タマムシ大附属学校
ポケモンのオリトレ小説、学園パラレル企画掲示板。
要するに、オリトレ達のドタバタ学園コメディ(待て)。
物語がどう突き進むかは全く不明ですが、何はともあれ楽しみましょう。
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[445] 学園ネタ読み切り(6)「発動、ブラッドフォート!!」 |
- アット - 2008年04月17日 (木) 19時18分
ブレイカー・ブロック、第二幕。 1ブロックを3話構成とするなら、今回は中盤のエキスパション。 今回は、多色デッキを推奨するカードを多く取り揃えてあります。
「Σいや、だから何でギャザ風!?」
早々に突っ込むシクーは、放っておこう。
諦めよ、シクー。 所詮君は、たかがヒヨコの域にすら達する事が叶わない。
「Σ僕には夢も希望もないの!?(泣)」 ←シクー
「Σむしろ、『たかが』って何!?(涙)」 ←ヒカル
という訳で……。 そろそろ、アレを動かしてもいい頃合だと思います。
「むしろ私は、とっとと発動してほしいぐらいなんだけど」
いい加減、待ちくたびれたと言わんばかり。 保健室のカナ先生は、おもむろに机に設置されたレバーに手を置く。
「まずいっ、止めるんだ!!」
そこへ何故か駆けつけてきたのは、中等部二年のネフライト。
数々の敵が立ちはだかっても、それをことごとく打ち破って来た彼。 果てしなき激闘の末、ついに元凶を目前とするところまで辿り着いたのだ。 悪の女帝カナは、今まさにスイッチを入れようとしているところ。 勝敗は、紙一重の差で分かれようとしていた。
「え゛。そんな話にはなってなかったような!!?」
あ、このツッコミはシクーです。 ったく、紛らわしい。
「そ、そんな事を言われても……(汗)」
しかし、運命は皮肉だ。 後一歩……そう、ほんの後一歩なのだが……。
「くっ!!」
敵の姿を確認したネフは、間髪入れずに再ダッシュをかけてきた。 彼に、一切の落ち度はない。 これで、カナの野望は打ち砕ける。
……その、はずだったのに……。
「あら、ご免あそばせ♪」
ガチャリっ。 無情にも、レバーはあっさり倒される。
「なっ……!! そっ、そんな……!!」
愕然としたネフライトが、その場にうなだれたのは言うまでもない。
恋愛勢力図のこう着状態を問答無用でぶっ壊す、CP強制連結剤……『偽・血の神殿(ブラッドフォートU)』。 今、ついに発動す!!
「そ、そんな酷い事に……?(大汗)」
学園ネタ読み切り(6)「発動、ブラッドフォート!!」
※ 今回、若干裏に近めな描写が多いような……。
Phase 1 エクセリオンvsエクセリオン・ブレードvs神剣エクセリオン
ネフライトがブラッドフォートの発動を止めようとしたのには、訳がある。 この偽ブラッドフォートは人間を溶解するのではなく、膠着状態の恋愛関係を溶解し、養分としてしまう(誰のだ)。
それは時として、過剰な関係進展をももたらしてしまう。 彼が何よりも恐れているのは、それだった。
「ネフライト〜。今日の放課後、暇でしょ? 私と、イイトコに行かない?」
「えっ!? いやっ、あの……あわわ……!!」
マリンに迫られ、苦悶するネフ。 ブラッドフォートが発動した今、マリンの積極性は大幅にランクアップしている。 気を抜けば、そのまま押し倒されかねない程に(爆)。
「じゃ。放課後、楽しみにしてるわねー♪」
「う、うん……(汗)」
抗するすべもなく、あっさり承諾してしまうネフの姿がそこにはあった。
「僕も女の子が苦手だから、助けてあげたいけど……どうしようもないよなぁ(汗)」
古流剣術部の新設道場より。 外の様子を眺めるヒカルが述べた、一言だった。
本当なら、彼だってネフライトを助けたい。 何故なら、女性に振り回される星の下に生まれた者として、彼の気持ちが分かるから。
しかし、ヒカルにはどうすることもできない。 何故なら、彼はヒヨコだから。
「反論したいけど……できない……(ずーん)」
しかし、『僕も』ってのはどうかと思うぞ。 それじゃあまるで、ネフライトも女の子が苦手みたいじゃないか(ぇ)。
「つまりネフライト君は、自分の精神修行の未熟さを嘆いているのかなぁ?」
「どーかなぁ。もしかすると、一線を超える勇気が無いだけかも知れないよぉ♪」
「??? 一銭っていうのは、100分の1円ですよ……」
と、なんか訳の分からん方向性でズレた会話をするのは、ダイスケとホナミだった。 現在は休憩時間中であり、ホナミの差し入れたチーズケーキを皆で食べている所である。
ホナミ抱きしめ事件(爆)以来、ダイスケは比較的ホナミと打ち解けるようになっていた。 無論、恋愛感情などは、どこ吹く風ではあるのだが。 とはいえ、ダイスケが普通に会話できる程の好感度上位に食い込んだのは、大きな進歩と言えよう。 ……ちなみに厳密には、メッセや絵茶などのキャラチャでの進展だったので、実際の物語としてそれはあまり描かれていない(ぁ)。
さて、たまには古流剣術部らしく、バトルでもさせてみようと思う。 なーに、単なる筆者の気まぐれだ。
「Σ脈絡なし!!?」
と、無駄に鳴くシクーが持つのは、黄色いイナズマのような形をした剣。 それでも刃の部分は一直線で、それは異形ながらも、まごう事無く一振りの剣(つるぎ)である。
告死天使の武装ディバインの中でも、最強を誇ると言われる『神剣エクセリオン』。 プール開きの時、ラグナのディバイン『神槍ローレライ』と共に化け物プールを破壊してのけた、神造兵装だ。
「うぅ……やっぱり逃げられないんだね(汗)」
次いで蒼夜が持つのは、手袋の指1つ1つの先端から、鋭利な斬鋼線を放つ武具。 分かり易く言うと、手にはめることで指先から糸を出し、触れたものを切り裂くことができる手袋だ。
時の番人(クロノ・ナンバーズ)の装備品は全てオリハルコン製で、滅多な衝撃では傷1つ負わない一品。 蒼夜の操るオリハルコン製武装『エクセリオン』は、変幻自在の名刀と言えよう。
「……むしろ蒼夜先輩が、いつの間にか巻き込まれてる件について……」
「それは、俺が知りたい(汗)」 ←いつの間にかいる
最後に、巨大な翼のような形をした才牙、『エクセリオン・ブレード』。 この剣の使い手たるボイスイメージのキャラが、残念ながらいません。 仕方ないので、ソウトにでも押し付けて使ってもらう。
「いや、待て待て。これ、『エクセリオン・ブレード』じゃくて『アロンダイト』じゃないか?(汗)」
その手に握られたのは翼の剣ではなく、毒々しい朱色に染まる紅(あか)の運命剣だった。 ソウト仕様に、デザインを変えてみたんです。
「Σ勝手に変えるなー!!」
かくして。 大乱闘スマッシュタマムシーズの幕が上がった。
「またそのネタじゃないか!?」
「叫んでる間にやっちまうぞ。シクー」
「って、蒼夜先輩もやる気満々!?」
蒼夜のエクセリオンの、糸状刃がシクーの上に降り注ぐ。
「うわあぁ!!? 告死ディザレスター!!(涙)」
そして、いきなり告死奥義を暴発させる未熟者シクー。 いかに彼の告死奥義『告死ディザレスタ』が強力とはいえ、ろくにゲージが溜まってなければ大した威力はでないのに……。
……10分後。
壮絶を極めた激闘の末、その場に立っていた者はただ1人。 その名は、ダイスケ!
