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名前 |
MUTUMI
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題名 |
259 |
内容 |
「だがな……」 「人員はあります。一斉に手を入れれば確保出来るでしょう」 各地のオリベホテルへ、連れてきた桜花部隊の部隊員を振り分ければ可能な話だ。人数的には十分充足している。 (でもさ、宿泊客と従業員の安全の確保はどうするんだよ) 出合い頭に客を巻き込んで銃撃戦なんて御免だと、一矢は思った。 「まあ待て」 「しかし」 止められてボブは不満そうだ。それをいなして一矢は考え込んだ。 (場所は何ケ所かに絞れてる。リンケイジャーはマーカー持ちだし……。やれるか? キッズ兄の協力があれば……) 「可能」 囁き、ボブを見上げる。 「ディアーナ星にある全オリベホテルをピックアップ。部隊をその数に分けて周辺に待機させろ。班編成をしている間に、該当するホテルの場所を突き止める」 「!」 ハッとしてボブは一矢を見た。リンケイジャーに憑いたマーカーを目印に、キッズ・パーキンスと共に何かをするのだとわかった。 「当り籤の班は、犯人を確保」 「了解」 「宿泊客と従業員を巻き込む訳にもいかないから、少し細工をする」 「細工ですか?」 「……リンケイジャーの悪戯、ゴーストの手さ」 微妙に視線を泳がせて一矢は言う。ボブはその言葉に何かを察した。 「ということで、セイファード捜査官!」 名を呼ばれロンは顔を向けた。 「動きます。構いませんね?」 それは許可を求めるではなく、有無を言わせぬ承諾の言葉だった。 ロンは充血した目を瞬かせながらも、しっかりと頷く。ニコリと笑って一矢は椅子から立ち上がる。 「じゃあ、始めましょうか」 そんな軽い言葉と共に、星間中央警察と桜花部隊の反撃は始まった。 |
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[296] 2008/05/11/(Sun) 16:50:59 |
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