダよ。苦手って言っただろう?」
「ではどうすると?」
「こういう時こそ、専門家の出番だと思わないか?」
「専門家?」
 誰だろうと、ボブは桜花部隊内でそれが出来そうな人員を思い浮かべた。だがどれもこれもピンとは来ない。
「いるだろう? 暇なリンケイジャーで最強なの」
「誰です?」
「うち(フィフティーンャイルド)の長男。カトーバの艦長、キッズ・パーキンス」
 その名を聞いてボブは目を見開いた。
「こういう時こそ義兄の出番だと思わないか?」
「そりゃあ彼はピッタリでしょうけど……」
 同じ星間軍とはいえ部門も部署も全然違うのだ。そう簡単には協力体制にもっていけると思わない。
(幾ら何でも急過ぎて、無理なんじゃないか?)
 そもそも彼には担当すべき宇宙区域がある。重武装戦艦の艦長でもあるので、そうそう長く艦を留守には出来ないであろう。それを考えると、かなり難しい話だと思えた。
「協力してくれるでしょうか?」
 不安気に聞き返せば、
「大丈夫、大丈夫。可愛い義弟の頼みを無下にするなんて、そんな鬼畜な事キッズはしないって。それに最近暇そうだし」
 と、楽観的な返答が返って来た。
 どこが可愛いんだとか、暇なのかよとか、突っ込み所は多々あるが、ボブはそれに敢えて目を瞑る。
「後で声をかけておくよ」
「お願いします」
 一矢の言葉に同意を返し、ふと手の中のカード型の記憶媒体に視線を落とす。 
(あ、忘れてた)
 ゴタゴタの末、ボブはその存在を思い出した。指先で摘み、一矢に視線を向ける。
「それで一矢、これには何が入ってるんですか?」
「さあ?」
 一矢は可愛らしく小首を傾げた。
「見てみようか、彼らと」
(彼ら?)
 ボブが疑問に思う暇もなく、会議室の扉が開いた。視線を流すとロン・セイファード捜査官とヒューズ・ワルド捜査官が入って来る所だった。ボブは無意識に、記憶媒体を掌に握り込む。
「やあ、丁度良かった。一緒に見るかい?」
 疲れ気味の二人に、一矢はそう声をかけた。二人は怪訝そうな顔で見返す。赤く充血した目がきょとんとしていた。
[285] 2007/10/09/(Tue) 16:29:11

名前 MUTUMI
題名 251
内容 「僕もさあ、された時は冗談だろうって思ったよ。あり得ないって。でも、現実だった。夢でもなく冗談でもなく、入り込んで来てた。指摘される迄、本当に気付かなかったよ」
[284] 2007/10/07/(Sun) 21:26:10

名前 MUTUMI
題名 250
内容 「マーカー、目印ですか?」
「ああ。子供の頃、悪戯で背中にはり紙をされたことないか?」
「されたことはありませんが、した事はありますね」
「……案外いじめっこだな」
「そうですか?」
 ボブは苦笑を浮かべた。
「で、それが何か?」
「要するにそれと同じなんだよ。本人は気付かないけど、こっそりと印が付けられる。で、それは本人には見えないけど、他人からは良く見える」
「気付かない限り張り付いたまま?」
「そう。ある意味目立ちまくり。追跡ツールさえあれば、トレース出来る」
「へえ。その印は消えたりしないんですか?」
「まずないと思う。リンケイジャーって、電子空間と繋がっている時、無意識に何かを取り込もうとしているんだ。電気信号をやり取りしているようなものだし、こればかりは改良のしようがないな」
「一矢も?」
「してるよ。でだ、その双方向の電気信号の交信を利用して、マーカーは送られる。リンケイジャーの頭、つまり脳の中に」
「は?」
「脳へ直接刷り込まれるんだよ」
 一矢はほら質が悪いだろうと呟き、軽く肩を竦めて見せた。
「こっちが気付かない内に、スルッと入って来るんだ。気付いた時には印持ち。情けないわ、馬鹿らしいわ、腹が立つわ……遣る瀬ないぞあれは」
「いや、そんな馬鹿なことが……」
 幾ら何でもそれは有り得ないだろうと、ボブは疑惑の目を一矢に向けた。それを感じ、一矢が慌てて補足する。
「それがあるんだって」
[283] 2007/10/07/(Sun) 21:00:56

名前 MUTUMI
題名 249
内容 「一種のトラップで、リンケイジャーの性質を利用した物なんだけど。……作った人間の性格を疑うような、えげつない逸品でさ。データに触ると同時に張り付くんだよ」
「張り付く?」
「そう、僕はマーカーって呼んでる」
[282] 2007/10/07/(Sun) 13:22:47