「Σダイスケ君は参加してなかったじゃないか!!?」
どうやら10分間の間に、なんかあったらしいです(ぇ)。 あえてヒカルに、詳細を説明する必要性は見いだせないけど。
「むちゃくちゃだ……(汗)」
事態は、緊迫していた。 よくは分からないが、どうもダイスケは狂化しているようなのだ。
「…………(ギロリ)」
鋭い、それこそ刃のような眼差しで周囲を見渡し、『戦』の本能に駆られし王。 ちなみに道場の隅っこに、シクーがボロボロでぶっ倒れているのだが、あえて放っておこうと思う(オイ)。 ダイスケがやったのか、逆にこれがダイスケ狂化のキッカケだったのか……?
「…………。ふっ……」
ズガガガガっ!! 『エクセリオン・ブレード』を振り回すだけで、辺りを無差別に粉砕していく、圧倒的破壊力!
「っていうか、何でダイスケ君が持ってるのさ!?」
出番なかったからだよ、ヒヨコ君(蹴)。 ちなみに左手には、『神剣エクセリオン』が握られています(爆)。 ……取られたのかよ、シクー。
「…………(気絶中)」
恐らく後にも先にも、ただ1度限りな二刀流ダイスケ。 型に外れた状態ではあるが、今はあらゆる技術を破棄し、力のみが全てとなった狂化状態。 両手の剣は、パワー面でだけならば超絶的なものを宿していた。
「もう、好き勝手にやられてるなぁ(汗)」
「いずれにせよ……これを止めなきゃ、被害が広まるだけだ!」
そこへ、蒼夜の『エクセリオン』が伸びてくる。 ダイスケの『エクセリオン・ブレード』に巻き付き動きを封じるが、どう頑張っても片腕を止めるのが精一杯。 何せ剣はもう一本、『神剣エクセリオン』が残っているのだ。
「くっ……こりゃ、キツいな……」
蒼夜が歯を食いしばった、まさにその時。 1人の少女が、ダイスケの背後から近づいた。
「!!? だ、駄目だよっ……!!」
ヒカルが、悲鳴に近い声で叫んだ。
今のダイスケは、狂化状態だ。 近づく者は、全て斬り捨てられてもおかしくない。
ましてや、卓越した剣士であるダイスケに対し、その背後に立つなどもってのほか。 最も警戒する位置であるが故、最も殺傷精度を高める事で補われた間合いなのだから。
「……っっ!!」
ガシっ!! しかし……少女は、ためらわずダイスケに飛びついた。
少女とは、他ならぬホナミである。 両腕をダイスケの胴に回して抱きしめ、決して離そうとはしない。
「……暴れたければ、暴れなさい。斬りたければ、斬り捨てなさい!」
いつもはしまらない言動のホナミが、鋭い発声をダイスケの右耳に叩き込む。
「たとえ斬られても、この腕だけは絶対に離してやらないんだから!」
「……っ……。あ……」
ダイスケの目が、徐々に透明度を取り戻す。 そのまま彼は膝をつくと、あろうことか両手の剣を離して、そのままうなだれてしまった。
「ダイスケ……君」
ヒカルは、目をぱちくりさせながら、彼を眺めていた。 そして、今なお腕でがっしり抱きつくホナミの様子とを見比べるのだった。
「……ぐぅ……ぐぅ」
「ね、寝てる?(汗)」
ダイスケは、何事もなかったかのように眠りについた。 ホナミもまた、気張った疲れがでたのか、そのまま気を失っている。 結果、抱きついたまま眠る2人という、文章だけで表現すると凄くヒワイな状況ができあがった(爆)。
「違うでしょ!!(汗)」
……にしても。 やっぱヒヨコは、ツッコミにしか活躍できなかったな(ぇ)。
「一応いいシーンっぽい感じなんだから……いろいろ、茶々入れないでほしいんだけどなぁ……(ずーん)」
Phase 2 3つのルール
「…………」
ラグナは、ぼーっとしていた。
カズキが『破局すべき契りの符(フラグ・ブレイカー)』を使ったとされる日の翌日、彼は学校を欠席していた。 その理由が、ラグナにはよく分かったし、彼自身も当然同じことをした。 薬の効果は24時間であり、効果が切れ次第、2人は必ず分かれてしまう。 ならば丸一日、使った対象……コロナと、片時も離れたくはなかったのだ。
前回、図らずもコロナが薬を服用してしまったのは、放課後の夕暮れ時である。 確かにゴウスターの言う通り、翌日の同時刻キッカリになるまで、惚れ薬の効果は完璧と言えるほどに発揮された。
ただ途中、一度だけ……。 笑顔で述べたコロナの言葉が、ラグナをえぐったものがあった。 コロナは確かにカザトが好きだが、割とラグナの事も以前から気になっていたのだという。
……それは、薬の効果によるものなのか? はたまた、本来のコロナが、最初から抱いていた感情なのか? 後者ならば、もしラグナが誠意を持って想いを伝えていたなら、正しい形でコロナとの関係を築けていたかも知れない。 だが、それに気づいたところで、もう後戻りは許されない。
飲ませたい欲求を持ちながらも、抵抗感を散々抱えていたラグナだったが、ひとたび始まってからは早かった。
すぐに2人一緒に下校したし、そのまま町へとデートにも繰り出した。 コロナが腕を絡ませてくる事で触れる、大きく柔らかなバストの感触が気持ち良かった。
町を遊び歩いた後に、1人暮らしのコロナの部屋にまで行った。 噂では、カズキもミズキの家で一夜を過ごしたらしいと聞いた以上、自分も同じにならない手はなかった。
2人っきりの部屋で、コロナは始終ラグナに甘えてくれた。 ラグナも、ついついコロナに甘えてしまった。 ラグナの欲求には何でも応じてくれたし、手作りの夕食も振る舞ってくれた。 普段なら着替えや入浴を覗き見する彼が、その夜は覗きという行為そのものに全く必要性がなかった。
……その夜は、彼女の部屋に泊まった。
