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[4376] グリベック800mg保険対応 懇願署名運動をされたら Sunny南加 - 2010/02/02(火) 00:00 -

先日ポストした2009年ASCO学会、Dr.Suzanne Georgeのスライドプレゼンテーションでの他の四つの有意義なスライド画像をGnetメールに付着しました。

最初の二つのスライドはグリベック一日400mg,または800mg服用したExon11とExon9を比較できるGIST患者のProgression Free Survival、PFS, 非憎悪生存率(統計的平均)を示しています。Exon11だと一日400mg,または800mg服用してもほとんど効果差がありません。しかし第2のスライドで示されるように800mg服用のExon9 GIST患者は400mg服用より延命効果が明らかに一年以上長い事がわかります。これは前回付着したデータ、試験管内でのExon9 GIST細胞死滅量はExon11の十倍近い薬濃度が必要 と一致します。

三番目のスライドは毎日400mg(黄色)または 800mg(青色)を服用した、全73人各自の血中濃度を示したものです。Q1-Q4とほぼ四分され、中のQ2,Q3は一括されています。血中濃度最高と最低の数値差は10:1に近く、この表でいかに個人差があるかが明らかにされています。前にポストしましたが、最低血中濃度 Cmin が1110ng/mL以上は良い臨床効果と相関すると、暫定的な統計結果が出ています。>>704 私の最近の血中濃度は900ng/mL位でしたが、幸いに単体腫瘍は縮小し安定化しています。

四番目のグラフも血中濃度の個人差が大変大きいことを示しています。縦軸は血中濃度を示し、横軸は時間ですが、最初服用の24時間を示し、赤線内と青線内のデータは服用30日後、60日後のCmin,最低血中濃度を示しています。明記されていませんが、20人ほどのデータですが、30対1ほどの個人差がある事が見られます。黒線は一般的な血中濃度の変化、薬物動態を示しています。

これらのグラフでグリベック血中濃度の個人差がいかに大きいかが明確です。また前回にポストした試験管内で細胞死滅に必要なグリベック濃度はExon9ではExon11の約10倍が必要であるとも実証されています。 GIST11患者でも、代謝の個人差で血中濃度が低く良い薬効果が得られない可能性が高いと考えられます。前にもポストしましたが、欧米ではグリベック、そしてその後スーテントにも失敗したあとグリベック800mgを服用し良い結果、安定化を得ていると案外多くのメールがあったのを記憶しています。 これらの患者さんは血中濃度が低くかったからだと考えられます。

ですから、“GIST患者は400mg保険対応”はExon9の方だけでなく Exon11,いやGIST患者さん全般の治療問題ではないでしょうか? グリベック治療効果が良くなければ、血中濃度測定し、600、もしくは 800mgに増服するのが最近のGIST治療ではないでしょうか。Exon9の腫瘍であればなおさらです。

これらのスライドから、 GIST患者には一日400mg服用との制限がいかに時代遅れかが明かです。日本の保険は厚労省一括ですね。(あまり日本の保険知識が有りません。) この掲示板をとおし、グリベック800mgGIST保険適用運動をされてはいかがですか? 全国GIST患者さんの署名を集め、主治医にも署名を請い、厚労省に懇願?されたらいかがですか? 他力本願では前進なし ではないでしょうか。

[4377] 再投稿 Sumito - 2010/02/02(火) 04:39 - MAIL HOME

記事の編集中に誤ってログの一部を削除してしまったため、再投稿します。

Sunny南加さん

この件は患者だけでなく、医師の間でも必要性を訴える声があり、何度かアプローチを行ったそうです。ですが国内には500mg以上を服用する事による効果と安全性を示すデータがないために、承認申請は行われていません。

まず初発の段階で、エクソンの変異箇所を調べる検査は、通常は行われません。事前の手続きや準備があることや、健康保険が効かない検査であるため、医師や病院も勧めませんし、そこまでGIST治療に精通している医師も少ないのだと思います。患者の方も初発の段階では、その必要性に気付く方は少ないでしょう。
次にグリベックの血漿濃度を測定する施設が少ないという問題もあります。私が知る限り2箇所、その他を加えても国内では5箇所くらいではないでしょうか。
しかも同施設を受診している患者さんに限って実施しているところや、個人の依頼は受けないというところもあり、さらにその枠が狭くなっています。

グリベック500mg/日〜800mg/日への保険適用ですが、GIST患者への有効性、安全性を示すデータが無いこと、ほとんどの患者さんはご自分のエクソン変異箇所をご存知でない事、血漿濃度を測定できない事、などの理由と、グリベックとタシグナの、ファーストライン治療薬としての効果を比較する治験が始まっている現段階では、承認申請が出される可能性は、極めて低いと思われます。(海外の臨床試験データは参考にはなりますが、承認審査で重要視されるのは、やはり国内のデータです。)

また、署名運動が効を奏し国内のGIST患者を対象に高用量グリベックの効果を判定する治験が始まったとして、グリベック400mg/日で効果が上がらないGIST患者さんを集め、治験を行うための施設や人員の確保などには莫大な予算が必要で、タシグナの治験と合わせて進行させるだけの余力が、日本国内にあるとはとても思えません。ともすればタシグナの承認申請が遅れる可能性もあります。これだけは避けなくてはいけません。
時期的な問題もあります。

ですので、高用量グリベックの承認申請を要求するとすれば、タシグナの承認後、進行GISTに対するグリベックとタシグナの効果判定がもし行われるとすれば、その時ではないかと(現時点では)考えています。
この治験はブラジル、韓国、タイなどではすでに行われています。
100:0でタシグナが勝らないかぎり、承認申請を求めたいと思います。
(とは言え、私も全ての情報を把握しているわけではありませんので、状況次第ではSunnyさんの言われるように動くことも必要かもしれません。)

今、一番力を入れたいのは、薬価の問題と高額療養費制度の見直しなどです。現在でも高用量グリベックの服用は可能です。管理してくださる医師もいます。ただ経済的な負担は3ヶ月処方だけではとても補えません。薬価は引き下げがほぼ決まったようですが・・・この問題はCML患者会の意見も伺いながら、早急に進めたいと考えています。

 





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