名前 MUTUMI
題名 248
内容  元々そちら方面は得手ではないが、それにしてもこれは物を知らなさ過ぎだ。
(苦手分野はこれだから……。ハア、どうにもこうにもやり難い)
 これではこの先の仕事にも差し障ると、有能であるが故にボブは己の腑甲斐無さを嘆いた。それを知ってか知らずか、一矢の説明は続く。
[281] 2007/10/03/(Wed) 20:27:06

名前 MUTUMI
題名 247
内容 「出来るよ。特にこのリンケイジャーは、それと知らずに星間連合のデータベースに入ってるし」
「?」
 一矢の言葉に、ボブは訝しそうな顔をした。
「あれ、知らなかったっけ?」
「何をでしょう?」
 問い返せば、一矢がニヤリと人の悪い笑みを零した。
「そうかそうか。お前ですら知らなかったのか。ということは、当然犯人も知らないし、気付いてない可能性が高いな」
「?」
 早く言えとばかりにじっと一矢を睨むと、一矢は悪戯っぽく笑って答えた。
「リンケイジャーを職員に抱える星間連合が、彼らに対し何の対策もしてない訳ないだろう? 気紛れに悪戯される可能性もあるのにさ。……というか、うち(フィフティーンチャイルド)の長男が悪戯し過ぎたのが原因か? いや、……まあ、それはどうでもいいか。ええっと……、早い話が実は結構えぐいガードプログラムが、星間連合のデータベースには常駐してるんだよ。それこそ悪党も裸足で逃げ出すような物が」
「そうなんですか? 初耳ですが」
 ボブは驚いた顔をする。
[280] 2007/10/03/(Wed) 18:46:27

名前 MUTUMI
題名 246
内容 「リンケイジャーと言ってもピンキリだし。足跡を残す程度の腕前なんだから、そんなに心配しなくてもいいと思う」
「……しかし」
 ボブの表情は一矢の言葉を信じていないのか、いまいち不安気だった。
 まあそれも無理はない。一矢は高位能力者としての顔は頻繁にボブに見せているが、リンケイジャーとしての顔はほとんど見せていないのだ。故に、どこ迄信じてよいのかボブにも判断がつかない。
 そんなボブの逡巡を見てとって、一矢が苦笑を深くした。
「経験則で言わせて貰えば、この手の輩はたいしたことないよ。多分、追跡出来る」
「え?」
「とは言っても、僕もそういうのは苦手なんだけど。進入と破壊は得意だったけど、追跡はいつも馬鹿にされてたなあ」
 さてどうしようと、一矢は思案する様に小首を傾げた。それを見てボブが慌てて聞き返した。
「ちょっと待って下さい。追跡って、リンケイジャーの追跡ですか? そんな事が出来るんですか?」
[279] 2007/10/01/(Mon) 22:31:36

名前 MUTUMI
題名 245
内容 「しかし……」
 ボブは不服そうに口籠った。
 一矢の言う補助的な能力しか持たないはずのリンケイジャーが、とある惑星を破滅寸前にまで追い込んだ例を知っているからだ。
 そのリンケイジャーは、辺境に位置する惑星の武装を完全に掌握し、住民を内乱へと誘導した。結果的に内乱にならなかったのは、星間特使が邪魔をしたからで、そうでなければ今頃、血で血を洗う事態になっていただろう。
 そんな例を聞き知っているものだから、一矢の言葉とはいえ納得出来ない。リンケイジャーはその能力の使い方次第で、恐ろしい事をひき起こせると思っているのだ。
 これに対し一矢は、自身がリンケイジャーであるが故に限界を知っている。出来る事と出来ない事が分かるのだ。
「ボブは心配し過ぎ」
「そうでしょうか?」
「うん」
 笑い飛ばす様に一矢は続ける。
[278] 2007/09/24/(Mon) 13:45:15

名前 MUTUMI
題名 244
内容 「なっ!」
 唖然とし、ボブは大口を開けた。
「馬鹿な」
 そう呟くなり、絶句し押し黙る。
 一矢は椅子の背もたれに背中を預けると、見るともなしに天井へと視線を向けた。遠くを見つめ、曖昧な考えを整理するかの様に続ける。
「元々ギルガッソーのテロに定形はない。時と場合によって、奴等は何だってする。今回はどうやらリンケイジャーの絡むテロらしいな。もっとも、それはあく迄も前哨戦だろうけど」
「?」
 一矢の言いたい事がわからず、ボブは訝し気に首を傾けた。
「や、そんなに難しい事は言ってないんだが……」
「意味が取れません」
 愚直にボブが呟く。時々一矢は自分の中で結論を出してしまうので、それもそれが他者にはとてもわかり難いものであったりするので、ボブとしてはこうして聞き返すしかない。
「単純な話だよ。僕がルキアノなら、補助的な能力しか持たないリンケイジャーをテロの主軸には据えない。自分がリンケイジャーだからこそ、分かるんだ」
[277] 2007/09/17/(Mon) 19:53:12






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