翌日には2人で学校を休むと、また一緒にデートをした。 人目のつかない場所に行っては抱き合った。 終わりは刻一刻と近づいてきたが、夕方にはまたコロナの部屋に戻り、シャワーで汗を流す。 最後は部屋で身を寄り添わせながら、終了の時を迎えたのだった。
夢のような一日を満喫した後、ラグナとコロナは別れた。
やっぱりコロナは、カザトが好きだと言ったのだ。 コロナは、何度も何度も謝っていた。 むしろ、後ろめたいのはラグナである。 『破局すべき契りの符(フラグ・ブレイカー)』の効果は最初から知っていたし、そのせいでコロナを傷つけたとも言える。
気持ちが落ち着いたら、コロナはカザトに告白してみると言っていた。 あえてラグナは、彼女を応援することにした。 もしカザトが断れば、再びコロナは自分の元に戻ってくるかもと一瞬思ったが……それをすぐに否定する。 きっとそうはならない、カザトはコロナの告白を受け入れるだろうと、ラグナは理屈抜きで確信していた。
「…………」
今のラグナに許されるのは、せめて思い出に浸ること。 非道な薬の力だったとはいえ、思えば彼が異性と本格的に付き合ったのは、これが初めてだったのだから。
「残念ながら『ルールγ(ガンマ)』がある限り、あなたはこの世界において美少女とはくっつくことができないわ」
「って、唐突に何の話だ!?」
現れたのは、図書委員のユウナである。 何か怪しげな冊子を片手に、こちらをまじまじと眺めてきている。
「……何でもない」
「って、待て! 気になるだろっ」
「うるさいわねー。カズミちゃんはきっと、将来美少女になるからよ。どの世界でも美少女とくっつくなんて、あなたには許されてないの」
語りながら、ユウナはわざとらしく、手に持った書物を見せつける。
「……って、ネットショッピングでゲットした、この本に書いてあったわ」
「何の本だ(汗)。むしろ、前提が間違ってねぇか? 何で俺が、カズミとくっつくことになってんだよ」
そこは予想の域と出ませんが、何となく本編ではくっつきそうだし(ぇ)。
「ちなみにコトキは、セレナ相手に同様のルールが働いてるわ。つまり、ある世界でこの2人がくっついたら、ある世界ではくっつかなくなる」
「あいつの恋愛事情に興味なんてねぇよ(何)。……けど、俺に関するルールとやらは、どうにかならねぇのか?」
「可能よ。あなたも使った、例の宝具を用いればね」
「……また、あの薬に頼るのかよ!(汗)」
そして数日後に、事件は起こる。 なんとラグナは、クラスメートのミミと付き合うことになったのだ。 詳細は↓です(ぇ)。 <http://bbs4.sekkaku.net/bbs/?id=Tamamushi&mode=res&log=147>
「Σてめぇはどこまで、人を薬漬けにすりゃ気が済むんだーっ!!」
ラグナは叫ぶ。 神槍ローレライを振り回し、ユウナを思いっきりぶん殴った(爆)。
「いたっ!!? ちょっと……女の子を殴るなんて、最低ね」
「自業自得だろっ!!」
「何がよ。そもそも私は情報を得ただけで、何もしてないじゃない」
どうやらラグナは、独自に調べ上げたらしい。 ミミが自分に好意を持ったのも、マヤ先生の新薬のせいであると。
「むしろ、よく知り得たわね。どこで聞いたのよ」
「うるせぇ! ともかく見て見ぬフリなてめぇも、同罪だ!」
あくまで物語の中なので、この薬は安全です。 けれども現実で薬漬けはダメ、ゼッタイ(何)。
「ちくしょう。今度は素だと思ったのに、まさかミミも薬の効果だったとは……。やっぱ、そううまい話はねぇって事なのかよ」
「(要は、ただの八つ当たりだったのね)」
やれやれと肩をすくめて、ユウナは早々に退散する。 かくして、1人残されたラグナ。 しかし、その後ろから近づいて来る影が1つ。
「……ラグナ君?」
「ん。ミミか?」
振り返ると、確かにミミはそこに立っていた。 何やら気まずそうな表情で、何か話があるような雰囲気である。
「……っ」
最近、ラグナは同じ状況を体験したばかり。 そう……これはまさに、コロナに『破局すべき契りの符(フラグ・ブレイカー)』を使った後の、別れの際と同じシチュエーション。
「実はね。ラグナ君に……話しておかなくちゃいけない事があるの」
「(やっぱりかよ)」
半分ヤケになったラグナは、投げやりな態度で顔を向けた。
「一体、何の話だよ」
「うん。実はね……」
「…………」
「私……ホントは、ミミじゃないの」
「…………。は?」
予想だにしなかった言葉だった。 というか、聞いても今ひとつピンとこない。 彼女の話す意図が、つかめないのである。
「私は田辺深美(タナベ ミミ)ではなく、田辺深衣(タナベ ミイ)。ミミの、双子の妹よ」
「……どっかで聞いた事のある展開くさいのは、俺の気のせいか?(汗)」
「実を言うとね。ミミは今、ケガで入院してるの。大事に至る程じゃあないんだけど、このままだと出席日数が危ないってことになっちゃって。それで外見がそっくりな私が、こっそり代理で学校に来てたって訳」
「出席日数って、それじゃあお前……ミイだっけ? お前こそ、自分の学校はどうしてるんだよ」
「あはは……。それが私、正直に言うと高校受験に失敗しちゃって(苦笑)」
シャレにならないと思うぞ、それ(ぇ)。
「そういう訳だから、あくまで学校内では『ミミ』ってことにしといてくれるかな?」
「それは構わねぇけど……だったら、何で俺にバラしたんだ? 誰にも明かさなきゃいいのによ」
「だ、だって……。これから真剣に付き合う恋人に、自分の正体を隠したままでなんていられないよ……」
「…………。へ?」
