私の父は基隆育ちで、基隆の双葉国民学校(現仁愛小学校)を卒業
いたしました。 昭和18年に内地の中学へ進学するため台湾を離れ
てから60年以上経った一昨年、父を伴い台湾を訪れました。
父は60年以上も前のことなのに、町の道ひとつひとつを覚えて
おり、当時に戻ったような生き生きとした顔になっておりました
が、その父が「台湾に帰りたい」ともらした言葉が非常に印象的
で忘れられません。
今でも日本を故郷と思って下さる台湾の方々いらっしゃる一方、
父のように今でも台湾を故郷と思っている日本人もいることも
忘れないで頂きたいです。
戦後生まれの私ですが、今では異国であっても、お互いを「故郷」と思える関係と
言うのは、感動すら覚えます。 この絆は次の世代にも引き継いで行きたいものだと
思います。