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名前 |
MUTUMI
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題名 |
104 |
内容 |
ナビゲートしながら、一矢は膝の上に広げている携帯端末のキーを叩く。二つ折りのB5サイズの画面に、文字や数字が浮かんでは消えた。 「動きはありましたか?」 「いや。今の所平穏無事だ」 ディアーナのマスコミや公官庁、果ては警察の緊急情報を閲覧していた一矢は、そう言って溜め息をついた。 「目標を完全にロストしたな。どこに隠れたんだか」 「ディアーナにまだいるのでしょうか? 惑星外に出た可能性もありますが」 「出国情報にそれらしい人物はなかったよ」 「データは幾らでも誤魔化せますが」 「そうだな。でも」 考え込みつつ、一矢は虚空を睨む。 「この星にいるような気がする」 「その根拠は?」 「……ディアーナの世相が静か過ぎる。嵐の前の静けさ、何だかそんな気がするんだ。それに、記念式典まではまだ余裕がある。例え昨日の段階で、星間中央警察にアジトを摘発されたのだとしても、ギルガッソーが逃げ帰るとは思えない」 「なるほど」 |
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[132] 2006/02/21/(Tue) 18:52:23 |
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