間の抜けた声を漏らして、ラグナの目は点になる。 おもむろに、彼は時計を眺めた。 これが薬の力なら……その効果時間は、とうに過ぎている頃合だ。
「改めて、よろしくお願いします。……って事で、いいかなぁ?」
「……っっ!!」
真正面から言われてしまうと、やはりラグナも固まってしまう。
何故だろうか……。 ミミ(実際にはミイだった訳だが)と付き合う事になり、最初はうかれて、調子に乗っているだけだった。 今だって、同じようにしとけばいいのだろうし、その方がラグナらしい。 しかし、何故だか体が言うことをきかない……手足が麻痺して動かない。
結局、それから小一時間もの間、その場で立ち尽くしてしまうラグナ。 健気にもミイは、そんな彼の硬直状態に付き合ってあげるのだった。
「……あら、うまく行ったのね。『ルールγ(ガンマ)』の攻略」
カタカタとキーボードを打ちながら、ノートパソコンに収められたファイルを閲覧するユウナ。 どうやら、彼女が依頼した調査結果資料らしい。 作成したのは、学園機密調査部も兼ねる新聞部。 調査結果と言っても、まぁ……隠し撮り写真の画像の他は、状況を話で聞く程度なのだが。
「うまく行った事になってるのか、これ? いまいち確証がつかめてねぇし……こんなんで良かったんですかね?」
結果報告役は、新聞部所属のユウトである。 基本、彼は言葉遣いがあまり丁寧な方ではない。 ただ、一応ユウナは高三で、ユウトは高一。 先輩に対しての発言は、それなりな敬語混じりで述べているらしい。
「確証がつかめないのは仕方ないわよ。『この世界』と『別の世界』って言われたってよく分からないし、そんなのにわかには信じられないわ。別の世界ってのが本当にあったとしても、そっちでどうなってるのか検証しようがないじゃない」
ついでにHIROさんが今後どうストーリーを進めるかも分からない(何)。 なお、キャラクター達がいくつもの世界の存在を認識できるは、物語中に情報として得た者でもない限り、基本的にはキャラ会話チャットや座談会の時ぐらいなのである(ぇ)。
「もし仮に、今回このルールを本当に打破できたんだったとしても、恐らくそれはラグナに対してのみの話。コトキを始め、他の人を対象としている『ルールγ(ガンマ)』そのものは、未だに健在よ」
「完全には打破しきれてないってことか。しかも、そんなのが他にもまだ2つ……」
「えぇ。学園を取り巻くルールは、合計3つ」
腕を組んで、ユウナはうつむく。 3つのルール、それは『ルールσ(シグマ)』『ルールγ(ガンマ)』『ルールω(オメガ)』と呼ばれる。
その正体が何なのか。 今後も関わってくるのか。 ……今はあまりに未知な内容過ぎて、何一つ結論を出せないのが現状だ。 ただし、ユウナはこう警告する。
「いずれ、きっと。この、3つのルールと戦わなければならない時が来る」
「……戦う、っスか?」
「えぇ。これは単なる、私の直感。けど、何故か確信が持てるの。いつか、逃げられない時がやってくるってね」
やがてユウナは、ノートパソコンをシャットダウンする。 んーっと伸びをしている間に、ディスプレイが真っ暗になと、彼女はゆっくり画面を閉じた。
「……にしても、あのラグナにとうとう恋人かぁ」
「? ひょっとして先輩。実はラグナに気があった、とか?」
「んな訳ないでしょ。そんな事はないんだけど、ただ……」
ただ……考えてみれば、ユウナはラグナと関わる事が多かった気がする。 腐れ縁というやつなのだろう。 ラグナに気があった訳ではない、それは本心だ。 それでも、どこか寂しい感情を抱いてしまうのである。
「……羨ましいのかも知れない」
ノートパソコンを、無理やり気味に前方へ押し込みながら。 椅子に腰かけたままの状態で、彼女は上半身を机に倒し込んだ。
「はぁ……」
そして、1人の後輩男子が見ている前で、情けない溜め息を1つ。
……ブラッドフォートの恐ろしさは、かけた範囲内にいる人間の、精神状態を揺るがせるところにある。 その範囲とはタマ大附属校全体に及ぶ為、結果的に在校生徒の皆が、多かれ少なかれ影響を被ってしまう。
それは些細なようで、実は徐々に深刻な心理状態を生み出す火種。 どことなく親近感を抱いていた少年が、目の前で傷つけられるのを見ただけで、1人の剣士がたやすく狂化した程だ(ぇ)。
Phase 1のダイスケはL5だったとして(違)、今のユウナはL3程度。 むしろ、今までの彼女はほとんど影響の出ないL1状態だったのが、ここにきて急性発症の兆しを見せていた。 原因は恐らく、ラグナの恋愛成就を改めて思い知ったから。
机に突っ伏したまま、ユウナは横を見上げる。 視線の先に立つのは、ここ最近ちょくちょく顔を合わせる後輩男子。
「…………」
ラグナほど、付き合いは長くない。 しかし……そういえば、彼と話をするようになってから結構な日にちは経つ。
「何だろ、この感じ……」
「? どうしたんですか?」
「…………。静かね……」
「ん、まぁ……。部屋には俺と先輩しかいませんし、この辺の廊下はあまり人が来ないトコですし」
ガタっ。 不意に立ち上がるユウナは、つかつかとユウトの側へと歩み寄る。
「……っ!?」
「あなたってさ。女の子に興味はないの?」
「え゛。そりゃあ……あ、あるに、決まってるじゃないっスか」
「……ふぅん」
それは、L4の症状(ぇ)。 自分でも意図せずに、ユウナの顔は赤らんでいた。 割と豊かめの胸を前に突き出すようにして、いつになく艶(つや)やかさを意識した仕草を見せる。
ユウトも、それほど鈍い部類の男ではない。 それ故、ユウナの言いたい事を何となく察してしまう。 だが同時に確証が持てず、彼の口内は緊張で渇いていった。
