夢を見た、クリスマスの夜。 浜辺を歩いていた、主と並んで。 砂の上に二人の足が、二人の足跡を残していった。 私のそれと、主のそれと。
ふと思った、夢のなかでのことだ。 この一足一足は、私の生涯の一日一日を示していると。
立ち止まって後ろを振り返った。 足跡はずっと遠く見えなくなるところまで続いている。
ところが、一つのことに気づいた。 ところどころ、二人の足跡でなく、 一人の足跡しかないことに。
私の生涯が走馬灯のように思い出された。
なんという驚き、一人の足跡しかないところは、 生涯でいちばん暗かった日とぴったり合う。
苦悶の日、 悪を望んだ日、 利己主義の日、 試練の日、 やりきれない日、 自分にやりきれなくなった日。
そこで、主のほうに向き直って、 あえて文句を言った。
「あなたは、日々私たちと共にいると約束されたではありませんか。 なぜ約束を守ってくださらなかったのか。 どうして、人生の危機にあった私を一人で放っておかれたのか、 まさにあなたの存在が必要だった時に」
ところが、主は私に答えて言われた。
「友よ、砂の上に一人の足跡しか見えない日、 それは私がきみをおぶって歩いた日なのだよ」
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