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連載小説『ディアーナの罠』

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名前 MUTUMI
題名 261
内容  膝に置かれた端末がチカチカと、明滅を繰り返していた。
「準備は万端。追っ手もなし」
 口角を持ち上げエリクソンは笑う。
「万事順調」
 故に楽しいらしい。
「……そうか」
[298] 2008/05/20/(Tue) 01:09:22

名前 MUTUMI
題名 260
内容  決して広くはない室内で、車椅子の男が鼻歌を唄っていた。音程は見事に外れているが、それを指摘する者は居ない。
 室内にはその男の他にもう一人いたが、彼は大人しく椅子に座って鼻歌を聞いている。
「……楽しそうだな、エリクソン」
「ん? まあな」
 車椅子の男の首から垂れたコードが、ユラユラと揺れる。
[297] 2008/05/15/(Thu) 23:21:09

名前 MUTUMI
題名 259
内容 「だがな……」
「人員はあります。一斉に手を入れれば確保出来るでしょう」
 各地のオリベホテルへ、連れてきた桜花部隊の部隊員を振り分ければ可能な話だ。人数的には十分充足している。
(でもさ、宿泊客と従業員の安全の確保はどうするんだよ)
 出合い頭に客を巻き込んで銃撃戦なんて御免だと、一矢は思った。
「まあ待て」
「しかし」
 止められてボブは不満そうだ。それをいなして一矢は考え込んだ。
(場所は何ケ所かに絞れてる。リンケイジャーはマーカー持ちだし……。やれるか? キッズ兄の協力があれば……)
「可能」
 囁き、ボブを見上げる。
「ディアーナ星にある全オリベホテルをピックアップ。部隊をその数に分けて周辺に待機させろ。班編成をしている間に、該当するホテルの場所を突き止める」
「!」
 ハッとしてボブは一矢を見た。リンケイジャーに憑いたマーカーを目印に、キッズ・パーキンスと共に何かをするのだとわかった。
「当り籤の班は、犯人を確保」
「了解」
「宿泊客と従業員を巻き込む訳にもいかないから、少し細工をする」
「細工ですか?」
「……リンケイジャーの悪戯、ゴーストの手さ」
 微妙に視線を泳がせて一矢は言う。ボブはその言葉に何かを察した。
「ということで、セイファード捜査官!」
 名を呼ばれロンは顔を向けた。
「動きます。構いませんね?」
 それは許可を求めるではなく、有無を言わせぬ承諾の言葉だった。
 ロンは充血した目を瞬かせながらも、しっかりと頷く。ニコリと笑って一矢は椅子から立ち上がる。
「じゃあ、始めましょうか」
 そんな軽い言葉と共に、星間中央警察と桜花部隊の反撃は始まった。
[296] 2008/05/11/(Sun) 16:50:59

名前 MUTUMI
題名 258
内容 「つい最近のことだ。そう確かあれは……。あっ、……そうか! 思い出した!」
「何処だ?」
「テリーを回収したビルの向かいだ!」
 ヒューズはそう叫ぶと、ロンと顔を見合わせた。
「オリベホテルだ!」
「オリベホテルか!」
 二人の声は語尾以外綺麗に揃っていた。
「オリベというと、あのホテルチェーン大手の?」
 ボブの疑問に二人は勢いよく頷く。
「間違いない」
「あそこの制服だ。神に誓える」
「……そうだとしても、ディアーナ星のどの地区に建っているホテルなのかという疑問は、残りますが。この星だけでも軽く十ケ所は超えますし」
 一矢は眉間に皺を寄せて呟いた。ホテルの建っている場所の特定までは、この写真では出来ない。ただ系列であると分かるのみだ。
(プレス、肝心の部分が不明だぞ)
 脇が甘い、詰めが甘いと心の内で罵りつつ、一矢はボブを見遣った。二人の視線が重なり、一拍後ボブが力強く頷く。
「やりましょう、桜花」
[295] 2008/05/07/(Wed) 23:54:48

名前 MUTUMI
題名 257
内容 「どこの制服だろう?」
「さあ?」
 ボブが首を傾げる。
「……検索かけますか?」
 エネ星の本部に残っているアンを使ってみるかと、ボブは提案する。一矢はそれに頷きかけ、やたらと静かで無音なロンとヒューズに気付いた。
「あの、お二方。どうかされましたか?」
 振り返れば、ボブの背後に立つ二人は揃って眉間に皺を寄せていた。
「いや……」
 歯切れ悪くロンが答える。
「この制服に見覚えがあるような気がしてな」
「ああ。どこかで見た……」
 ざりざりと無精髭を撫でつつ、ヒューズは虚空へ視線を走らせた。
[294] 2008/05/06/(Tue) 23:28:17