「そんなに……ラグナが、羨ましかったんですか……?」
ようやく述べることのできた、ユウトの一言がそれだった。
「…………。うん、羨ましかったわね」
少し間を置きつつも、ユウナはきっぱり返してくる。
「……急過ぎません? 先輩……」
「そうでもなかったと思う……。たぶん前々から、少しずつ意識はしてたわよ? あなたのこと」
「お、俺は……そうでもなかったんけどな……」
「……そうなの。じゃあ、今日から……は?」
「…………」
「…………」
がばっ! いきなりユウトは、ユウナの身を抱き寄せる。
「んっ……」
「……ユウナ」
抱きしめられたユウナは、かすかな吐息で甘く喘いだ。 そのまま、先輩である自分を呼び捨てしてくれたユウトを、そっと抱き返す。
彼に唇を奪われることを、甘んじて受け入れるまで……さほど時間はかからなかった。
Phase 3 他者暴走・鮮血寝殿
ユウナは言っていた。 ラグナのルールγ(ガンマ)は、彼が使った宝具を用いることで打破できると。
そして実際、これは単一的ながらも打破に成功している(らしい)。 つまりは、『それ』を使ったことを意味する。
問題は、誰に使ったか……であるが。
「…………。僕……どうしちゃったんだろう……」
全く関係ないハズだった彼が巻き込まれるのも、やはりブラッドフォートの影響なのか。 他者暴走の結界はヒヨコ1匹さえ逃がすことを許さず、彼を深刻な容態へと追い込んでいた。
「……確かに、昼ご飯を食べるまでは何も無かったはずなのに」
まるで自分を戒めるように。 ヒカルはきつめに、自分の唇を噛んでいた。
「その直後、目の前にいるヒカリを見てから……何かがおかしくなったんだ……」
タイミングは、そこであったのは間違いない。 どういうやり口であり、どういう動機で彼が選ばれたのかは分からない。 ただ、そこには結果として、今の容態に苦しむヒカルが存在した。
宝具『破局すべき契りの符(フラグ・ブレイカー)』は、服用直後に初めて目にした異性に対して、媚薬効果が発生する。 当然それは、兄妹であろうと例外にはならない。
しかしながら、それはヒカル自身、許すことのできない感情だった。 脳内物質の異常か、ツッコミ過多によるストレスか。 理由は分からないが、ヒカルは次々と頭に浮かぶ、妹に対する不埒(ふらち)な思考。 なけなしの気合いで、彼は必死に自分の心を抑え込んでいた。
なけなし……と言っても、妹を護る為とあれば、彼の精神は強靭だ。 だからこそ、彼はこうして、昼食の場から逃げてきたのである。
「はぁっ……はぁっ……! と、とにかく、今はヒカリから離れていないと……」
心当たりのない惚れ薬の効能に、ヒカルは苦しみながらも耐えていた。 突然逃げてきたのだから、妹は心配しているかも知れない。 それでも今、彼はヒカリに近づいてはならないのだ。
……だが。
「お兄ちゃんッ!」
最凶の敵は他ならぬヒカリであると、彼は改めて思い知る。
「っ!!? ヒ、ヒカリ……」
妹は、追いかけてきていた。 しかし、これは当然の展開である。
目の前に座る兄が、突然の発汗、呼吸不全、発熱とおぼしき顔の赤らみ、そして逃走という異常行動……。 医者であるヒカリがこれを見て、反応しないはずがない。
「受診、します!!」
一応まだ診察前なので、「治療します!!」ではないらしい(そうなのか?)。 だが、意味合いとしては似たようなものだ。
はっきり言うが、医者モードのヒカリは全ステータスが最高ランクに跳ね上がる。 それはもはや、抵抗を成し得る次元を、とうに超えてしまっていた。
「まっ、まず……い……!!」
ゆえに、ヒカルが逃げ切れる可能性は絶無。 1秒もかからずヒカリの手に捕まる事が、ほぼ絶対視されていた。
「……ぐっ……」
それでも、ヒカルは最後の手段を講じた。 片腕をかかげ(特に意味はない)、こう唱える。
「……インディグネイト・ジャッジメント!!」
ズガガガーンっ!!
「っ!?」
空より墜落する、蒼白の稲光。 それは校舎を、巨大な金槌が振り下ろされたかのように打ち砕く。 上層階はもちろん、恐らくは建物最下層まで達した光の集束筋。 天井もろとも、足場を崩壊させていく。
「(こんな事に、ヒカリを巻き込みたくはない……それでも!!)」
今、自分が捕まる訳にはいかない。 それが何よりも、現状優先すべき絶対事項だった。
ともかく、床はバラバラだ。 瓦礫(がれき)が降り注ぐ大損害の中、いかな医者モードであろうと止まるはず。
「守護八卦、六十四掌!!」
「え……」
……否、彼女は止まらない。
コンクリートの雨の中、ヒカリは両手であらゆる瓦礫をいなして弾きながら、そのままの状態で接近してくる。 逆に、身動きが取れないのはヒカルだ。 敵の道を断ったはずが、実は自分の道を断ってしまっただけであると、ようやくヒカルは思い知る。
「あ……あぁっっ……!!?」
さすがに、もう駄目だと思われた。 医者モードも、迫り来る媚薬の症状も、もう止める手段がない。
ところがここで、思いもよらないものが降ってきた。
「うおおっ!!? ……ふぐっっ!!」
……タイチだった(爆)。 彼はあろうことか、校舎の上層階より落ちてきて、ヒカリの真上に覆いかぶさったのだ。 しかも両手と頭が、まるで狙ったようにヒカリの胸に落ちてきていた。 着痩せ体型に隠された、豊満なバストに顔面が溺れていく。
普段ならヒカルも、即刻彼をぶちのめしていたことだろう(爆)。 しかし、今だけは感謝せざるを得ない。 形はどうあれ、彼はヒカリを押さえつけてくれたのだ。
ガラガラガラガラガラっっ!!
