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名前 |
MUTUMI
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題名 |
114 |
内容 |
星間中央警察の特別対応班は、総合庁舎の会議室を借り受け活動していた。通常ならデォアーナ警察に場所の提供を受けるのだが、今回は情報漏洩を用心して止めたらしい。桜花部隊の忠告が、ジワジワと効いているようだ。 怪我をした足を庇い、片足でぴょんぴょんと跳ねながらメイファーはコンクリートの上を進んでいた。 負傷した足は真っ白な包帯に覆われている。レーザーが貫通した方の足は、体重をかける事も出来ないので、無事な方の1本で歩くしかないのだ。その為ケンケン状態で、歩行速度は亀よりもノロイ。 「あの、メイファさん……」 「え? あ、そこで待ってて。もうすぐ追いつくから」 四苦八苦しながらも、メイファーは先を行く二人にそう声を掛けた。メイファー本人は物凄く一生懸命急いでいるのだが、なにしろ歩き方がケンケンなので、一矢達からはそうは見えない。 失笑こそしないが、そこ迄頑張って歩かなくてもいいのではないかと、二人は思った。メイファーが自分は軽症だと頑固に言い張った為、車椅子や杖を軍病院で借りて来なかったのだ。どう考えても今なら借りるべきだったと思う。 「必要だったな、あれ」 「ええ、そうですね」 互いに呟く。その合間にも、ぴょこぴょことメイファーは前へ少し前進した。 「なあ」 「はい?」 一矢が目線でボブに訴える。ボブは一矢を見返し、二人の視線が一瞬だけ交わる。 「提案があるんだけど」 「何です?」 「してあげたら? だっこ」 「嫌がりませんかね?」 「歩けてないんだから、平気だろ。それに僕がしたら潰れる」 |
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[142] 2006/03/14/(Tue) 20:19:16 |
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