名前 256
題名
内容  画像の横に打ち込まれた文字を、ボブが読み上げる。
「プレスの情報が確かなら、この男が星間連合のセクト端末を落とした犯人で、ディアーナ星に密入国したリンケイジャーだ」
 一矢はそう断じ、唇をきゅっと引き結んだ。
「この男がリンケイジャー……」
 その意外性にロンとヒューズが呻いていた。リンケイジャーが身体障害者とは、考えもしなかったのだ。
「健常者ではないのか……」
 誰であれ思い込みはある。ロンとヒューズにとってはテロを起こす者が、障害を持っている事が意外なのだろう。
「どこの待ち合いロビーだろう? ……ホテルか?」
「かも知れません。この部分」
 ボブの指が画像の左隅を指差す。
「大型のスーツケースの一部かと。それに同じ制服を着た者がちらほら見えます」
[292] 2008/05/05/(Mon) 16:47:27

名前 255
題名 MUTUMI
内容  皆が見つめる先には鮮明な画像があった。サングラスを掛けた車椅子の男性がどこかの待ち合いロビーにいる。
 監視カメラの映像をコピーした物なのか、日付けと時刻が印されていた。セクト端末が落とされた前日の物のようだ。
「エリクソン、か」
[291] 2008/05/05/(Mon) 15:00:23

名前 MUTUMI
題名 254
内容  一矢の視線を受けて軽く頷き、ボブは会議室に持ち込んでいた桜花部隊謹製の端末を引き寄せた。手に持っていたカード型の記憶媒体を差し込み、パスワードを入力する。
 一瞬の後、様々なデータが画面上に展開した。
「どう?」
「……侮れませんね、彼は。桜花が、子飼いにしたくなる気持ちがよく分かりました」
「【02】が誉めるような情報なの? どれ?」
 ボブの手元を一矢が覗き込む。気になったのか、その後ろからロンとヒューズも画面を覗き込んだ。
「あらま」
 呟き、一矢はにんまりする。
「ついてるな。これで少しだけ反撃が出来そうだ」
[289] 2008/04/30/(Wed) 20:19:02

名前
題名 待ってました!!
内容 連載再開心の底から待ちどうしにしていました♪

また一矢に会えて私はとても幸せです!!!
物語の内容もとてもおもしろくて続きが気になって気になって・・

情報屋さんから買った情報にはなにが記してあったのか??

果たしてテロは阻止できるのか?
もういろいろ気になりすぎて夜も眠れません!!

更新まってます(^O^)ノ
[290] 2008/05/03/(Sat) 08:49:57

名前 MUTUMI
題名
内容 鈴様、いつもどうもです。
サクサクいこうと決めたこの5月。
できる範囲で更新します。
(たまにさぼりますが)
スローテンポですが、何分よしなに。
早いとこ一矢の過去まで進めたいです。
[293] 2008/05/05/(Mon) 17:10:41

名前 MUTUMI
題名 253
内容 「何か進展でもあったのか?」
 赤く濁った目を瞬かせて、ロンが近寄って来る。イライラしているのか、ヒューズがザラザラと顎鬚を擦っていた。
「少しだけ。……また状況が悪くなったみたい」
 唖然とする二人に、一矢がわかっている事をざっと説明する。サーバへの攻撃に至っては、二人とも唸ったきり言葉も出なかった。
「何という……」
「……馬鹿な。リンケイジャーまで出て来るとは」
 驚き過ぎて、思考が停止寸前らしい。呆然とした目には、驚愕しかない。
「まあそんな訳で」
 一矢は軽く肩を竦めた。
「外部から買って来た情報を、見ようとしてたとこ。一緒に見ます?」
「無論!」
「是非とも」
 それが何であれ縋り付きたい勢いで、二人は一矢に肯定の意を返した。
[288] 2008/04/29/(Tue) 17:35:37

名前 MUTUMI
題名 お知らせ
内容 本編に学校へ行こう7.5をアップ。
今更に追加。
そして前後の文の下手さに泣く。
ひな祭りにもかかわらず、一向に甘さのない話です。
いやもう、学校すらちょい役。

[287] 2008/03/03/(Mon) 20:01:47






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