崩壊の後に訪れたのは、拍子抜けするほどの静寂だった。 仰向けに倒されたヒカリは、ホコリを払いながら体を起こす。
「あうう……」
「……っ! ぐぅっ……!」
うめき声が聞こえたので、ヒカリはすぐに動きを止めた。 声の主はすぐ側……というより、自分に覆いかぶさるようにして、そこに倒れている。 瓦礫で傷つけたのか、肩口には痛々しい出血が見られる。
「!! 治療しますっ」
兄も心配だったが、今はタイチの状態の方が急を要した。 どこから取り出したのか、消毒液や包帯などの医療具一式を広げると、迅速な緊急処置に当たる。
「こっっ……のおおっっ!!」
ドガァッッ!! と、いきなり降って来たのは、突撃槍の如き右足。
「ごっっ!!? がはっ……」
「なっっ……!!?」
直撃を受けたタイチは、うめいてのた打ち回る。 今まさに治療を始めようとしていた矢先、不意に患者を襲った一撃を目にし、彼女も一瞬手が止まった。
「タイチぃ……!! あんた今、ヒカリの胸を触ってたなぁ……!!?」
おぞましい形相で立っていたのは、ティシアである。
「なっ……」
確かにティシアは、足技を得意とする。 しかし、ここまで凶器じみた蹴りを叩き込まれたことなど、今まで経験したことがない。
この時のティシアは、明らかに異常だった。
実は誰も知らなかったが、彼女は体質上、ブラッドフォートの影響を過敏に受け易かったらしい。 結果、精神異常クラスにまで心にダメージを負い、疑心暗鬼に駆られている。 とうにL5に達しており、首には引っかき傷まで確認できた。
「ち、違う……お前が、ティシアであるはずがない……。お前は、鬼だ……!!」
……これはレボのネタです(待て)。
「タイチ……! 信じてたのに……信じてたのにっ!!」
ガスっ!! ベキっ!! ドガッ!! ……これはカズハのネタです(蹴)。
だが、この直後。 タイチとティシアは、治療のためのヒカリの『麻酔』により、意識を喪失することになる。
「霊冥へと導く破邪の煌きよ。我が声に耳を傾け賜え。聖なる祈り、永久に紡がれん。光あれ。グランドクロス!!」
…………。
ちなみに翌日。 身も心も、ズタボロの状態のヒカルが、学校の裏山で発見・保護された。
彼は……24時間の戦いに、勝ったのだ!(何)
Phase 4 無限の恋製(アンリミテッド・ラブ・ワークス)
もはや魔術の最高峰『固有結界』でさえ、タマ大附属校においては、血の神殿の一部に過ぎないらしい……。
「……なんで、こんな事になっちまったんだ……?」
途方に暮れ、行き場を失った迷い子のように。 タイチは意味もなく、廊下を徘徊していた。
「俺が悪かったのかな……。けど……どっちにせよ、ティシアとはもう終わりなのか……」
結局、2人はケンカ別れをしてしまったらしい。 これはラグナの時同様、ルールγ(ガンマ)が関わっているのだが、それを本人達は知らない。 (つまり本編では必ずこの2人はくっつきます) ルールを破壊できた例がラグナならば、ルールに屈した例がタイチなのである。
ただ厳密に言うと、2人は正式に付き合っていた訳ではない。 何かと意気が合い、共に行動をしている内に、いつしか周囲にはカップルと認識されていたのだ。 それでも、少なくともタイチは、ティシアのことが好きだった。
「いつか言おうと思ってたけど……結局言えず終いだったな」
ここは、HIROさん執筆の学園小説でも、お馴染みの場所。 コーヒーショップ、『SKY PLACE』である。
「あら。カズハちゃん、こんにちは」
古流剣術部のダイスケとセレナは、休憩がてらココに来ていた。 別にデートではない(ぇ)。
そして、セレナは1人で座る女の子に目を止める。 中等部一年の、女子生徒だった。
「……あ。えっと、セレナ先輩?」
気づいたカズハの言葉に、セレナはにっこり微笑んで答える。 そのままセレナとダイスケは、カズハがいた隣の机に向かって、腰を下ろした。
「えっと、そちらの人は?」
どうやらカズハは、ダイスケを見るのが初めてらしい。
「あー。古流剣術部の、師範代よ。一緒に来てもらったのは……ま、ボディガードみたいなものと思っといて♪」
ダイスケの紹介に、てきとーな事を勝手に並べるセレナ。
「私の身に危険が迫ると、師範代が護ってくれるんだよねー?」
「……嫌です(しれっ)」
「ぐっ。……ね、面白い人でしょ?」
などと、よく分からない会話が続くのだった。
やがて、『SKY PLACE』に新たな生徒が訪れる。 それを見たセレナは、はっとなって凝視してしまう。
「(えっ。あれって……タイチとティシア!?)」
2人が先日別れたというのは、セレナの耳にも届いていた。 だからこそ、彼らが一緒にいることに驚いた。
……しかし、セレナが最初に抱いた考えは、誤りであった。 タイチとティシアは、2人きりではない。 というよりも、タイチの横にも、ティシアの横にも……違う顔がそれぞれ並んでいる。
「……ほーう」
「セ、セレナさん?」
「くくっ。煙(けむ)に巻こうったって、おじさんの目はごまかせないよー。2人とも♪」
「(誰もごまかしてないと思うし、なんで一人称『おじさん』な口調なのかな。かな……)」
……それは今まさに、自分の心の内の口調を考えてみなさい、カズハ(爆)。
ともあれ、ティシア達4人は、同じ机を囲み座ったようだ。 どうやら、タイチとティシアは和解したらしい。 されど、ヨリが戻ったという訳でもなさそうだ。 今……2人の隣には、それぞれ別の相方が存在していた。
そして、彼女もまた……。
「カズハ。待ったか?」
「あ、カイリ君! ううん、全然平気だよ」
やって来たのは、カズハにとっての同級生男子だった。 カズハはすぐに立ち上がって、彼を迎える。
「あら。彼氏の待ち合わせだったんだ? クスクスっ」
いつもの口調に戻ったセレナが、楽しげに笑う。
「え゛。あ、いや……」
これに対して、返答にためらい気味な様子のカイリ。 しかし、それを許さなかったのは、以外にも……。
「……はいっ♪」
満面な笑みで、カイリと腕を組む、カズハであった。
ブラッドフォート発動直後には、その2人にも影響を及ぼしていたらしい。 もっとも、彼らにとっては幸いにも、プラスの影響と言えた。
「……っっ!!? あ……」
誤って転んでいたカイリ。 隣にいた結果、押し倒された形のカズハ。
……これのどこがプラスなのかっ!?
