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名前 |
MUTUMI
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題名 |
142 |
内容 |
ひとりごち、新たに浮上したデータベースを叩く。エリクソンの脳内でイメージ化された円柱体が、粉々に砕けた。 リンケイジャーは、データや数値を一定のイメージとして捉えることが多い。実生活に根ざす物体に置き換えて、仮想世界での処理を早めているのだ。勿論そのイメージは人によって千差万別で、フェンタジックな想像をする者もいれば、あくまで論理的に味気ない見方をする者もいる。どちらが良いという訳でもないが、柔軟な思考の持ち主の方が、処理速度は早くなる傾向にあった。 リンケイジャーには、視覚を司る感覚器は必要ない。電子化された情報は、電子受容体で電気化され、ナノニューロンを通って直接脳のシナプス回路に送り込まれる。その後は通常の処理行程を経由し、最終的に頭の中にイメージが浮かび上がる。それが外部から取り込んだデータだ。 リンク中は、目を開けていても瞑っていてもどちらでもいいのだが、視覚やからの情報が、つまり目で見る景色が、脳で混乱を招くことも多いので、閉じる者の方が多かった。 |
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[172] 2006/05/16/(Tue) 19:27:49 |
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