「〜♪」
あれ、なんかカナ先生の鼻歌が聞こえたような? いやいや、気のせいという事にしておこう(ぇ)。
「……!?」
そんな事よりも、カズハが覚えた、身に感じる違和感。 それは、上から覆いかぶさるカイリの手が、自分の胸を思いっきり押しているということ。
ところで以前、作者の雪さんに聞いたことがあります。 もし、PMAでコウとセリンが初めて会った時のような状況に、カイリとカズハがなったとしたら……。 はたしてカズハはどうするのか? 言うまでもなく、その状況というのが現在のこれ。
「っっ!! きゃあああああああああっっ!!(叫)」
答え。 一瞬呆然とした後に赤面し、キャアの如きハイパーボイスで周囲を全滅させる……そうです(爆)。
それでも、まぁ。 小学生の頃から仲が良かったカイリとカズハは、今では中学一年。 異性を意識しだす年頃なのは、言うまでもない訳で……。
「カイリ君は、好きな人いるの?」
「……え。いや……そ、それは……」
そこから、2人の関係は新たな動きを始めたのだという。
いったん終わり
問題: 今回出てきたボイスネタ及びそれを使ったキャラ、そして何のネタかを答えなさい(ぁ)。 ティシアのひぐらしモードなど、本来別のボイスネタをやってるものは除外します。
ほんとはタイチやティシアの新しい相手とかも出したかったし、カイリとカズハももっと書くつもりだった今回。 でもま……また今度でいいやーってことで(オイ)。 正直、話が長くなってくると、そろそろ終わらせたくなってくるんです(駄)。 消化不良分はまたいずれ書くとして、ひとまず今回はこれで終わりにしました。
次回はついに、ブレイカー・ブロックの最終章です。 とうとう発動してしまった『偽・血の神殿(ブラッドフォートU)』。 そして、謎に包まれし『3つのルール』とは!? ……あ、それはまだしばらく謎に包まれてそうですが(蹴)。
“彼”にとっての、抗えぬ定めがついに歯車を回す……!
怖れるのなら、拒んでも良い。
分からぬのなら、逃げても良い。
何が起きても気にならないなら、放っておく権利すらも認めよう。
それでも、歯車は止められない。
目を向けようとも……背けようとも……。
その運命は、終焉に堕ちてゆく……。
【被害状況】
成立CP: カイリ×カズハ ラグナ×(コロナ⇒)ミイ ユウト×ユウナ タイチ×??? ???×ティシア
保留: ネフライト×マリン ダイスケ&ホナミ
破綻: タイチ×ティシア カズキ×ミズキ
【3つのルール】
タマ大附属校を取り巻く、謎多きフラグ。 空間を飛び越え、異世界……即ち本編の世界と表裏一体の、三大法則である。 図書委員ユウナが発見したもので、それぞれ『ルールσ(シグマ)』『ルールγ(ガンマ)』『ルールω(オメガ)』と呼ばれる。
運命そのものと言っても良い存在。 弱点は、宝具『破局すべき契りの符(フラグ・ブレイカー)』。 ただし現状、完全に打破するすべは無い。
【宝具リスト】
『偽・血の神殿(ブラッドフォートU)』
ランク:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:10〜90 最大補足:8000人
『他者暴走・鮮血寝殿』という、よく分からない結界を発生させる宝具。 この度、タマムシ大附属校の全てを包み込んだ。 膠着した恋愛状況下にある人間を溶解し、カナの養分として採取する効果を持つ。 恋愛関係の勢力図に深刻なダメージを与えてしまい、結果プラスにもマイナスにも働く。
『破局すべき契りの符(フラグ・ブレイカー)』
ランク:C 種別:絶交宝具 レンジ:0 最大補足:1人
あらゆる恋人関係を無効化させる惚れ薬。 断じてナイフではない。 服用した者が、直後に初めて見た異性に対して情熱的感情を抱くようになる、一種の精神作用を持つ。 ただし本来はカップルを別れさせる宝具であり、24時間後に必ず破局を迎えてしまう。 この効果で別れてしまっても、独自の力で再びカップルに戻ることは可能である。
『議長と久志(デュランダル)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1〜5 最大補足:3人
ドルが某鍵剣で、宝具の雨あられをやった場合に、ダインスレフやらハルペーやらと一緒に出てくる喋る聖剣。 ヒサシの前世でもある(ボイスも彼と一緒らしい)。 元は天界で最強レベルの力を誇った、コウの前世が使った武器。 伝説(?)では、彼はこの剣を振るい天界統一を果たしたという。
実は今回の話で出す予定でしたが、コウの出番が結局なかったのでお蔵入り。 ネタはFateの武器リストに載ってた宝具と、種デスのデュランダル議長、そしてテイルズオブイノセンスの主人公コウの前世が持つ喋る聖剣デュランダル、およびその声優さんがヒサシのボイスイメージ。
『戦渦突き散らす運命(アロンダイト)』
ランク:D++++++++++++++++++++ 種別:対城宝具 レンジ:1〜9 最大補足:1人
残像と共に紅く舞う、ソウトのデスティニーな片刃両手剣。 元々使ってたエクスカリバーを、オトハにインパルスガンダムごと取られてしまい、仕方なくコレを使う事に(違)。 城(デストロイ)を一太刀で両断する威力を誇る。 ハイパーデュートリオン動力の影響で、本来ありえない程の+補正を搭載。 同時に、上位ランクに対する概念上の劣勢補正を無効化する。
とりあえず、宝具『無毀なる湖光(アロンダイト)』とは完全に別物。 ランクのDは、DestinyのD。
『全て突っ込む桃源郷(アウァロン)』
ランク:EX 種別:対笑宝具 レンジ:1 最大補足:20人
(ファイナルファンタジーの)ギルガメッシュが持っていた、『エクスカリパー』の鞘。 得た者は、血も涙もないツッコミマスターになるという、幻の宝具。 詳しい経緯は不明だが、いつの間にかヒカルの体内に埋め込まれているらしい。 もはや完全にヒカルそのものと融合している為、取り出そうとすると彼は死ぬ!(爆) ちなみに『ヒヨコ』と呼ばれるようになる効果は無いので、そっちは素(ぇ)。
効果は伝染性を持つため、所持者に近い波長を持つ者にも影響を与え易い。 使いようによっては、突っ込み役を無限増殖させられる、究極の一品(何)。
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[446] |
- HIRO´´ - 2008年04月17日 (木) 19時21分
うん?丁度『フラグ・ブレイカー』から2ヶ月?これはアットさん……狙っていたのかな? それはないか(ぁ)
なんか、今回はシクーが哀れでした。 てか、シクーって弱かったんだ。 そして、ソウトはいつの間にか空気に?(ぁ)
と思ったら、ヒカルもいと哀れ。 ツッコミキャラはろくな末路を辿らないらしいですね。
問題が出ているみたいだけど、蒼夜の武器くらいしかわかるネタがない(汗) 今回はネタがわからないものばかりでした(苦笑)
ヴェル「なかなか面白いことしているじゃないの!」
……ここでなんで君が出るの?
ヴェル「あら、私が出てきちゃ悪いって言うの?」
……悪くないけどさ……。 この場合、普通ラグナとかユウナじゃない?
ヴェル「まーいいじゃない!細かいこと気にするんじゃないわよ!」
はぁ……。
ヴェル「どちらにしても、私にはそんな宝具とかは効かないけどね♪」
いや、藪から某に……。 てか、何でやん?
ヴェル「なんて言ったって、私は世界をまたに駆けるクリエイターだから♪」
……全然関係ないじゃん。
ヴェル「要するに、”何でもできる女”ってことよ」
話聞けよ。
ヴェル「どっちにしても、タマムシ学園だけだったみたいだし、私には関係ないわね」
一応ヴェルはヒスイ女子学園だし……。 やっぱ、関係ないなら出てくるなよ。
っと。大丈夫ですね。 後は、翡翠さんが書いてくれれば、3日目を始められる♪ あ、でも、DOCを進めなきゃ。(汗)
それと、ラグナがユウナが殴った件について。 全く問題ないです。 だって、本編でも良くケンカするし。(ぁ)
あれ?今日はちょっと真面目な割に感想になっていないような気が(蹴)
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[447] 追記 |
- アット - 2008年04月17日 (木) 19時24分
書き忘れ。
今回登場したミイですが、本編ではミミに双子などいません(ぇ)。 本編におけるミイは、ミミのコピー体と呼べるぐらいに中身と外見がそっくりな、彼女の娘です。 ボイスイメージも、ミミと同じになってます。
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[449] |
- ガルダ - 2008年04月17日 (木) 22時19分
ブラッドフォート発動、というある意味危険事態なんだが、こっちへの被害は皆無だn(刺 げふっ!?
ミカ「…それはどうでもいいから。」
いや、だからと言ってまたもや刺すんかい…(滅 残HP…85%
さて、状況としては
@既存のCPが一部破壊 A新しいCP成立
の二つか。どちらもさして重要では無いことだが(何)、今回は戦闘もあったようだな。
ミカ「…ってか、あれは狂化というより『暴走』じゃ?」
確かに暴走っぽいが、理論上は(ぇ)違うんだろうな。…もっとも、狂化したら確かに力でねじ伏せることは可能だが、その反面小回りが利かん。 相手によってはこの『小回りが利かない状態』というのが危険な場合もあるな。…っても意味は無いのかもしれないけd(斬 ぐはっ!?
ミカ「…小難しい事はいいから。」
つか、それ(ただの剣)はどこから持って来たんだお前……(ぁ 残HP…55%
一応、この状況は暫く続くようだが、最初の発動時に『学園内にいる全員』に何らかの精神干渉が起きている。 …が、一部は効果を成さない奴も存在はするはず。
ミカ「…精神に何かのプロテクトが掛かってるとか、ガチガチに凍りついてるとか、そういう状態だと意味無さそうね。」
と言っても、今回は一部が一際ぶっ飛んだ行動をとっているせいで更に被害が増えるだろう。 ……もっとも、レンやクミの二人はある種の『無効化する為の何か』を素で持ってるせいで意味は無いな。
ミカ「…で、私もそれは同じ、と。」
あまりここに関係無いからな、何が起きようと何の問題も無い。 …ただお前は以前(カオスディメンジョンの時)のような行動は慎めt(刺→刺→斬で3回ループ むがっ!?
ミカ「…」
そのコンボはやめろ……(瀕死 残HP…19.5%
ミカ「…残りHPが20.0%以下の時にコレを使うと、その相手を一撃で殺す…」
Σお前どこからそれを持って来た!?(滝汗 いやそれ以前にその武器は実存した物だからネタでも何でも無いぞ!?
ミカ「…何か、マンネリ化してきたし、今日はこの辺でおしまいにしようと思って。…『慈悲の一撃(ミセリコルディア)』。」
Σぐはっ!?(死
説明 『慈悲の一撃(ミセリコルディア)』とはダガーの一種で、重装騎兵に限らず戦場で瀕死の負傷兵にとどめを刺して楽にしてやるために用いられたダガーをこう呼ぶようになった。 そこから拝借して『対象の残りHPが20.0%(小数点以下切捨て)以下の時に使うと、一撃で殺す』武器にしてやった。 とりあえずコレはミカに持たせておく。
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[450] |
- 日乃 水葉 - 2008年04月18日 (金) 23時27分
蒼夜「・・・俺、何で巻き込まれたんだ?」
そりゃー、アットさんのノリだよ、蒼夜k・・・ぐはっ!?
蒼夜「ノリだけで巻き込まないでくれませんかっアットさん!」
綺咲「いやいや、そう言いながら何でエクセリオン装備なの?」
それも・・・ノリだろう・・・・・・?
綺咲「あ、復活早いのね、作者・・・(汗)」
当たり前だ!ツッコミ二人に任せとくなんてできるか!! ・・・ってことで私がボケに走ります(ぇ)
ところで・・・・・・・・・・・そんな展開ありですか!?
蒼夜「・・・あれだよな、ラグナの話だよな?」
まぁ一番はそれさ。(ぁ)
ところでさ・・・「膠着した恋愛〜(ry)」効果なんですよね、だったらうちの響香には影響があったのか?(ぇ)
綺咲「Σお兄ちゃんを巻き込むつもり!?」
・・・・・・いやいや、響香の恋愛話については、偉大なるカナ大明神(謎)からの許可を得ているので、この事件は(というか他の事件っぽいことも)関係なく「ほのぼの系CP話」です!!(滝汗)
蒼夜「・・・カナ先生って一体・・・・・・っ!!(赤面)」←事件名:ドラッグパニックでの状況を思い出したw(ぇ)
綺咲「・・・・・・(あぁ、大変だったみたいだもんね(汗)」
蒼夜「・・・・・・・・・・・・・・・まーな色々な(ぼそっ)」
だって、蒼夜ってあの事件の時、(エイが来なかった場合は)後10秒ぐらいしか耐えれなかったらしいからね(爆)
・・・ちなみに、事実です(待て)
綺咲「・・・はぁ・・・(滝汗) ・・・えっと、次回も期待・・・しちゃいけないよね、この状況」
綺咲的にはそうでも、作者どもにとってh(ry)
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